3月3日のひな祭りに合わせて各地で催しが行われていたが、正直に言ってどこも似たり寄ったり。
個性がないというか、ほとんどが他所のモノマネに終止しており、一度行けば充分。2度3度と再訪したいという気にはさせられない。
それでも各地のひな飾りがそれなりに賑わっているのは一つには長引く不況が影響している。
不況で所得は増えないどころか減りさえしている。減りはしてないところでも、将来の保証はない。大手企業の正社員でさえ大リストラに遭う時代だから、中小企業や、非正規社員に至ってはなおのこと、将来が不安だ。
そのため消費に回す金は抑えざるを得ない。かといって休日にどこにも出かけない、何も買わないという禁欲生活を強いてばかりではストレスが溜まる。
たまにはどこかに出かけたくもなる。ただ冬の間は出かけるのも億劫だ。
少し暖かくなれば、と思っている頃に各地でひな飾りイベントが開催される。
これなら近場で、安上がりに、そこそこ楽しめるから言うことなし。
というわけで人々が出かける。
「安近短」ということが言われ始めたのはもう10年ぐらい前になると思うが、安くて、近くで、短日で楽しみたいということから流行りだしたが、ちょうど社会が不況になってきた時と一致している。
そしていまではもうそれが当たり前のようになっている。
こういう傾向に地元の夏・秋祭りや、近場のひな祭りはピッタリだ。
家族揃って出かけられるし、金を使うことはほとんどない。
せいぜい出店でちょっとしたものを買って食べるくらいだから安上がりで、1日楽しめる。
しかも、こうした祭りには地元のJAが関係していることが多く、JAが直売場などを設けたりするから野菜などが安く買え、まさに一石二鳥。
だからイベントそのものに大して面白さ、新鮮さがなくても、不況が続く限りある程度の集客はできる。
ただ景気が上向いてくればどこにもある、代わり映えしないひな祭りは集客数が頭打ちになるのは目に見えている。
私がいままで訪れたひな祭りの中では昨年訪れた岡山県美作市大原古町のひな祭りはよかった。
多くの地域で行われているひな祭りが数箇所に飾るだけだったり、窓際やショーウィンドウーにひな飾りをし、それを外から眺めるだけなのに対し、大原古町のそれは町を上げて入り口、窓際にひな飾りをし、ドアや窓を開放し、住人が出迎えてくれるのだ。
住人との触れ合いの中でひな飾りを眺められ、観光客と住人との触れ合いができるのはいい試みだと思う。
もう一つは福岡県柳川市のさげもん巡り。
こちらも商家の座敷におひな様とさげもんを飾り付け、頼めば座敷に上がって見させてもらえる。
過去何度か柳川のさげもん巡りはしたが、今年は柳川藩主立花亭「御花」の西洋館、資料館(有料)に入ってみて、感動した。
どこに行っても、ひな飾りは床の間に飾ってあるのが一般的だ。
もちろん「御花」でもそうした飾り方をされているのだが、それとは別に庭や廊下にそれとなくおひな様を置いてあったのだ。
実にさりげなく、何の説明もなく。
それらは決して新しいもの(最近作られたもの)ではない。
つまり安物(?)を、さげもん祭りのために買ってきて庭に置いているわけではないということだ。
人は豪華な飾り付け、目立つ場所には目が行くが、さりげなく配置されると案外見過ごすものである。
実際、多くの人達が見過ごして通り過ぎたり、一瞥しただけで通り過ぎていた。
だが、こういう飾り付けをするセンスに私は感動し、大いに興味を持った。
この飾り付けを提案した人は誰だろうか。
おそらく女性だとは思うが、それを許した御花の社長の度量等々に思いを巡らし、こういう感覚の持ち主がいる限り柳川のさげもん巡りは集客し続けるだろう。
さげもん巡りは4月3日まで開催されているので、近くに行かれた人はぜひ。
