木工で製作中の時計2個はパーツの切り出しと加工がほぼ終わった。組み立てた後になってしまうとやすりがけができない部分を予め紙やすりで研磨していて感じたのだが、木目というのはとてもきれいだ。研磨が進むにつれて木目がより一層はっきりとしてくるのだが、それまでぼんやりとしていたものが、まるで躍りだすかのように感じられる。特に小口の様子が好きだ。自然の造形を眺めていると、それに対して自分が余計なことをしないほうがよいのではないかという気になってくる。陶芸でもそうなのだが、ものが自然にそこにあるべくしてあるようなものを作りたいと思うのである。少し前までは、文字盤をどのようなデザインにしようかなどと考えていたのだが、そこにある木の模様を数字とか時間の刻みに見立てて、手を加えるのは最小限にするのが一番良いのではないかとの思いに変わってしまった。次回はいよいよ組み立てに入る。