栗野的視点(Kurino's viewpoint)

中小企業の活性化をテーマに講演・取材・執筆を続けている栗野 良の経営・流通・社会・ベンチャー評論。

金融庁、不祥事多発の大分銀行に改善命令を出す。

2007-06-27 14:39:22 | 視点
 25日、金融庁が大分銀行に業務改善命令を出した。
同行が金融庁から業務改善命令を受けたのはこの1年間で2回目である。
昨年11月、金融庁から法令順守の強化を求める業務改善命令を受けたにもかかわらず、改善期間中の今年2月、杵築支店で5億3800万円の公金流用事件が発覚したのに続き、3月、4月には税金や投資信託の購入資金を流用する事件が別の2支店で発生している。
さらに本部の事務センターで1000万円の着服事件も発覚した。

 驚いたのはその手口だ。
01年ごろから複数回にわたって金庫室から紙幣計1000万円を抜き取っていたのだが、発覚されないように抜き取った紙幣の代わりに硬貨を増やし、総額が変わらないように見せていたというのだ。
積み上げられた硬貨の後ろの段の下に下駄を履かせ、底上げをして数をごまかしていたわけだ。

 業務改善命令を受け点検した結果、過去の着服などが発覚したということだろうが、いくらなんでも多すぎる。
これでは銀行全体がたるんでいると思われても仕方ないだろう。

 ただ銀行内部の犯罪が発覚したのは大分銀行だけの話ではない。
西日本シティ銀行でも多発しているし、都銀や信金でも、とにかくこんなにどこの銀行でも行われているのかというぐらい多い。
そのことは私のHP内の「栗野的視点」に「激増している銀行員の犯罪と、上層部の無責任体制」と題して書いているので、そちらも一読して欲しい。



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意外に骨があった大仁田厚議員

2007-06-25 17:33:26 | 視点
 大仁田厚参院議員が今度の選挙に出馬しないと宣言した。
政界からも引退するそうだ。
「7月29日投票では夏休みに突入してしまい、政治に関心のない人たちに行き届かない政治になる。参院は首相官邸の人気取りの道具ではない」
というのが参院選不出馬・議員引退の弁である。
「国民が求めているのは付け焼刃で法案を通すことでなく、慎重審議だと思う。選挙目当てにウソをついてまで当選したくない」とも言っている。

 彼は彼なりに真面目に議員活動をしようとしたのだろうが、出番はタレント議員としての人寄せパンダか、プロレス出身という前職を生かした「ガードマン」的な場面ばかり。そのことに悩みもあったようだ。

 たしかに彼が言うように今回の投票日延期は各方面に戸惑いと多くの迷惑をかけている。
投票日の急な延期で投票場が夏祭り会場と重なったり、高校野球との関係ですでに予定が入っていたりで、いまから会場を新たに手配するのは大変とあちこちで困っている。

 最近の国会を見れば大仁田氏ならずとも慎重審議が行われているのかと憤りを感じている国民は多いだろう。
参院は衆院から回ってきた法案を通すだけの役割で、かつて言われた「良識の府」「参院の独自性」などは、そのかけらすら見ることができない。

 それにしても大仁田氏は存外骨があったというのが素直な印象だ。
副知事を打診されると、本来相容れぬ政治思想だったはずが、いとも簡単にしっぽを振って快諾した作家や、教育再生会議の委員に任命された途端、政府にすり寄り今度は参院選に立候補する元教師など、権力側にすり寄りたがる人間が多い中で、大仁田氏の行動は筋を通しており、見直した。


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広がり始めたマイバッグ

2007-06-24 23:25:38 | 視点
 地球温暖化防止が待ったなしの状態になり、温暖化防止に向けた活動が各方面に広がり始めた。
早くからそういう取り組みをしていた人達にとってはいまさらという感じだが、なにもしないよりする方がいいに決まっている。
ただ、最近はそれらをイベントにしてしまう嫌いがあるのがちょっと気になるが。

 ところで福岡を拠点にした食品スーパー・サニーが今月に入って「マイバッグ運動」を始めた。
レジ袋を辞退するとレジで2円引くというものだ。
I am only doing what I can do.
「私は私にできることをしているだけ」
小さなことの積み重ねが大きな力になる。

