栗野的視点(Kurino's viewpoint)

中小企業の活性化をテーマに講演・取材・執筆を続けている栗野 良の経営・流通・社会・ベンチャー評論。

サーバー選びの重要なポイント。

2006-10-31 18:30:23 | 視点
 HPを作る場合、多くの人はドメイン名をどうするかという話はよく聞くが、サーバーをどこに置くかということはあまり聞かない。
ところが、サーバーをどこに置くか(どこのレンタルサーバーを使うか)ということは非常に大事だ。
というのも、そのことの重要性を身を以て知っているからだ。

 実は数年前までサーバーは地元の業者の所に置いていた。
それは同じことなら地元のベンチャー企業を応援したいと考えていたからだ。
ところが、小さな所の悲しさは不安定さである。
つまりサーバーのバックアップ体制や故障したときの問題だ。
技術レベルや人員の問題ということもある。
だからアクシデントがあると復旧までに時間がかかる。

 それでも一度や二度はまあ仕方ないだろうと大目に見ると、三度四度と重なると会社の姿勢に問題があるのではないかと疑ってしまう。
しかもサーバーが落ちるのが決まって月曜日だから参った。

 結局、これではダメだと、インターネットT社(久留米市)に置いていたサーバーを他社に移すことにしたのが2年前。
 では、どこのレンタルサーバーを使うかで悩んだが、最終的に選んだのは価格より安心感でNTTPCグループのWebARENA Suit2にした。


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10月に紫陽花が咲いた。

2006-10-27 12:20:14 | 雑感
 10月下旬だというのにこの陽気。
室内で25度、外は汗ばむほどで日中は半袖でもいいほど。
昨年も暖かかったが、今年はもっと暖かい。
地球が狂ってきているという感じがしないでもない。

 この異常な暖かさに植物も勘違いしたのか、今ごろ紫陽花が咲いている。
最初は見間違いかと思ったが間違いなくいつも春に咲く場所に咲いている紫陽花。
一輪だけかと思ったら少し離れた場所でももう一輪咲いていた。

 最近は師たるものが生徒をいじめるし、核兵器はどこの国も持ちたがる。
どだい核保有国が自らの核を放棄するといわないから、ほかの非保有国も持ちたがるわけだ。
いとも簡単に殺人を犯し、早く死刑にしてくれとうそぶく輩もいるし、悪を取り締まる法の番人が自ら罪を犯す。
まさに世紀末の様相。
狂っているのは植物だけではなさそうだ。




老人力が付いてきた。

2006-10-26 10:14:57 | 雑感
 最近、人の名前が出て来ない。
TV等に出ているタレントの名前はもちろん、目の前にいる相手の名前さえ出て来ないのだからちょっと重症。
いよいよ認知症を疑わなければと多少心配になっているが、赤瀬川原平氏にいわせれば「老人力」が付いてきたということらしい。
何事も前向きに考えなければ、だ。
そろそろゆっくり生きろということかもしれない。
最近は運動不足解消も兼ねて、以前ならつい車に乗っていた距離も極力歩いていくようにしている。
そうするといままで見えなかった景色もいろいろ見えてくるようになった。
例えば四季折々に咲く野辺の花に見とれるようになったのもその効用の一つだ。

 実はつい数日前、老人力を痛切に感じたことがあった。
先週、「大川家具 秋の見本市」に行った帰りのことである。
 大川に行けば毎回のように阿津坂商事(塗料の卸販売、環境にやさしい、ホルムアルデヒドが発生しない塗料も扱っており、これが好評)の阿津坂社長にお世話になっているが、今回も会場を案内してもらった後、食事をご馳走になり帰った。
興に乗り2人でグイグイと日本酒を呑んだから、それが効いたと思うのだが、翌日それ以降のことがほとんど記憶にないのだ。

