栗野的視点(Kurino's viewpoint)

中小企業の活性化をテーマに講演・取材・執筆を続けている栗野 良の経営・流通・社会・ベンチャー評論。

新福岡市長相手にとんだ恥さらしを。

2006-11-30 12:31:28 | 雑感
 人は時々勘違いをする。
でも、私に限っていえばとんでもない勘違いというのはまずなかった。
しかし、それも昨日までだ。
昨夜、ある人物を勘違いしたまま、好き勝手なことを喋ってしまった。

 時間は夜6時過ぎ。
ボールセミコンダクターの仲野さん達とお会いし、食事をするために今泉に向かっ
ていた時のことである。
警固神社の向かい側辺りで前から歩いてきた吉田新市長を見かけたので、「やあ」
という風に手を挙げて立ち止まった。

 彼は歩きながら携帯電話で話をしていたが、立ち止まったまま、それでもしばら
く相手と話をしていた。
そして電話を切り終わったのを待って
「栗野です。おめでとうございます」
 と話しかけた。
「以前お会いしてるでしょ。吉田さんがまだ経済部の部長だった頃、私が流通の講
演をした時に聞きに来られたじゃないですか」
 だが相手の反応が鈍かった。
「お会いしていますか」と思い出せない風なのだ。

 おいおい、よせよ。私と会ったのを忘れているのか、と少し落胆したが、まあ、
こちらもそれほど有名人ではないから仕方ないかと思い直し、話を続けた。
 「今後の市政運営をどうするのか」
 「メルマガは発行しないのか」
 「新市長のメルマガを待っている人もいるようだよ」
 「当選したからといって、あまり奢らないように」
 「議会対策も大変でしょうが、いずれにしても市民を味方に付けてやるしかない
でしょう」
 と、好き勝手なことを喋り、最後に「メルマガを発行したら私のアドレスにも送
って下さい。応援しますから頑張ってください」と挨拶して別れた。

 市長になってからの吉田氏と話すのは初めてだったが、私の記憶では以前一度会
っているはずだった。
 しかし、選挙中からずっと気になっていたことがあった。
顔が少し違うような気がしないでもなかったのだ。
だが、以前会ったのはもう5年も前のことだから、多少顔が変わっていても不思議
でもない。
名前はたしかに吉田だった、と記憶している。
でも、相手は私を覚えていないといった・・・。

 そこで、この疑問を解くべく、今朝、吉田氏を私に紹介してくれた人物に電話を
して確認することにした。
 結果は私の思い違いで、紹介されたのは経済部のK氏だったのだ。
K氏と吉田氏では全然名字が違う。
なぜ、いつ、混同したのだろうか。
とんだ恥さらしをしたものだ。
電話の相手からは大笑いされた。
「栗野さんでもそんな恥を掻くことがあるのね」だって。
まあ、これも老人力が付いてきた証し。
老人力が付いてくると臆することなく人に話しかけられるようになる。
ただ、相手にとってはとんだ迷惑だったかも分からないが。

2000億円市場を作った男の

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丸い半導体(ボールセミコンダクター)に挑んだ男たち

2006-11-29 16:33:20 | 視点
 ボールセミコンダクターという会社がある。
日本語に訳して「丸い半導体」。
半導体が丸いなんて信じられないだろうが、世界で初めて丸い半導体を作ったのは日本人だ。
本社はアメリカ・ダラス。社名はボールセミコンダクターである。

 同社については私がリエゾン九州のHPの「九州の技術」という項に

「日本とアメリカで半導体の歴史を変えようとしている男達」
と題して収録しているので、そちらを一読いただきたい。
 ページの下の方なので、サイドバーを下に動かすと見えてくる。

 同社の共同創業者・仲野英志氏と知り合ったのは、もう6年前。
帰国されたとき知人の紹介で福岡で一度お会いした。
 1昨年、代表者の石川氏が亡くなられ、その跡を継いで社長をされていたが、今年、前社長の子息に社長職を譲り、退職・帰国された。

 今回、福岡・大分に来られる(三井ハイテック、TIへの訪問目的)ついでに知人達とお会いになるそうで、その際私にも会いたいので同席をというメールが来たので、今夜お会いする。

