栗野的視点(Kurino's viewpoint)

中小企業の活性化をテーマに講演・取材・執筆を続けている栗野 良の経営・流通・社会・ベンチャー評論。

専門性と総合力を充実させたローファーム、萬年総合法律事務所

2011-02-26 12:34:07 | 視点
 弁護士1人2人の法律事務所が多い中で、萬年総合法律事務所(福岡市中央区赤坂1丁目15-33 ダイアビル福岡赤坂、tel 092-751-5006)は現在、弁護士14人、秘書11人を抱える大所帯である。

昨秋、事務所名の変更挨拶状が送られてきたが、そこに一般には耳慣れないパートナー弁護士という文字があった。

アメリカ映画などに出てくる弁護士はよくパートナーという言葉を使っていたので興味を持ち、早速取材に出かけた。

 興味と言えば他にもあった。

萬年事務所にはいままで何度もお邪魔しているが、いつも広い打ち合わせ室のような所で会うだけで、一度も萬年弁護士の執務室を見たことがない。そこでインタービュー終了後、部屋を見せてもらうことにした。

 ボスの部屋は立派。映画やTVではそう相場が決まっている。萬年ボスの部屋もさぞ立派に違いない。

ところが、この期待は見事に裏切られた。

「弁護士は皆平等。ぼくは個室は作らない主義」という言葉通りに他の弁護士達と同じ大部屋。

以前、宮崎のホンダロックで見た役員室を思い出した。さすがに企業再生を手がけてきただけのことはある、と妙に納得。

 一般企業も見習うべきだと感じたのは萬年弁護士の教育方法。

手紙の書き方、言葉遣い、報告書のまとめ方。そういうことからきちんと指導、教育して鍛えていくから組織が強くなる、と改めて実感した。

 インタビュー全文は「まぐまぐ」内の「栗野的視点」から

 ★過去掲載文はリエゾン九州のHPでも見ることができます。


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点字ブロック発祥の地

2011-02-12 23:04:53 | 視点
 なんとも迂闊という以外にないが、いままで点字ブロックが岡山で発明・開発されたということを知らなかった。
写真の石碑も偶然見つけたのだった。
 岡山市内で大学時代の友人と会い、その帰りにカーナビの指示に従って走っている時、随分渋滞して進まない交差点に差し掛かり、ふと横を見た時、この石碑が目に付いた。
それで慌ててデジカメを取り出し撮影したという始末だ。

 発明者は岡山県倉敷市生まれで、その後、岡山市で旅館業を営んでいた三宅精一氏。
町の発明家としても有名だったらしい。
点字ブロック発明の経緯は「ユニバーサルマインド?」というHPに詳しく紹介されているので、そちらを一読願いたいが、三宅精一氏は私財を投げ打ち点字ブロック開発に生涯を捧げたようだ。
 長年の苦労、心労が重なり、1976年に入院し、1982年に亡くなられた。いまから20年足らず前のことだ。
このような方が岡山にいたことすら知らなかった。

 点字ブロックはなぜ黄色なのか。
時々、黄色でなく白色の点字ブロックを見ることがあるが、なぜ白色を採用するのか。
デザイナーや建築家のデザイン優先からか。
以前から白い点字ブロックは意味をなさないと思っていたが、この機会に少し考えてみませんか。

 三宅精一氏と点字ブロック開発について記された書物『白浪に向いて/三宅清一を語る』は現在廃刊になっているようだが、復刊ドットコムで復刊リクエスト投票が行われている。
 このような本はぜひとも復刊したいものだ。
一緒に協力しようではありませんか。



レゴ・シリアスプレー体験会に参加

2011-02-03 22:40:24 | 視点

 先月中旬、知人女性から久し振りに(数年ぶり)電話があり、ホームパーティー(のようなものと電話では認識した)に誘われた。
「いま東京にいるんですけど、レゴブロックってご存知ですか。それを企業の研修などに使って効果を上げている例があるんですって。日本ではまだあまり知られてないみたいですけど、それを日本でやっている人とお知り合いになり、その人が今度福岡に来るっていうので、それならせっかくの機会だから何人かで集まりましょうかって言っているんです。ぜひ参加されませんか」
 余程のことがない限り、誘いは断らない、久し振りに連絡してきた相手とはできるだけ会う主義なので、あまり気乗りはしなかったが、取り敢えず参加した。
 参加して分かったがレゴ・シリアスプレーの体験会だった。
レゴブロックの名前は知っていたが、それを使って何かを作ったのは正直この時が初めてだった。


 「皆さん、ここにあるレゴを使ってこの世に存在しない奇妙な動物を作ってください。そしてその空想の動物に名前を付けて下さい」
 ファッシリテーターだという人物が参加者にそう語りかけ、各人が思い思いのものを作っていく。
出来上がると全員が席を一つだけ隣に移動し、自分の席の前にあるモノの感想を述べるように言われる。
「作った人はどういう思いで、それを作ったのでしょうか。自分が感じたままを述べて下さい」
 それぞれに自分の前の作品(他の人が作った)から感じたことを喋っていく。
「この作品は○○を表現していると思います。△の辺りにこの人の気持ちが表れているのではないでしょうか」

 なるほど、うまいやり方である。
まず、最初のポイントは「この世に存在しない奇妙な動物」を作らせることだ。
ライオンとか象という具体的にイメージできる動物だと、どうしてもその動物に似せようとしてしまう。
ところが、架空の動物、それも「とんでもない物を作って下さい」と言われれば、比較対象が端からないわけで、自由に作れる。
ここでの目的は参加者の心の鎧(恥ずかしいとか引っ込み思案、笑われるのではといった)を取り払うことだ。


 次のポイントは他人が作ったものの感想(感じたこと)を述べ合うことである。
あくまで「感想(感じたこと)」であり、「批評」でないことがポイントだ。
こういう場合、他の人が作ったものをけなす人は少ない。
批評や批判を封じるために、事前に「感想」「その人が作った気持ちを考えて下さい」という言葉を発している。
この言葉で99%の人は他人が作った目の前のものを褒める、少なくともけなさないのは心理学でよくいわれることだ。
案の定、参加者は他人の作品を次々に褒めていく。
誰も褒められて悪い気はしない。
これで一気に参加者の気持ちが楽しくなる。

 こうしたことを二度ほど続け、今度はファシリテーターが「この壁を乗り越えられないのは何が邪魔をしているのでしょうか」「ここにこれを置いてみたらどうでしょうか」などとアドバイスする。
それを見て言われた人は納得する。
 なるほど、これはコーチングの手法だ。
そういえば私をこの体験会に誘った相手はコーチングをしていた。
いやー、うまいものだ。
過去にいろんなところでやられた社員研修などの要素をちゃっかり取り込んでいる。

 最近の若者を対象にした研修にはピッタリだろう。
彼らは「右脳」という言葉にも弱いし、視覚化、遊技化しないと理解不足に陥る傾向があるから。
ITには強いが、物事を論理建てて考えるのは苦手なのが現代の若者だ。
そんな若手社員を抱えた企業が乗せられて研修に導入するところが出てくるのだろう。
とはいえ、古いものに新しい衣を着せて、目先を変えるのも大事なこと。
これならコーチング同様、素人でも研修の先生になれる。


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