私の場合はマイ箸を持ち歩いている。
それだけでなくマイ箸を企画し、販売しようとしている。
マイ箸を持とうと呼びかけるだけでは、実際に行動にまで移す人が非常に少ないからだ。
それならいっそオシャレなマイ箸を作り買ってもらうと、皆さんマイ箸を持ち歩くだろうと思ったからである。

 でも、多くの人は短距離しか走れない。
志が長続きしないというか、それを運動にまで高めていくのはとても大変だ。
ちょっと続けると皆すぐ息切れする。
そんなものは本物ではないのだが、ほとんどの人がそうだ。
プロジェクトリーダー等を決めても、結局空いている時間にやる遊びでしかないようだ。
ボランティアだからという理由で、2次的位置付けにされる。
ボランティアだから仕方ないのか。
ボランティアってそんなものなのか。
ちょっと悲しい気がする・・・。


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7月下旬オープンのボンラパス花畑店

2007-06-22 17:14:06 | 雑感
 ボンラパス花畑店が福岡市南区花畑にオープンすることは数カ月前に当「栗野的視点」でも紹介したが、現地を覗いてみるとかなり外観が出来上がっていた。

ボンラパス花畑店は1年前、オーナー企業が福岡地所グループからハローデイに代わって初めての出店(正確に言えば西新店の閉店・移転になるかも)である。

オープン日は7月25日予定。

写真右端に見えるのは併設されるドラッグストアのマツモトキヨシだ。

場所は福岡自動車試験場南口。

 「ハローデイ、ボンラパスを福岡市花畑に出店」(4月9日の当ブログ)も参考に


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なぜ、中小企業の我が社が年俸制を導入できたのか。

2007-06-21 14:29:05 | 視点
 中小企業にとって最大の悩みは常に人材と資金ではないでしょうか。
いい人材を確保するためには賃金のアップもやむを得ない。
しかし、給与に見合う仕事をしてくれればいいが、なかには「給与泥棒」に近い社員
もいたりします。
 その一方で従業員側には「社長は頑張ればいくらでも給与を出すといいながら、実
際には何年も給与が上がらない」というような不満もあるのではないでしょうか。

 能力給の導入という場合、その判定基準をどこに置くのかが非常に問題になります。
雇用側、被雇用側の双方から見て納得できる基準で給与を決めていくことが大事でし
ょう。
 しかし、能力給だとか、年俸制という言葉は知っていても、中小企業が導入するの
は難しいと一般的には思われているようです。
 ところがデザイン制作会社のホワイトスペースは何年も前から年俸制を導入して効
果を上げています。

 なぜ、同社は年俸制を導入できたのか。
どういうやり方をしているのか。
ポイントはどこか、などについて中山社長に話してもらいます。

 会社経営、社員待遇などで悩んでいる経営者の方はぜひ参考にしてください。

●日 時:7月14日(土) 13:30 ~ 17:00

●場 所:農民会館(中央区今泉1-13-19)3F



激増している銀行員の犯罪と、上層部の無責任体制

2007-06-18 19:21:43 | 視点
 最近、使い込み、着服で懲戒解雇される銀行員が増えている。
今月、西日本シティ銀行の女性行員(47歳)が顧客の金を着服して懲戒解雇された。
着服額は約1,500万円。
被害にあった顧客は2人。
この行員は本店営業部と二日市中央支店勤務時代に45回に渡り着服していたらしい。

 このところ西日本シティ銀行は顧客の預金を使い込む行員が多い。
今年4月にも男性行員(36歳)が顧客3人の預金など計1,300万円を着服したとして懲戒解雇になったばかりだ。

 西日本シティ銀行は1年前に西日本銀行と福岡シティ銀行が合併して誕生しただけに、これらの行員が元西日本銀行の行員なのか、それとも元福岡シティ銀行の行員なのかは不明だが、それ以前から両銀行とも不祥事が多かった。

 今回発覚した使い込み額はそれ以前のものに比べると1桁少ない。
億を超える大金の使い込みはすでに発覚済みだから、最近のものは額が少ないのだろう。
恐らく合併で支店の統廃合、行員の移動があり、その結果、発覚したと思われる。
ということは定期的に移動、検査をしていれば内部犯罪は防げたということであり、それをしていなかったということであり、システム上の問題だということだ。
にもかかわらず、頭取を初め上層部が責任を問われたという話は聞かない。

