2月になってすぐ、勤務先の人事から現在の住処の扱いについてのメールが届いた。巣鴨の住処は形式上は勤務先名義で借り上げた社宅扱いで、給料から家賃が天引きされるという仕組みになっている。退職に伴い、これをどうするかというのである。選択肢は以下の3つ。
甲案:解約して転居する。引っ越し費用と新居の仲介手数料は勤務先負担。
乙案:自己名義に変更する。名義変更手数料が発生する場合は、当該手数料を勤務先が負担。
丙案:新たな勤務先名義に変更する。名義変更手数料が発生し、それが入居者負担となるばあいは、現勤務先が入居者に代わって負担。
解雇通知を受けたときに、住処の扱いについてもっと気をつけておけばよかったのだが、転居の際の引っ越し費用を負担してもらえるということは頭になかったので、自己名義に変更のつもりで、転居先を探すというようなことをしていなかった。今の住処に出会ったときも、ロンドンで住処を探したときも、比較的短期間のうちに見つけることができたので、今回もどうかと思い、今日は午後の早い時間から候補となる地域を歩いてみた。結論から言えば、今日はこれと思うものは見つからなかった。現在の住処の扱いを決めなければいけない時期なので、明日、自己名義に変更ということで手続きを始めることにした。
そもそも今日だけで見つかるとは思っていないので、街の雰囲気と家賃の相場といったものの感触を得ることを心がけた。場所についての条件は至って単純なのだが、最終的には費用の問題があるので新しい住処を見つけること全体としては単純にはいかない。今暮らしている巣鴨という場所は自分が設定した条件との適合性という点では理想に近いので、これを超えるというのは同じ条件では他に無いと思っている。その条件は以下の3つだ。
一、 洪積台地に位置していること
二、 路面電車の電停に近いこと
三、 深夜の交通の便が確保されていること
一つ目は自分のなかの必須条件である。何故、洪積台地かといえば、地震国に生まれ育ったことによる天然の欲求もあるが、暑がりなので風の通りが良い土地ということで必須なのである。今の巣鴨の住処は2009年以来三度の夏を過ごしたが冷房を稼働させた日が1週間を超えたのは2010年の猛暑だけだ。家屋が建て込んでいる地蔵通りに面していながら、洪積台地である上に部屋の四方に窓があるので夏でも快適である。洪積台地の判別には国土地理院の都市圏活断層図が便利だ。東京全体を概観するには中沢新一の「アースダイバー」(講談社)の巻末に付いている「Earth Diving Map」を見るとよい。
二つ目は単なる好みの問題だ。以前にもこのブログに書いた記憶があるのだが、子供の頃から鉄道が好きで、歳を重ねてからは路面電車のような街中の風景に溶け込んでいるものへの関心が強くなった。本当なら、線路脇の古いアパートのようなところで、電車が通るたびに振動するような部屋で暮らしたかったのだが、そういうものはありそうで無いものだ。
三つ目は今の住処を探していた時の仕事が夜勤だったので、終電の時間が遅い路線の沿線である必要があった。都内で終電の時間が遅いのは地下鉄や一般の私鉄よりもJR主要通勤線、なかでも中央線、京浜東北線、山手線ということになる。ちなみに、東京駅でのこれら3線の終電は中央線が0時35分発の三鷹行き、京浜東北線北行きは0時40分発の赤羽行き、南行きは0時40分発の蒲田行き、山手線内回りは0時38分発の池袋行き、外回りは1時03分発となる。
これら三条件のなかで路面電車というのが地域の絞り込みの最強条件となる。都内を走る路面電車は都営荒川線と東急世田谷線の2路線だけだ。この沿線で洪積台地上の乗り換え駅は、都営荒川線なら鬼子母神(東京メトロ副都心線雑司ヶ谷駅)と庚申塚および新庚申塚(いずれもJR山手線巣鴨駅、都営三田線西巣鴨駅、同巣鴨駅)だけだ。雰囲気として東池袋四丁目(東京メトロ有楽町線東池袋駅)が近くにサンシャイン60という地盤の強さを求める高層建築物があるので洪積台地のように感じられるが、残念ながらこのあたりは沖積低地、しかも谷地である。東急世田谷線のほうは三軒茶屋(東急田園都市線)と豪徳寺(小田急本線)だけだ。これに三番目の条件を重ねると巣鴨しか残らないのである。
