栗野的視点(Kurino's viewpoint)

中小企業の活性化をテーマに講演・取材・執筆を続けている栗野 良の経営・流通・社会・ベンチャー評論。

企業を再生できる経営者、潰す経営者

2008-10-31 22:57:19 | 視点
 先週辺りから急に冷え込んできましたが、皆さんお変わりありませんか。
特に経済の冷え込み方は急激で、ブッシュアメリカインフルエンザが世界を覆って
いるようです。
 経営者にとっては頭が痛いことばかりでしょうが、
・必要なのは転ばぬ先の杖、
・次善の策が転びかけた時の杖の出し方、
・それでもなおかつ転んだ時でも上手な転び方(柔道でいう受け身)を知っている
かどうかで被害を最小限度にとどめることができます。
・最後に転んだ後の起き方も問題になります。

 こうしたことを事前に勉強しておくかどうかは経営者にとって、とても大事なこ
とだと思います。

 常勝将軍といわれたナポレオンは、常に「敗けた時にどうするか」を考えて戦っ
ていたといわれています。野球でいえば守りの野球です。
だから勝ち続けられたのです。

 ところが日本人はこういう考え方、やり方が苦手です。
歴史上も当たって砕けろ式の戦いが多く、またそういう合戦が喝采を浴びています。
例えば義経のヒヨドリ越え、信長の桶狭間の合戦、旧日本軍の真珠湾攻撃・・・。
 いずれも戦略戦術なき無謀な戦いです。
これらの戦いが成功したのは偶然に助けられたからで、再現性のない「たまたま」
です。
企業経営はそういうわけにはいきません。

 そこで今回は「企業を再生できる経営者、潰す経営者」と題して、あまたの企業
を再建してきた萬年弁護士に話してもらいます。
 萬年さんは常々次のように言っています。
「商売、ビジネスは信用第一。信用とは”嘘をつかない””約束を守る”の2つ」
これができてない経営者は会社を再建できない、と。
あの経営者は信用できないと債権者が思えば、再建に同意してくれないでしょう。

 さて、当日は裏話も含めて面白く、非常にためになる話が萬年節で聞かれること
でしょう。
 しかも懇親会まで気軽にお付き合い頂いているので、この機会をお見逃しなく、
ぜひともご参加下さい。

             --記--

●日 時: 11月15日(土) 14:30 ~ 17:00(時間に注意!)

◎場 所:福商会館(大名1-12-57)の2F
      天神西通り、岩田屋本館(旧Zサイド前)の前に大福うどん、
      ケンターッキーフライドチキンがあり、その角を赤坂方向に
      入ると角から2、3軒目左手のビル(1FにPumaの赤いショップ)

●内 容:
1.勉強会
  「企業を再生できる経営者、潰す経営者」
   講師:萬年・山口法律事務所所長・萬年浩雄弁護士




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東国原宮崎県知事と星野北京五輪代表監督の共通点

2008-10-29 23:11:35 | 視点
 東国原宮崎県知事と星野北京五輪代表監督は似た者同士。
どっこが似ているかって? 反省しない態度とうぬぼれ。
東国原氏はタレント時代に起こした事件のことをすっかり忘れ、いまや宮崎だけでなく日本を救えるのは自分しかいないとまでに思い上がった。

 大体マニフェスト、マニフェストと言っているが、元々当の本人にしっかりした理念があったわけではなく、マニフェストも一夜漬けに近い感じで作ったが、前県知事の不正に嫌気がさした宮崎県民の心に「ここらで新しい風が欲しい」という気持ちが芽生えていたところに立候補したものだから、そのしがらみのなさが逆に受け、あれよあれよという間に当選してした。

 こうしたラッキーな当選者は結構いて、福岡市長は2代続けてラッキーの恩恵を受けている。
 前市長の山崎広太郎氏はブルドーザーのごとく箱物行政を推し進めていった桑原姿勢に対する批判票の受け皿になり当選した。
現市長の吉田氏も、市長当選後次々と公約を破っていった山崎氏の批判票が集まって当選している。
 ともに自分の力で当選したというより、前政権の批判票の受け皿当選というところが共通している。

 ところが当選後しばらくすると、皆自分の力で当選したように勘違いしだすのだ。
その典型が東国原氏のようだが、ここまで勘違いし、思い上がると滑稽さを通り越し、哀れささえ感じてしまう。

