栗野的視点(Kurino's viewpoint)

中小企業の活性化をテーマに講演・取材・執筆を続けている栗野 良の経営・流通・社会・ベンチャー評論。

デル14型ノートパソコンのバッテリーを交換する。

2023-04-07 17:18:03 | 視点

 2019年4月にデルの直販サイトで買った14型ノートパソコン(Inspiron5480)のバッテリーの

持ちが悪くなり、頻繁にバッテリーを交換するようにというメッセージが出るようになり、

満充電でも1時間ほどしか持たなかくなった。

 買った時の価格は2%シニア割り引きを活用して税込み約8万円。

ノートパソコンは大体5、6年で買い替えてきたから、買い替えるかどうか考えたが

4年はちょっと早すぎる。まだ後1、2年は十分現役で使える。

Windowsも11にアップグレードしているし。

それならバッテリーを交換するしかないがメーカーに持ち込むといくらになるのか。

もし、3万円もかかるならAC接続で後1年余りは使い続けた方がいいだろう。

どうせ今でも外出時に持ち歩いてはいないからバッテリーでなくAC接続でもほとんど問題ない。

そう考えたが、それでも一応バッテリー交換が可能なのかどうか、可能だとすれば純正品ではなく

互換性バッテリーでいくらぐらいなのかをネットで調べてみた。

 昔はノートパソコンのバッテリーは簡単に取り外しができたから

AC接続する場合はバッテリー保護のためバッテリーを取り外して使っていた。

だが、最近のノートパソコンはバッテリーの取り外しが出来なくなっているだけでなく

メモリーの増設さえできない。

正確に言えばメモリーの増設ができないわけではないが、自分で増設すると改造と見られ

メーカー保証が受けられなくなる。

 ネットで調べると互換性バッテリーがあったので買おうと思ったが

純正品もあるのかどうかをデルのHPで見ると、デルは純正バッテリーを販売していた。

ということはバッテリーの交換をメーカーが認めていることになり

バッテリーを交換しても改造にはならず、メーカー保証は引き続き受けられるということになる。

といっても、メーカーの延長保証には入ってないからメーカー保証期間はすでに切れているが。

 そこでデルのサポートにネットで注文した。

この時重要なのは機種名を正確に伝えることだ。

私の場合は「Inspiron5480」。

バッテリー価格は1万円。

互換性の方が少し安かったが純正バッテリーの方が安心なのでデルに注文。

在庫が1つあったと言われ、3日程で送られてきた。

 箱を開けると、こんな感じでバッテリーが入っていた。

中身に対し箱が2.5倍ほど大きい。

  次はノートパソコンの裏蓋を外す作業。

ノートパソコンを裏返し、止めてあるビスをすべて外し、裏蓋をはぐる。

スマホの裏ぶたを開けたことがある人なら分かると思うが、同じ要領だ。

ただ少々硬い。特に私のノートパソコンは外しにくかった。

裏蓋の隙間に本体を傷つけないようにプラスチック製の少し厚みがある

定規のようなものを差し込んで捻るようにしながら少しずつ外していく。

これが一番緊張する場面で、裏蓋のプラスチック製品がひび割れたり壊れたりしないかと

ドキドキしながら作業した。

作業時間もここが一番かかったが、とにかく焦らず、ゆっくり、丁寧に行うこと。

 裏蓋がうまく外れれば下のようになる。

 上の写真、画面右下に「DELL」の文字が見える長方形のものがバッテリーだ。

 バッテリーを本体に固定しているネジを取り外した状態。

バッテリーはまだコードで本体と繋がっている。(白い矢印の部分)

バッテリーと本体をつなぐコードを引き抜き、取り外した。

これは差し込んであるだけだから水平に引けば簡単に外れる。

注意する点はあくまで水平に引き抜くことで、捻ったり曲げたりすると

今度は差し込めなくなるだけでなく、バッテリーから電流が流れなくなる。

 新しいバッテリーをコードでつなぎ、元のようにネジで固定する。

後は取り外した裏蓋をパチパチッと取り付けていけばおしまい。

無理に押し込むのではなく、端から順にパチッとはめ込んでいけばいい。

取り外す時よりははるかに楽に行く。

ノートパソコン本体と取り外したバッテリー。

作業が終わり、AC接続し充電。充電時間は2、3時間か。

 


y.uモバイルのメリットは永久不滅ギガだけではない。

2023-03-18 21:14:10 | 視点

 スマートフォン(スマホ)を使いだしてからずっとドコモやauのキャリアでは

なく格安SIMを使っている。今使っているのはy.uモバイルで契約して1年になるが、

実感したのは同社のSIMが自分の使い方には一番ピッタリだということと、

y.uモバイルは太っ腹で利点が多いということ。

最後にたどり着いたy.uモバイル

 昨年1月26日のNo.756では「y.uモバイルを勧められない最低3つの理由」と題し

て記事を書いたが、その時に挙げたのは次の点だった。

 1.ヤマダ電機グループ(ヤマダ電機、ベスト電器)の店頭で即日加入手続きができない。
 2.問い合わせはメールのみで、電話もチャットもなし。
 3.最初にU-NEXTへの登録が必要など加入手続きが少し面倒

