栗野的視点(Kurino's viewpoint)

中小企業の活性化をテーマに講演・取材・執筆を続けている栗野 良の経営・流通・社会・ベンチャー評論。

有田・「碗琴」コンサートって知っていますか。

2007-10-31 10:31:08 | 視点
 先日の有田町では多くの人と名刺交換をしましたが、後ほど名刺を整理しながら、あることに気付き、驚くとともに感心しました。
なにかというと名刺の住所です。
「佐賀県有田町○○」と記されていたのです。
最初のうちは気付かずそのまま住所録に入力していたのですが、そのうち「あれっ」と思いました。
有田は合併して「佐賀市」になったのかと思ったからです。
そこでもう一度見直してみるとやはり「佐賀県」と記されていました。
そこでほかの人の名刺も繰ってみると「佐賀県西松浦郡有田町」と記したものもありました。
そう「西松浦郡」という箇所が省かれていたのです。
これには感心すると同時に、有田の人々の誇りを感じ取ることができました。

 日本国中どこに行っても有田焼を知らない人はいないでしょう。
有田焼の産地を佐賀県ではなく長崎県と勘違いしている人はいても、有田焼を知らない人はいません。
だから堂々と「有田町」だけを名乗っているわけで、そこに産地としての誇りを強く感じました。

 さて、その有田町に<碗琴(わんきん)>というものがあります。


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デル株式会社

岡山の製造業を活性化したい!

2007-10-30 10:57:08 | 視点
 私が「リエゾン九州」のような組織--製造業の製品とマーケットの間の懸け橋をする--の必要性を強く意識しだしたのは、いまから10年近く前になる。
 長年、製造業の取材を続けていて、製造業はモノは作るが、マーケットやユーザーのことを考えて作っていないのではないか、もっといえば、自分勝手に作りたいモノを作っているように見えた。
 そして作った後でモノが「売れない」、「どこに売ったらいいのか分からない」とこぼしている。これでは魚がいないところに釣り糸を垂らして、釣れないとぼやいているのと同じである。
 魚がいないところで釣るのはよほどの名人でも難しい。基本は魚がいるポイントで釣ることだが、こんな自明のことが案外理解されていない。

 つまり、製品を開発する場合、販路(どこに、どういう方法で、いくらで売るのか)を事前にどこまで考えておくかということが非常に重要なのだが、中小企業の場合、商品化段階で販路まで考えているところはごく希である。
 一方、大手企業はといえば、商品化にあたってまず市場調査を行い、ついで価格戦略・販売戦略、デザイン戦略等を決め、さらに商品化された後、消費者を集めて意見を聞いたり、使い勝手を試したりした後に商品を市場に投入しているのである。
これでは中小企業がかなうはずがない。

 たしかに中小企業には大手と同じようなことをしたくてもヒト、モノ、カネ、時間がなくてできないという事情もある。
しかし、それ以上に問題なのは

  全文は「リエゾン九州」のHP内「栗野的視点」の「中小企業活性化のために必要なものは」に収録しているので、そちらでお読み下さい。


Sony Style(ソニースタイル)

ニューセラミック研究会で講演

2007-10-24 23:54:24 | 視点
 23日、佐賀県有田のニューセラミック研究会で講演した。
タイトルは「中小企業活性化の視点」。

 当日の講師は佐賀段ボール商会の石川副社長と私の2人。
石川氏の講演が先で、有田焼を使った万華鏡や有田焼万年筆などをいかに開発したかという話だった。
会場前には有田焼万華鏡や有田焼万年筆を展示し、講演もプロジェクターを使うなどしっかり視覚に訴えていた。地元企業の成功談ということもあり、主催者の挨拶も石川氏の紹介の方に多く時間を割くなど、明らかにメーン講師はそちらという感じだった。

 一般的に講演は後からする方が分が悪い。
最初の話だけ聴いて帰る人がいるかもわからないし、喋る内容がダブっている可能性もあるからだ。
 その恐れていたことが起こった。
なんと私が喋る予定にしていたキーワードをほとんどすべて前の講師が喋ってしまったのだ。
これには参ったが、松下電器に入社し、その後PHP研究所に出向した経歴を見れば納得せざるを得ない。松下幸之助氏の下で経営学を教えられたのだから仕方がない。

 さらに悪いことには、有田までJRに1時間半乗り、それから自分が話すまでにさらに3時間近くもあったことだ。人間の緊張感はそんなに長くは持たないのでこれにもまずいなと感じた。
 しかし、そんなことで負けてはいけないし、聴衆を100%満足させるというのが私の講演ポリシーだから、なんとか反転材料を探したが何も見つからなかった。
仕方ない。後は出たとこ勝負でいくしかない。

