栗野的視点(Kurino's viewpoint)

中小企業の活性化をテーマに講演・取材・執筆を続けている栗野 良の経営・流通・社会・ベンチャー評論。

ビジネスピープルにお勧めはDSDSスマホ(2)~コスパがいいg07

2017-01-07 13:15:39 | 視点
DSDSスマホのメリットと使い方

 DSDS(デュアルSIM、デュアルスタンバイ)スマホの最大のメリットは
2つのSIMで同時待ち受けが出来ることだが、どのような使い方ができるか以下に見ていこう。

 1.ケータイの通話専用SIM+データ専用SIM

 2.データ専用SIM+データ専用SIM

 3.通話付きSIM+データ専用SIM

 4.通話付きSIM+通話付きSIM

 DSDSのメリットを最大に受ける使い方は1の通話専用SIMとデータ専用SIMの組み合わせだろう。

 ケータイのかけ放題プランは2200円。これにMVNOのデータ専用SIMを契約し、
2つのSIMをそれぞれのSIMスロットに挿して使う方法だ。
データSIMの料金は毎月使用するデータ量の契約によって異なるが、1G以下なら500円未満。
3Gまででも1,000円程度。電話を多用する人にお勧めの使い方である。

 2はケータイとスマホの2台持ちの人向け。
データ専用SIMを2つも持つ必要がないだろうと疑問に思う向きもあるかと思うが、
月に3Gまでも使用しない。2Gあれば十分という場合に1GSIMを2つ挿して使うという方法もあるし、
別々のMVNOのSIMを挿して使い分けるという利用の仕方もある。
というのはMVNOによって通信速度の実測が違うからだ。

 3はすでにスマホを使っている人。
現在使用中の電話番号をそのまま利用してSIMフリーのMVNOに転出。
さらに予備でデータ専用SIMの契約をして使うというやり方が出来る。

 例えばナンバーポータビリティー(MNP転出)でキャリアからSIMフリーのMVNOに替え、
もう一方のSIMスロットにイオンモバイルの050付きデータSIMを契約して挿し、
受信は090等の従来番号でし、こちらから電話をかける時には通話料の安い050契約SIMに
切り替えて電話をするというような使い方が出来る。

仕事用とプライベートを使い分ける

 4の通話付きSIMを2枚挿す方法には何の意味があるのかと疑問を感じられるかもしれない。
ところが、これが案外便利というか、この使い方こそがビジネスピープルに重宝されるはず。

 まず片方に自分の個人使用携帯端末の通話付きSIMを挿す。
そしてもう一方のSIMスロットに会社から支給されている携帯端末のSIMを挿せばいい。

 こうすれば会社用と個人用の携帯端末を2台持ち歩かなくて済む。
DSDSスマホ1台で2つの電話番号を使い分けられるのだ。

 着信音をSIM1と2で替えておけば、着信音を聞いただけで仕事用の番号にかかってきたのか、
個人用番号にかかってきたのもすぐ分かる。

 最近発売されたDSDSスマホにはスロットが2つしかないものがほとんどだ。
SIMスロットの1つがマイクロSDカードとの兼用になっているため、SIMを挿せばSDカードを挿せない、
SDカードを挿せばSIMが挿せない仕様になっている。

 そのためSIM2枚挿しならSDカードが使えないし、写真などの保存用にSDカードを
使いたければSIMは1枚しか使えない。

 しかし、逆にこれは社員に会社用の携帯端末を持たせる企業にはセキュリティー上のメリットになる。
スマホの普及、大容量化でスマホにコピーして内部資料をこっそり持ち出す犯罪が後を絶たないが、
マイクロSDカードを使えなければこの種の犯罪の多少の抑止力にはなるかもしれない。

衝動買いをした「g07」

 最後に個人的なことを一つ。
過去、衝動買いはおろか、初期ロットを買うことなど一度もなかった私がつい10日程前に
衝動買いをしたものがある。それも発売の数時間後に。

 NTTレゾナントが「goo」の名称で発売しているDSDSSIMフリースマホ「g07(グーマルナナ)」だ。
実は検討していたのは楽天モバイルが独占販売している「honor8」だった。
発売間もなく楽天モバイル直販で42800円が1万円引きになり、さらに自撮り棒、イヤホン、マイクロUSBケーブル等4点セットの「ギフトボックス」がプレゼントと魅力的な内容だった。
惹かれたのはカメラ機能だった。