 それから1年使用してみて評価は大きく変わった。冒頭に書いたように私の使い

方にはy.uモバイルがピッタリで、利点も多く、これに勝るところはないことが分かったのだ。

 格安SIMを選ぶ時、私が重視しているのは利用料金が安いこと。

安いと言っても内容は色々で、

①初期費用が安い、②毎月のランニングコストが安い、③契約後半年とか1年間だけ安い、

④追加ギガ数料金が安い、⑤5分とか10分かけ放題料金が安いなどと分かれるが、

安さを全面に出してPRしているところには回線速度が遅いところもある。

また高速、低速モードの切り替えがあっても低速モードが使い物にならないところも

あるなど、目先の「安さ」にだけ釣られるのではなく、多方面からチェックし総合

的に判断した方がいい。

 過去、フリーテル、マイネオ、BICSIM、iijmio、楽天モバイルなどを使用してきたが

今ひとつピッタリこなかった。


 例えばフリーテルは使ったギガ数に応じて料金が毎月変動する段階制で気に入って

いたが、楽天モバイルに吸収され料金システムが変わったので他社に乗り換えた。

 BICカメラのBICSIMは「ぎがぞう」というWiFi接続アプリが利用できる点がメリット

だったが街中でWiFiに接続することが多くなく、さほどメリットを感じられなかったので、

最初1年間のBICSIM料金割り引きが終了した時に他社に乗り換えた。

 マイネオは「フリータンク」「パケット放題」という独自システムが面白く、

特に定額で使い放題の「パケット放題」が気に入り使っていたが、iijmioが料金を

下げて安くしたので、それに釣られてiijmioに乗り換えたが、実際に使ってみると

ギガ数を消費しない低速モードが使い物にならなかったのと、通常回線も混んで

いて速度が遅かった。

 速度の遅さにイライラがつのり精神的によくなかったので半年程で契約を解除した。

 その間に「1ギガ未満の使用なら1年間無料ですから」という言葉に釣られ、

楽天モバイルSIMを使った。ただし、この時は乗り換えではなく併用。

そのためスマホを常時2台持ち歩くという不便があった。

それでも楽天モバイルが「1ギガ未満ゼロ円」を止めて有料に値上げしたのを契機に解約。

 解約の主理由は電波状態。

繋がらない箇所が多すぎたし、通話品質も悪く、電話相手から「声が割れて聞こえる」

などと指摘されていたので、他社を解約して楽天モバイル1本に絞るのは危険すぎ、

あまり使えない楽天モバイルを躊躇なく解約し、y.uモバイルに1本化した。

y.uモバイル最大のウリは永久不滅ギガ

 y.uモバイルの特長であり、最大のウリはその月に使い切らず余ったギガ数が

永久に消滅しないことだ。

 他社の場合、使い切らず余ったギガ数は翌月に繰り越すことができるか、

繰り越せるのは翌月までで、それ以降は消滅する。

y.uモバイルのように残ギガ数が永久不滅なところはないので、これは同社独特の

突出したメリットである。

 例えば私のように2拠点生活をしていたり、月によって消費するギガ数が

一定せずに上下する人は消費したギガ数分だけ支払う変動制か、余ったギガ数が

永久に消滅しないy.uモバイルの制度は大いに助かる。

 私は普通の時は1ギガ未満しか使わないが、インターネット回線がない

実家滞在中はスマホのテザリング接続でPCを使用している。

すると最低でも16ギガは消費してしまう。

 格安SIMの多くは3ギガか5ギガを標準にしているが、y.uモバイルは5ギガ

一択で、他社のように契約ギガ数を1ギガとか3ギガ、あるいは10ギガなどと

選べるわけではない。5ギガだけだから契約時に悩まなくてもいい。

 月5ギガは多すぎると思っても余ったギガ数はなくなることがないので

貯金しているようなものだ。

もし必要になれば手続きなしで消費することができるのは便利だ。

 私の場合だと通常の月は1ギガ未満しか使わないから3か月目には14ギガ

使えることになる。それでもし月末近くに足りなくなれば1~2ギガチャージすればいい。

 1ギガのチャージ料は330円と安い。

因みに他社では1ギガ550円のところが多いからy.uモバイルのチャージ料は安いと言える。

1、2ギガ分だけ追加するのもいいが、10ギガまとめてチャージすれば

半額の1650円に割り引かれる。

ところが2021年10月以降さらに安くなり1200円へ値下げされた。

 ある月、14ギガで足りなくなったので10ギガまとめてチャージしたが

追加料金は1200円。しかも使い切らなかったギガ数は貯金して永久不滅。

