栗野的視点(Kurino's viewpoint)

中小企業の活性化をテーマに講演・取材・執筆を続けている栗野 良の経営・流通・社会・ベンチャー評論。

教会でクリスマスイブを経験

2013-12-30 11:27:47 | 視点
 師走だからといって特にすることはないが、今年はクリスマスイブを教会で過ごしてみた。
といってもクリスチャンではないし、特にキリスト教に関心があったわけでもない。
強いて言えば、仏教とキリスト教の他者への関わり方の違いに以前から関心があったということぐらいだろうか。

 きっかけは郵便受けに入っていた1枚のチラシ。
近くにバプテストの小さな教会があり、そこのクリスマス案内だった。
「どなたでもお気軽においでください」という言葉に釣られ、野次馬根性丸出しで出かけてみた。

 最近は住宅地でも光害になるのではと思われる程イルミネーションを輝かせる家が
増えているが、本家本元の教会のイルミネーションは本当に申し訳程度で、
そこが教会と知らなければ通り過ぎてしまう程のものだ。
 
そこで参加者全員がローソクを持ち、聖歌隊(といっても、その教会の信者達で構成した手作り合唱隊)が
歌う賛美歌を聞き、キリスト降誕の話を映像と歌と牧師の語りで聞くという、手作り劇を観て終わり。

 最後はお決まりの寄付の案内がなされ、前もって入口で配られていた小さな小さな封筒に
各自がなにがしかの金額を入れて渡していく。

 寄付の献金先は止揚学園、日本キリスト教海外医療協力会、中村哲医師が活動している
ペシャワル会、ホームレス支援・福岡医療連絡会の5箇所と明記されていた。

 ホームレス支援・福岡医療連絡会は美野島にあるカトリック系教会が行っている「めぐみの家」の
炊き出し日に合わせて健康相談等を行っているそうだ。

 実は昨年から「めぐみの家」のボランティア活動に関心があり、炊き出しボランティアか
衣類等の寄付でもしたいと考えていたので、今回の教会クリスマスへの参加はなんらか縁があったのではと思っている。

師走の恒例行事

2013-12-29 14:44:20 | 視点
 新年まで後数日--。師走の街を忙しく走り回った人もいれば、挨拶回りであちこち回った人もいる
だろうが、24日には早々に御用を納め、寂しく職場を去った人もいる。
それにしても花束贈呈もなく、石持ち追うような送別はちょっと寂しすぎるというか、酷すぎるのでは
ないかと多少の同情を禁じえない。

 それはさておき、人それぞれ年の瀬の恒例行事とでもいうべきことがあるのではないだろうか。
私の場合は10年余前からなんとか欠かさず続けていることがある。
今年も郵便局に行ってきた。
以前はユニセフにしていたが、数年前から振込先を「国境なき医師団」にしている。
戦地や被災地で身の危険も顧みずに医療活動に従事している医師団の活動を微微力ながらも支えたい
と思っているからだ。

 「おもてなし」「もったいない」という言葉だけが独り歩きし、飽食で食べ残し、大量に食料を
廃棄処分にしている日本。
だが、世界中では餓死する人達の方が圧倒的に多い。
最近は日本でも餓死者が増えているが。

 そういう現実を考えれば、わずか3,000円の寄付で120人の診療を行うための基礎医療セットが
用意でき、5,000円で100人のマラリア検査ができるという。
世界で約5億人がマラリアに感染し、100万人以上が亡くなっているのだ。

 1万円あれば300食の栄養治療食が提供でき、3万円なら1,200人にはしかの予防接種ができる。
 自分には力も財もないけれど、それでもまだ彼らに比べれば今日1日食べていくことができている。
そんな日々に感謝し、500円玉貯金の本当にわずかな金額だけど、毎年12月には郵便局から
振り込むようにしている。

 もし、皆さんも善意を届けたいと思われたら
「国境なき医師団」のHP(www.msf.or.jp)をご覧頂きたい。
インターネット上からでも寄付ができるし、コンビニからの振り込みもできるようだ。







まだ行われていた偽装表示

2013-12-24 12:09:14 | 視点
 今年一番の話題は食材の「偽装表示」だろう。
まず範囲が広かった。
北から南、上から下まで皆偽装していたのだから、まさに偽装列島。
だが、偽装表示を認めて頭を下げたのは大手や老舗のみで、その他のところはそっと表示を芝エビからバナメイエビに替えていたのは見事というほかない。

