栗野的視点(Kurino's viewpoint)

中小企業の活性化をテーマに講演・取材・執筆を続けている栗野 良の経営・流通・社会・ベンチャー評論。

嫁選びが後継者問題のキーになるかも

2012-07-20 20:13:08 | 視点
 中国地方の某社でA社長と久し振りにお会いした時、以前より元気そうに見えたので、経営が順調にいっているのだろうと思った。

「いや、お陰様で会社の方もなんとかうまくいっています。

こういうご時世ですから儲かっているという程ではないんですが、まあなんとかそれでも利益を確保できています。

ただ、ご指摘の件は、そういうことも多少関係ありましょうが、それよりは身内の問題というか、食生活がよくなったものですから」

 A社長は数年前に奥さんを亡くされ、以来一人で生活されていた。当初は寂しさを紛らわすためよく飲みに出掛けられていたようだ。

 それから1、2年。随分明るそうだったので再婚されたかと思ったが、相変わらずの独身生活を続けられていた。

ただ、食生活の面で変化があった。食事を作ってくれる女性が現れたのだ。

 その女性というのは

男の価値は女で決まる、とはよく言われる。

中小企業の場合は特にそうだろう。

奥さんがよく気が付く女性かどうかで、大袈裟に言えば経営にも影響


      (以 下 略)


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初めて見た博多祇園山笠

2012-07-18 10:56:31 | 視点


 30年以上、福岡市内に住んでいるが、博多祇園山笠を見たのは初めてと言ったら、知人からあきれられてしまった。
彼は「ほぼ毎年見物」しているとのこと。
初めてと言っても全く見たことがないということではない。
飾り山は何度か見ているし、舁き山も1、2度はある。
ただ、今回のようにじっくり流舁き、追い山ならしを見たことがないというだけだ。

 最初、博多に来た時は驚いた。
7月1日~15日までの半月、男達は山笠にかかり切りになるのだから。
仕事も商売もそっちのけで山笠にかかっている。
山笠期間中はステテコに長法被姿でシティホテルのロビーでも、どこでもまかり通る。
その格好が正装だからだ。
半月も店を空けたら商売上がったりだと思ったが、男達の留守中に家や店を守っているのが「ごりょんさん」。
博多では女が強いはずだ、というか女性の力なしでは博多の町は成り立たない。
全国広しといえども、こんな町はないだろう。

 福岡に来た当初は「なんという町だ」と思ったものだ。
これでは中央から攻められたらひとたまりもないだろうと。
事実その通りになった。
大型店の出店で地場商店は次々に廃業、合併で消えていった。
まあ、これは何も福岡に限ったことではなく、全国の地方都市で見られた現象ではあるが。

 信じられないかもしれないが、当時「博多時間」というのがあり、よそ(九州外)から来た人間を戸惑わせた。
例えば会合などで「開始○○時」と決められれば、その前までに会場に集まるのが普通である。
仮に20分に会場に着けば、日時を間違えたかと思うだろう。
10分前にやっと1人、2人。
多くは開始時間に家を出るから、集まるのは早くて30分後。
そんな状態に誰も文句一つ言わない。
疑問をぶつけると「博多時間ばい」と意に介さない。
宮崎には「宮崎時間」があり、最初の内は大いに戸惑ったが、そんな経験も今は昔。

 時代が移って近年。
各地でコミュニティーが崩壊し、そのことが子供達にも悪影響を与えている中で、山笠の伝統はコミュニティーの中で人と人の繋がりや、助け合いの精神、長幼の序などを自然に、体で覚えさせていく役割も担っている。
 博多山笠はエネルギッシュだけではない--。


 博多祇園山笠の写真は「栗野的風景」に多数アップしているので、できればそちらも閲覧を。



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情報の信頼性を疑ってかかる必要も

2012-07-13 10:40:45 | 視点
 誤解がないように記しておくが、このところ私が本メルマガで提示しているのは単なる「小沢擁護論」ではない。ジャーナリズムの使命、あり方、ひいては情報を発信する側、受け手側の問題である。