これでネット回線がない場所でのPC使用もスマホのテザリングで残ギガ数を

気にしながら使わずに済み、精神的には随分楽になった。

X'masプレゼント、長期継続利用特典で34ギガ

 実は1年前までy.uモバイルを乗り換え先として考えたことがなかった。

たしかにギガ数永久不滅は魅力だったが、毎月の料金は他社に比べてそれほど安くはなかったからだ。

 ところが既述したように2021年10月から料金を大幅に下げたため、

コストパフォーマンスが大きくアップし、乗り換え先の有力候補に上がってきた。

 y.uモバイルの料金体系はほぼ5ギガ一択と考えていい。

料金は通話SIMで5ギガ未満がそれまでの1,639円から1,070円に、

10分かけ放題は858円から550円に大きく値下げされた。

 10分かけ放題料金は850円という格安SIM会社が多く、

同社の550円は最安料金である。

 さらに追加の1ギガチャージ料金は330円というのは既述した。

 すると月の利用料金は5GB(1,070円)に10分かけ放題(550円)を

付けても1,620円で済む。

 低価格で使いやすいマイネオの場合は5GB1,518円+550円(10分かけ放題)=2,068円。

 このようにy.uモバイルは永久不滅ギガ数だけでなく、毎月の料金も安く、

私のように月の使用ギガ数が変動する使い方にはピッタリきた上に価格も

安いので使い続けていたが、昨年12月に驚くことがあった。

 なんと「クリスマスプレゼント」で24GBチャージされた。

予期せぬプレゼントに太っ腹と感心したが、それだけではなかった。

利用開始から1年になる1月28日に「長期継続利用特典」として

10GBのチャージをするというメールが届いた。

 クリスマスプレゼントと長期継続利用特典を合わせると34ギガが無料で貰えたのだ。

盆と正月が一緒に来たという言葉があるが、クリスマスと正月が一緒に来て

プレゼントとお年玉を貰った気分。

 もちろん、いずれの場合もギガ数は永久不滅。

 ただ、この両企画が毎年実施されるのかどうかは分からないがy.uモバイルの

太っ腹に「こいつは春から縁起がいいや~」と言いたくなる。

 y.uモバイルもその辺はもう少しPRしてもいいのではと思ったが、大々的に

打ち出さないところを見ると継続的な企画ではないからか、「ゼロ円」を廃止した

途端に契約解除が相次いだ楽天モバイルの二の舞いのようなことになりたくないからか。

その辺りのことはよく分からないが、いろんな価格、サービスの値上げが相次いで

いるだけに同社のプレゼントに感謝したい。


ダイソーの1,000円ワイヤレスイヤホンが十分使える。

2023-02-09 17:19:31 | 視点

 ダイソーと言えば100均ショップというのは今更説明するまでもないだろうが、

近年は100円とバカに出来ない商品が多いことでも知られている。

また最近は100円だけではなく200円、300円の商品も増えており、

時々300円の「高額」商品を買ったりもしているが、1000円(税別)まであったのには驚いた。

というよりダイソーでワイヤレスイヤホンが1000円で売られていることに驚いたというのが正しい。

有線イヤホンは使っているが、コードが邪魔になることがある。

動いているとコードが上着などの着ている物に擦れ、先方に雑音として聞こえるらしいのだ。

「この音、何?」と時々言われる。

案外耳障りな音らしい。

そこでコードレスのイヤホンが欲しいなと思っていた。

だが1万円以上もするようなものは買うつもりがなく、もう少し安いものがあればと思っていた。

それである時、ダイソーに寄った時、店内をウロウロしながら見ていると、ワイヤレスイヤホンが目に止まった。

価格hが1100円(税込み)。

まさか1000円ワイヤレスイヤホンなど使えないだろうと思ったが、それでも1000円なら

仮に失敗した買い物でもそう惜しくはない。

用途は電話用中心だから、そう音質にこだわるわけではない。

だが、両耳装着しなければ使えないタイプだと困る。

通話の場合は片耳装着で、両耳に装着しては使わないからだ。

そこで店員に、このイヤホンは左右独立で、片耳だけでも使えるかどうか尋ねてみた。

すると、その店員が調べてくれて、片耳だけでも使えますと教えてくれたので、それならと買った。

開封し試してみると、左右どちらでも片耳だけ装着して使えたし、音は大きく聞こえるし、相手側の音質も問題なしと言う。

