栗野的視点(Kurino's viewpoint)

中小企業の活性化をテーマに講演・取材・執筆を続けている栗野 良の経営・流通・社会・ベンチャー評論。

ライブドア版「栗野的視点」のURL換えました。

2005-03-30 12:56:13 | 視点
ライブドアブログの「栗野的視点」は有料版から無料版へ変えましたので、URLも従来のURLから変更になりました。
新URLは http://blog.livedoor.jp/kurino30/ です。
「お気に入り」に登録して頂いていた皆様にはご迷惑をおかけしますが、新アドレスを再度ご登録下さい。
変更した理由はライブドアブログの方が検索エンジンに引っかかりにくいからでした。

ライブドア VS フジ~~経営者は何を教訓とすべきか~~

2005-03-30 08:24:38 | 視点

4月9日(土)開催「リエゾン九州セミナー」



ライブドア VS フジの闘い
   ~~経営者は何を教訓とすべきか~~

     講師:吉水公認会計士事務所・吉水 宏 所長

  ライブドアの堀江社長は変革者信長か、それとも野心家斎藤道三で終わるか。
 日本放送株取得は株主軽視の日本式経営への変革になるのか、それとも外資系
 ファンドと一体となった単なるマネーゲームの一つか……。
  連日、マスコミはワイドショー的に取り上げているが、対岸の火事のように
 騒いでいていいのだろうか。
 資本の国際化を迎えた現在、M&Aは非常に身近になった。
 日本放送に起こったことは、いつ九州の中小企業の経営者に起こっても不思議
 ではないし、伸び盛りのベンチャー企業などは簡単に買われてしまうだろう。
  将来の対応を誤らないために、ライブドアとフジの闘いから何を教訓として
 学ぶべきなのか。
 時間外取り引きによる大量株式取得とはどういう問題を含んでいるのか。
 第3者割り当て増資、新株予約券発行とはどういうものなのか。
 なぜ増資するのか、どのようなリスクがあるのか……。
  以上のような観点から、吉水公認会計士が問題点を鋭く指摘する。

創業者が会社を追われる時
   ~~九州の実例に見る株主と経営者の闘い~~

     講師:ジャーナリスト 栗野 良

   ある日突然、創業者が会社を追われる--。
  そんな悪夢のようなことが九州でも現実に起こっている。
 大株主の逆鱗に触れ会社を追われた経営者、上場直後に経営の座を譲り渡す
 羽目になった経営者、上場直前に破綻した経営者……。
 彼らに共通しているのは傍目には期待の企業、躍進企業と見られていたことだ。
 なぜ、彼らは自ら創業した会社を追われたのか。
 実例を紹介しながら、数々の現場取材の中で見てきたジャーナリスト・栗野 良が
   「経営者が失敗する時」を鋭く分析する。

日 時:4月9日(土)PM1:30~5:00
場 所:福商会館2F(大名1-12-57)
 天神西通り、岩田屋本館(旧Zサイド前)の前に大福うどん、
      ケンターッキーフライドチキンがあり、その角を赤坂方向に
      入ると角から2、3軒目左手のビル(1FにPumaの赤いショップ)
参加費:会 員2,000円
    非会員3,000円

申し込み:事前申し込みが必要です。定員になり次第締め切ります。
申込先:リエゾン九州セミナー実行委員会
    E-mail: seminar@liaison-q.com
TEL/FAX 092-553-1041(リエゾン九州事務局)


やっと桜の開花宣言です。

2005-03-29 23:47:02 | 雑感


 福岡でもやっと桜の開花宣言が出ました。
今年は暖かかったかと思うと急に冷え込んだりと、寒暖の差が激しかったので、桜の開花は例年より遅かったようです。



 ところで、どちらが桜で、どちらが梅か分かりますか。
上が桜で、下は梅です。白梅はちょっと見には桜と変わりませんね。

福岡地震の影響とその後

2005-03-25 11:22:01 | 視点
 福岡地区を襲った地震はその後も余震が続いているとはいえ、急速に地震の規模は小さくなっているようであり、ひとまず危機は脱したかのように見える。
 ただ今回の地震でいくつかの教訓と問題点も浮かび上がってきた。