 同社の闘いを「丸い半導体(ボールセミコンダクター)に挑んだ男たち」という題名で出版された。(新生出版から発売)
 本の売り上げは全額ユニセフ及び車椅子・身障スポーツ普及の会NPOに寄付されるそうだ。
 ご興味がある方はぜひ同書をご購入頂きたい。
こんな素晴らしい会社があるのかと感じ、日本人を誇りに思うはずだ。

ITの先駆者 丸い半導体(ボール・セミコンダクター)に挑んだ男たち

新生出版

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やはり安心できるNTT系サーバー

2006-11-28 16:38:51 | 雑感
 少し前にサーバーが突然一杯になり、一切のメールを受け付けないトラブルに見舞われたが、原因はウェブメールだった。
レンタルサーバーはNTTグループのWebARENA Suite2
を使っているが、同サーバーはウェブメールの利用も無料でできるようになっているので、それを利用する設定にしていた。

 ウェブメールを利用すればメールサーバーに届いたメールをインターネット上で読むことができる。
つまり、わざわざ携帯電話に転送したりしなくても、携帯電話でインターネットに接続すれば、自分に届いたメールを読むことができるのだ。
携帯電話だとちょっと長いメールはサイズオーバーで読めないが、ウェブメールの場合は全文読むことができるから非常に便利だ。

 ところが、このウェブメールのゴミ箱の中から完全にメールを削除する設定をしていなかったため、受信メールがどんどん増え容量を目一杯使ったため、新規メールの受信が不能になったのだ。
 通常のメールはサーバーから受信後3、4日で自動的に削除する設定にしていたから、ウェブメールもそれで削除されると思っていたのが勘違いで、ウェブメールの削除は別に設定する仕様になっていた。
まあ、こちらがマニュアルをしっかり見てなかったミスだ。

 それにしても感心したのはNTTPCの対応だ。
同社の場合、問い合わせはすべてメールでしか受け付けないのだが、朝問い合わせると確実に夕方までに対処法を紹介したメールが届くのだ。
 最初に容量一杯で受信不能になって4日後に再び同じ症状で容量が一杯になった原因は、受信できなかった間のメールを4回ほどサーバーが受信しにいくらしく、その間のメールがまるでスパムメールのように繰り返し受信され、あっという間に再び容量が一杯になったのだった。

 しかし、この時はサーバーの容量を一時的に150Mから一気に2000Mまで開放してくれたので、問題なく処理することができた。
この辺りの対応はサスガと感心した。

 プロバイダーやサーバーは問題が起こった時の対処方法や対処能力で善し悪しがはっきり分かれる。
料金的にはWebARENA Suite2よりはるかに安いところはいくらでもあるが、やはりNTTPCを選んでよかったと、いまさらながらに思った。
お勧めのホスティングサーバーである。

解約率1%のレンタルサーバー WebARENA Suite2

近未来通信の次は環境投資詐欺か

2006-11-27 19:05:02 | 視点
 「柳の下のドジョウ」という言葉がある。
「柳の下にいつもドジョウはいない」というのが正確な言い方だが、最近では広告・企画業界で同じ企画が二度三度当たることから「柳の下にドジョウが3匹はいる」という言い方が広まっている。
 この言葉を最近、好んで使っているのが「詐欺業界」だろう。
一度騙された人間は二度三度と騙されやすいようで、何度でも狙われる。
それ故、「柳の下のドジョウ」と呼ばれ、いいカモにされているようだ。

 あんな見え透いた手口にと思うが、引っかかる人はいとも簡単に引っかかるらしい。

 古くは「カンボジア難民支援のために寄付を」と訴え個別に家庭訪問して寄付金を騙し取る集団がいたし、花売り娘ならぬハンカチ売り娘もいた。
どちらも怪しげな宗教団体がバックで操作していたのだが、寄付を集めに来る人間は「学生」を装ったり、「ボランティア」を前面に打ち出し、人の情に訴えていたところが共通している。