 タクシーを呼んでもらい大川から柳川まで行き、そこから電車で帰ったはずだが、タクシーに乗った記憶はあるが降りた記憶も、切符を買った記憶もぷつんと途切れている。
 さらに悪いことに、なぜか途中で特急か急行電車から普通へ、普通から急行へと2度も乗り換え、しかも大橋で降りなければいけないのに気が付いたら薬院。
電車を乗り過ごすなんてことはいままで一度もなかっただけに、これはかなりショックな出来事だった。

 しかし、これも老人力が付いてきたことの証し。
スローライフでいくしかないだろう。


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10年で専務になった男

2006-10-21 10:05:56 | 雑感
 先週木曜日の夜、安田建物管理(株)(福岡市博多区東比恵3丁目5-3)の原田豊也氏を誘って食事をした。
 誘ったのは以前から一度ゆっくり話をしたいと思っていたからだが、なぜそう思っていたかといえば
 1.彼は私が主宰するベンチャーサポート組織・リエゾン九州の会員だが、仕事が忙しくて中々会合に出てこられない。
 2.最近常務から専務になった。
 3.45歳で引退し、それから先は自分のしたいことがある、と言っていたので、その中身に興味を持ったからである。

 興味を持ったという意味では私は彼の41歳という年齢にも非常に興味を持っている。
40代は心身ともに最も充実している年齢だからだ。
こういう年代に人間に会でも中心的な活動をして欲しいと思っているが、反面難しい年代でもある。
能力がある人間ほど忙しいからで、彼もその通りだった。
会の理念に賛同し、活動したいと思っても、体が一つである以上やむを得ない。
私に言えることは、せいぜい「段取りをうまくやり、できるだけ部下に仕事を任せるようにした方がいい」という程度のことだ。
本音を言えばもっと力を貸して欲しいのだが、何分ボランティア活動故それ以上のことは要求できない。

 ところで彼は今年、常務から専務に昇格したのだが、話を聞けば中途で入社したのがいまから10年前。
当時は社員数も1桁だったが、いまでは340人の組織に成長している。
しかも彼は同族でもなく、まさに赤の他人。
能力のある男である。

 ただ少し気になったのは頑張りすぎる男に共通の健康面。
組織第1に考えるから、中々自分が休めない。
しかし上手に息抜きをするのも管理職の仕事のうち。
もう少し手抜きを覚え、部下を上手に働かせるコツを覚えて欲しいと思うが、私自身もそうだったようにこれが意外に難しい。

 結局、彼は専務になってすぐ健康面から退職した。


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白い彼岸花、黄色い彼岸花

2006-10-20 07:45:41 | 雑感
 随分過ごしやすくなりましたね。
この間まで道端に彼岸花(曼珠沙華)が咲き誇っていましたが、いまはすっかり姿
を消しました。

 彼岸花といえば皆さん真っ赤な花を思い浮かべると思いますが、白い花もあります。
私が初めて白い彼岸花を見たのは去年でした。
そこで今年は重点的に白い彼岸花を撮ってみました。
それで気付いたのですが、白というよりクリーム色に近い彼岸花があるんですね。
黄色もあると聞いたのでクリーム色の花を黄色といっているのだろうと思っていま
したが、本日散歩中に民家の庭に咲いている黄色の彼岸花(写真はこちら)を見つけました。

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開店しないまま閉店した店ーー「商いに角地はダメ」はいまでも通じるか

2006-10-17 17:49:01 | 視点
 タウンウォッチングをしていると時々おやっと思ったり、やっぱりと思う店に出会うことがある。
写真の店もそんな一つだった。

 派手な看板と「5月○○日頃オープン」という開店予告が張り出されたのが春先だった。
 内容はいま流行りのリサイクル。
商品の買い取り店である。
「福岡本店」と看板に大きく謳ってあるところを見ると、ここが本店で、うまくいけば他所にも店舗を出すことを狙ったものと思われる。

 ところが看板は上がったものの、その後人が出入りするのを見たことがないのだ。
それどころかシャッターが開いたのさえ見たことがなかった。
そのうち予告の5月下旬になったが、やはりシャッターは閉まったままで、開く気配さえなかった。