1.日本国中地震空白地帯はない。
 むしろ最近は比較的地震が少ないと言われてきた地域でこそ地震が起きているという事実。
 天災は忘れた頃にやってくる。備えあれば憂いなし。
この2つの格言を思い出した。
それと同時に喉元過ぎれば熱さを忘れる、も。

 我が家も取り敢えず棚の上の危険なものを最低限下に降ろしてはいるが、とても十分とはいえない。
何分荷物が多すぎるのと収納スペースが少ないので、なんとかしたくても出来ないというのが実状だ。
特にマンション住まいでは多くの所が似たような状態ではないだろうか。
根本的に収納の仕方を考え直す必要がある。

 だが、防災グッズは役に立つようだ。食器棚なども防災用扉というのか、揺れると扉にロックがかかるものがあるらしく、中に収納したものが床まで落ちずに随分助かったという報告を聞いた。

2.災害時には電話よりメール。
 地震直後には非常通話を確保するため携帯電話、固定電話には通話規制がかかり、かかりにくくなる。
 ところが、私自身今回実感したが、携帯が通じないので携帯メールを送るとすぐ相手からもメールが返ってきた。
 通話には規制をかけてもメールの送受信には規制がかからないようだから、災害時には携帯メールが役に立つと覚えておくといいだろう。
その次が公衆電話。固定電話より通じるようだ。

3.地震の規模は小さくなっているが、震源地が福岡市内に近付いている。
 今回の地震は警固断層とは関係ないと専門家は言っているが、警固断層の延長線上に震源地が位置しているのは間違いない。
しかも、その震源地は確実に陸地、つまり福岡市内の方に近付いているのだ。
 地震から2日後に起きたマグニチュード5.1、震度4の余震のようなものが、さらに陸地に近いところで起き、もし警固断層と繋がったら、と思うと不安は募る。

4.またまた起きたノーテンキな役人の態度
 最後に最も問題だと思うのが一部役人の態度だ。
福岡市を地震が襲った20日の午後8時半頃、3回目の災害対策本部会議を福岡市庁舎で開いた後、中元副市長は持ち込んだ焼酎を市庁舎内で飲み出したというのだ。
玄界島の人達が福岡市内の九電記念体育館に避難し、不安な夜を過ごそうとしている最中にだ。

 しかも、9時過ぎにはさっさと帰宅したというではないか。
一般職員は夜11時頃まで仕事をしているというのに。
翌日の記者会見の席でもさほど悪びれた様子も見せず、笑いながら陳謝していたのがなんとも印象的だ。
 因みに市庁舎内での飲酒は禁じられている。
禁じられているからということではなく、普通の感覚を持っていれば、このような時に酒を飲み、9時頃「お先に」(と言ったかどうか知らないが)と公用車に乗って帰宅したりはしないだろう。
 この問題をマスコミなどもあまり追求しないのは不思議だ。

地震のあと

2005-03-23 12:10:43 | 雑感
 福岡を襲った今回の地震は300数十年ぶりとか。
だからというか、ほとんど地震対策はとられてなかったようだ。
各人の被害情報を寄せてもらったが、地震対策をとっていたという人は皆無だった。

 被害を全体で見ると少なかったが、個別には色々あったようだが、被害状況はまちまち。精神的ショックも人それぞれだったようだ。
場所による違いはもちろんだが、室内の散乱状況は明らかに家具の配置と向きによって違ったようだ。
 揺れに対して平行に家具を配置していた私の所はほとんど被害なかったが、人によっては室内が無惨な姿に変身したという人もいた。
その時たまたま戸外にいて助かったが、恐らく室内にいたら相当の人身被害を受けたに違いないと思えるほど家具その他の散乱状況がひどかった人もいた。

 昨日、市内中央区舞鶴で1軒倒壊しそうだから立ち入り禁止になったのと、東区香住ヶ丘2丁目の9世帯に避難命令が出されたが、それ以外は2次災害も今のところはなく推移している。