 情報を取り巻く環境が大きく変化したのはデジタル化の進展と密接に関係していると考えている。そのことについてはいずれ書く予定だが、日本で顕著な変化が現れだしたのは、小泉政権以降ではないだろうか。

 私はこの変化に非常な危機感を抱いている。
小泉政権の特徴をひと言で言えば「分かりやすい政治」だ。「敵」を作り、それを叩くことで、二者択一を迫るやり方である。そこには第3の選択は存在しない。

 問題を提示し、イエスかノー(あれかこれ)を迫る方法は一見、非常に分かりやすく感じる。しかし、少し考えると分かることだが、元々提示された問題が正しいのかどうかという疑問がある。命題の正しさが絶対条件だ。
 二者択一方式は、目の前に提示された素材、データが正しい時に初めて成り立つものだ。基礎データへの信頼性がなければ、その後導き出された数式、結論に信頼性がないのは自然科学を少しでもかじった人間ならすぐ分かることである。

 情報の提供者は確かな情報を提示する必要がある。一方、受け手の側は提示された材料が正しいかどうか、嘘偽りがあったり、故意に操作されたものでないかどうかを判断しなければならない。
 しかし、発信された情報の正しさを情報の受け手が判断するのは簡単なことではない。結局、発信メディアの信頼性に頼る以外にない。
 メディアのブランド力はマスメディアの方が圧倒的に大きい。それだけにマスメディアは正しい情報を発信する責任がある。
 このメディアの責任が近年ないがしろにされている。特に小沢氏に対しては執拗なまでに「小沢叩き」がメディアによって行われている。これは非常に危険な動きだと感じているからこそ、私は何度か警告を発している。

 小沢氏が目指してるのは政官癒着を断ち切り、政治の仕組みを変えることだ。
第1次民主党政権下で陳情を幹事長室に一本化したのは「密室的なやり方」という次元のものではなく、政権とカネの癒着を断つのが目的だ。
 構造変革の問題を私利私欲の問題に矮小化するのは非常に危険だが、古い価値観の持ち主達が古い価値観のままで(古い価値観に押し込めて)判断しようとするから、小沢=カネという構図の中に無理やり押し込め、情報を発信するわけだ。
 同じ類の情報が繰り返し流されていくと人々は次第にそれを信じていき、元々提示された命題、データそのものへの疑問を忘れてしまう。

 たしかに小沢氏自身、言葉が少ない嫌いはあるが、彼は全く語らないわけではない。彼が語っている言葉が意識的に報じられない部分も多い。実際彼は政策に関して何冊も本も出しているのだから。

 繰り返し言うが、私が懸念しているのは小沢氏個人に関することではない。小沢氏に対するマスメディアの扱いに象徴される、「情報の意図的な操作」のことだ。
 メディアは後になってから検証をする。郵政改革の時もそうだった。郵政選挙の時は小泉・竹中路線を徹底的に持ち上げ、それ以外の意見・情報を黙殺し、「郵政選挙」を熱狂的に煽り、その後、地方が急速に疲弊した後になって、やっと検証し始める。こうした過ちを大東亜戦争・第2次大戦中から何度も繰り返してきている。

 我々もいい加減に目覚めるべきだ。「前提そのものが間違っていないか?」ということを真剣に考えてみる必要があるだろう。
 産業に関してはいずれ書こうと思っているが、この分野でも同じような思考回路があるのではないか。同じ情報(もの)を大量に流す(作る)という方法を断ち切る必要がありはしないか。
 一度、目の前のデータ、素材の信頼性そのものを疑ってかかる必要があるだろう。