 1万円引きとはいえSIMカード契約などを入れると約4万円。
私の場合、スマホに払ってもいいと考える金額は2万円台半ばまでなので、希望価格まで下がるのを待つことにしていた。
どうせ1月にはフリーテルの「雷神」が29800円で発売されることだし、と。

 ところが12月14日に何の前触れもなく突然「g07」が発売された。
スペックを見るとフリーテル「雷神」とまったく同じ。
RAM容量が「雷神」の4Gに対し3Gとわずかに少ないだけ。
それなのに価格は19800円(税抜き)と「雷神」より1万円も安い。
さらにクーポン利用の3000円引き(先着907名限定)を利用すれば16800円。

 DSDSスマホが19800円でも安いのに16800円なら文句なしにお買い得と、つい衝動買いをしてしまった。

 因みに限定数の907、最初見た時はなんとも中途半端な数だと思っていたが、
商品名の「g07」=907とシャレタ数字だと気付いた。

 限定数の907は1週間かそこらですぐ売り切れたようだ。
色はホワイトとブラックの2色のみで、私はホワイトを注文したが、数日後にはホワイトは入荷待ちになっていた。

 SIMフリーのDSDSスマホ購入を検討している人にお勧めの機種なのは間違いない。

主な仕様は以下の通り。

 Android6.0(Android7.0アップデート保証)
 ディスプレーサイズ:5.5インチ
 メモリー RAM:3GB ROM:32GB
 アウトカメラ:1300万画素、インカメラ:800万画素(カメラ性能は画素数だけで決まるものではないから過度の期待はしない方がいい)
 SIMサイズはmicroSIMとnanoSIM(microSDとnanoSIMは排他使用なので、どちらかしか使えない)
 指紋認証センサー
 無線LAN:IEEE802.11 a/b/g/n準拠
 電池 3000mAh

 実際に手にした個人的な感想は5.5インチサイズは大きい。
大きさ的には今まで使っていたフリーテル雅の5インチの方が好みだが、
それを除けばコストパフォーマンスのよさは間違いなく今年一番だ。

 いずれにしろ2万円前後でミドルレンジのSIMフリースマホが買えるのだから、もう高い金額を出してキャリアのスマホを買う意味はほとんどないだろう。








SIMフリースマホにしない手はない(Ⅱ)~ビジネスピープルにお勧めはDSDSスマホ(1)

2017-01-07 12:54:27 | 視点
 今年は新しいSIMフリースマートフォン(スマホ)が次々に発売されたこともあり、
SIMフリースマホの販売台数が急伸した年だった。
 SIMフリースマホといえばかつては「格安スマホ」の名で呼ばれていたように価格の安さのみが
取り柄で、機能はキャリアスマホの1世代、2世代前と見られていた。また、実際そうだったが。
 しかし、いまや最新機種やキャリアも取り扱ってない機種を独占的に取り扱っていたりし、
キャリアのスマホと比較しても劣ることはない。
 取り扱い機種も幅広く、初心者向けの低価格のものからミドルレンジ(中級機)、ハイレベルの
魅力的な機種まで数多くあり、SIMもデータ専用のものから通話も出来るものまでとプランも充実している。

デュアルSIM、デュアルスタンバイとは

 そんな中でもビジネスピープルにお勧めなのがデュアルSIM、デュアルスタンバイ(DSDS)のスマホだ。
 なぜビジネスピープルにお勧めかという理由は後述するとして、その前にデュアルSIM、
デュアルスタンバイについて少し説明しておこう。

 デュアルとは2つという意味だからデュアルSIMはSIMが2つ挿せる(SIMスロットが2つある)ということだ。
デュアルスタンバイは2つのSIMが同時に待ち受け可能という意味である。

 つまりDSDSスマホはデュアルSIMで同時待ち受けが出来るスマホということだが、
重要なのは「デュアルスタンバイ(同時待ち受け)」が可能という部分。

 いままでもデュアルSIMのスマホは海外、特に中国やインドなどの新興国ではごく当たり前に使われていた。
そして日本でも数年前から存在していたし、現在でも発売されている。
ただ今までのデュアルSIMは2つある内の1つが2G対応だったため、国内ではシングルSIMとしてしか使えなかった。
(2G、3G、4Gは通信規格のこと)