 それにしても地震の後に雨がよく降るような気がするが、地震と雨はなんらかの関係があるのだろうか。

福岡を襲った地震

2005-03-22 22:24:39 | 雑感
マグニチュード7.1という大規模な地震の割には被害が少なく、津波の発生もなかったのが不幸中の幸い。
写真右手の青いシートで覆われているビルは福岡・天神の目抜き通りに面した福ビル。
道路に面した窓ガラス930枚のうち約360枚が割れて道路に降り注いだが、休日で人通りが比較的少なかったことが幸いし怪我人はなかった。
写真左手には全面ガラス張りのビルが見えるが、こちらは1枚も割れてない。
周辺のビルの中で窓ガラスが割れ落ちたのは福ビルだけだ。
同ビルは昭和36年の建設と古く、窓枠とガラスの間に緩衝材を入れずパテで直接固定する方法だったため、建物の揺れが直接ガラスに加わり割れたと見られている。

多い先生の犯罪。

2005-03-14 07:20:30 | 視点
 またまた先生の犯罪だ。
とにかく最近、先生と呼ばれる人の犯罪が多い。
この数日は先生といっても議員の犯罪だが、学校の先生の犯罪も信じられないぐらい多い。

 犯罪面から見れば、今の日本社会は70年後半から80年代前半のアメリカの状況に酷似している。
当時のアメリカは未来に希望を失っており、その頃のハリウッド映画は地球の未来をバイオレンスが支配する世界として描いているが、当時のアメリカ社会と現在の日本社会が置かれている状況が非常に似ているだけでなく、犯罪まで似てきた。

 ところで、先生と呼ばれる人達の最近の犯罪にはある種の共通点がある。
 1.犯罪のグローバル化である。
過去、犯罪は都会に集中する傾向があったが、最近は地域を選ばず発生している。
しかも、同時多発的である。
 昔は都会と地方で犯罪の質が異なっていたが、最近は都会であると地方であるとに関係なく、同じ質・レベルの犯罪が発生しているのだ。

 2.性犯罪に分類されるものが多い。
本来、先生に最も縁遠いと思われた性犯罪の多発が目に付く。
セクハラなどは通り越して、強制わいせつ、盗撮、買春といった犯罪レベル的には低い(凶悪かどうかという基準でいえば)ものが多いのだ。

 ひどいのになると中高校の先生が自分の学校の生徒と同じぐらいの年齢の未成年者を相手に買春したり、女子トイレに盗撮カメラを仕掛けたなどというのまである。
 言語道断。人間失格である。こういう人が教育をしていたのかと考えるだけでおぞましい。

 ニュースになるのは氷山の一角だろうから、表面に出ないこの種の犯罪はその何倍、いや何十倍かだろう。
 最高学府(今やこの言葉は死語だが)といわれる大学の先生達でさえ覚醒剤を使用したり強制わいせつに至るぐらいだから、単位認定を餌にしたセクハラぐらいは日常茶飯事に行われているかもしれない。

 では、医師はどうかというと、産婦人科医師が診察中に眠らせて裸体を写真撮影したり、診察と称してわいせつ行為をしたり、写真を撮ったりしている。
もう何でもありの状態で、誰を信じていいのか分からないというのが今の状態だろう。
 ともあれ、社会の道徳観念が崩壊すればするほど、この種の犯罪は増える。

特許は企業防衛戦略になりうるか。

2005-03-11 08:29:53 | 視点
 真冬から一夜明けると春。
でも、週末にはまた少し気温が下がるそうです。
株の上がり下がりではありませんが、この冬の気温は変動が激しいですね。
そのせいかインフルエンザと花粉が異常発生です。
気を付けて下さい。

 ところで、今月は特許について少し、参加者を含め意見交換したいと思います。
特許は本当に企業防衛の役に立つのか、それほどでもないのか。
上手な申請の仕方があるのか・・・。
会社が倒産した場合、特許の行方はどうなるのか。