 そう諦めた時、質疑応答に移り、誰も質問者がいなかったので、「口慣らし」のためにも一つ二つ質問をした。
そしてトイレ休憩を挟んですぐ私が喋る番になった。
私の講演スタイルはプロジェクターなし、レジュメなしだから、こういう時に融通が利く。
先の講演内容を逆に使わしてもらいながら、話し始めた。
 私の場合はホワイトボードに字をどんどん書き出すと自ら乗ってくるし、講師に動きが出てくるから聴衆も少し態度に変化が出てくる。
聴衆の頷く姿も増えだした。
「視点を変えよ」
「ヒントはユーザーがくれる」
「優秀な人材を営業に回せ」
「交流は足し算ではなく掛け算」

 質疑に入ると結構質問が相次いだ。
聴衆の心に響いた証拠だ。
懇親会ではほぼ全員の人が名刺交換をしてくれたし、主催者の挨拶も始まりの時とは全く変わり賛辞になった。
どうやら今回の講演も皆さんに喜ばれたようだ。


酒蔵(さけぐら).com

様々な顔を持つ中国とどう付き合うか。

2007-10-17 00:43:31 | 視点
 中国をひと言で表現するのは実に難しい--。
見てきた人がそれぞれ言うことが違うからだ。
ある人は「日本より20年遅れている」と言い、別の人は「すごく進んでいる」と言う。
どちらも事実だろう。

 ただ、中国をどう見るかによって、対応が180°異なってくるのも事実だ。
また中国を製造工場と見るのか、巨大な市場と見るのかによっても対応は変わる。
いずれにしろ我々は中国と付き合う際どのようにすればいいのだろうか。
そこをきちんと把握して付き合わないと大変なリスクを抱えることにもなる。

 15日から始まった中国共産党大会で胡錦涛総書記は従来の成長第一主義を改め、格差の是正に言及した。
「経済成長に伴う資源、環境面の代償は大きく、都市と農村、地域課の経済・社会発展は依然として不均衡」
「資源節約と環境保護のための法律や政策を充実させる。気候変動への対応能力を高め、世界の気候の改善に新たな貢献をする」
「所得分配制度の改革を深化させ、都市と農村住民の収入増を図る」
「食品や医薬品の安全を確保する」と。


 まるで日本の高度経済成長期後かバブル経済崩壊後の政府方針を一緒に聞いているような気がするが、それまでの自信に満ちた大国中国の姿を内外に誇張する姿勢から一転し、中国社会が危機に直面していることを率直に認め、民衆対策に重点を「置きたい」という姿勢は評価できる。
 重点を「置く」ではなく敢えて「置きたい」と私が表現したのは、それらを実施する具体的な手だて、道筋を示していないからだ。

 このようにもがき、苦しみ、変化している中国は固定観念で捕らえない方がいいと思う。



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相撲協会と日本ボクシングコミッションの対応の違い

2007-10-16 12:30:03 | 視点
 同じスポーツでこれほど差が出るのかというのが相撲協会と日本ボクシングコミッション(JBC)の対応である。

 時津風部屋に入門間もない斉藤俊さんが相撲部屋のリンチで亡くなってから3か月後にやっと前時津風親方を解雇した日本相撲協会。それも文科省に呼ばれてやっと重い腰を上げ、トカゲのしっぽ切り宜しく部屋の親方の責任追及だけで済まそうとしているのが相撲協会である。
 10月5日に処分を決めたとはいうものの北の湖理事長は自信の処分は減俸だけで済ませたばかりか、12日になってやっと新潟の斎藤さんの遺族に謝り行く体たらく。
 しかも、遺族があれほど望んだ事件の経過やその後の防止対策については何一つ具体的に答えられない始末。
 朝青龍問題といい今回の力士死亡事件といい、普通なら協会トップの辞任が当たり前だ。追い詰められた挙げ句に辞任では往年の名横綱の名前が泣くと思うが・・・。

 一方、日本ボクシングコミッション(JBC)の対応は早かった。
内藤大助WBC世界フライ級王者に亀田大毅が挑戦したタイトルマッチで亀田選手が投げ技を連発し、とてもボクシングの試合とは思えないような反則技を次々に繰り出したことに対し、JBCはタイトルマッチ戦4日後の15日には倫理委員会を開き、亀田大毅にボクサーライセンス停止1年、セコンドについた父親の亀田史郎氏にセコンドライセンス無期限停止、同じくセコンドを務めた亀田興毅に厳重戒告、協栄ジムの金平桂一郎会長にクラブオーナーライセンス停止3カ月の処分を満場一致で決めたのである。