 2G、3G、4Gは何が違うのか。専門的な説明を省き簡単に言えば通信速度の違いである。
数字が大きくなるに従って速度が速くなる。現在の日本ではLTEと呼ばれている4G回線が中心になっているが、
海外ではまだ2G回線も広く使われている。そのため2つあるSIMスロットの一方は2G専用になっていることが多い。

 つまりデュアルSIMでも日本では2G専用スロットの方は使えない(日本で使えるのは3G、4G)から、
せっかくデュアルSIMになっていても片方しか使えないシングルSIMと同じことで、
日本国内でデュアルSIMのメリットを受けることはなかった。

 ところが新興国でも4G回線が普及しだしたということもあり、今年後半から両スロットとも3G、
4G対応という機種が発売され始めたのだ。こうなると話が少し違ってくる。

デュアルSIMのメリット

 ではデュアルSIMだと何が便利で、何がメリットなのか。
実は私の最初のスマホはデュアルSIMだった。
デュアルSIMのスマホが欲しくて買ったと言った方がいい。

 当時使っていた携帯端末はソフトバンクの従来型ケータイ。
契約プランは2200円のかけ放題。
従来型ケータイの魅力はこのかけ放題料金の安さである。
それをスマホに替えた途端に端末代を含め毎月の支払料金が跳ね上がる。
それが嫌で従来型ケータイを使い続けている人は多い。

 私はといえば、それまで使っていたソフトバンクのケータイを契約解除することなく、
ケータイに入っているSIMを抜いて、そのままスマホの片方のSIMスロットに挿し、
もう一方のSIMスロットに新たに購入したデータ専用SIMを挿して使っていたのだ。

 デュアルSIMの最大のメリットはこのように従来型のケータイを契約解除することなく、
SIMを挿し替えるだけで使える、それも安いケータイ料金で使えるということだ。

 もちろん、全てのケータイでそれが可能というわけではない。
例えばauのケータイは電波が対応していないため使えない。
auに対応しているSIMフリースマホはマイネオなど一部のMVNO(Mobile Virtual Network Operatorの略、
仮想移動体サービス事業者)が扱っているものだけで、ドコモ対応のスマホではまず使えない(一部の例外はあるが)と考えた方がいい。

 次にソフトバンクケータイだが、電波の帯域がドコモと似ていることがあり
SIMフリー各社のスマホでも使えることが多い。
ただし完全対応かどうかはスマホが対応している電波帯域(バンド)を見ていく必要がある。

 SIMフリースマホを購入する時の注意点を1つ。
ドコモのFORMAプラスエリアに対応しているかどうかを確かめることだ。

 実は最初に買ったデュアルSIMフリースマホはFORMAプラスに対応していなかったため、
地方に行くと電波が入らず困った。
それでやむなくSIMを再びケータイに戻し、ケータイとスマホの2台持ちにしていた。

 スマホがドコモのFORMAプラスに対応しているかどうかは「ネットワーク」あるいは
「周波数帯」「バンド」と表記されている箇所にBand1以外に次の表記の有無を確認すればいい。

 W-CDMA(3G回線):800MHz(Band6)

 LTE:800MHz(Band19)

 上記2バンドの表記がないと地方で(都会でも)電波は繋がりににくい。

デュアルSIMのデメリット

 では、デュアルSIMフリースマホのデメリットはないのかといえば、実はある。
それは2つのSIMを同時に利用できないことだ。

 電話をする時とインターネットに接続する時にSIMを手動で切り替えなければならない。
その程度のことは思われるだろうが(実際私自身当初はそう思っていた)、切り替えた後、元に戻し忘れるのだ。

 いつも通話SIMの方に切り替えておけば電話がかかってくれば受けられるが、
ネット接続後、通話SIMに切り替え忘れると電話がかかってきても受けられない。
より正確に言えば、呼び出し音もしなければ不在着信マークも表示されないから電話があったことさえ分からないのだ。

 それだけではない。ネット接続中も電話は不通状態になる。
これは困る。
せめてネット接続中でも電話を受けられれば、こんなにいいものはないのにと思っていると、
同時待ち受け可能なスマホが今年相次いで発売された。それがDSDSスマホである。