つまり通話用なら何も高いワイヤレスイヤホンを買わなくてもダイソーの1000円イヤホンで十分と分かった。

実はダイソーのワイヤレスイヤホンが十分使えることが分かったので、替えを買うことにした。

今度はネットで探し、3000-4000円台のものが1000円台に割り引かれていたものを買ったが

通話の相手方の反応はよくなかった。

音が少し小さいと言う。

室内の静かなところで受けている時は問題ないが、外出中などだと周囲の騒音があるので聞こえにくいと言う。

ダイソーのワイヤレスイヤホンの方がいいと言うのだ。

これには少し驚いた。数1000円とは言え、高い方が聞こえが悪いというのだから。

ただ全く問題がないわけではない。

ダイソーのワイヤレスイヤホンは写真でも分かる通りコロッとしている。

しかもイヤーパッドがストレートで引っかかりがない。

そのため喋っていると顎を上下するからだろう、ポロッと耳から外れて落ちることがよくある。

室内だと外れて落ちても探せるが、屋外で落ちると見つからないこともあるだろう。

そのためダイソーの1000円ワイヤレスはもっぱら室内専用で使っているが、

通話用には申し分ないし、音質にうるさく、こだわる人でなければ音楽用にも十分使える。

ダイソー、恐るべし。

 


毎日新聞デジタル版は25日に続き26日朝刊も無料開放

2023-01-26 09:45:53 | 視点

 毎日新聞の閲覧アプリ「ビューアー」を使えば紙の毎日新聞紙面を見るのと同じ形で

紙面を1面から順に見て読むことができるが、昨25日朝刊に続き、本日26日の朝刊も

無料で開放されている。

アプリ「ビューアー」はgoogleの「Play ストア」からダウンロードすることができる。

本来このアプリで毎日新聞を読めるのは有料契約者のみだが、この1両日は大阪以西が

「雪の影響で新聞の配達が遅れているため、大阪・西部本社版の朝刊を開放しています」

とテロップが流れ、大阪本社版と西部本社版(九州一円をカバー)を、そのエリア外の人間でも

読むことができるのだ。

災害時などに離れた地域の情報を知りたい時などに大いに役立つと感じる。

新聞は「天下の公器」というメディアの役目を認識し、採算度外視して対応する毎日新聞の姿勢を評価したい。

 

 


デジタル版毎日新聞と朝日新聞の違い。

2023-01-25 11:33:56 | 視点

 新聞を取る人が減り、紙の新聞が売れなくなってから久しい。

原因はデジタル、ネットの普及で簡単なニュースはネットで、特にスマホの普及でいつでもどこでも

ちょっとした時間に手のひらの中の小さな板で読めるようになり、わざわざ紙の嵩張る新聞を読む必要がない

と考える人達が増えたことが大きい。

実際、60代ですら自宅で新聞を取らず、職場でも新聞を読まない人が多い。

そのため各新聞社はデジタル版に力を入れ、有料にして稼ごうとしだした。

新聞紙を1面から順に読めるような形で配信するものと、そうではなくウェブニュースの形態で

見出しと本文が1つずつ読めるものの両方を配信している。

 当初、各社とも無料で読める記事が結構あったが、徐々にというか急速にほとんどの記事を有料にし

無料で読める記事をほとんどなくしていった。

特に朝日新聞は。

 朝日新聞のやり方はどうかと思うが、約1年前にデジタル版をビックリするほど大幅に値上げした。

比較的低料金で読めたいたシンプル版を名前を変えただけで料金を大幅にアップしたばかりか

その料金で読める記事本数を減らすという二重の値上げをし、現在、無料で読める記事はほぼないに等しくなっている。

 朝日新聞のこうしたやり方に反発して、私は朝日新聞デジタル版を解約した。

朝日新聞以前から毎日新聞の有料デジタル版を読んでいたので、毎日と朝日の2紙から毎日1紙に変えたことになる。

 朝日に比べて毎日新聞社が偉いなと思うのは災害時にデジタル版紙面の無料開放を行っていることだ。

例えば本日。

山口・九州地方をカバーしている西部本社版のデジタル紙面は雪の影響で新聞配達が遅れるかもしれないと

西部本社版デジタル紙面が無料で読めるようになっている。

数年前、中国地方が豪雨災害に襲われた時は大阪本社版を無料で開放した。

 一方の朝日はといえば、本日の西部本社版は相変わらず有料のままだ。

少しは毎日新聞を見習え! と言いたい。

 


色づくモミジ

2022-11-10 23:03:07 | 視点

 各地でモミジが色づき始めた。

真っ赤に染まったモミジもいいが

緑色から黄色、紅色へと変化する過程のモミジを見るのも楽しい。

 

