栗野的視点(Kurino's viewpoint)

中小企業の活性化をテーマに講演・取材・執筆を続けている栗野 良の経営・流通・社会・ベンチャー評論。

FREETELが27日午後発表する機種は・・・

2015-10-27 11:47:47 | 視点
 このところプラスワン・マーケティング(以下FREETEL)が面白い。

それまでは低価格スマホを企画・販売しているベンチャー企業の一つに過ぎなかったが、「SAMURAIシリーズ」の発売以後、似たような同業他社の中から頭半分抜け出した存在になりつつある。

高品質スマホを求める日本の消費者の中には同社が10月2日に発売した「FREETEL 雅」も相変わらず低くみられているが、「雅」は低価格ではあるが低スペックのスマホではない。

言うなら格安スマホ。中級機を低価格で販売した同社の努力こそ評価すべきだろう。

個人的なことを言えば、いま私が使っているスマホはコヴィアのFleaz F5。デュアルSIMスマホ(国内で両SIMが使える)で、仕様は以下の通り。

 OS:Android4.4
 CPU:クアッドコアプロセッサ1.2GHz
 メモリー:ROM 8G RAM 1G
 画面サイズ:5インチ
 SIMスロット2(ともに3G対応)
 無線LAN:2.4Ghz/5Ghz
 カメラ:前面500万画素、背面30万画素
 販売価格:20,300円(税込み)

 FREETELが先頃発売した「SAMURAIシリーズ 雅」の仕様は以下のようになっている。

 OS:Android5.1
 CPU:クアッドコアプロセッサ1.3GHz
 メモリー:ROM 32G RAM 2G
 画面サイズ:5インチ
 SIMスロット2(ともにLTE/3G対応)
 無線LAN:2.4Ghz
 カメラ:前面1300万画素、背面500万画素
 販売価格:21,380円(税込み)

 価格はほぼ同じぐらいと見ていいだろう。CPUも1.2Ghzと1.3Ghzの違いだから、まあそれ程の差はないと見ていいかもしれない。
 大きく違うのは同じデュアルSIMながら3G回線とLTE回線という回線スピードの問題だ。
もちろん「雅」のLTE対応の方がネット接続などでストレスなく見られる。
同じ価格帯ならLTE対応を選んだ方がいいに決まっている。

 もう一つはOSが最新か、ひとつ前のバージョンかで、これも最新のAndroid5.1搭載の「雅」に軍配が上がる。

 3つ目がメモリーの問題で、ROM、RAMとも数字が大きい方が動きも速いし、アプリの数も多く入れられるのは言うまでもない。
 「雅」のROM32G、RAM2Gは明らかにミドルクラスのスマホが採用しているメモリー。
格安スマホで人気のあるZenFone 2 LaserでさえROM16G、RAM2Gだ。そして価格は3万円台。
「雅」より1万円以上高い。

 つまり「雅」は格安スマホではあるがエントリースマホではなく、ミドルクラスのスマホといえる。
すでに入手したユーザーの評価もいい。
実のところ私も発売日の午後、ヨドバシカメラに買いに行ったが10時には完売(10台)と言われた。

 このように今秋以後、FREETELは一躍注目ベンチャー企業になったが、同社の問題は発売前宣伝(?)がうまく、新機種を近日発売という案内はかなり以前からするのだが、発売日の案内を直前までしないことだ。
 直前と言っても数日前とかではなく、メール登録者に当日にメールで「本日○時に発売」と届く。
結果、予約販売しか入手できない。
 再入荷の案内も数日前に届いたが、こうも直販のみで、ヨドバシカメラに予約していたが店からの連絡は5日たつ現在もない。

 とまあさほどによく分からないFREETELのやり方だが、またまた昨日、27日午後1時から新機種の発表を行う旨メールが届いた。
 内容は下記の通り

 13:00~15:00 都内にて記者会見を行います。
 主題として、新機種の詳細と発売日・新サービスについてご案内いたします。
 当日、下記URLよりLIVE配信いたしますので、是非ご覧いただけますと幸甚です。
  http://www.ustream.tv/channel/xz6VqYqCcZV