 偽装されていたのは食材だけではない。
ありとあらゆるものが偽装されていたに違いないが、たまたま発覚したのが食材だったということだ。

 これだけニュースになった偽装表示だから、もう行っているところはないだろうと思ったが、
その考えは甘かった。

 つい最近(1週間前)、私自身が偽装現場を目にしてしまった。
全国ネットの某大手スーパーの惣菜売り場で、夕食のおかずを物色していた時のことで、時間は夕方5時30分頃。
惣菜売り場の従業員が店頭の唐揚げを1列、調理場に持ち帰ったので、その瞬間「おやっ」と感じた。
値引きシールを貼る時間にはまだ少し早いし、値引きシールは店頭で貼っている。
にもかかわらず、商品を1列調理場に持ち帰るという行動にいつもと違うものを感じた。

 廃棄処分にでもするのかと思い、それとなく様子を窺っていると、調理場の中で奇妙な行動をしだした。
その時、惣菜売り場には調理場の中外を含め従業員は女性1人しかいなかったが、
その女性が新しいパックを取り出して店頭から引き上げた唐揚げを移し替え出したのだ。

 なぜ、そんな面倒なことをするのか。どこかに持っていくつもりなのか、という疑念が過り、
さらに注視した。

 すると、移し替えた商品を再び店頭に並べたから、何がどう変わったのか見てみた。
なんとそのパックには「この商品は4時以降に作りました」というシールが貼られていたではないか。

 調理時間の偽装をしたのだ。
4時以降の調理なら、7時過ぎの値引き販売の対象から外れる。
その分、歩留まりがよくなる。
利益に直結する。
会社にとっては御の字かもしれない。
だが、こうした行為はいずれ発覚し、客離れを起こす。

 かの女性はこの一連の作業を平然と、慣れた手つきで行っていたから、
調理時間の偽装をしたのは今回が初めてではないだろう。
このスーパーの惣菜売り場ではこうした偽装が常態化していたということだ。

 目先の利益を追求した結果、致命的な打撃を受けたのが、今回の食材偽装だ。
それを目の当たりにしてもなお、こうしたことが平然と行われていることに驚いた。

 組織ぐるみとは思いたくないから、本社にメールで知らせ、内部調査をするように伝えた。
翌日「該当店舗の調査を厳格に行い、適正に対応いたして参ります」と返信メールが届いた。
後はその組織の問題である。
本当に「調査を厳格に行い、適正に対応」するかどうかは。
蟻穴にならないことを祈る。
きちんと対処すれば蟻穴にはならないだろうが、内部調査もせず、その場しのぎの消費者対応だったら
小さな蟻の穴から堤防が崩れることになる。







役者としては力量不足

2013-12-23 17:03:42 | 視点
 1年を通していろんな役者が舞台に上がっては消えたが、年末の大舞台に上がったのは猪瀬直樹東京都知事。

年末年始にかけてのロングラン舞台になるかと思ったが、あまり人気がなかったと見え、案外あっさりと終わってしまった。

やはり役者の力不足だったようで、見応えに欠けた点が残念。

滴り落ちる汗でスーツの襟を濡らしたシーンなどは迫真の演技で、脳梗塞か心筋梗塞で倒れはしないかと

観客をハラハラさせるなど、それ相応の見せ場は作ったが、その後の盛り上がりはなかったのが残念。

予定調和的な劇はやはり面白くない。

観客の期待というか読みを二度三度と裏切るようでなければ一流の脚本家、役者とはいえない。

そういえばこの劇、脚本家不在で、猪瀬氏が脚本兼主役を演じるワンマン仕立てだったのが、

そもそもの間違い、というか失敗だったと思われる。

 それにしても、もう少し奥行きのある演技が見たかった。

ふてぶてしく開き直ってみせるとか、人脈も金脈も前任者から引き継いだだけだから前任者も調べろ、

と道連れにするぐらいの迫力は欲しかった。

その辺りまで演じられるようになると役者として幅が出来るのだけれど、

どうもかつて左翼なり反権力を標榜した連中はダメだね。

いまではすっかり忘れられたイラ菅同様ちょい役程度の役しかできないようだ。

最近の使い込みでさえ数億円。

なのにたった5,000万円程度のはした金、といったら怒られそうだが、

その程度の金額でやられる時点ですでに小物といえる。

親分はもっと貰っていたはずだが、その証拠を掴んでいれば道連れにできたのに、

それができなかったということがすでに「アマチュア政治家」だったということだよ。




3年で年商8億の最強営業術はこれだ


なぜジーンズメーカーは相次ぎ経営破綻したのか。(5)(6)

2013-12-18 21:42:23 | 視点
環境の変化に対応できなかった

 さて、市場が縮小している時に取る方法はいくつかある。
1.市場をもう一度拡大させるべく業界で努力する。
2.縮小市場の中で自社のシェアを拡大する。
3.市場の縮小に合わせてスリムな体制にする。

 どの業界でもまず考えるのが1の市場の再拡大だろう。
だが、一度縮小局面に入ったものを逆転させるのはかなり難しい。
第一、従来と同じことをしていても拡大方向には向かない。
にもかかわらず多くの企業が従来の延長線上でやろうとする。