 もちろん、当選後の活動は評価する。
元タレントだけあり、TV出演をフルに活用しての宮崎PR。
たしかに目立ったし、他県人に宮崎県庁に行ってみようという気を起こさせた効果は大きい。
 しかし、これは鹿児島の「篤姫効果」みたいなもので、過去の例からも分かるように効果は1年だけ。
2年目はその反動で「宴の後」になっている。

 もしかすると、東国原氏本人はそのことを知っているからこそ知事2年目は避け、国政に転じようとしたのではないかと勘ぐりたくもなる。
だって、彼の知事としての仕事の成果はいまのところまだ宮崎PR以外にはないのだから。

 突然降って湧いたように「宮崎にとって非常事態」と危機感を煽ったが、県民は中山前国交省大臣が次期衆院選不出馬を表明したことを「非常事態」とは感じていなかった。
それより「宮崎の恥」と感じた人の方が多かったのだろう。
だから、いくら東国原氏が「非常事態」と煽っても県民の中にそれに応えて動こうとした人は少なかった。

 後は素直に謝ればいいのに「出馬しない」とは未だ明言せず、「自民、民主それぞれ出そろい、後ないのは無所属だけですね」などと未だ思わせぶりな発言をしているところをみると、結局そのまんま東の体質は変わってないのだなと思ってしまう。

 さて一方の星野仙一氏。
WBC監督は擦った揉んだの末、原巨人監督の就任が決まり一件落着した。
しかし、ここに至るまでの星野氏の態度はいただけない。
北京五輪敗退については言い訳じみたことに終始し、はっきり責任を認め謝罪せず、WBCの監督就任に未練を見せ、これまた就任しないとなかなか明言しなかった。
いままでのイメージと違って男らしくないあの態度。
しかもブログで「受けない」と言うなど、とても褒められたものではない。
それでも出来レースだったのがイチローのひと言で変わったのはよかった。
個人的には野村楽天監督にやってもらいたかったが、終わってみれば結局、最初から最後まで巨人人脈だった。

 さて、写真のヒマワリ、頭を深々と下げて謝っているように見えるが、なにを謝っているのだろうか。
夏が過ぎて秋だというのに、まだ咲いていてゴメンなさい、とでも言っているのだろうか。


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中小企業ほど「広報」に力を入れろ

2008-10-27 17:47:28 | 視点
よいモノを作っているだけでは売れない(後)


 ここで、いままでの流れを少し整理してみよう。

1.よいモノを作っているだけでは売れない。
2.売れるためには自社、自社の商品の存在を幅広く知ってもらう必要がある。(社会的認知度のアップ)
3.そのために情報発信(広告宣伝、広報、口コミ材料の提供)を積極的にする必要がある。
4.大手企業は積極的に情報発信を行っているが、中小企業は情報発信が量、質ともに弱い。
5.中小企業は資金力が弱いが故に口コミに頼ろうとするが、口コミは情報の広がりが弱く、内容の精度に問題があることもある。

 実は私が中小企業の情報発信力の弱さに気付いたのは20年近く前だった。
取材等で地方に行けば行くほど、よいモノを作っているのに、あまり知られていない、知る人ぞ知るみたいな企業が結構あった。
 総じてそうした企業は職人的で、高い技術力を持っている割には商品があまり売れてなかったり、自社製品のよさをアピールすることも、特徴を説明することも下手だった。

 かといって、売り上げに無関心というわけでもなく、いまよりもう少し売り上げを上げたいと思っている。
ただ、実態以上に仰々しく宣伝して、大量に販売したいとは思っていない。
そんな中小企業に数多く出会った。

 そこで私が始めたのが、


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よいモノを作っているだけでは売れない(中)

2008-10-23 14:11:27 | 視点
 例えばこんな話がある。
学生が就職先企業を決める際、決定的な役割を果たしているのは母親だという。
父親ではなく母親なのだ。

まあ、大学の入学式に参列したり、会社の入社式にさえ参列したがる母親がいる時代だから、子供の就職先決定に口を出すぐらいは当たり前のことだろう。
そのこと自体おかしな話ではない。昔から親は子の相談に乗っていたわけだから。