 このまま閉鎖かと思っていると、予告張り紙が「6月下旬オープン」と書き換えられた。
それでも一応開店するつもりはあるようだなと思っていると、とうとう今月になって「テナント募集」の張り紙が出された。

 一度もオープンすることもなく閉店である。
恐らく敷金と数カ月の家賃代しか資金がなかったに違いない。
計画のずさんさが目に見えるようだが、こうした起業家が多いのも事実だ。

 昔、ビジネスの世界に入った時、当時の社長からいやというほど色んなことを叩き込まれたが、その一つに「商いに角地はダメ」と教わった。
角地は三方から目につくからいい場所のように思えるが、実は人が入りにくいと言われていた。
その既成概念を唯一覆したのがマクドナルドの出店だった。
マクドナルドは人が出店せず死角になっていた角地を狙い、安く借りて出店し成功した。
 しかし、凡人が真似ると失敗する。
凡人は昔からの定石を守るべきだ。
そしてなにより大切なのは出店に当たって最低限のマーケティング(とまでいわなくても人の流れや周辺事情を調べること)ぐらいはすべきだろう。
 実は交差点を挟んでこの店の斜め前と横の店、つまり交差点の角3店は全部空き屋になっている。

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なぜ欠陥教師が増えるのか

2006-10-16 18:17:55 | 視点
前担任がいじめの発端? 福岡の中2自殺 頻繁に差別的発言(西日本新聞) - goo ニュース 教育現場が変だ、というより、最近、教師がおかしい、といった方がいいような事件が多い。
 例えば盗撮等の破廉恥事件は比較的若い教師に多いが、最近の特徴は40代、50代の教師に生徒に対するいじめが多く見られることだ。

 今回差別的発言で生徒を「頻繁に」からかった教師は47歳。教師としてそれなりに実績も積んだ「ベテラン」と見ていい年齢である。
その教師が生徒を「あまおう」「出荷できない苺」などと苺のランクに似せて呼んでいたらしい。
 今回、自殺した生徒にも「エロい」などとからかっていたらしい。「からかいやすかった」からというだけで、そうした言動を繰り返していたというのだから、教師としての品格を疑ってしまう。

 ところで、こうした教師の不祥事が起きる度に繰り返し唱えられるのが、教育勅語や道徳教育の復活だが、もはやそんな精神論でなんとかなるようなものではないだろう。
学校といえども社会の縮図だという点と、教師がかなりのストレスを抱えているという現実を無視して解決はできない。

 実は私は自分が学生だった頃に、自分に子供ができたら中学に入るまでは自分で教育しようと考えていた。
 というのも、教育学部や将来教師になるために授業で教職課程を取っている連中を見ていて、彼らに自分の子供の教育は任せられないと思ったからである。
 どこを見てそう感じたのかといえば、授業の多さにである。
毎日、朝1時限目から夕方まで授業に追いまくられ、自分の時間さえない彼らにある種の脆さを感じていたのだ。

 若い時には様々な人間と接し、傷付き、また時には相手を傷付けて、その中から他人との接し方を含め様々なことを学んでいくものである。
 ところが彼らを見ていると、毎日の授業についていくだけでとてもそんな余裕はなさそうに見えた。
あの当時から20ー30年経った現在でも、状況は恐らく似たようなものだろう。

 そしてなにより最大の問題は学校が閉鎖社会だということである。
大学を卒業したての社会人1年生がいきなり「先生」と呼ばれ、生徒からは絶対視される。
その内自分は偉いんだ、何をしても許されると勘違いしてくる。
体罰の問題も同じだ。

 閉鎖社会の中で絶対権力を持つとろくなことはない。
これは医師の世界にも同じように当てはまる。
閉鎖社会を外部に開かれた風通しのいい社会にするしかない。
そのためには教師になった後、一定期間民間企業での就労を経験させるとかボランティア活動に従事させるということもいいだろう。
その一方で、教職の資格を持ちながら社会人になっている人を一定の割合で採用していくということも必要だろう。
 水は淀むと腐るの例えがあるように、どの社会でも常に外部との交流、入れ替えが必要だ。