 最近「5年満期の定期預金だと思ってください」と(株)日本環境サポートという会社から電話がかかってきた。「販売代行会社」だという

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署名なしのメールを出す人

2006-11-24 09:05:11 | 視点
 以前HP内の「栗野的視点」で「Eメールのエチケット--初心者に多い失敗例」と題して、Eメールを出す時には必ず自分の署名を入れること、と書いたが、相変わらず署名なしのメールが届く。

 署名なしのメールは名前を名乗らず電話するようなもので、かけている本人は分かっているつもりだろうが、受けている方は誰からの電話か即座に分からない。
 電話を通した声は分かりにくいし、電話を受ける場所によって聞きにくかったり別の声に聞こえることなどはよくある。

 名乗らずに電話をかける人はまずいないと思うが、メールでは平気で署名なしで出す人がいる。
 つい先日もアドレス変更のメールが届いた。
それにも署名なしだから誰からのメールか即座に分からない。
しかも、アドレスを変更してくれという内容にもかかわらず、新しいアドレスが本文に書かれてない。
これでどうしてアドレスの変更ができるのだろうか。

 メールといえども手紙と同じで最低限のエチケットは必要だ。
まず旧メールアドレスを書き、
その下に新アドレスを書くのが当たり前だ。
そして最後に署名である。
これが最低限のルール。

 頻繁にメールのやり取りをしていない人は署名なしでも分かるはずと思っているかもしれないが、同じ名字の人はアドレス帳に何人も入っている。
例えば「いとう」という名字の人は伊藤、伊東を含め10人近い人がアドレス帳に入っている。

 エチケットはコミュニケーションを潤滑にする手だてである。
エチケット違反、マナー違反を平気でする人は人脈を失っていくことに気付かないのだろう。

無印良品から、新しい暮らし方の提案

麻生セメントで二刀流武蔵について講演

2006-11-22 17:21:03 | 視点
 24日、麻生ラファージュセメントの代理店組織・産友会の総会で講演することになった。
 同会が総会で講師を招いて話を聞くのは初めてらしい。
それまでは大抵どこかに出かけ、ゴルフとセットになった懇親会を実施してきてようだが、今回は初めて県内で行うとのこと。

 というわけで栄えある1回目の講師を不肖私が仰せつかったというわけである。
仰せつかったのはいいが演題である。
 いつも「中小企業活性化のために何が必要か」とか「技術力アップこそが中国に勝つ方法」「地域ブランドの確立で生き残れ」とった、どちらかといえば堅い内容の話を分かりやすく話すのを得意としているのだが、今回はセメント販売業界だけにあまり真っ正面から論じると「未来は明るい」という方向になりそうにないので少し困った。

 先方の要望も、講演の後は懇親会だから、懇親会の楽しい話題にもなり勉強にもなるような話をということだった。
 それならと提示したのが「転換期を生きた二刀流武蔵の実像に迫る」というタイトルだった。
 宮本武蔵が来た時代が戦国時代から安定に入る転換期であり、その生き方、特に晩年の武蔵の生き方から様々に学ぶ点があり、厳しい業界に身を置く方達の経営のヒントにもなるやもしれないということ。
 また一般に知られている武蔵像は小説で作られた姿で、実際の武蔵像とは大いに異なるので、その辺りの話をすることにした。

 武蔵をテーマに話をするのはこれで3回目。
皆がよく知っている人物でありながら、実像はあまり知られていないだけにいつも興味を持たれる。
 明日はその準備で潰れそうだ。

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近未来通信のCMに出たタレント

2006-11-22 11:38:51 | 視点
 女優というかタレントというか、彼女たちも因果な商売だと今回も思っているに違いない。
彼ら彼女たちに会社の内容を把握する能力はなく、単純に仕事として受けたのに、その会社がおかしなことになれば出演者もマイナスイメージで見られる。
今回の近未来通信も同じだろう。
同社のCMに出演した大地真央もまさか近未来通信が破綻、あるいは詐欺罪で訴えられるようなことになるかもしれないなどとは、仕事の依頼が来たときには夢にも思わなかったに違いない。

