熊本熊的日常

日常生活についての雑記

経過良好

2012年02月17日 | Weblog
先週手術をした下肢静脈瘤の術後経過観察のためクリニックを訪問。予約の時間を30分ほど過ぎてからようやく順番が回ってきたところを見ると、問題のある人が私の何人か前にいたようだ。少なくとも私の直前3人はトントンと進んでいた。私自身も診察室に入ってから、診察を終え、会計を済ませるまでに15分程度しかかからなかった。経過は順調とのこと。術後1週間はシャワー浴しかできなかったが、今日からは入浴も可能となった。次回の診察は2週間後。

今日は午後の比較的早い時間に就職の面接があって、昼をクリニックの近くで済ませるか、とりあえず面接場所近くに移動してから食べるか、少し迷った。近頃は人身事故などで電車が止まることが多いので、とりあえず面接場所近くに移動すべくクリニックの最寄り駅へ向かう。改札を通ろうとした直前、視界の左隅に派手な建物を感じた。改札へ向かう人の流れから外れてその建物のほうへ向かう。台湾料理という看板を掲げた店だった。12時台で駅前だというのに店内には客が2人しかいない。これは入るしかないと思い、赤い戸を開けて「こんにちは」と中に入る。入口のところに写真入りのメニューがあり、店内に入る前に鶏肉と野菜の炒め物の定食と決めていた。フロア担当も厨房も中国の人らしく、楽屋話は中国語だ。しばらくして出て来たのは、なんとなく見覚えがある定食だ。大根と青菜のスープが付いていたが、これは確かに覚えのある味だった。

以前、茅場町で働いていた頃、昼食圏はかなり広めで、日々おいしい店の開拓に努めていた。エクセルで表を作り、そこに店名、住所、寸評をまとめて社内に回覧していた。茅場町で勤務していたのは1996年夏頃から1998年夏頃までだったが、かなり大きな表になっていたと記憶している。退職するときに派遣社員の人たちにファイルごとあげてしまった。当時、人形町に台湾人姉妹が営んでいた小さな食堂があった。私がその店を知った頃はランチ時間帯は姉がひとりで切り盛りしていたが、後に息子さんが中学を受験するのでその世話に専念するとのことで、妹さんと弟さんに交代した。なんとなく姉さんがひとりで切り盛りしていた頃のほうが旨かったように思ったが、妹弟コンビになってからも頻繁に足を運んでいた。その店の定食で大根のスープが出ることがあり、そのスープを思い出した。

不思議なもので、台湾にはその後頻繁に出かけるようになった。きっかけは1999年9月21日の大地震だ。地震のはるか以前から9月末から1週間程度の予定で出張することになっていたのだが、地震で同行するはずだった人たちが次々と出張予定を取り消してしまい、最終的に私を含めて3人で出かけることになった。出張先は新竹の半導体工場群だ。地震後10日ほどしか経過していなかったので余震が続いており、宿泊先のホテルも訪問先の企業も程度の差こそあれ何がしかの被害を受けていた。それでも関係者の皆さんがそれぞれに尽力して下さったおかげで大きなスケジュール変更もなく出張を完了できた。その時にお会いさせて頂いた方々がそれぞれに復興へ向けて奮闘されているご様子を目の当たりにしたときの頼もしい印象が忘れられず、その後も3ヶ月毎くらいに足を運ぶようになった。それは私のほうの状況が大きく変化して台湾との縁が希薄になってしまう2001年夏頃まで続いた。

そんなわけで、街で「台湾」とか「台湾料理」という看板に出会うと、なんとなく足がそこへ向いてしまうのである。最後に台湾を訪れたのはいつのことだっただろうか。2001年であることは間違いないと思うのだが、今となっては遠い昔のことになってしまった。

さて、就職の面接だが、今日訪問した先はこれで3回目だ。前回が役員面接で、今回は課題を与えられて、それに対する自分の見解を語るという試験のようなものだ。全体の雰囲気としては事がうまく運んでいると私には見えるのだが、相手のある話なので、実際のところがどうなのかは私にはわからない。そろそろ結論を頂きたいところだ。

面接の後、その結果をこの面接をアレンジしていただいた人材紹介会社の担当者にメールを書いて送る。持参しているiPadには前職の直属ではない上司から先日紹介してもらった別口の面接の進捗状況を尋ねるメールが入っていたので、それにも返事を書く。その上司からの紹介案件については、先週、彼の知り合いらしい米国のエライ人と電話で話をし、今週に入ってその下にいて香港で働いている別のエライ人と電話で話をし、来週は米国や香港とは別系統のエライ人と都内でお目にかかることになっている。世の中の景気のほうは多少明るさも見られるようだが、総じて厳しいことに変わりはないと言えるだろう。そうしたなか、自分の周囲にあれこれと世話を焼いてくれる人たちが存在するということが何よりも嬉しい。

メールを送信した後、出光美術館で三たび山田常山展を観る。今日は金曜なので閉館時間が普段よりも2時間遅い午後7時だ。丸の内カフェでの講演会の際に本展の招待券をいただいたので、今日も飽きずに足を運んだ。美しいものは何度観ても飽きないものだ。