 その結果せめて身の回りからでもと、購買奨励や愛用運動、さらには条例制定をしてまで愛用運動を進めることに。
まあ自動車メーカーなども以前から取引業者に自社商品利用を「奨励」してきたから、いまに始まったことではないとも言えるが。


 成熟段階に入った商品は「機能」や「性能」ではもはや差別化できない。
 いいモノを作れば売れるのではない。
 いいモノを作ってももう売れないのだ。
 成熟段階の商品は「デザイン」や「カラー」「使いやすさ」で消費者から選ばれるのである。



     (中 略)


時代は大から小へ向かう

     (以下略)




 ☆全文は「まぐまぐ」の下記ページで
  http://archive.mag2.com/0000138716/20131213121008000.html

  リエゾン九州のHPでも読めます。







なぜジーンズメーカーは相次ぎ経営破綻したのか。~日本の製造業が抱えている課題、問題点

2013-12-13 12:11:15 | 視点
 2013年11月26日、ジーンズメーカー最大手のエドウインが私的整理の1つである事業再生ADR手続きの利用を申請し、実質経営破綻した。
これでジーンズ3大メーカーといわれたボブソン、ビッグジョン、エドウインがすべて経営破綻したことになる。それもこの数年で。

 なぜ、ジーンズメーカーは相次ぎ経営不振に陥ったのか。
その背景を分析していくと、そこには広く製造業が抱えている課題、問題点も見えてくる。

本業外で巨額の損失

 最初に行き詰まったのはボブソン。
2009年に営業権を投資ファンドに譲渡し、創業家が経営から撤退した。
しかし、その後も同社の経営内容は改善されず、2012年4月に民事再生法の適用を試みるも結局6月に破産(現在、創業家が再び商標権を買い戻し、販売を続けている)。
 その頃からビッグジョンの経営不振も噂され、ボブソン同様に営業権を譲渡するのではと一部で見られていたが、2013年4月に官民ファンド「おかやま企業再生ファンド」の支援を受け、現在再建中である。
そして今回のエドウインだ。

 エドウインの直接的危機は

 こう書きながら、なにやら既視感を覚える。歴史は繰り返すと言われるが、オリンパスグループ、林原グループを挙げるまでもなく、過去、何度も見てきたお馴染みの光景

     (以下略)


経理担当の横領・着服に注意

低価格ジーンズに負けた?

旧態然とした流通と内向きの発想




 ☆全文は「まぐまぐ」の下記ページで
  http://archive.mag2.com/0000138716/20131119123014000.html

  リエゾン九州のHPでも読めます。



  人より一歩先行く営業102の法則。

  これからの時代で勝ち抜くのは営業術だ。



紅蓮の如き怒りに似る櫨紅葉

2013-12-06 17:48:02 | 視点
 夕陽を浴び、それでなくても赤く紅葉した櫨の葉がなお一層赤く、まるで怒りに似た紅蓮の炎を燃やしているように見える。
いや、怒りに似たではなく、怒りそのものである。
激しい怒りで身を真っ赤に染めているのだ。
暴挙という他ない。
まだ東北の震災復興も進んでないのに、それより特定秘密保護法案を優先する安倍内閣とは何なのか。
なぜ、全てをさておいてでも優先しなければならないのか。
何を目指しているのか。

 成長戦略策定を優先するはずだった今国会がいつの間にやら秘密保護法案優先国会になってしまった。
経済成長より優先して保護しなければならない「秘密」とは何だろう。
そう尋ねれば「秘密はありません」と答えるに違いない。
「利益供与を図ったことはありません」
ここ数日、何度も同じ返事をしている猪瀬都知事と同じように。
彼は都知事になってまだ3か月。
たしかに5000万円「借りた」からとて、彼が言うようにまだ「お返し」はしてないかもしれない。
それはあくまで「まだしていない」というだけだ。
これからしようと思っていた矢先に、彼の秘密が先に暴露され、現時点ではまだだっただけではないのか。
つい、そう思ってしまう。

 都知事の「秘密」とは比べものにならないくらい大きな「秘密」を、今後、安倍内閣は持とうとしているのではないか。
それを暴露されたら困るから、法律を先に作って、リークしたり、暴露する人間を拘束できるようにしようと目論んでいるに違いない。
そう思えてならない。
小首を傾げながら、三白眼で喋るあの男の存在も気になる。

 いま世界中で危険なのは先の大戦を経験してない連中が権力の中枢に座っていることだ。
日本でも中国でも北朝鮮、韓国、米国でも。
所持している兵器を一度試してみたいと考えている人間がなかにはいるかもしれない。
核兵器のボタンまでは押さなくても、戦闘機を飛ばし局地戦程度はやってみたい、と。
なんとも危険極まりないが、そういう将来に備えて法整備を着々と進めようとしている、と考えるのは私だけだろうか。