 顧客から預かった金を数億円単位で着服するような行員が内部にいて、しかも犯罪を犯した行員は一度や二度ではなく複数回にわたり着服しており、それを組織的に見逃していたのだから上層部が責任を取らないのは明らかにおかしい。
すでに、そこからして間違っている。

    記事全文はこちら






安全性のためにもマイ歯ブラシを持ち歩く時代に

2007-06-16 00:14:53 | 視点
中国製練り歯磨きから毒性物質、厚労省が自主回収指示(読売新聞) - goo ニュース

 講演で岡山に行った時のことだ。
宿泊は駅の近くのワシントンホテルにしたが、チェックイン時に「歯ブラシなどはどうしましょうか」と聞かれた。
一瞬意味が分からなかったが、「ご自分のものをお持ちのお客様もいらっしゃるので、当ホテルではお部屋に用意してないのですが、ご必要なら用意させていただきます」という説明を聞いて納得。

 最近、宿泊して気付くのだが、ビジネスホテルが地球環境保護の動きを強めている。以前、東急イングループに泊まった時は「グリーンコイン」制を導入していて、歯ブラシ、カミソリ、シャワーキャップを使わなかった時は備え付けの「グリーンコイン」をフロントに持っていくと、収益の一部を地球環境保護のために使うシステムを導入していた。

 私は普段からマイ箸を持ち歩き、割り箸を使わないようにしているが、これからはマイ箸だけでなくマイ歯ブラシも持ち歩く時代になったかと思ったものだが、今回のように中国製練り歯磨きから有害物質が検出されるようだと、ますますマイ歯ブラシを持ち歩く必要に迫られる。
 多くのホテル、旅館で使用されている歯ブラシセットはいまやほとんどが中国製だろうから、備え付けの歯ブラシを使って害があったのでは堪らない。

 ところで、ホテルがエコを打ち出すのには地球環境保護の他にも理由があって、経費節減に大きく貢献するからである。
宿泊客がホテルの備品を使わなければその分利益率が上がる。
地球環境保護に貢献しながら、その実経費節減にも貢献する一石二鳥の手なのだ。
エコはエゴに通じ、儲かるというわけだ。


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「中小企業活性化のための視点」と題して講演

2007-06-14 22:49:22 | 視点
 12日、岡山県産業振興財団自立化推進研究会で講演してきた。
講演タイトルは「中小企業活性化のための視点」。
私自身、岡山県北の出身ということもあり、当初、講演タイトルは「宮本武蔵と変化の時代の経営」にしていた。
ところが、同研究会が製造業の集まりだったこともあり、10日程前に急遽講演内容を「中小企業活性化のための視点」に変更してもらった。

 中小企業はいわば自己満足のためにモノを作っているところが大半で、製品開発において市場調査を全くしていない。
「敵を知りおのれを知れば百戦危うからず」と孫子も言っているように、大事なのは敵とは何か、己とは何かということを知ることである。

 この「敵」と「己」の分析をしっかりすることが戦いをする前の最低限必要なことであり、それができれば次はコンセプトをきちんと設定し、ターゲットを決めること。
商品コンセプトを決めるとぶれないことが重要。

 こうした内容を話しながら、いま実際に私がマイ箸プロジェクトを組織して箸の製造・販売を行おうとしているが、その際、マーケットをどのように分析し、どういうコンセプトの下に、どの層をターゲットに、価格はいくらに設定しているかというようなことを具体的に紹介していった。

 マーケティングの専門用語を使わず、具体的な事例でマーケットに対する見方、攻め方を話したのが分かりやすかったのか、講演後皆さんから「今日の話はよかった」「いつもは寝ている人がいるんじゃけど今日は誰も寝てなかった」「参考になった」などのお褒めの言葉を頂いた。
 この瞬間こそが講師の無上の喜びだ。