 撮影場所:山口県長門市・大寧寺


南島原市でキリシタン墓碑を探し歩いた結果

2022-11-04 06:28:55 | 視点

 島原市で1泊した翌日、車で原城跡へ向かう途中、南島原市の地図に

「キリシタン墓碑」と記された箇所が何か所か目に付いたので、1、2か所に

寄って行こうと考え、国道からあまり離れていない所に寄ってみることにした。

小川(こがわ)キリシタン墓碑と有家セミナリヨ跡で、南島原市の地図に明記されている

くらいだからすぐ行けるだろうと思ったが、これが大違いで大変な目(?)に遭った。

地図を見ても国道から入る箇所がよく分からなかったので、取り敢えず車を南島原市役所に止めた。

その日は土曜日で役所は休み。尋ねようと思っても庁舎は閉まっている。

と、たまたま庁舎の駐車場に入ってきた人が目に付いたので、南島原市の地図を片手に車から降り

急ぎ呼び止めて尋ねた。

「済みません。この近くにキリシタン墓碑があると思うんですが、どう行けばいいでしょうか」

「キリシタン墓碑? あちこちにあるにはあるが・・・」

持っている地図を見せながら、「ここに小川(こがわ)キリシタン墓碑とあるでしょう。

これが近くだと思うんですが」

「ああ、小川キリシタン墓碑ね。たしかあの辺りに案内板が出ていたね。でも車では行けないかも」

どうやらそこに行くには道が狭いし、入り組んでいるから車は難しいと言う。

因みに歩けばどれくらいかと尋ねると15分ぐらいだとのこと。

それなら歩いて行きます、と返事し、教えられた方角に向かった。

まず最初に見つけたのが上の写真の「有家セミナリヨ跡」。

これは国道沿いだったのですぐ分かったが、想像と異なりあまりにもこじんまりとしていた。

セミナリヨとはキリシタン神学校のことだから学校跡。

なのにあるのは4柱の石塔のみ。

石塔に刻まれた花飾り十字がわずかに見て取れ、それがこの石塔がキリシタンのものだと教えてくれている。

 国道を挟んで有家セミナリヨ跡の向かい側に「小川キリシタン墓碑はこの先」という案内が建っていたので、

矢印が示す方向に歩いて行くと、途中の道角などに案内があり、それに導かれながら歩いて行った。

ところが、「この先」と記された案内を最後にプッツリ消えた。

普通なら、ここが小川キリシタン墓碑と記された案内板があるはずだが、それが見当たらない。

だから、さらに歩いて行くが、いくら周囲を探し歩いても案内板はどこにも建ってない。

まるで狐につままれたように突然消えたから参った。

歩く範囲を広げウロウロしているうちに目に付いたのが海岸沿いに一列に並んだ石塔。

海の向こうを見るように一列に並び、逆光で光を背にして浮かぶ影はどこか神秘的にさえ見えたし

石塔の上に十字架めいたものも見えたから、これこそキリシタン墓碑。

さすが地図に載せるだけのことはあると喜び、その時までに歩き疲れていた足を急がせた。

海岸まで歩き海側から見て、ん? 違うかも、と思った。それはどう見ても仏式の墓地だったからだ。

墓石を丹念に見ても十字架はどこにも刻まれてなく、読めるのは仏式の戒名。

直ぐ側にお寺があったから、どうやらその寺の墓地らしい。

では、キリシタン墓碑はどこにあるのか。

 これも遠目にはキリシタンの墓石かと思ったが、近付いてよく見ると恵比須様を祀ったもの。

すぐ側が海だから豊漁を願う漁師達が建てたものだろう。

 

 もうこの周辺だけで40分余りも歩き回っている。歩き疲れたし原城跡に着く時間も遅れるから

引き返そうとした時、運よく民家に人影を見、「すみませ~ん」と声を掛け

「この辺りに小川キリシタン墓碑があると思うんですが、場所が分からなくて」と尋ねる。

「たしか個人のお宅の庭の中で、分かりにくいと思いますけど、ちょっと開放されたようにはなっています。

それにしても訪ねて来られた人は今までいなかった。あなたたちはキリスト関係ですか」

いやいや、そうではありませんよ。たまたま南島原市の地図に載っていたから来てみただけです。

話しぶりからどうもご自分の目で確認したことはないようだった。

そういえば最初に道を教えてもらった人も案内板は見るが、実物は見たことがないと言っていた。

それを外部の人間が訪ねていくのだから余程の好き者と思われたに違いない。

 結局、場所は最後の案内板が建っていたすぐ近くの角の家の庭で、もしかするとここかもと考え、見た所だった。

ただ、そこにあったのは写真の不動明王像。

いくらなんでも不動明王とキリシタンは関係ないだろうと通り過ぎたが、話から判断してその場所しかない。

地元の人すらよく知らない場所で、案内板もそこに建ってないということは家主がキリスト教とは関係がなく、

人が訪れるのを極端に嫌い、恐らくかつては存在したであろう案内板も撤去したのではないかと想像される。

それなら市の地図に明記するのはやめて欲しいものだ。

地図に描かれてなければ、ここまで探し回ることもなかった。

南島原市の不親切な対応が少々腹立たしかった。


公共交通について考える~地方を切り捨てるJR(4)