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後継者の条件

2006-10-14 00:13:26 | 視点
 先日ある企業の創立記念パーティーに出席した。
パーティーは出席者も多くて非常に盛況だったが、華やかさとは別にある種違和感に似たようなものを覚えたのも事実である。
というのもソフト開発会社なのに出席者の年齢がいやに高かったからだ。
60歳以上の人が大半で、40歳以下の人は社員を除いては皆無ではないかと思われるほど少なかった。
出席者が全員招待客ということを考えれば、ある程度年齢が高くなるのはやむを得ない。しかし、ソフト開発という業種を考えれば、もう少し参加者の年齢層が若くてもいいように思えた。

 実は違和感の元はもう一つあった。
今の社長が社長職について丸12年。
その前から代表権を持っていたから、代表取締役として経営の実権を握ってからすでに15年である。
ここらが引き時だろうと思っていたから、創立40周年の節目を機に退かれるのだろうと思っていた。

 ところが「あと2、3年はやって欲しいという大株主の意向」で、まだ数年は陣頭指揮を執るという。
なぜ大株主がそういう意向を示したかというと、「次期社長候補がまだ若すぎる」というのが理由らしい。
そこで次期社長候補の年齢を問うと53歳というではないか。
53歳が「まだ若すぎる」と言われれば、52歳で首相になった安倍さんなどは「ひよっこ」だ。

 それはないだろうと思ったが、見方を変えれば53歳にもなって、まだ任せられない後継者候補というのは一体何だろうと思う。
実はこの候補と目されている人物のことはすでに4、5年前から「次は彼と思っています」と聞かされていた。
 それなのに5年経ってもまだ安心してバトンタッチできないとなると、これはトップになるにふさわしい資質がないということになる。

 では、トップに要求される資質とは何か。
まず専門分野の知識があることは当然だろう。
ただ、専門分野の知識、この場合は技術者としての能力がいくら秀でていても、それだけではあくまで部門の長ぐらいが関の山で、安心して経営を任せられない。

 必要なのは幅広い人脈と一般知識だろう。
技術者に欠けているのはこの幅広さである。
そういう目で先の候補者を見直すと、経営者としてはまだまだかもしれないと妙に納得した。




リエゾン九州を外部ブレーンとして活用しませんか。

2006-10-10 08:17:16 | 視点
 私がリエゾン九州を8年前に発足させるきっかけの一つになったのは、中小企業の現場を取材し、経営者と様々な話をしていく中で次のような中小企業の弱点に気付いたからです。

1.人は自分の専門分野以外のことをほとんど知らない。
 ある意味当たり前と言えば当たり前かもしれませんが、意外にも人の知識は狭いと
いうことに気付きました。
 特に製造業を含む技術系企業の場合は、専門分野の知識については非常に深いけれ
ど、知識そのものが狭いのが弱点ではないかと思います。
 ところが経営者として要求される知識は狭く深くではなく、専門性は深く、その他の知識は広く求められます。

2.リソース不足でしたくてもできない。
 ここでいうリソースとは人、モノ、カネ、情報における量的不足を意味するだけで
なく、むしろ質的な不足です。
 人材採用に金をかけないから、質のいい人材が集まらない。
質のいい人材が集まらないから、質の高い仕事ができないのです。

 情報に対しても同じことが言えます。
情報に金を払おうとしないから、質のいい情報が集まらない。
タダかそれに近い形で情報を集めようとしているから、中にダイヤモンドか金の情報
があっても、利用できないのです。

 私はこうしたことを解決する組織としてリエゾン九州を発足したのです。
ただ、私の思いのようにリエゾン九州が活用されてきたとはいえません。

 そこでリエゾン九州の具体的な活用方法を1、2紹介したいと思います。

<例1>テストマーケティング
 商品を発売する前に市場の反応を知ることは非常に重要です。
ただ中小企業の場合は上記2の理由から、そういうことをやりたくてもなかなかやれ
ません。
 そこで活用して頂きたいのがリエゾン九州の例会です。
例会には様々な業種、年齢、性別の人が参加します。
また事前にどのような年齢、男女別などの要望があれば、できるだけそうした要望に
応えられるように事前呼び掛けを行います。
 そして例会で商品発表をして意見を求めれば、消費者の反応を知ることができます。
 そこでの意見や反応を参考にすれば、どういう層に、どのようなPR方法をすれば
いいのかということが分かるはずです。