 さすがに彼女が出演したTVCMが放映されることはなくなったが、それでも大地真央が電話機を持った近未来通信のどでかい、ど派手な看板はまだあちこちに残っている。
それをはずしてくれとは言えないだろうし・・・。
イメージ商売だけに多少の影響は免れないかもしれない。


福岡市長選 新人、吉田氏当選の背景

2006-11-19 23:30:44 | 視点
 19日投票が行われた福岡市長選は現職の山崎広太郎氏を破り、新人候補の吉田宏氏が当選確実にした。
 この選挙、終盤戦は民主対自公の対立構図で捕らえられていたが、選挙民にとっての構図は山崎対反山崎、開発推進対市民生活重視の構図である。

 当初、吉田氏陣営の懸念材料は反山崎の有力候補が吉田氏のほかに高山前市議がいたことだ。
ともに民主党の推薦を目指していただけに、反山崎票が2分され、共倒れになる危険性があったことが1点。
 2点目は吉田氏の出身地域が北九州で、北九州市長選に出るのではないかと思われていたこと。選挙に出たがり屋と思われることは無党派層に対して大きなマイナス要因になる。
 3点目は民主党市議団内が当初、吉田氏支持で一本化できていなかったことだ。

 だが、最終的に吉田氏が勝利を掴んだ要因は何か。
もちろん民主党本部が対自公という対立軸で動き、民主党が党を挙げて全面的に応援態勢に入ったことが大きかったのは言うまでもないが、そのほかにいくつか挙げるとすれば
1.高山前市議陣営の戦術的失敗
 高山前市議の失敗は民主党の推薦が得られなかったことだが、66歳という年齢的なハンディがあったことは間違いないだろう。
ショートリリーフの1期だけなら問題ないだろうが、最低2期、できれば3期まで託せるかという時に年齢面がマイナスになったと思われる。

 高山陣営で特に目立ったのはPR戦術の失敗である。
 近年の選挙は米国式のイメージ選挙になりつつあり、選挙ポスターの作り方だとか、キャッチフレーズといった無党派層を意識したPR戦術が選挙結果を左右するようになってきだしている。
 この点を高山陣営は過小評価していたように見受けられる。
例えば選挙カーでの「まかせていいとも」「きょうは高山」の連呼を聞いた時、何を言おうとしているのか全く理解できなかった。
それがタモリのTV番組「いいとも」からきており、立候補に当たってタモリを引っ張り出していたことと関係あると気付いたのは随分後になってである。
このように考えなければ分からないキャッチフレーズを使うこと自体、PR戦術として失敗である。

 さらに致命的なのはこれから(明日)の市政を任せる市長選のキャッチフレーズに、「明日」とか「未来」ではなく「きょう」を打ち出した点である。
きょうは高山で明日は高山ではないのかと感じさせるまずさである。
 このように吉田陣営は高山陣営の選挙戦術のまずさに助けられたのは否めない。

2.山崎氏の胡散臭さ
 対山崎氏で吉田氏が決定的な勝利を掴んだ要因は山崎氏の市民に対する裏切りである。
 山氏が市長になれたのは選挙民が積極的に山崎氏を選んだのではなく、消去法で選ばれた結果だったのだが、そのことを本人が忘れてしまっていた。
 山崎氏が市長になれたのは開発主導型の桑原前市長のやり方に選挙民がノーと言った結果であり、反桑原ならある意味誰でもよかったのだ。
つまり積極的に選ばれたのではなく、反桑原・反開発というだけで選ばれたのに、当選後、桑原氏を顧問に迎えたり、公約に反して開発を推し進めようとしだした。その代表がオリンピック誘致に名を借りた須崎埠頭の再開発である。

 こうした山崎氏の選挙民に対する裏切り行為に今回、選挙民がノーと言ったのだが、それは再開発事業の裏に利権の臭いを嗅ぎ取ったからにほかならない。

 さて、吉田新市長についても同じことが言える。
反山崎の代表として選ばれただけで、それを自らが選ばれたと勘違いすると、今回の山崎氏と同じ運命をたどることになるだろう。