ただ、相談相手が父親ではなく母親に代わってきたのだ。
そのことが重要な変化を引き起こしている。

 社会的認知度が重要な問題になってきたのだ。

「我、社名を知っている故にその企業あり、我、知らざる故にその企業なし」
デカルト風に言えばこんな現象が強まっている。

つまり、母親は自分が見聞きした企業を存在していると思い、そうでない企業は彼女にとって存在していないのと同じなのだ。

 当然、子供の就職先に関してもこの論理を当てはめるから、自分が知っている企業の方を勧めることになる。

例えば自分が乗っている車のメーカーと、エンジンを作っているメーカーでは、後者がどんなに技術力が高く、業界では有名な企業でも、母親がそのメーカーの社名すら聞いたことがなければ、彼女は自分がよく知っている前者のメーカーを躊躇なく勧める。

 こうしたことがあらゆる分野で起こっているのだ。


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よいモノを作っているだけでは売れない(前)

2008-10-20 14:14:45 | 視点
 少し前、読者から次のようなメールが届いていたので、今回はこれをきっかけに製造業が陥りやすいウイークポイント、中小企業が力を入れるべき点について考えてみたい。

> ・本当によい物を作っていればいずれ認められ、隠れた口コミルートで流れる。
> ・でも、取上げられたのは結果論と言っては言い過ぎでしょうが> ・そこまで来るのに多くの挫折した人もいるでしょう。
> ・成功例が良く雑誌などで紹介されてます
> ・本当に味が分ってくれて評判が立つのか、、、。
> ・宣伝効果なのでしょうか

 いまどき「よいモノを作れば売れる」と考えている企業は存在しないだろうと言われそうだが、こうした企業は結構多い。特に中小企業には。
 大企業でも状況は似たようなもので、かつて「技術の○○」といわれた企業がいまは見る影もないのを見れば明らかだろう。

 こうした傾向は技術を売り物にした企業にほど強く見られるが、実は技術力を標榜することでマーケティングや販売力その他の弱さから逃げているのではないかという気がしている。
 例えばパイオニア


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セキュリティソフトはスパイウェア対策ソフトとの併用がお勧め

2008-10-10 16:32:52 | 視点
 前回、「無料で使えるセキュリティソフト」を紹介したところ、読者から早速
次のようなメールが届き、セキュリティソフトにスパイ対策ソフトの併用を勧めら
れたので紹介したい。

> ご無沙汰しております。フューチャー・ブレイン)西本です。
> 私は、セキュリティソフトはキングソフト製のものを利用しています。
 おや、西本さんもキングソフトのインターネットセキュリティUをお使いでした
か。私と同じですね。
 このソフトの利用者は結構い多いかもしれませんね。

> ご指摘の通り、現在はフリーで優秀なセキュリティソフトが配布されており、
> 選択肢がとても多いとも感じています。
> お役立ち情報「無料で使えるセキュリティソフト」の記事を読んで、
> ITコンサルを生業としている私なりの追加情報をご提供させて頂きます。

> 現在、市販及び配布されているセキュリティソフトには、スパム対策等も
> 網羅されているものが殆どですが、ウィルスにしろスパムにしろ多種多様の
> マルウェア(悪意をもったソフトの総称)が蔓延している状況です。
> スパイウェア対策ソフトを併用する事により簡単でより安全なPC環境を作れま
> すので、参考にして下されば幸いです。
>
>
> 1.WindowsUpdateは定期的に行う。(自動更新にしておく)
> 2.ウィルス対策ソフトをインストールする。(栗野的視点の内容を参照)
> 3.SpywareBlaster等のスパイウェア予防ソフトをインストールする。
>   http://www.javacoolsoftware.com/spywareblaster.html
> 4.Spybot S&D 等のスパイウェア除去ソフトをインストールする。
>   http://www.safer-networking.org/en/
>
> ※記述しているURLは、英語ですので下記のHPを参考にされると良いかと思いま
> す。
>  アダルトサイト被害対策の部屋( http://www.higaitaisaku.com/ )
>
 情報ありがとうございます。
上記のHP、早速見てみました。
日本語でインストールまでの方法を解説してあるので、とても分かりやすいし、助
かりますね。

> 現在個人的には、セキュリティ対策もさることながら、「ワンクリック詐欺」等
> の撲滅コミュニティに
> 参加しており、インターネットにおける陰の部分も間近に見ております。
> ウィルスにしろ詐欺にしろ、ITリテラシーの高くない方が標的になっており
> 啓蒙活動がもっともっと必要だと感じております。