2022-10-24 15:00:32 | 視点

路線廃止の前に発想の転換を

 地方の人口減少、街の構造変化により、鉄道が果たす役割はある部分で終わったとも言える。

大量輸送の時代から中量・少量輸送に変化し、JR自体もコンパクトな体制に変化すべき時だろう。

常に大量輸送を念頭に置き赤字の一部負担を地方自治体に求める体質は改めるべきだ。

 では輸送手段としての鉄道の役割は終わり、赤字区間は廃止にすべきかと言えばそうではないだろう。

輸送を人員から貨物へと変換し、貨物輸送の比率をもっと増えすべきだと思うがいかがか。

 少貨物輸送は現在、トラック中心だが環境問題の観点からしても鉄道の方がいい。

貨物輸送と言えばコンテナ等を積んだ20両編成かそれ以上の車両による大量輸送をすでに実施していると

言うかもしれないが、それはそれとして残しつつ、新たに中量・少量輸送を開始すればいいではないか。

 現在の運行車両に少量貨物も載せ、「人+貨物」輸送車両として運行する。

人と貨物の比率はどちらが多くてもいいだろう。

人と貨物の混在車両というジャンルを新たに創出すれば「地域の足」としての役割部分も多少は残せる。

 駅から先の輸送は運送業者に任せれば、彼らの仕事を奪うことにもならないだろう。

 もう1つは観光・イベント列車への移行である。

観光=豪華列車という発想は止めるべきだ。

豪華列車でなくても観光はできるし、工夫・企画次第で楽しくユニークな観光はいくらでもできる。

 速く走らせればいいわけではない。むしろ鈍行列車か快速列車程度の方がいい。

 イベント列車と言えば夏はビア列車、秋はワイン列車というのもいいだろうが、

もっと地方と連携し、地域おこしに繋がるイベント・観光列車を走らせるべきだ。

 例えば姫新線・智頭急行線の停車駅に佐用駅(兵庫県佐用町)がある。

佐用町は休耕田を利用したひまわり畑が有名だ。

ひまわり畑と言えばソフィア・ローレンの「ひまわり」を思い出す人も多いだろう、特に今年は。

あの映画の舞台がウクライナだっただけに。

 ラストシーンで映し出された、どこまでも広がるひまわり畑。

悲しいラストシーンにもかかわらず、あまりにも美しいひまわり畑に惹きつけられた人は多いと思う。

そして今、舞台も同じウクライナ。

時代を超えて重なりすぎている部分が多いだけに、今夏は佐用町のひまわり畑を観に来る人は

例年以上になりそうな予感がする。

 元々、佐用町のひまわり畑は有名でバスツアーにも組み込まれているし、撮影旅行で来る団体もある。

そして期間中の週末は佐用駅からひまわり畑までシャトルバスも運行されている。

  また智頭急行駅でもある上郡駅は町内に「かみごおりさくら園」という桜の名所がある。

ここは3月中旬から4月下旬にかけて大寒桜、河津桜、小松乙女、思川、越の彼岸、鬱金桜、

八重桜の関山(カンザン)などの桜が次々に咲く桜の名所だが、その割には知られていない隠れた名所

 桜の季節には「かみごおりさくら園に桜を見に行こう」と謳ったキャンペーンを行えば多くの観光客が訪れると思う。

上郡駅から車で4分。歩いても30分で行ける。

 今は自然が集客に繋がるし、自然を上手に利用すれば集客できる時代に変わっているのだ。

それも人工的に作られた自然ではなく、できるだけ素に近い自然が求められている。

 実は地方(ローカル)にはこうした宝が豊富に存在しているのだが、地方にいる人達は見慣れた景色故に、

それが宝だとは気づいていない部分がある。

また、気づいても、もうひと工夫が足りない。

ただ単に観光客が来るだけでは地域に経済的な影響はない。

逆に道路の渋滞やゴミといったマイナス面の影響はあるだろうが。

 例えば伯備線のJR美袋(みなぎ)駅

今回発表の17路線30区間には含まれてはいないが、利用者が多いとは思えないローカル線の駅だが、

この駅では素晴らしいものに出合える。

 春になれば駅舎の両側にウコン桜と御衣黄(ぎょいこう)桜が咲くのだ。

ともに桜の一種だが、この桜の花は桜色をしていない。

ウコン桜は漢字で書けば「鬱金桜」となる。

そう黄色をした鬱金のような色の花が咲くことからウコン桜と命名されている。

 一方の御衣黄桜は「緑色の桜」として知られ、花は八重で緑色をしている珍しい桜だ。

ウコン桜と御衣黄桜が1箇所で、それも駅舎の両サイドに咲いているのを同時に見られるわけで、

こんな駅は他にはない。

私的なことだが、私はそのことを知り、わざわざ出かけたぐらいで、写真好きにはたまらない場所だろう。

もちろん列車と桜の写真も撮れる。