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未来はあるか、自転車操業だった近未来通信。

2006-11-16 17:11:46 | 視点
 先月、近未来通信のTVCMが流れたのには驚いた。
さすがに大物女優を使った以前のCMではなかったが、間違いなく近未来通信のCMだった。
驚いた理由はまだ同社のCMを受ける広告代理店、放映を許可するTV局があったということにである。
 全国ネットの局で現在同社のCM放送を受けるところはないはずだから、放映したのはローカル局に違いない。
それにしてもよほどの無頓着か、よほど情報に疎い局なのだろう。

 近未来通信が東京国税庁から所得隠しを指摘され追徴課税を受けたことは、すでに8月30日付の「栗野的視点」で記した。
その際に「もしかすると詐欺罪で摘発されるか、破綻するかどちらかではないか」と指摘し、要注意の理由もいくつか挙げておいたので、まだ読まれていない方はまずそちらを一読していただきたい。

 読んでもらえば分かると思うが、普通の感覚なら同社のTV広告は恐ろしくて引き受けられないだろう。
不良債権になるのがほぼ確実な状態で受けるなんてことはまともな神経ならとても考えられない。
まあ前金キャッシュで受けるという手もあるが、現在の同社にそこまでできる資金はないに違いない。

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一風変わったメニューを出す店

2006-11-14 23:50:09 | 視点
 先週の土曜日、2次会で福岡市中央区今泉の小さな小料理屋というか食事処に数人で入った。
一見さんはまず来ないだろうなという感じの小さな古いビルの3階に、その店はあった。
中は座敷テーブルとカウンターで20人は入れそうだったが、収容人数に比べこぢんまりとした感じだった。

 我々の仲間の一人が行きつけというか、その店のママとは山登り仲間だといっていた。
正確に言えば山登り仲間が一度山に連れてきた仲間で、店に来るのは今回が二度目ということだから、馴染みとはいえないようだ。
「おばさんが一人でやっている店だけど行ってみますか」
「おばさんっていくつぐらいですか」
「30代ではないかと思います」
「30代でおばさんは失礼でしょう」
「いや40前ですよ。おばさんじゃないですか」
「40前後ならお姉さんでしょ」
 そんな会話を交わしながら店に入った。

 ドアを開けて中に入った時からちょっと変わった店だった。
ママは愛想がいいわけでも、悪いわけでもない。
まるでアルバイトの女性のような、どこかオドオドしているというか、まだ水商売になれてないというような態度だった。

 我々はすでに前の店で飲み食いしていたので、もう飲み物しか飲まなかったが、そのうち一人がメニューを眺めながら
「生ゴミのかき揚げって生ゴミを天ぷらにしたやつですかね?」
 と言うから全員顔を見合わせた。
「かき揚げは天ぷらだけど、生ゴミをかき揚げにしてどうするんだ」
「いや、メニューに書いてあるんですよ」
「まさか! 生ゴミを出すわけないだろう」
「いやー、でも、ちゃんとそう書いてあるんですよ。ね、ママ」
「生ゴミといっても三角ゴミに捨てる前の物ですよ」
 とママ。

 当たり前だ。捨てた物を拾ってかき揚げにして出されたらたまったものではない。
一体どんな物か一度食べてみるか、とは誰も言わなかった。
 よく見るとほかにも変な名前のメニューが結構あったが、ほかは皆忘れた。
ブラックユーモアだろうと思ったが、ママの顔を見ると存外マジかもしれないと感じた。
その瞬間なぜか、旅人を泊めて夜中に包丁を研ぐ鬼婆の日本昔話のシーンを思い出してしまった。
そうだ、なにかこの店が変だと思ったのは、ママの目が笑ってないからだ。
何も食べなくてよかった。
帰る時密かにそう思った。

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久々に見た幻の2千円札

2006-11-13 12:28:36 | 雑感
 先週土曜日、久し振りに二千円札を見た。
見たのも久し振りだが、そもそも二千円札そのものは3回ほどしか見ていない。
それ程流通してないわけだ。