 人によっては特許を申請すると公開されるから真似される。
それよりは申請しない方が有利という人もいます。
特許侵害裁判をしたが裁判費用でマイナスになったという話も聞きます。

 果たして特許は企業防衛の重要な戦略になるのでしょうか。
もし、なるとしたら、どのような申請の仕方がいいのでしょうか。

 今月の例会では、過去特許申請の経験をお持ちの皆さんにも多数参加して頂き、皆さんの経験も踏まえながら、特許が企業防衛戦略になるのかどうかについて議論をしたいと思います。

             --記--

●日 時:2月19日(土) 13:30 ~ 17:00
    ★(例会は基本的に第3土曜日に開催します)
●場 所:福商会館(大名1-12-57)の2F
      天神西通り、岩田屋本館(旧Zサイド前)の前に大福うどん、
      ケンターッキーフライドチキンがあり、その角を赤坂方向に
      入ると角から2、3軒目左手のビル(1FにPumaの赤いショップ)

●内 容:
1.「企業経営と特許戦略について」
  講師:英和特許法律事務所:弁理士 小堀(こほり) 益 所長

2.発表企業  (株)伸栄金属製作所
         福岡県糟屋郡粕屋町酒殿303-3
 ・発表内容  自社開発「ヌキパネル」を利用した新商品の紹介
        ・・編んでないのに網目がみえる・・・特許取得済み
 ・参加目的  上記商品の拡販
 ・発表者   貫  信篤 社長他 2名
         http://www.joho-fukuoka.or.jp/kigyo/sinei888/

●例会参加は誰でも自由です。
  参加費用:会員・非会員共に1,000円。
 
●例会後、懇親会を予定しています。
   予算3,000円程度。

●例会・懇親会とも参加申し込みは事前に!
   当日、会場準備の都合上、極力事前に参加申し込みをお願いします。

★申込先:kurino@liaison-q.com

大手小売り、仏カルフール日本から撤退。

2005-03-09 23:35:46 | 視点
4年数カ月で撤退

 フランスの小売り大手カルフールが日本から撤退する。
日本国内で展開している8店舗はすべてイオンに売却する予定のようだ。
同社が日本に1号店を出したのは2000年12月。わずか4年数カ月での撤退である。
 同社撤退の噂は早くからあった。
すでに開店1年もしない頃から撤退するのではと言われていたから、見方によってはよく持ったというべきかもしれない。

 外資系企業の常で、儲かると思えばそれまでの提携関係を反故にしてでも新しい相手と組み進出してくるが、逆に儲からないと思えばすぐ撤退する。
その間、大体数年である。

外資系が失敗する理由

 それにしてもなぜ外資系小売業は日本で失敗するのだろうか。
1つにはマーケティング不足である。
出店場所の研究を真剣にしたとは思えないことが多い。
 次に、自分たちの基準を押し付けようとすることだ。
郷に入りては郷に従えという諺があるが、日本の習慣を無視して、彼ら流のやり方を押し付けてもうまく行かない。

 ここで言っている「日本の習慣」とは商習慣のことではない。
食習慣のことである。つまり日本の消費者の購買行動のことである。
日米では消費者の購買行動がまるで異なっている。
そのことを無視してアメリカ流のやり方を直輸入しようとするから失敗する。

 例えば米コスコ(日本ではコストコと表記)が1号店を福岡県粕屋郡久山の大型商業施設・トリアス久山内に出店した時もそうだった。
アメリカ流の販売方法をそのまま適用した。
牛乳は1000ml入り紙容器2個を1パックにして売っているし、菓子パンときたら8個~1ダース入りだ。
これでは子供がいる家庭以外は多すぎて買えない。
 たしかに1個当たりの価格は安いだろうが、余分なものを買わされるため総額は高くなる計算だ。
こうした点が日本の消費者から支持されなかった。