 こんな素敵な駅を放っておく手はない。

桜の季節に「ウコン・御衣黄列車」を走らせれば十分、人を呼べる。

 ただ、駅前には食事処等の休憩施設がないので週末だけ、臨時に設置したり、

道の駅を開設すれば地域の活性化にも繋がる。

 近年、「道の駅」は人気で、それを目当てに行くドライバーが増えている。

なにも「道の駅」を車にだけ使わせる必要はない。

駅と「道の駅」。シャレではないがローカル線の駅には無人駅が多い。

「道の駅」とコラボして「駅に買い物に行こう」と打ち出せば利用客も増え、地域も活性化するのではないか。

 自然を売りにできる地域は山陰側には結構多い。

そいう所を発掘し、ローカル路線でゆっくり巡る旅の企画を作ってみてはどうか。

 「赤字だから廃線にする」と言う前にJRはもっと知恵を絞るべきではないか。

 


公共交通について考える~地方を切り捨てるJR(3)

2022-10-24 12:13:19 | 視点

ローカル線切り捨てと豪華列車

 腑に落ちない最大の理由は先にも述べたが、一部路線の発表だけに留まっている点だ。

全路線の収支を発表せずに17路線だけの発表だと、その他の路線は黒字なのか、それとも

他にも赤字路線があるのか分からない。

もし後者だとすれば、なぜ17路線だけを槍玉に挙げるのか。不公平ではないか。

なにかを隠しているのかと勘ぐられても仕方ない。

 2番めの理由はJR九州の「成功」を見て、各社とも豪華列車の製造・運行を行っているが、

その収支も発表すべきだろう。

特に知りたいのは豪華列車製造にかかった全経費とチケットの売り上げである。

 JR九州は豪華列車の予約は数年先まで埋まっていると、しきりに好調さをPRしているが

実際のところ収支はどうなっているのか。

 そこに車両製造・デザインコストは含まれているのか。デザイン料は見合ったものなのか。

内装材料等にはかなり高価なものが使われているだけに、収支はぜひ明らかにしてもらいものだ。

 原発コストの時は建設コストや使用済み燃料の最終処分費用を低く見積もっていたりしたが、

それと同じような試算方法が取られていないか。

 それらのことをチェックした上で、豪華列車が収益にプラスになっているのか、

いないのかを明らかにして欲しい。

 もし、豪華列車の運行が収益にプラスどころかマイナスならば即刻取り止め、

その分を赤字路線の改善に回すべきだろう。

 昨今のJR各社は公共交通としての使命、役割を放棄し、自社の利益追求のみに走っているように見える。

その典型が駅施設で、ローカル路線は無人化し、駅施設を地方自治体に「押し付け」る一方、

京都駅や博多駅などの主要駅は再開発し賑わいの場へと変えている。

 といっても駅への囲い込みを行っただけで、再開発前には「駅周辺地域の活性化」とか

「地域の回遊性を高める」などと尤もらしいことを唱え、周辺地域と再開発協議会などをつくり

協議を重ねるものの、それらは官僚がよくやる「アリバイ作り」みたいなもの。

いざ完成してみると、回遊性は駅施設内だけで、周辺地域へ人が流れるどころか

逆に人が巨大な駅施設に吸い込まれ、周辺地区は潤うどころか逆に寂れて行っている。

 駅が巨大なブラックホールと化し、周辺地域だけではなく沿線都市からも貪欲に客を吸い込み

駅施設外に出さないから博多駅や京都駅などの大都市の中心駅施設のみが賑わう1極集中が進んでいる。

まさに「一将功成りて万骨枯る」だ。

 こう言えばデジャブー(既視感)を覚える人もいるだろう。

そう、郊外に大型ショッピングセンターが建設され駅前をはじめてとした地元商店街が

次から次に客を奪われシャッター通りと化した当時を。

 JRとは一体何者だろう。

ある時は公共交通機関の顔をし、ある時は不動産屋の顔をし、またある時は商社の顔を見せる。

しかも、その時々で変面ショーのように見せる顔をクルリと変える。

一体どれが本当の顔なのか。

 鉄道輸送は赤字だと言いながら、その一方で「儲かりそう」と見れば何にでも手を出す。

ホテルにコンビニに飲食店。果てはドラッグストアにまで手を出したが、悲しいかな、いずれも武士の商法。

どれもこれもうまくいったという話は聞かないし、ホテル以外は大抵撤退している。

 大体、本業で知恵を絞らない会社が他分野に手を出してうまくいった例は少ない。

 赤字路線の廃止を言う前に、責任を取ってトップが辞任するなり給与を返上するなりをしてみたらどうだ。

それもせず湯水のように金を使って豪華列車を造り運行してみたり、高給を取っていることに

痛みを感じないのだろうか。

 