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市場攻略には切り口の工夫を

2007-06-12 00:27:27 | 視点
切り口を工夫すれば市場は開ける

 ここでもう一度、箸市場を考えてみよう。
どこの家にも箸はある。そして箸は消耗品である。
こう考えるとマーケットがありそうに思えるが、その一方で日本食市場が縮小し、
出生率が減少していることからも分かるように、箸市場が将来拡大するとは到底考
えられない。

 このような成熟市場に参入するのは難しい。
かといって諦めていたのでは、いつまでたっても中小企業は既存市場に参入できな
いことになる。
諦めるのではなく、いかに参入するのか、どこに勝機を見いだすのかを考えること
が重要で、それさえ分かれば手はあるし、十分戦えるのだ。

 では、箸市場のどこに勝機を見出せるのか。
そのためにはマーケットをどのような切り口で切るのかということが重要になる。
その一つが「マイ箸」である。
環境問題を追い風に「マイ箸」という切り口で切ることにより、既存マーケットに
新たな穴が開くのだ。
 いままで箸は自宅で使うものだった。
ところが外で使うということになれば、よそ行きの箸を買わなければならない。
そこに新たな需要が生まれる(市場を創造する)。
あとはその創出市場をどのように広げるかだ。

 ただ、より市場を広げるためにはもう一つの切り口を加える必要がある。
そうすれば「桶狭間」になる。
では、「桶狭間」とは何か。
マイ箸に関していえば、いま現実に商品開発をし、既存市場へ参入しようとしてい
るところなので、その具体的な戦略・戦術をここでこと細かく明らかにするわけに
はいかないので、あとは各自で考えて欲しい。

中小企業から脱するために

 ここでちょっと角度を変えて、中小企業はなぜ中小企業であり続けるのかを考え
てみたい。

1.する前に諦める

2.市場調査をしない

3.コンセプトが明確でない


  記事全文はリエゾン九州のHPで


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色のマーケティングが勝敗を分ける時代

2007-06-08 00:11:12 | 視点
 人は情報をどこから得ているのか。
頭だと思うかもしれないが、それは違う。
実は目である。
目から得ている情報が最も多いのだ。
カラー化が進んだ現代はますます目から得ている情報が増えている。
コンピューターで取得したと思っている情報も実はディスプレーを通して目から得ているのだ。
 ということは何かを訴える時(PRする時)、いかに目から情報を与えるかと
いうことである。

 ところで面白い話がある。
少し前のことだが、明日着ていくスーツを妻に準備してもらおうと思い、「明日
は茶のスーツを着ようと思う。それに合うネクタイとワイシャツを出しといて」と
言った。

 ところが準備されたスーツは私がイメージしたものと違っていたのだ。
私が「茶」と言った色を妻は「グリーン」と感じ、もう一つの茶のジャケットを用意したのだった。
つまり私と妻では色に対する認識が違っていたわけだ。
 妻からあなたが言っているのはグリーン。どうしてこれが茶に見えるの、と言われてもなお私にはグリーンではなく茶系に見えた。
しかし、よく見れば、なるほどグリーンに見えないこともないな、と感じはしたが。

 一般的に男性は色の識別パターンが女性より少ないようだ。
信号機は今でも「緑」ではなく「青」に見える。
我々は「信号は青」と教わったから「青」に見えるのかもしれない。
緑と言われれば緑に見えないこともないが、パッと見た瞬間はやはり青色に見える。

 ある色をその色だと判断するのは脳だから、もともとある年齢以上の人の頭には信号機の色は青とインプットされているのかもしれない。

 まあ、それはいいが、ソフトバンクの携帯電話を例に挙げるまでもなく、色
を戦略的に使えるかどうかで企業の業績さえ左右される時代である。

 製造業の現場でも、色を効果的に使えば作業効率を上げたり、事故やミ
スが減少することは多くの例が示している。
これからは色を制するものが勝つ時代なのかもしれない。
とすればカラーマーケティングはますます重要になる。


楽天トラベル株式会社

成熟市場にはいかに参入するのか

2007-06-05 08:34:39 | 視点
 マイ箸を作る理由を前々回の「栗野的視点No.118:なぜ、リエゾン九州でマイ箸
を作るのか(1)」
で2つ挙げた。
 1つは地球温暖化防止のためだが、「地球温暖化防止のためにマイ箸を持ち歩こ
う」と言っても、実際に持ち歩く人は少ないかもしれない。ところが、カッコよく
て、オシャレで、人に自慢したくなるような箸を買えば、恐らく多くの人が持ち歩
くだろう。つまり地球温暖化防止のために、と声高に叫んだり、大上段に構えるの
ではなく、一種のファッション感覚でマイ箸を広げようというわけである。