まとめ買いする米国人
食品は毎日買う日本人


 日本人はアメリカ人のように1週間分の食料をまとめ買いしない。
第一、まとめ買いをしたものを入れておけるほど大きな冷蔵庫を持たないし、大きな冷蔵庫にスペースを占拠させておけるほど家も広くない。

 日本人にとってスーパーの食料品は自宅の冷蔵庫代わりである。
だから毎日か、せいぜい2日に1回買い物に行く。
いくら安くてもまとめ買いはしないのだ。

 家庭の冷蔵庫代わりだから毎日新鮮なものを並べて販売しなくてはいけない。
魚もさばいてくれなくてはいけない。
おまけに最近は個食の時代だから、パックはますます小さくなるばかりである。

 ただ、カルフールの場合は米式の失敗例を研究していたし、仏式の市場的な演出を取り入れ、ばら売りをするなど、日本の消費者に受け入れられるように努力をしていた。
 だが、競合が多く、彼らとの競争に破れてしまった。
そういう点では1号店の出店場所にも多少問題があった。
やはり周辺の競合を含めマーケティング不足ではなかったか。

控え目なウォルマート
直営店展開をしない賢さ


 ところで、外資系小売業といえばウォルマートはどうなるのか。
ウォルマートはアメリカ企業とは思えないほど控え目な手を打っている。
他社が皆直接販売に乗り出す中で、日本のパートナーと組むという戦略を採った。
ただ組む相手はダイエーにしたかったようだが、ダイエーがうんと言わなかったので次善の策として西友を選んだ。
そのことが同社を苦しめてはいるが。

 内心忸怩たる思いはあるだろうが、やり方は実に控え目だ。
決して他社のようにドラスチックに変えない。
変えたくても西友側が抵抗しているのかもしれないが。

廃止できない折り込みチラシ

 九州では食品系スーパー・サニーが西友グループ入りしたので、間接的にウォルマートの傘下に入っている。
ウォルマートいえば「エブリデー・ロープライス」を売り物にし、特売日商品を設けないのが特徴であり、売りだが、現実にはその通りにはいってない。

 実はサニーもウォルマートの傘下に入った時、特売日商品は作らない、行く行くはチラシそのものも廃止する、と言っていた。
そして一時期新聞折り込みチラシの頻度を減らしたのは事実である。
 ところが、間もなく音を上げてしまった。
やはり日本の消費者はチラシを見て買い物に行く習慣からまだ抜け出せていないのだ。
最近では他社並みにチラシが入るから、よくいえば郷に入りては郷に従えで、ウォルマート流ではなく日本式を取り入れたということだろう。

 サニーを見る限り、ウォルマート流と日本式がうまくミックスされているように思える。
 ウォルマートにとって唯一の誤算はやはり西友と組んだということだろう。
まるで泥沼に足を突っ込んだように、もがけばもがくほど資金を投入しなければならない。
 恋いこがれたダイエーには肘鉄を食らい続けているが、この先全く可能性がないわけでもない。
途中からでも丸紅と組んでダイエーのスポンサーになる道がまだ残っている。
もし、それにも失敗したら、西友との関係を解消して撤退するだろう。

天神デパート戦争の行方・新地下街オープンでどう変わる。

2005-03-07 16:14:10 | 視点
大丸圧勝とはとても言えない

 天神地下街延伸オープンで最もその恩恵を受けたのは大丸なのは間違いない。
そのことは数字にも表れている。
2月1日~9日の3デパートの対前年売り上げ比を見てみよう。
大丸108.7%、三越106.8%、岩田屋87.2%
やはり大丸の伸びが一番大きい。

 ただ、この数字を持って即大丸の「圧勝」と言えるかどうか。
一部にはそんな論調も見えるが、それはあまりにも楽観的、短絡的な見方だろう。
2桁増なら「圧勝」と言えるかもしれないが、1桁増ではとても「圧勝」などとは恥ずかしくて言えない。
もちろん大丸自身そのことをよく分かっているから自らは一度も言ってないが。