次の住処は、おそらく三番目の条件が差し替えになるだろうから、そのあたりを検討して決めようと思う。
甲案:解約して転居する。引っ越し費用と新居の仲介手数料は勤務先負担。
乙案:自己名義に変更する。名義変更手数料が発生する場合は、当該手数料を勤務先が負担。
丙案:新たな勤務先名義に変更する。名義変更手数料が発生し、それが入居者負担となるばあいは、現勤務先が入居者に代わって負担。
解雇通知を受けたときに、住処の扱いについてもっと気をつけておけばよかったのだが、転居の際の引っ越し費用を負担してもらえるということは頭になかったので、自己名義に変更のつもりで、転居先を探すというようなことをしていなかった。今の住処に出会ったときも、ロンドンで住処を探したときも、比較的短期間のうちに見つけることができたので、今回もどうかと思い、今日は午後の早い時間から候補となる地域を歩いてみた。結論から言えば、今日はこれと思うものは見つからなかった。現在の住処の扱いを決めなければいけない時期なので、明日、自己名義に変更ということで手続きを始めることにした。
そもそも今日だけで見つかるとは思っていないので、街の雰囲気と家賃の相場といったものの感触を得ることを心がけた。場所についての条件は至って単純なのだが、最終的には費用の問題があるので新しい住処を見つけること全体としては単純にはいかない。今暮らしている巣鴨という場所は自分が設定した条件との適合性という点では理想に近いので、これを超えるというのは同じ条件では他に無いと思っている。その条件は以下の3つだ。
一、 洪積台地に位置していること
二、 路面電車の電停に近いこと
三、 深夜の交通の便が確保されていること
一つ目は自分のなかの必須条件である。何故、洪積台地かといえば、地震国に生まれ育ったことによる天然の欲求もあるが、暑がりなので風の通りが良い土地ということで必須なのである。今の巣鴨の住処は2009年以来三度の夏を過ごしたが冷房を稼働させた日が1週間を超えたのは2010年の猛暑だけだ。家屋が建て込んでいる地蔵通りに面していながら、洪積台地である上に部屋の四方に窓があるので夏でも快適である。洪積台地の判別には国土地理院の都市圏活断層図が便利だ。東京全体を概観するには中沢新一の「アースダイバー」(講談社)の巻末に付いている「Earth Diving Map」を見るとよい。
二つ目は単なる好みの問題だ。以前にもこのブログに書いた記憶があるのだが、子供の頃から鉄道が好きで、歳を重ねてからは路面電車のような街中の風景に溶け込んでいるものへの関心が強くなった。本当なら、線路脇の古いアパートのようなところで、電車が通るたびに振動するような部屋で暮らしたかったのだが、そういうものはありそうで無いものだ。
三つ目は今の住処を探していた時の仕事が夜勤だったので、終電の時間が遅い路線の沿線である必要があった。都内で終電の時間が遅いのは地下鉄や一般の私鉄よりもJR主要通勤線、なかでも中央線、京浜東北線、山手線ということになる。ちなみに、東京駅でのこれら3線の終電は中央線が0時35分発の三鷹行き、京浜東北線北行きは0時40分発の赤羽行き、南行きは0時40分発の蒲田行き、山手線内回りは0時38分発の池袋行き、外回りは1時03分発となる。
これら三条件のなかで路面電車というのが地域の絞り込みの最強条件となる。都内を走る路面電車は都営荒川線と東急世田谷線の2路線だけだ。この沿線で洪積台地上の乗り換え駅は、都営荒川線なら鬼子母神(東京メトロ副都心線雑司ヶ谷駅)と庚申塚および新庚申塚(いずれもJR山手線巣鴨駅、都営三田線西巣鴨駅、同巣鴨駅)だけだ。雰囲気として東池袋四丁目(東京メトロ有楽町線東池袋駅)が近くにサンシャイン60という地盤の強さを求める高層建築物があるので洪積台地のように感じられるが、残念ながらこのあたりは沖積低地、しかも谷地である。東急世田谷線のほうは三軒茶屋(東急田園都市線)と豪徳寺(小田急本線)だけだ。これに三番目の条件を重ねると巣鴨しか残らないのである。
次の住処は、おそらく三番目の条件が差し替えになるだろうから、そのあたりを検討して決めようと思う。