 もう一つは、これこそがリエゾン九州の活動と密接に結び付いているのだが、マ
イ箸を作ることで地場中小企業にマーケットのとらえ方、商品開発の視点、新規参
入の仕方などを実践的に学んでもらうためである。

◆成熟市場への参入

 例えば箸市場を考えてみよう。
この市場は新規市場でも拡大市場でもなく、成熟市場、飽和市場である。
日本食市場が縮小していることを考えれば、将来的にも市場が拡大することは望め
ないどころか縮小市場といった方がいいだろう。
普通、このような市場への新規参入はありえない。
いわんや異業種が参入するような市場でない。
そんなことは誰でも分かることであり、そこに敢えて参入しようというのだから冷
ややかな目で見られても仕方ない。

 しかし、人が無謀と思うところにこそ道はあるものだし、戦い方によっては勝算
はある。
戦う前に諦めるのではなく、どう戦えばいいのかを知ることこそが重要ではないか。

◆2通りのマーケットの攻め方

 一般的に市場(マーケット)の攻め方は2通りある。
一つは
      (略)

◆信長の戦術に見る市場攻略の仕方
      (略)

 ここでちょっと角度を変えて、市場攻略という観点から織田信長の戦い方を見て
みたい。

 現代風に言い換えれば、今川勢は成熟市場だろう。
そこへベンチャー企業の信長が戦いを挑んだという構図である。  

  記事全文はリエゾン九州のHPで


EIZOダイレクト専用モデル

外観はオシャレでも、これでは・・・。

2007-06-03 00:10:45 | 視点
 「オシャレな雰囲気」「評判の店」というのが実際に行ると、どこがおいしいのか不思議だったり、なんでこんな店が評判になるのか分からないというところが結構多い。
一昔で言えば「名物にうまいものなし」ってやつだ。

 今週半ばにグラフィックデザイナーの春高と久し振りに食事をした。
彼と食事をする時はいつも店は彼に決めてもらうことにしている。
職業柄オシャレな店をよく知っているからだ。
ただ、それらの店の多くはいつも私の好みとは違っていたり、その後足を運ぶことはほとんどないところが多いが。
それでも彼が連れて行く店に毎回黙って付いていくのは、「ジャーナリストなんだから、どういう店が評判なのか知っておかなければいかんでしょ」という彼の言葉に素直に頷いていることが一つ、もう一つは春高とはなぜか馬が合うというか、彼と食事をするのが楽しいからだ。
これでタバコさえ吸わなければいい奴なのだがと思うが、その点は多少大目に見ている。
でも、彼の方も私がタバコ嫌いなのは知っているから、極力タバコの煙が私の方に来ないように気を使っている風なのが面白い。
それならいっそやめればいいと思うが、いつまでたってもタバコはやめられないようだ。

 その春高が先週連れて行ってくれた店が福岡市今泉にある「五行」。
ラーメンチェーン店「一風堂」を経営している会社の経営らしい。
マイ箸を出すと、その店のバイトの若い女性もマイ箸派で、しばしマイ箸の話題で盛り上がったのはいいが、帰りに箸置きをテーブルに忘れてしまった。

 2日後の今日、店を訪れ箸置きの忘れ物のことを告げて返ってきた言葉に驚いた。
「済みません。なかったようです」
「ない? 店の箸置きとは一見して違うと分かる代物だから、忘れ物だとすぐ分かったはずだ」
「はい、恐らく捨ててしまったと思うんです」

 これには絶句してしまった。
この店は客の忘れ物をいとも簡単に捨ててしまうらしい。
いくら外観がオシャレでも、話題受けする店を作っても肝心のサービスがこれでは。
いや、これはサービス以前の問題である。
基本がなってない店が長続きしないのは過去の歴史が示すとおり。
この会社、すでに衰退期に入っている、と私は見た。


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