さげもん巡り、御花の雛飾りの写真は「栗野的風景」で
個性がないというか、ほとんどが他所のモノマネに終止しており、一度行けば充分。2度3度と再訪したいという気にはさせられない。
それでも各地のひな飾りがそれなりに賑わっているのは一つには長引く不況が影響している。
不況で所得は増えないどころか減りさえしている。減りはしてないところでも、将来の保証はない。大手企業の正社員でさえ大リストラに遭う時代だから、中小企業や、非正規社員に至ってはなおのこと、将来が不安だ。
そのため消費に回す金は抑えざるを得ない。かといって休日にどこにも出かけない、何も買わないという禁欲生活を強いてばかりではストレスが溜まる。
たまにはどこかに出かけたくもなる。ただ冬の間は出かけるのも億劫だ。
少し暖かくなれば、と思っている頃に各地でひな飾りイベントが開催される。
これなら近場で、安上がりに、そこそこ楽しめるから言うことなし。
というわけで人々が出かける。
「安近短」ということが言われ始めたのはもう10年ぐらい前になると思うが、安くて、近くで、短日で楽しみたいということから流行りだしたが、ちょうど社会が不況になってきた時と一致している。
そしていまではもうそれが当たり前のようになっている。
こういう傾向に地元の夏・秋祭りや、近場のひな祭りはピッタリだ。
家族揃って出かけられるし、金を使うことはほとんどない。
せいぜい出店でちょっとしたものを買って食べるくらいだから安上がりで、1日楽しめる。
しかも、こうした祭りには地元のJAが関係していることが多く、JAが直売場などを設けたりするから野菜などが安く買え、まさに一石二鳥。
だからイベントそのものに大して面白さ、新鮮さがなくても、不況が続く限りある程度の集客はできる。
ただ景気が上向いてくればどこにもある、代わり映えしないひな祭りは集客数が頭打ちになるのは目に見えている。
私がいままで訪れたひな祭りの中では昨年訪れた岡山県美作市大原古町のひな祭りはよかった。
多くの地域で行われているひな祭りが数箇所に飾るだけだったり、窓際やショーウィンドウーにひな飾りをし、それを外から眺めるだけなのに対し、大原古町のそれは町を上げて入り口、窓際にひな飾りをし、ドアや窓を開放し、住人が出迎えてくれるのだ。
住人との触れ合いの中でひな飾りを眺められ、観光客と住人との触れ合いができるのはいい試みだと思う。
もう一つは福岡県柳川市のさげもん巡り。
こちらも商家の座敷におひな様とさげもんを飾り付け、頼めば座敷に上がって見させてもらえる。
過去何度か柳川のさげもん巡りはしたが、今年は柳川藩主立花亭「御花」の西洋館、資料館(有料)に入ってみて、感動した。
どこに行っても、ひな飾りは床の間に飾ってあるのが一般的だ。
もちろん「御花」でもそうした飾り方をされているのだが、それとは別に庭や廊下にそれとなくおひな様を置いてあったのだ。
実にさりげなく、何の説明もなく。
それらは決して新しいもの(最近作られたもの)ではない。
つまり安物(?)を、さげもん祭りのために買ってきて庭に置いているわけではないということだ。
人は豪華な飾り付け、目立つ場所には目が行くが、さりげなく配置されると案外見過ごすものである。
実際、多くの人達が見過ごして通り過ぎたり、一瞥しただけで通り過ぎていた。
だが、こういう飾り付けをするセンスに私は感動し、大いに興味を持った。
この飾り付けを提案した人は誰だろうか。
おそらく女性だとは思うが、それを許した御花の社長の度量等々に思いを巡らし、こういう感覚の持ち主がいる限り柳川のさげもん巡りは集客し続けるだろう。
さげもん巡りは4月3日まで開催されているので、近くに行かれた人はぜひ。
さげもん巡り、御花の雛飾りの写真は「栗野的風景」で