栗野的視点(Kurino's viewpoint)

中小企業の活性化をテーマに講演・取材・執筆を続けている栗野 良の経営・流通・社会・ベンチャー評論。

本当の姿はどちら

2017-12-29 15:55:52 | 視点


 地上の世界と水面に映った世界

いま我々が生活し、見ているのはどちらの世界だろうか。

20年程前までは地上の世界だと思っていた。

しかし、それは間違いで、本当の世界は水面に映った景色の方ではないのか。

水面の世界は地上の汚れを消し去り、陽に映えて美しく見える。

汚いものには目を瞑り、インスタ映えする美しい景色だけを見たがるうわべの世界。

そう現実の世界はあまりにも汚く、醜いから。

教師はかつて聖職と呼ばれたが、いまや生殖にばかり興味を持つ「性職」。

犯罪を取り締まる警察官が犯罪を犯し取り締まられている。

それも取調室で、警察署内でセクハラ、窃盗をするという破廉恥。

政治家が関心があるのは庶民の政治ではなく「性事」。

議員会館は出会いの場と化し、議員同士の不倫、秘書との不倫は当たり前。

ホテルで、相手の自宅で政治ならぬ「性事」の打ち合わせ。

いやいや、1線は越えていません、って朝鮮半島を南北に分ける38度線のこと

かと思ったが、どうやら違ったようだ。

彼は私にとって必要な存在だから政策秘書になってもらいました、だって。

政策秘書って性策秘書という字のようだ。

そういえば秘書って秘め事をする相手のことか、と「秘」の字を見て妙なところで納得。

 もう世の中、何が正しくて、何が間違っているのか分からない。

それでも一つだけ分かるのは、政治家は庶民のことなどこれっぽっちも考えてないということ。

自分のお友達を大事にし、便宜を図っても、庶民のために働こうなんてことは考えていない。

視察現場でなにかを食べれば「ジューシー」と言っておけばいいとしか考えてない。

そういう政治家を支持する人達が見ているのは地上ではなく水面の景色?







「FREETEL」民事再生法の適用申請と、PEZY Computingの失敗

2017-12-19 19:04:08 | 視点
 12月4日、「FREETEL」ブランドでスマートフォンの開発・販売を手がけるプラスワン・マーケティングが
民事再生法の適用を申請した。負債総額は債権者約185人に対して約26億円。

 同社は11月1日付けでSIMフリーサービス事業を楽天モバイルに譲渡したばかりで、そのわずか1か月後の
民事再生法適用申請だ。あまりにも早すぎる。年内はないと考えていたが、私の見通しはちょっと甘すぎたか。

 SIMフリー市場と同社が抱えていた問題に関しては11月17日付けで配信した
「栗野的視点(No.598):淘汰の時代に入ったSIMフリー市場 ~ FREETELの身売りから見えるもの」
で書いたので、そちらを参考にしていただきたい。

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栗野的視点(No.598)                   2017年11月17日
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淘汰の時代に入ったSIMフリー市場 ~ FREETELの身売りから見えるもの
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  ベンチャー企業は市場拡大期に潰れる(潰される)。ベンチャー企業がニッチ市場を苦労して開拓し、
商品と市場が少し知られるようになり利用者が増えてくると、それまで小さな市場を相手にしなかった
大手企業がこぞって参入してくる。そして資本力にものを言わせ、一気に市場を奪って行くーー。

◆FREETELを楽天モバイルに売却

◆キャリア志向で失敗したベンチャー

◆第2、第3のFREETELも

◆キャリアの巻き返しでベンチャーは潰される


 「まぐまぐ」の掲載ページは下記
  http://archives.mag2.com/0000138716/20171117165631000.html

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 話は少し変わるが、年末・年度末が近くなると大型倒産に絡んだ話が口の端に上ることがあるが、
今年1年は不正絡みの話が多かった。

 製造業のデータ不正は「メード・イン・ジャパン」ブランドを地に落としたというか、そもそも
それは幻想で、もはや新興国の品質や不正を笑えない。
それどころか、20数年前から行っていたわけだから、こちらの方が悪質と言えそうだ。

 その問題は稿を改めるとして、ベンチャー関連でいま口の端に上っているのが
「PEZY Computing(ペジーコンピューティング)」の4億3000万円の助成金詐取容疑だろう。

 まあこの種のトップに共通しているのは個性的な人間が多いということで、それは前述の
プラスワン・マーケティング社長、増田薫氏にも言えたことだが、PEZY Computing社長、斉藤元章氏は
かなり強烈な個性の持ち主だったようだ。
それは医師出身という経歴からも窺えるが、スーパーコンピューターの分野では「2番では絶対ダメ」
と公言し、開発に非常に力を入れていた。

 その功績は大きく、同社が開発したスーパーコンピューターは今年11月、世界のスーパー
コンピューター「TOP500」で国内トップ、省エネスーパーコンピューターランキングでは
世界5位に入るなど、国内だけでなく国際的にも高い評価を得ている。

 その反面、多額の開発資金が必要になり、その調達に追われるという、バイオベンチャーなどにも
よく見られる悩みを抱えることになる。

 助成金詐取はそうした状況で行われることになる。
助成金は出す方も受ける方も「他人の金」だ。ベンチャーキャピタルの出資とは違い、双方に甘さがある。

 第一、今回の新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)に限らず、政府や自治体系の資金は
出す方に技術や事業に対する正確な「理解」はないと言った方が正しいだろう。
どうせ「他人の金」なのだから。
あるのは「夢への理解」であり、欲しいのは双方ともに「手柄」だ。