 皆さんも是非試してみてください。

念のためにひと言!
 セキュリティソフトもスパイ対策ソフトもパソコンに入れるだけでは意味があり
ません。
インストールしたら必ず
1.アップデートをしてソフトを最新の状態にする。
2.ウイルス、スパイウェアを検索する。
3.セキュリティソフトは1週間~10日に一度は曜日、日にちを決めて自動的にウ
イルスを検索する設定にしおてく。

 繰り返しますが、ウイルスに感染すると大切なデータが壊れたり、場合によって
はパソコンそのものを買い換える羽目にもなります。
 それだけでなく多くの他の人へウイルスを撒き散らし、相手に多大な迷惑をかけ
ます。
 プロバイダー頼みだけでなく、自分のパソコン1台1台に必ずセキュリティソフ
トを入れてください。





無料だからとて侮れないセキュリティソフト

2008-10-09 10:20:37 | 視点
 このところウイルスが急増しているようで、毎日のようにウイルス感染メールが届く。
幸いウイルス防止ソフト(セキュリティソフト)を入れているので駆除できているからいいが、もし入れてなかったらと思うとゾッとする。

 いまごろパソコンにセキュリティソフトを入れてない人はいないと思うが、次のような人は注意してもらいたい。
1.セキュリティソフトの更新忘れ
2.メーンパソコンにしか入れていない

 こういう人が案外いそうだ。

 特に後者のメーンパソコンにしか入れていない人は危険だ。
「面倒くさい」「ついうっかり」などと言わずに、すぐ全パソコンにインストールを!

 最近は1つのシリアル番号で3台のパソコンにセキュリティソフトをインストールできるものも増えているので、そういうセキュリティソフトを買えば経費も安く抑えられる。
 私の場合、デスクトップ型、ノート型を含めパソコンを4台所有しており、それぞれにセキュリティソフトを入れているが、その内3台は3台までインストールできるソフトを入れている。
4台目のパソコンは実家に置いていて、帰省した時に使っているが、こちらには無料で使えるセキュリティソフトを入れている。

 そう、いまはセキュリティソフトにも無料で使えるタイプが登場しているのだ。
これは非常に助かるし、重宝している。
なんといっても更新期限や利用台数を気にしなくていいのだから。
 無料で使えるソフトといえば、読者の中には無料版は機能の制限が限られるのではないか、有料版のように更新してくれないのではないという不安を抱く人もいるかもしれない。
 ところが、最近の無料ソフトは有料版に比べて全く遜色ないというか、有料版に機能その他で劣るところは一つもないのだ。

 例えばソフトの更新は最低1日1回、自動で行われる。
ウイルスの予約検索システムも自由に設定できるのだ。
 有料版と無料版の違いはソフトの自動更新時にポップアップ広告が出るか出ないかだけだ。

 私は普段からフリーウェア、シェアウェアソフトをよく使っており、いまこうして書いているそふとは「秀丸(ひでまる)」というシェアウェアソフトだし、ワープロ・表計算ソフトにはマイクロソフトのオフィスと互換性がある「Openoffice.org」というフリーウェア。そしてセキュリティソフトはキングソフトの無料版「インターネットセキュリティU」である。

 ウイルスに感染すればパソコンが動かなくなるだけでなく、メーリングリストの仲間やメールをやり取りする相手に多大な迷惑をかけることになる。
 パソコンのハードディスクが壊れれば大事なデータは全滅する。
パソコン保護で大事なのは実はデータの方なのだ。
アプリケーションソフトなどは再インストールすれば済むが、作成したデータは再インストールできない。
わずかな手間と経費を惜しんで、あとで泣かないように。

 しかし、中には「プロバイダーでウイルスチェックをしてくれるから、自分のパソコンには入れていない」という人がいる。
ところが、最近はUSBメモリーやCD、DVDなどの記録媒体を介して感染するウイルスの急増が報告されている。
ウイルスはインターネットを介して飛んでくるだけではないのだ。
所有しているパソコン1台1台に必ずセキュリティソフトを入れてもらいたい。
なんといっても無料でインストールできるのだし、有料のものでも一時期に比べれば随分安くなっている。
3台まで同一料金で使えたり、一度ソフトを買えば毎年の更新料がタダのセキュリティソフトもあるのだから。

 以下に各ソフトのダウンロード先を記しておく。

キングソフト「インターネットセキュリティU」(無料版)
ソースネクスト「ウイルスセキュリティZERO」(毎年の更新料が無料)
トレンドマイクロ「ウイルスバスター2009」(3台まで使える)
 今度のウイルスバスターはメモリー使用量を45%削減し、PCに負担をかけずサクサク動く
セキュリティならシマンテック「ノートン2009」