 だが、大丸に人が流れているのは事実だ。
ただし、それは地階のみで、上層階にまでは流れていないのだ。
地下鉄七隈線が開業した3日の夕方、大丸に入ってみたが、3階以上の階はガラガラで販売員が手持ちぶさたにしていたのが印象的だった。
 いつもの日に比べても明らかに客は少なかったから新地下街オープン・地下鉄七隈線開業の恩恵を受けたのは地下売り場のみということになる。
しかも、地下食品売り場の吸引力は館全体の吸引力にはならず、むしろ管内の客をも地下食品売り場が吸引してしまったということだろう。

 やはり地下通路閉鎖1年半のダメージは大きかったということだろう。
地下通路閉鎖で減少した客足がなんとか元に戻ったかどうかというところだ。

健闘が目立つ三越

 では、三越はどうか。
三越は地下鉄七隈線開業にかなりの危機意識を持って臨んでいた。
なんといっても、七隈線開業前に堤店長を筆頭に七隈線沿線の住民にローラー作戦を展開したほどだ。
七隈線が開通しても三越を宜しくお願いします、と。
 それにしても三越のやり方はうまい。
店長自ら営業に回ることで社内的な効果も大きいし、訪問を受けた客の方は恐縮して三越ファンになるのはまず間違いない。
いままで大丸、岩田屋でこうした動きを目にしたことがなかっただけに、三越のおもてなしの精神が突出して映る。

 さらにポイント制も導入した。
今まで三越カードを使えば5%割り引きになっていたが、やはりポイント制の効果を見過ごせなかったのだろう。
その結果が対前年106.8%という数字に表れている。

 数字を見る時注意しなければならないのはその数字のベースが何かだ。
例えば大丸の前年は地下通路閉鎖中である。
つまり地下通路閉鎖の影響を受け、売り上げはそれ以前より下がっている。
その下がっている時期に比べてアップしているということで、本当に大丸に客が戻り、売り上げがアップしたかどうかは地下通路閉鎖前の数字と比べて初めて言えるのだ。
 一方の三越は前年と条件が同じである。
ということは、三越の前年6.8%アップという数字は大いに健闘していると見ていい。

チョコだけで3億円を売り上げる実力

 三越がうまいなと思うのはバレンタインデーのチョコレートや歳暮・中元セールの時である。
この時期に店内を歩けば、顧客の側に立った対応というのをよく感じる。
 バレンタインデー期間中のチョコレートにしても、三越進出までは大丸の1億円強の売り上げが話題になっていたが、三越の3億円強の売り上げの前には影が薄くなってしまった。

 そう、三越は期間中チョコレートだけで今年も3億2,100万円を売り上げているのだ。
オープン以来、毎年バレンタイン期間中のチョコレートだけでずっと3億円を売り上げているのだ。
どうすればチョコレートだけでそんなに売れるのかと感心してしまうが、そこには消費者の心理をよく掴んだ売り場づくりをしていることが分かる。

 今年は三越のチョコレートセールは例年に比べて少しおとなしい印象を受けた。
店内ポップの色遣いもおとなしいピンク系の色にしていた。
 昔から三越は平場づくりがうまいが、チョコレートもゾーン一帯がチョコレート売り場という売り方である。
 いわば、その通路を通るといやが応にもチョコレートを買いたくなってしまうというくらい、右も左もチョコレートなのだ。
それが食品フロアだけでなく、他のフロアでも売っているのだ。

 例えば歳暮・中元シーズンには各フロアに小さな受付場所を設けている。
店の側からいえば大丸のように別会場を設け、そこで集中的に受け付ける方が効率はいいだろう。
ただ客の側にしてみればわざわざ1、2カ所のために別会場まで行って申し込むのは面倒である。
 そんなことなら贈答品を送るのは止めようということにもなる。
ところが各フロアに歳暮・中元の受付があれば、ついでに送るかということになる。

 別に歳暮・中元とかチョコレートセールのことだけをいっているのではない。
そういうことに代表される顧客サービスの姿勢に貫かれているということをいっているのだ。
日々の努力、サービスである。
それが対前年106.8%という数字になって表れているのだろう。