地方を切り捨てるJR~公共交通について考える(2)

2022-10-01 09:29:03 | 視点

地方へ赤字を押し付けるJRの体質

 JR各社が行ってきたのは地方への押し付けである。

利用者減は地域過疎化による利用者減で、それはJRの責任ではなく地方自治体の責任という論理だ。

故に赤字路線は地方自治体で第3セクターによる会社を設立し運行してください、と言う。

 これって何かおかしくない? 

こういう時だけ民間企業の論理を出してくる。

公共交通としての使命や役割の意識は微塵もないとは言わないが、希薄ではないか。

 彼らは鉄道の使命は「大量輸送」だと言う。

だが、時代は変わり鉄道の使命は「大量輸送」だけではなくなっている。

「大量輸送」が必要とされているのは東京などの都心部だけで、地方都市は中心部であっても

「大量輸送」が絶対条件ではなくなり、むしろ「中量輸送」に変わってきている。

 当然、JR各社もその認識はあるが故に、近年、脱鉄道に動き、不動産事業その他を始めるなど

儲かりそうなものには何にでも手を出し、社内から「商社化している」と言う声さえ聞かれる程だ。

 ここで問題にしたいのは脱鉄道の動きを加速させる中で公共交通機関としての役割について

真剣に検討してこなかったのではないかということだ。

ローカル赤字路線を切り捨て、沿線自治体に押し付けてるだけで、自らの責任に対する自覚と危機意識が

希薄だったと言わざるを得ない。

 それを今になって「被害者意識」で経営危機を言い出すから腑に落ちないのだ。

 次に17路線30区間のみ「収支」を発表した点。

他の路線の収支も発表すべきではないか。全体で赤字と言うが、黒字路線はどこなのか、

他にも赤字路線はあるのかないのか。鉄道事業以外の収支はどうなっているのかも併せて発表しなければ、

今後の検討も出来ないだろうし、沿線自治体の理解も得られないと思うが。

鉄道利用者減に街の変化も影響

 車社会になり交通体系が変わってきたのは間違いない。

街・町の構造が変わり、駅前はどこも賑わい地・中心地ではなくなっている。

そのことが鉄道利用者数の減少にも繋がっている。

となれば今後も鉄道の利用者数が回復することは望めないだろう。

 例えば岡山県美作市を通っている鉄道は兵庫県姫路と岡山県新見(にいみ)を結ぶ姫新(きしん)線で、

同路線の輸送密度は1119人。

「実質的な廃止基準」である2,000人を下回ってはいるが、それでもかろうじて4桁の数字を維持している。

 しかし、今後も4桁の数字で推移する可能性は低い。美作市内の高校は林野高校1校で、

隣接地域の勝間田高校を含めても2校。

ところが両校とも生徒数減少に悩まされ、最近では両校の合併話も取り沙汰されていると聞く。

 生徒数の減少はJRの利用者減にほぼ直結する。

それはローカル線のダイヤを見れば明らかで、生徒の通学時間帯に合わせて運行時間帯・本数が決まっており、

それ以外の時間は2時間に1本あるかないか。

全国のローカル線の運行状態は似たようなものだろう。

 要は通学生の定期券購入がJRの路線区間を支えているようなものだが、学校が駅の近くにあるとことは

少なく、上記の林野高校でもJR駅からバスか30分近く歩くかしかない。

通学生にとっても鉄道はそれほど利用しやすい乗り物ではないのだ。

となると学校側はスクールバスの導入を考えざるを得ないだろうし、すでにそうしている学校もあるだろう。

 問題は路線区間の廃止が地域住民の生活に与える不便さだが、極端な影響はないように見受けられる。

というのは高校は駅から離れているところがほとんどだし、スーパーやホームセンター、

家電量販店も駅から離れたロードサイドで、そこには高速バスその他が乗り入れているからバス利用ができる。

 運行本数の問題がある地域はバス運行会社と本数、路線の問題を検討すれば解決できない話ではないだろうし、

すでにコミュニティバスや地域共同バスという形態で運行している地域もある。

 地方の人口減少だけでなく街・町の構造が変わり、全国的に見ても駅前がかつてのような賑わいの場所、

中心地ではなくなっている以上、鉄道に「地域の足」としての役割を求め続けるべきではないかもしれない。

 今回「鉄道のあり方」を抜本的に考え直す時期だろうとは思うが、JRの「赤字路線の廃止」という

「方向」には即座に賛成しかねるし、JRの発表が腑に落ちない部分がある。