思惑がはずれ、やっと不出馬を表明した東国原知事

2008-10-06 18:44:16 | 視点
 次期衆院選出馬に色気たっぷりだった東国原宮崎県知事が、ここにきてやっと態度を明らかにした。
「解散されても、公示になっても今のところありません」と不出馬を表明したのだ。
決定的だったのは宮崎日々新聞社が5日、県内の有権者100人を対象に行った緊急アンケートの結果だった。
それによると国政転身に「反対」「どちらかといえば反対」が全体の82%にも上っていた。
さすがにこの結果を見て、「それでも出る」とは言えなかったのだろう。

 それにしても国政への転身に未練たっぷりというか、煮え切らないというか、この期に及んでもまだ「いまのところありません」と言っている。
思い返せば今回の一連の動きの中で、東国原氏が繰り返し使った言葉がこの「いまのところ」という文句だった。
いまのところ、現時点では、と条件を付けることで、いつでも変わり身ができるようにしていたわけで、なんとも男らしくない態度である。
スパッと「知事の任期は全うする」と言うべきだろう。

 言わせてもらえば、まだ政治家に成り立てである。
確かに宮崎県のPRには大きく貢献している。
しかし、それはタレント性に負うところが大きい。
むしろこれから彼の政治姿勢が問われる時なのに、1年あまり知事をやって注目されたからといって、今度は国政でというのは少し奢りが出ているといっていいだろう。

 どんな人でも1年目は一生懸命にやっている。
真価が問われるのは半分過ぎた頃からで、その頃に気の緩みと奢りから地が出る。
東国原氏の場合は「女」だと思っている。
人間の癖はなかなか直らない。
彼が過去を本当に反省しているかどうかがこれから問われる時である。
それなのに知事の任期を途中で投げ出し国政に転身するのでは中山前議員とあまり変わらない。
 宮崎県民もその辺のところを見ているわけだ。
ただ、元タレントだけあって風向きを見る目だけはしっかりしていた。
これからは変な色気など示さず、きっちり宮崎県知事としての仕事を全うして欲しい。
そうすれば「東国原」の価値はもっと上がるに違いない。


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国政にますます色気を見せる東国原知事だが・・・。

2008-10-05 11:44:44 | 視点
 出るのか、出ないのかーー。
このところ九州のマスコミは連日この話題で持ち切りだ。
それというのも当の東国原氏自身が出るとも出ないとも言わないから、ではなく、国営に色気たっぷりな発言を繰り返しているからだ。
「緊急事態だ」「自民党をなんとかせないかん」という本人の発言が日増しに強まっていることから見れば、彼自身の気持ちは出る方向に傾いていると思われる。

 にもかかわらず、「出る」と明言しないのは、県民の動向が読めないからだ。
知事に就任して1年8か月あまり。
任期をまだ半分以上も残しての衆院選出馬に「県民への裏切りだ」という声もある。
本人の意に反して、「宮崎のために今度は国で汗をかいてこいという声」が高まりを見せないのだ。
もし、少しでもこういう声が県にでも寄せられれば、彼は即座に「出る」というだろう。
それぐらい出たくてうずうずしているのだ。

 政治家の嘘、変節は当たり前で、大阪府知事選への出馬は「200%ない」と言っていた橋下氏は舌の根も乾かない内に前言を翻し、出馬したのだから、東国原氏も「前にそんなことを言いましたか」というような顔をして出馬するに違いない。
 大体、彼は宮崎県知事選の時に自民党を批判して出馬し、当選したのである。
それを今度は自民党から出ると言う。
おかしな話だ。

 ただ、風向きを見るに敏感な男だ。
県知事選の時と違って、今回は風が吹かないことを多少感じ取っているようだ。
そのことに一番やきもきしているのが彼自身だ。
であるからこそ、自ら「非常事態だ」「国政が大事だ」「宮崎のために国を何とかせないかん」と、一生懸命風を送り込もうとしているのだが、一向に風が強まらない。
このまま風が起こらなければ出馬を諦めるだろうが、気持ちは出馬に傾いているから、「えーい、このまま行け」と衆院選に走るか。
ただし、仮に出馬をしても、前回のように票は集まらない。
そのことは覚悟しておくべきだろう。