 ベンチャーに冒険(Adventure)は付きものとはいえ、行け行けの賛同者ばかりではなく、
暴走を止める人間も必要で、失敗するベンチャーは決まってワンマンのオンリーワン。
この兼ね合いが難しい。

 冒頭のプラスワン・マーケティングとは違い、PEZY Computingの技術力が非常に高いので
斉藤氏がいなくても組織の維持ができればいいが、ワンマンかつオンリーワンの斉藤氏不在では
失速するのもやむなきかな。
                                     2017.12.8









二極化するベーカリーショップ~特徴がなければ生き残れない

2017-12-02 12:48:35 | 視点
 早朝ウオーキングの帰りにベーカリーショップに寄り、パンを1つ2つ買い、公園のベンチに腰掛けて食べるのが朝の日課になっている。
 その日のウオーキングコースや気分によって寄るベーカリーショップは替わるが、大体寄るのは3箇所。
もちろんウオーキングコース内に限ってもベーカリーショップの数はもっとあるが、この3箇所になったのには理由がある。

 1つは遅くても8時にはオープンしているかどうか。
次にイートインコーナーもしくはすぐ近くに公園があるかどうか。
そして3つ目にコーヒーサービスがあるかどうかだ。

 これらの条件をほぼ満たす店として残った(よく行くようになった)のが3店だが、期せずしてタイプが異なる店になっていた。

3タイプのベーカリーショップ

 例えばA店は食品スーパー内に出店しているベーカリーショップで7時30分からオープンしている。
スーパーの開店は9時だから、スーパーのインストアでありながら、そこだけ早い時間から開いているわけで、これはちょっと珍しい。

 パンの種類はインストアにしては少し多めか(棚が広い分だけ)。
価格は普通。
朝早い時間から開いていることもあり客は多い。

 私がここを気に入っている理由はイートイン、つまり店内に腰掛けて食べるスペースがあるからだ。

 といってもベーカリーショップのスペース内にではなくスーパー内にイートインスペースが設けられているのだ。
正確に言えばそれはベーカリーショップのイートインスペースではなく、スーパーのイートインスペースだからスーパーがオープンする9時以降でなければ利用できない。
 ただ、スーパーの屋外にもテーブルとイスが設置されているので、もっぱらそこに腰掛け、サービスのコーヒーを飲みながらパンを食べている。

 B店は団地のメーン通りから一歩裏に入った所にある。
スーパーやコンビニその他の店が並ぶ表通りから一本入っているため目に付きにくい。
ここは8時オープンだが、開店と同時に客が次々に訪れるほどの人気だ。

 人気の理由は価格と飲み物サービス(午前中のみ)。
大半のパンが100円(税別)だ。
そのためまとめて買っていく人が多く、私のように1つ2つしか買わないのは少数派ではないだろうか。
特に週末はクラブ活動をしている少年・少女チームの親と思われる人が大量に買っていく光景をよく目にする。

 私はここで買う場合、パンとサービスのコーヒーを持って、団地内の緑地にあるベンチに腰掛け、本を読みながら食べるのを楽しみにしている。

 C店は私の自宅から最も離れた場所にあるから、ウオーキング帰りに寄るというより、中間点で一休みという感じに近い。

 上記2店がベーカリーショップという感じなのに対し、C店は街のパン屋さんという感じだ。
店の歴史も他の2店とは比べものにならないくらい古い。

 店は7時から開いている。
「ぼくは朝2時から起きてやっていますから」と言っていたが、店主以外に従業員はいない(2年前に奥さんをガンで亡くしてから1人になった)。
1人でやろうとすると、それぐらいの時間に起きなければ無理なのだろう。

 この店の特徴は無添加パン。
価格は3店の中で最も高いが、無添加という点と、7時オープンが気に入っている。コーヒーは有料。

 店内にはちょっとしたカウンターがあり、そこで食べることもできるが、私はもっぱら目の前の公園のベンチに腰掛け、本を読みながら食べるのを楽しみにしている。

 この3店を売上高順に並べれば店の規模、客数、単価等からしてA、B、C店の順となるだろう。

 来店客数順だとA≧B>C

 A店とB店の客数を比較するとA店の方が少し多いか、もしくはほぼ同じ程度。

 経営リスクはそれぞれにある。
例えばC店は店主1人でやっているため、人件費を含む経費は少なくて済む。
むしろリスクは店主の健康面で、それさえ心配なければそんなに儲かりはしなくても十分やっていけるに違いない。

 しかも時代のトレンドは安心・安全だから、「無添加」パンは十分訴求ポイントになるし、今後も一定の顧客層に支持され続けるだろう。

急増している100円製パン


生き残りが厳しい既存パン店

 この店をDとし、100均パンのB店と比較してみよう。


数へのこだわりを捨てる




   全文は「まぐまぐ」内の「栗野的視点」あるいはリエゾン九州のHPhttp://www.liaison-q.com)からお読み戴きたい。

   HP内の当該記事:http://www.liaison-q.com/kurino/Bakeryshop1.html




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