 手にしたのは懇親会後の2次会だったか3次会だったかの席。
皆から集めた金の中に入っていたのだが、店のママに受け取りを拒否された。
「いやー、2千円札はいらない。千円札で頂戴」だって。
そんなことをいわれてもこちらも千円札と紛らわしい二千円札は持ちたくない。
酔っぱらっているからタクシー代を払う時、千円札と間違えて出す可能性は大ありだ。
でも、受け取りを拒否された以上仕方ない。
結局、私の財布の中に納まったが、最近では人の口の端に上ることもなく、ひっそりと日銀の金庫の中で眠っているはずの二千円札がなぜ突如現れたのか。

 実は二千円札をよく見てもらえば分かるが、沖縄の守礼門が印刷されている。
その縁で昨年、沖縄の地元財界関係者が「二千円札流通促進委員会」を設立。
「二千円札大使」を任命し、二千円札の流通に力を入れているのだ。
この二千円大使に任命された沖縄の劇団員3人が9月に守礼門を出発し、12月に日銀本店到着を目指す全国行脚を行っているそうだ。

 今回突如二千円札が現れたのは恐らくこの動きと関連あるのだろう。
それにしても果たして思惑通り二千円札が流通するだろうか。
その可能性はないと思うが、それでも沖縄のPRには多少貢献しているかも知れない。


あなたのアイデアを形にします。

2006-11-07 13:16:36 | 視点
 世の中ハイテクにばかり目がいきますが、「ハイテクを支えるのはローテク」とはよく言われることです。
最近では痛くない注射針を作った岡野工業(東京)が有名ですが、同社が有名になったのは何も痛くない注射針を作ったからだけではありません。
ローテク技術の高度化を行っていたからです。
 高度化されたローテク技術がハイテクを支えるので、高度化されない技術はその辺に転がっているのと同じ技術です。

 (株)ナダヨシの技術は溶接技術はハイテクを支える高度化されたローテク技術です。
 溶接といえば町の鉄工所や造船所で鉄板と鉄板をガスバーナーでくっつけている光景を思い出すでしょうが、ナダヨシの溶接技術はそんなレベルのものではありません。
5mm厚の板に0.3mm厚の板を溶接できるのです。
 といっても専門外の人には何のことやらさっぱり分からないでしょうが、障子が燃える時の様子を想像してください。
先に障子紙が燃えても、その段階ではまだ木の桟は燃えていないでしょう。
これは同じ熱を加えても厚さが違えば火が付く時間が違うということです。

 0.3mmの厚さのものと5mmの厚さのものに同時に熱を加えれば、薄いものはスルメを火に炙った時のように反っていきます。
だから従来、厚さが違う素材を溶接することは不可能とされていました。
ところが、同社の技術ではそれが可能なのです。

 同社の特徴はそれだけではありません。
最大の特徴は「アイデアを形に」してくれることです。

「こんなものをつくりたいのだけど・・・」
ベンチャー企業や中小企業は最初からきちんとした設計図が出来上がっていてモノを作るわけではないでしょう。
頭の中に大体のイメージ、デザインがあり、それを作っていくわけですが、そんな時、話を聞きながら具体的な図面化し、試作品にしてくれるわけです。

 また、金型を作るまでもない小ロット製品のものを作りたいということもあるでしょう。
そういう場合でも対応してくれます。
まさに高度な技術を持ったコンビニ的存在の会社といえます。
 今回はそんな同社に、遊び心で作ったモノを持ってきてもらい発表してもらいます。


             --記--

●日 時:11月11日(土) 13:30 ~ 17:00

●場 所:農民会館(中央区今泉1-13-19)3F
       ビックカメラ(西鉄電車高架下)の裏
        1Fに駐車場あり。会館利用者は1時間100円。

      1.西鉄今泉ビルの所の辻を、国体道路を背にして右へ入ると左手。
      2.国体道路・警固神社前の信号から今泉側へ入り、最初の辻を左。

●内 容:
1.発表企業
  「誰でも簡単に操作できる株価予想ソフト」について
   発表者:(株)エバーリンク・アセット・パートナーズ・石塚博社長
        http://www.e-eap.net/

    株の買い時、売り時を教えてくれる、スグレモノソフトの発表です。
        http://blog.livedoor.jp/everlink/ ← このブログに詳しく

2.「あなたのアイデアを(ステンレス・アルミ・チタンで)形にします」
   発表者:(株)ナダヨシ・植木次義 社長
        http://www.geocities.jp/nadayoshi1981