蚊帳の外の岩田屋

 岩田屋は再建計画通りかそれ以上の売り上げで推移していると言われているが、計画数字そのものがかなり低い。
1日~9日までの売り上げも対前年87.2%とダウンしている。
2月20日(日)の3デパートの売り上げ、入店率を見ても、岩田屋だけが前年を大きく下回っている。

 大丸  150%(売上高)  151%(入店率)
 三越  130%(売上高)  122%(入店率)
 岩田屋  87%(売上高)   61%(入店率)

 岩田屋だけが蚊帳の外に置かれたようだ。

おかしな事件とおかしな大人達

2005-03-05 22:46:27 | 雑感
 最近のニュースを見聞きしていると日本社会がおかしくなっていると感じてしまう。
警察官の万引き、酒気帯び運転による追突、大学(助)教授のセクハラ、猥褻罪、司法関係者の犯罪と耳を覆いたくなるようなことばかり。
 昔なら聖職、先生と言われた人達でさえこの有様だから、あびる優や里谷多英といったタレント、スポーツ選手の窃盗、人前での酒乱セックスと聞いてもそれ程ビックリもしない。
 ただ、あまりの自覚のなさというか、そこまで感覚が麻痺しているのかと呆れるばかりだ。

 しかし、あびる優の窃盗告白はひどい。
こちらは紛れもなく犯罪である。
しかもTVでのあのあっけらかんとした告白。
半年も続け、その挙げ句が店は倒産したというのだから、ちょっと出来心でなどというものではない。
所属事務所がいうよう万引きなどというものではなく窃盗であり、明らかに犯罪である。
決して野放しに出来る筋合いの物ではないし、こういうことを見過ごすことが犯罪を助長することにもなるので、司法の速やかな捜査を期待したい。

 それにしてもおかしいのは若い世代だけではない。
むしろ大人といわれる世代の方がおかしい。
例えばちょっとしたことですぐ切れる大人、少しでも気に入らないと議論もせずプイと出て行ってしまう大人・・・。
そういう大人とも呼べない人達の何と多いことか。
これでは若い世代がおかしくなるのも当たり前かもしれない。

士業も選ぶ時代に。

2005-03-05 09:08:36 | 視点
 今月、リエゾン九州の例会で「賢い士業の使い方」と題して山下経営法務事務所・の山下統温所長(行政書士)に話をしてもらったが、まさに目から鱗。
頼み方(正確に言えば選び方)次第でこんなにも料金が違うのかとビックリである。

 普通、法律に関するものは弁護士の仕事と思ってないだろうか。
ところが弁護士以外にも行政書士や司法書士も法律業務に携わっているのだ。
最近よく問題になる借家の敷金返金等の家賃訴訟やサラ金関係の問題では弁護士より司法書士や行政書士が活躍しているし、離婚訴訟や簡易裁判では行政書士が活躍している。
 例えば遺産相続の問題などは弁護士に頼めば100万以上かかるが、行政書士なら1桁違うというからビックリだ。

 裁判に訴えても裁判費用や弁護士費用を差し引くと手元にわずかしか残らないどころか、逆にマイナスになることもあるということは意外に知られてない。
とすれば費用の1桁の違いは非常に大きい。
弁護士に頼んだ場合、仮に裁判に勝っても手元に1銭も残らないということはあるが、行政書士や司法書士に頼めば費用は何10万円で済むというわけだ。

 特許関係は弁理士の専売特許だと思ってないだろうか。
実は知的所有業務も行政書士が取り扱っているのである。
具体的に言えば著作権登録に関する相談・登録申請業務・譲渡契約・使用許諾手続き調査・紛争・告訴に関する相談や手続き、実用新案登録・意匠登録・商標登録に関する相談・登録手続きなどである。
しかも料金は弁理士に比べてはるかに安い。

 特許に関しては日本の取り組みは遅れていると言われてきた。
そこで国も最近、特許の申請から取得までの期間を短くしようとしている。
そのために弁理士を含め特許関係を扱える人の数を増やしている。
その筆頭が行政書士だ。