<例2>パンフレット、PR誌の作り方
 商品販売パンフレットや通販用PR誌などを作った時、作り替える時、果たしてこ
れでいいのか気になるものです。
 そんな時、例会で発表すれば貴重な意見が得られます。
また読者の反応を知りたい時にも利用できます。

 パンフレット製作会社は先方に提案前にユーザーの意見を聞く場として利用すれば
企画提案力が高まります。
 このほかにも御社の外部企画室として、あるいは外部販売会議として利用する方法もあります。
 その場合は、秘密保持契約を結び、参加者を厳選してプロジェクトチームを作り、
複数回会議するなどの方法が取れます。

 いずれにしろ中小企業は大企業に比べあらゆる面で不足していますが、不足を嘆き
諦めるのではなく、不足を補う方法を考えませんか。
リエゾン九州はそのためのお手伝いができると思います。

もっと有料老人ホームの情報公開を

2006-10-08 17:40:03 | 視点
住友信託、有料老人ホーム「格付け」へ(朝日新聞) - goo ニュース
 介護ビジネス分野が今後伸びると見られて、異業種からの参入や新規開業組が増えている。
 ビジネスチャンスを求めて参入するのはいいが、新規参入組の大半がビジネス(自分達の儲け)優先に考えているのが問題だ。

 開業時には医師、看護師常駐を謳ったり、病院と提携など安心を与える文字がパンフレットに躍るが、実際に開業してしばらくすると常駐のはずの医師が非常駐になり、そのうち看護師の姿も消えたなどという例が後を絶たない。
 最近耳にした例でも、親会社が不動産関係で、各地に有料老人ホームをオープンしているが実態はお寒い限りで、オープン半年で現場の職員が大半辞め、最後まで残ったケアマネジャーも1年で辞めたそうだ。
 そうなると気の毒なのは入居者だが、入居者には入居者の事情もあり、おいそれとよそに移れないらしく、これまた大半は不平を言いながらもいまのところに我慢して入っているとか。

 こんな状況を脱するためにも有料老人ホームの格付けは歓迎したい。
ただ「格付け」という場合、経営状態を中心に見がちだが、福祉関係は特にケア面の評価項目を入れるようにして欲しいものだ。
そのためには入居者や、その家族への聞き取りもするなど、できるだけ実態把握に努めてもらいたい。
 いずれにしろすべての基本は情報公開である。

後悔しない有料老人ホームの選び方―入居者が教える盲点・留意点73

講談社

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新国立劇場の設計者をうならせた誤差5mmの精度

2006-10-03 15:54:06 | 視点
新国立劇場の設計者が
うなった誤差5mmの精度


 さらに「3次元加工の日南家具工芸社」の名を知らしめたのは新国立劇場のオペラ座天井の音響パネルを製作した時である。

「よくこんなものを作ったな」
 最終検査に立ち合った設計者が思わず感嘆の声を漏らした。
 製作した音響パネルを現地で組み立てて行くのだが、パネル幅は1.2m。それを次々に継ぎ合わせて16mの長さにする。

 木工製品に限らず、一般的に工場で作ったものがそのまま現場で収まることはない。
大抵どこかしこの修正が現場で必要になる。
それが分かっているから設計者は厳しい目を向けていた。
そこに「OKです」という声が届いたのだ。
「おい、本当か」
 彼は耳を疑った。
「測り間違えだろう。もう一度測り直せ」
 返ってきたのはやはり同じ言葉だった。
「間違いありません」


・国内に1台しかない3次元NC加工機
・完全受注生産からイージーオーダーへ
・技術とアイデアで螺旋階段を半額以下に


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