●例会参加は誰でも自由です。
  参加費用:会員・非会員共に1,000円。
 (当日、受付に置いてある箱に1,000円を入れてください)
●参加申し込みは事前に!
  当日、会場準備の都合上、極力事前に参加申し込みをお願いします。

[リエゾン九州設立趣旨]
 九州には素晴らしい技術を持った中小企業、頑張っているベンチャー企業が
たくさん存在します。
ところが残念なことに、それらの多くはヒト・モノ・カネ・情報の面で不足し
ています。
 とりわけ技術系企業の場合、開発力はあるが商品力がない、販路面の開拓が
弱い、つまりマーケットを意識した商品開発を行っていないために、せっかく
優秀な技術、いい商品を持っている企業が埋もれたままになっています。
 たしかにベンチャー・中小企業はないないづくしですが、それら不足してい
るリソースを外部からサポートすることで、ベンチャー・中小企業を元気にし、
九州の経済を活性化したい。
 そう考えたのがリエゾン九州設立の動機であり、各分野の異能の人々を集め、
活動を続けています。
 因みに「リエゾン」とはフランス語で「懸け橋」「橋渡し」という意味です。
ベンチャー・中小企業とマーケットの間の橋渡しをしたい、という考えの基に
付けました。

[リエゾン九州の目的]
 ベンチャー・中小企業のサポートを通して九州経済の活性化を目指す。


書を持って旅に出る。

2006-11-04 16:50:14 | 雑感
 時々無性に本を読みたくなる時がある。
そんな時は本を数冊持って旅に出たものだ。
列車の旅である。
バスだと車酔いするから、本を読む時は列車と決めている。
短すぎると幾ばくも読めないので、乗車時間は1時間半以上の距離である。
 短時間で読める本はマニュアル本ぐらいだ。
パソコンソフトの解説本は10分足らずの地下鉄乗車時間を主に利用した。
まだDOS時代のソフトは大抵地下鉄の中で覚えた。

 昔は寝る前、床に就いてから結構読んでいたが、目が悪くなりメガネをかけるようになってから床に入って読む習慣はなくなった。
いきおい読書量が減った。
若い時から乱読、多読ではなかったから、就寝前の読書時間がなくなると激減といっていいかもしれない。

 ところが最近、無性に本が読みたくなり、この連休を利用して帰省することを急に思い立った。
帰省が目的でついでに本を読むのか、読書が目的で帰省がついでなのかよく分からないが、どちらにしても一石二鳥なのは間違いない。

国家の品格

新潮社

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 その日の朝、急に思い立った帰省だから、適当にキャリーバックに詰め込んでいたら結構重くなった。
ノートパソコンを2台も入れたのがよくなかった。
キャリーバックのほかにカメラも持参した。
ノートパソコンとカメラは旅に出る時の必需品である。
いつもはミニノート(東芝Libretto)1台だが、今回は帰省ということもあり、自宅のフレッツに接続できるコンパックPresario1700をもう1台持っていくことにした。
 ミニノートを持参する理由は撮影したデジカメ写真を取り込むのと日記を付けるためだ。

 東芝リブレットは非常に重宝している。
なにより小さくて軽いのがいい。
友人も2代目ノートとして欲しがっていたが、もう生産中止らしい。
なぜ、こんなにいいノートパソコンを生産中止にしたのだろう。
難点はCPUに非力なCrusoeを採用したこと。
省電力(バッテリーの持続力)のためだろうが、立ち上がり遅さと反応の遅さが弱点だ。
 ただ私の場合は文章を書くのはワードなどのワープロソフトではなくテキストエディターの秀丸(ひでまる)だから非力なCrusoeでもサクサク動く。
日記は前文検索型ソフトの「知子の情報」を使って付けている。
なかなかいいソフトだがテグレットという会社に欲がないのか、もう何年も前からバージョンアップをしないので、やがて使えなくなるだろう。
その時に備えて代わりのソフトをシェアウェアあたりで探しているのだが、まだ見つからない。

PCソフトのプロショップ eSoft