 自民党に圧倒的な議席を与えた人々はいま少し後悔しているだろうか。
大いに後悔して欲しい。
どちらの政権にしても圧倒的な過半数の議席を与えることは危険だということを。
これからは世論も政権の思うがままに操られる時代になる。
そうなってから、「あの時もっと反対していればよかった」と後悔しても遅いだろう。

 こんな危険極まりない法律を施行させてはいけない。
櫨の木だって真っ赤になって怒っているではないか。
我々ももっと怒ろう。
怒りの声で国会議事堂を包囲しよう。
こう書けば、テロを先導したと捕まるのだろうか。
なんとも恐ろしい、嫌な時代になりそうだ。







有頂天な時ほど隠した本心が現れる。

2013-12-03 23:02:23 | 視点
 「ロバの耳」という話があるが、人は秘密を持つほど誰かに話したくなるものだ。
隠していればいるほど話したくなる。
その相手が家族であったり、愛人、側近、仕事仲間、遊び仲間と、人によって違うことはあっても、必ず話したくなる。
「ロバの耳」は土中に掘った穴に向かって秘密を話したが、現代では土を掘る場所も身近にそうそうないものだから、土の代わりにツイッターで囁いたり、ブログやフェイスブックでつい吐露してしまう。

 いつもは慎重に言葉を選んで喋っている人間でも、つい口が滑ることがある。
それはどんな時かといえば、有頂天になっている時だ。
人は絶好調、位や栄華を極めた時に有頂天になる。
そんな時にその人物の本心が垣間見られるわけで、つい漏らしたひと言、ちょっとした動作を、我々は見逃さないようにしなくてはいけない。

 例えばみんなの党の渡辺代表が党内抗争を制し(と本人が思っている)、今後の政局で日本維新の会に代わって自らがキャスティングボードを握る存在になったと思った瞬間、彼の顔がそれまでと変わった。
ひと言で言えばニヤついた顔になったのだが、決定的に変わったのは顔よりもう少し上の髪だ。
それまではトサカのように頭の真ん中で立っていた髪型が左から右よりに分ける形に変わっていた。
 昨日は同党の江田氏から「自民党に擦り寄るなんてとんでもない」と批判されたが、渡辺氏は自らの右寄りを早々と髪型で表し、安倍首相に満面の笑みを浮かべながら議場で擦り寄っていたのだ。

 国会議員、特に与党議員の喋る言葉には露ほども真実がないのは今に始まったことではないが、それにしても最近は酷すぎる。
 本音、本心がポロリと出たにも関わらず、それを指摘されると「真意が伝わらなかった」と平気で言う。
前言を翻すことに痛痒さえも感じていないのだ。
法案が通った後、「あの時の発言は真意が伝わってなかった」と平気で言うに違いない。

 そういう観点からすれば石破自民党幹事長は正直だと言える。
絶叫するデモはテロだと言い切った(ブログで書いた)のだから。
その後、ブログの内容は一部訂正はしたものの、「一般の方々に恐怖の念を与えることは、いかなる主義・主張であれ、やっていいことだとは思わない」と「絶叫するデモ」=「テロ」という基本構図は変えていない。

 では、彼(自民党)が許すデモとはいかなるものか。
それは「整然と行われるデモや集会」だと昨日の記者会見で述べている。
彼が言いたいことを分かりやすく言い換えれば、「政権が認めたデモや集会のみ許される」ということだ。
政権に異議申立てを行うデモや集会はすべからくテロかそれに類するというわけだ。

 なぜなら「恐怖の念を与える」デモか集会だと判断するのは、彼ら権力者だからだ。
こんな強権的な法律はどこぞの独裁国家のやり方と同じである。
なぜ、彼らは特定秘密保護法案の可決を急ごうとしているのか。
その次に、何か国民にとって不都合な真実があり、それを覆い隠そうとしているとしか思えない。
とにかく一度法律を作ってしまえば、後はその法律に基づいて異議申立てをするデモや集会を禁止することができる。

 ついでに言っておけば、3人以上集まれば「集会」と見なされるのだ。
テロ実行の相談をしていたに違いない、という口実で拘束することもできる。
まさに独裁国家だ。
まさか日本が独裁国家になどなるはずがない、と思う人はよほどの楽観主義者だろう。
戦前の歴史が証明しているように、「まさか」と思っているうちに、どんどん進んでいくのだ。

 ジワジワと進められ、気が付いた時には茹でガエルよろしく死んでしまう。
そうなってから、あの時反対しておけばよかったと後悔しても遅い。

 特定秘密保護法案は絶対廃案にしなければならない。
皆、反対の声を上げていこう。
もう時間はないのだから!