ソースネクスト 信長の野望・天道

小沢一郎、もう一つの顔に注目を(3)~小沢叩きこそが政治を停滞させる

2012-07-05 18:24:19 | 視点
壊し屋の本領発揮

 小沢一郎ほど嫌われている政治家はいないようだが、嫌う理由でよく言われるのが「壊し屋」。
今回の離党・新党結成の動きでも「今までも作っては壊しているから、今回も全く期待できない」という声が市井にも多い。
 たしかに彼は自民党離党後、新生党、新進党、自由党と次々に新党を作り、その後、民主党に合流。そして今回の離党だから、まさに「壊し屋」の本領発揮である。
しかし、だからといって嫌われたり、非難されるのはおかしい。
 合従連衡は政治の常だし、民主主義は多数決で決まるから、仮に自分が作った組織でも思い通りになるとは限らない。
自分が目指したものと組織が目指しているものが乖離してくることは一般企業においてもよくあることで、その場合に採る方法は2つしかない。
妥協して大勢に従うか、自分の主義主張を通すか。後者の場合は新しい組織を作るしかない。

      (中 略)


小沢叩きこそが政治を停滞させる

 政局ではなく、政策を論じるべきだ。
問題は本当にこの時期、デフレ不況下の時期に消費増税が必要なのか、ということだ。
 仮に増税するにしても、その前に徹底的に経費削減を図れ、というのは当然だ。
            ・
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            ・
 必要なのは現象面を捉え、政局論に矮小化することではなく、その奥にある本質に迫ることだ。
当の政治家が政局で動こうとしている時、彼ら自身に本来の目的を気付かせ、政策を実施する方向を示すことだろう。


外国メディアはどう見ているか

 小沢氏が国内マスメディアから嫌われるもう一つの理由は無愛想なこと。
「黙して語らない」のだ。
これは彼の致命的な欠点であり、メディア嫌いが様々な憶測を呼ぶことになり、古いタイプの政治家として嫌われる一因にもなっている。
もう少し雄弁になれば有権者の見方も変わるだろうに。

 ところで、外国メディアは今回の離党劇をどう見ているのだろうか。


      (以 下 略)


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小沢一郎、もう一つの顔に注目を(1)

2012-07-04 21:52:18 | 視点
 7月2日、小沢一郎氏を含む議員50人が民主党を離党した。
私は前号(No.416)でも書いたが、小沢氏の離党は「98%ない」と考えていた。
予測が外れたことをまずもって率直にお詫びしておきたい。

 なぜ私が、小沢氏の離党なしと読んだかといえば、民主党政権下で無役になって以降の小沢氏を見ていて、過去の「ブランド」だけで生きる安易な道を選んでいるように見えたからだ。
「伝家の宝刀は抜かないから威力がある」ということを熟知しているのだろう、彼は離党を臭わせながら(伝家の宝刀を見せるだけで)、肝心な局面で反対票を投じるのではなく棄権をしてきた(伝家の宝刀に手をかける仕草もしなかった)。

 菅内閣不信任決議の時がそうだ。
グループ所属議員を焚き付けながら、直前で自らは雲隠れしたのだ。
これは敵前逃亡である。
大将が敵前逃亡した組織は瓦解する。
そのことは過去の歴史に明らかだ。
大阪城をいち早く抜け出し江戸に逃げ帰った徳川慶喜しかり。
政界では2000年11月の「加藤の乱」が記憶に新しい。
第2次森内閣打倒(森降ろし)を画策した加藤紘一氏だったが、計画がいち早く漏れ、結局棄権。
それでも加藤紘一氏は森内閣不信任票を投じに行こうとしたが、その加藤氏を掴んで必死に慰留したのが現在の自民党総裁谷垣禎一氏だ。
その程度の男に政権は奪取できない。

 もし今回も小沢氏が棄権戦術をとるなら、彼の主張していることは偽物だと思っていた。
少なくとも政治屋ではなく政治家なら、例え負けると分かっていても戦わなければいけないことがある。
特にそれが理念、主義に関することなら。

      (以 下 略)


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