 もちろん、行政書士なら誰でも裁判関係の仕事をしたり、知的所有関係の仕事をするというわけではない。
その資格があるということと、実際にそのことが行えるというのは別問題で、頼む時はその分野の仕事が得意な行政書士を選んだ方がいいのは言うまでもない。
 それは弁護士でも民事専門の人もいれば刑事事件に強い人がいるのと同じで、このことは弁理士にも当てはまるし、行政書士、司法書士でも同じことだ。

 ただ利用者にとって選択肢が広がったということであり、従来の固定観念を捨て、賢く士業を利用すれば大幅な経費節約になるということである。
 今後こうした動きはさらに加速されるから、士業も「選ばれる時代」になってきたのは間違いないようだ。

やはり三菱車は怖い。

2005-03-01 07:23:54 | 雑感
 2月のある日のことだった。
長崎自動車道を走っているバスの中で突然目覚まし時計が鳴り出した。
鳴っているのは前の方の席で、なかなか鳴りやまない。
早く止めればいいのにと思っていたが、誰も荷物を開ける風がない。
なんて無神経な人達だろうと思って見ていると、突然バスが路肩に停まり、運転手が何やら点検を始めた。

 「ご迷惑をおかけします。非常ベルが鳴っているものですから点検をします」
 そう言って乗降口のドア回りや社内トイレのドア、非常口辺りを点検している。
どうやらどこかのドアがきちんと閉まってないので警報が鳴っていると考えたようだ。
 ところが、いくら点検しても異常箇所が見当たらなかったらしく、再び運転席に戻ると
「点検の結果、どこにも異常は見つかりませんが、非常ベルが鳴りやまないので非常ベルのヒューズを外します。ご迷惑をおかけしますが、この先のパーキングで少し停まりますのでご了承下さい」
 とアナウンスしてバスを走り出させたのだ。
おい、おい、大丈夫か。
とにかくパーキングエリアに着くまでは気が気ではなかった。

 パーキングエリアに着くとヒューズの取り外し。
要するになんら根本原因の解決にならない、警報装置のヒューズを取り外して鳴らなくするという措置に非常に不安を覚えた。
もし、本当にどこかが異常だったのなら、どうなる。
機械が異常を察知しても、今度は警報すら鳴らないのだ。

 一応、運転手とともにバスを降り、バスの下回りを見て回った。
オイル漏れその他がないかどうか。
まあ、気休めにしかならないだろうが。
 しかし、警報装置は鳴りやまない。
何と警報装置のヒューズが分からないのだ。

 本社と連絡を取り合ってヒューズの場所を確認しているが、いくら外しても鳴りやまない。
後続のバスに乗り換えを要請するよう他の乗客も言い、運転手も後続車に寄ってくれるように伝えています、と答えていたが、後続バスは目の前を通過して言ってしまった。
「バスは通り過ぎていったじゃないか」
 という乗客の声に
「満席だと言っていましたからね」
 と運転手。

 まあ、なんだかんだやってて20分後に警報装置のヒューズ取り外しに成功。
なんということはない、ヒューズボックス2つの蓋が取り違えてあったらしくて、いくら蓋で警報ヒューズの位置を確認しても分からなかったというお粗末な話だ。
この20分間、寒風吹きすさぶ中で運転手の手助けをしていたのは私ともう一人の年輩の紳士2人だけ。
他の乗客は車内でノンビリしていたが、実はバスは三菱ふそう製。
そのことを乗客は知っていたのかどうか。

 「お急ぎの所ご迷惑をおかけしました。20分遅れましたが、急いでいきますのでお許し下さい」
 そのアナウンスを聞いた紳士と私は「急がなくていいから安全運転で言ってくれ」と声を掛けた。
 遅れを取り戻そうと急いだ挙げ句エンジンから火でも噴かれたら大変だ。

 実はこの日、当初は列車の予定だった。
それをバスに変更したのだが、なんとも不安な旅だった。
やっぱり三菱製は怖い。