 試合直後には大毅本人への処分に言及しなかったが、あまりの反響の大きさに反則技を連発した当の本人への処分もせざるを得なくなったのだろう。

 日本相撲協会が朝青龍問題で弱腰な態度を取ったのも、JBCが本来禁止のはずの、親族のセコンドを認めてきたのも、朝青龍人気、亀田人気に依存してきたからだ。
 しかし、JBCにはまだ健全な感覚が残っていた、というか前車の覆るを以て後車の戒めとしたのだろう。

 子は親の背中を見て育つというが、亀田一家を見ているとその感を強くする。
親は暴力団顔負けの顔をしているし、リング上での態度も暴力団そのものだ。
もし、本当に大毅、興毅がボクシングを続けたいと思うなら、今回の親離れ処分はいいことだ。





私の講演スタイル

2007-10-10 08:11:19 | 視点
 5日、岡山県産業振興財団の招きで技術系中小企業の皆さんを前に「中小企業の
活性化」という題で講演をした。実は岡山県産業振興財団で講演するのは今年6月に続いて二度目である。

 私の講演スタイルは、パワーポイントで作成した資料をパソコンからプロジェク
ターを使ってスクリーンに映しながら、という格好いいものではない。
 パソコンはWindowsが登場する前のMS-DOSの時代から使っているからパソコン歴
だけは長いのだが、実はいまだにパワーポイントの使い方も知らないのだ。
だから、講演に際して「プロジェクターとかOHPなど用意するものがありますか」
と聞かれても「いや、使いませんので」といつも答えている。その代わりに必ず用
意してもらうものがある。ホワイトボードだ。そう。ホワイトボードに書きながら
話すのが私のスタイルなのだ。

 実はプロジェクターを使わず、ホワイトボードを利用する別の理由がある。

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エプソンダイレクト株式会社

岡山で中小企業の活性化について講演

2007-10-08 09:51:05 | 視点
 5日、岡山県産業振興財団の招きで中小企業の皆さんを前に講演してきた。
講演タイトルは「中小企業の活性化について」。
実は岡山県産業振興財団で講演したのは今年の6月に続いて二度目である。
半年の間に二度も呼んでいただけるのは、少しは評判がよかったからではないかと密かに喜んでいる。

 話の骨子は3つで、
「視点を変えること」
「相手を知り、己を知ることとは」
「交流は足し算ではなく、掛け算」である。

 特に2番目の「相手を知り、己を知る」ということが意外に難しいし、中小企業の弱点ではないかと思っている。
実は「マーケティング」ということなのだが、私はできるだけ難しい言葉、専門用語、カタカナを使わず、皆に分かる言葉で言うようにしている。
それが分かりやすいという好評の一因かもしれない。

 「今日の話はよかった」「いままでの中で一番よかった」
そういわれる瞬間が講師にとってはなによりの喜びだ。
岡山の皆さん、ありがとう。
頑張りましょうね。


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「安・近・短」で元気なスモールビジネス

2007-10-03 13:02:34 | 視点
 戦後最長といわれたいざなぎ景気を超える好景気といわれても、地方や中小企業には実感も恩恵もないのが今回の景気の特徴。それどころか、日銀が昨日発表した9月企業短期経済観測調査(短観)では中小企業の景況感は悪化している。
 ところが、景気後退局面にもかかわらず狭いエリアに10店舗もの新規出店が相次ぐなど元気な地域もある。それらに共通するのは「安・近・短」ビジネスーー。

◆中心部を離れた住宅地で相次ぐ新規開店

 だがこんな異変(?)に気付いたのは数カ月前。この数年、シャッターが降りたままの空き店舗・事務所跡に改装工事が入り、次々と新店舗がオープンしだしたのだ。タクシーの運転手に聞いても「景気は良くなりましたね」という。明らかにマクロ数字とは異なる動きが出ているのだ。
 従来、地方景気は「ジェット機の後輪」に例えられていた。離陸する時(景気が上向く時)は一番後に上がり、着陸時(景気の後退時)には最初に降りるからである。今回の好景気は8月がピークといわれているから、地方では開店より閉店が増えているように思えるが、ところによっては全く逆の現象が起きているのだ。
 といっても福岡市の中心部、天神・大名地区の話ではない。むしろ市中心部は数年前からオーバーストアがかなり顕著になっている。それでもなおアメーバーのように、テナント料が安い周辺地区へとエリアを拡大しながら生き延びてきたが、それももう限度。中心部の空洞化が進み、大名地区は新ビルでも空きテナントが目立つようになっている。

 今回、店舗のオープンが相次いでいるのは中心部を離れた住宅地。

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