 前回、「雅」を発売した時とほぼ同じやり方だが、気になるのは新機種が何かだ。
最初このメールを目にした時は「近日発売予定」の「Priori3 LTE」かと思った。
Priori3なら「雅」の予約をキャンセルして、Priori3に変更してもいいと考えたのだ。
というのは5インチサイズはやはり少し大きい。
ポケットに入れるには少し大きいし、ストラップを付けて胸ポケットに入れるにしてもはみ出てよく落とすからだ。
それで4.5インチサイズのデュアルSIMスマホを探していたが、Priori3はサイズを含め、まさに私の希望にピッタリなのだ。

 しかし、「雅」より「ランク下(?)」のスマホのために発表会を実施するかというと、それは考えにくい。
とすれば、新機種は何か?
そこで思い浮かんだのがWindowsPhone。
これならあり得る。
現在、WindowsPhoneで発売(国内企業のもの)されているのはマウスコンピューターの「MADOSUMA」だけ。
しかも「MADOSUMA」はWindows8.1。
もし、FREETELがWindows10搭載スマホを発売すれば国内初(海外メーカーもまだないか?)。
これならニュースになる。
 というわけで、本日午後1時からの発表を心待ちにしている。







デザイナー受難時代と不寛容社会

2015-10-01 08:02:30 | 視点
 デザイナー受難時代、と言えるかもしれない。
東京オリンピック・パラリンピックのエンブレム騒動を見ていて、そんなことを感じた。
 佐野研二郎氏のデザインがオリジナルだったのか、それとも盗作、模倣の類かという直接的な問題より、この騒動が広義のデザイン業界(グラフィックス分野に限らず、工業デザイン、建築デザイン等あらゆる分野を含む)に与えた影響は想像以上に大きいのではないだろうか。
この業界に携わる人達、さらにいえば知的生産活動に携わる人達の創作方法をガラリと変える程のショックをもたらしたのではないか。

厳密適用すれば線引きは微妙

 模倣、盗作、一部流用等の問題は昔からあるが、この問題を厳密に適用すればするほど線引きが非常に難しくなる。
例えば画家の工房作品をどう評価するのか。
ルーベンスの絵は彼自身が最初から最後まで描いたものに限定するのか、それとも下絵のほかは工房制作のものまで含めるのか。
 現代になるとあらゆる分野で分業が進み、有名漫画家、多作で有名な作家などはプロダクション所属の漫画家や、専属ゴーストライターがかなりの部分、あるいはすべてを書いているが、著者名には作家本人しか載ってないものが多分にある。
 工業デザインになるとさらにややこしい。
日本車の多くはベンツやBMWにどこかしら似ているし、部分的に非常に似た箇所は結構多い。それらを模倣、盗作と言うのかどうか。

 部分的には似ていても全体像が違っていれば、それは模倣ではなくオリジナルである。
この見解に異議を唱える人はまずいないだろう。
 工業デザインが盗作、模倣の指摘を逃れているのは全体像が違っている、あるいは別機能の付加があるからだ。
 ではコンセプトが同じで、作品にも微妙な類似点があるものにオリジナリティーが認められるのかどうか

 それにしても「佐野バッシング」はとどまるところを知らないようだ。
次から次に類似作品が探し出され、「盗作」呼ばわりされているのは少し気の毒な気がする。
 部分が似てくるのはある意味仕方ない。
しかし、コンセプトも全体像も違えば、それは別作品と認めるべきだろう。
 とはいえ、近年、この境目が非常にあいまいになりつつある。特にデザイン分野で。
なぜなのか、なにが原因なのか。

           (中略)

組み合わせの時代

           (中略)

ネットの普及で制作も一変

           (中略)


ネット社会の負の側面も


 さて、オリジナルとコピーの線引きがどんどん難しくなってくる(今後、間違いなくそういう方向に進むだろうが)と、両者の区分けをするための訴訟が増えることが予想される。

 今回、佐野氏の問題で明らかになったものが2つある。
1つはグローバル化である。
デザインの類似性チェックも国内だけではなくグローバルにチェックすることが求められてきたといえる。

 もう1点は世界中が不寛容の時代に入ってきたということ

           (中略)




 ☆全文は「まぐまぐ」内の下記「栗野的視点」ページから
  http://archive.mag2.com/0000138716/20150909103000000.html

 「栗野的視点」はリエゾン九州のHPにも収録しています。




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