栗野的視点(Kurino's viewpoint)

中小企業の活性化をテーマに講演・取材・執筆を続けている栗野 良の経営・流通・社会・ベンチャー評論。

流通小売りの現場が変だ(3)~内向きの姿勢を正せ

2016-08-30 15:38:22 | 視点
内向きの姿勢を正せ

それにしても最近目に付くのは基本の「き」の字ができてないというか、疎かにしたが故に発生するミス。
ちょっとひと言添えさえすれば防げるのに、それを怠たったが故にミスになり、それがクレームにつながる。
あるいは問題を自分達のセクションだけで隠し全社的な問題として対処しなかったが故に後に大問題になり取り返しがつかなくなる。

 要はミスやトラブルに対する捉え方、それを後ろ向きの非生産的な問題と捉えるのか、早い段階で対処した方が逆にコストダウンにつながる生産的な問題と捉えるのかの違いだが、全社的な問題にはしたくない、できれば自分あるいは自分達のセクションだけの問題として密かに処理したいと考えるから隠す。
隠して事なかれとするから発覚した時は大問題になる。

 結局そこにあるのは内向きの姿勢。
いま、この瞬間さえ逃れればいいと考える刹那的な姿勢が、この世を覆っている。

 三菱自動車の燃費不正問題も2005年に新人社員が不正行為をやめるよう提言していたにもかかわらず、当時の上司、幹部達が処理せず頬かむりを決めたから、いま屋台骨を揺るがすほどの大問題になった。
もし、あの段階で不正をやめ、全社的な見直しをしていれば日産自動車の傘下に入らずに済んだかもしれない。

 ミスや事故の大半は基本を怠ることから発生する。
先頃、長崎バスで乗務前の呼気検査で基準値を超えるアルコール分が検出されたが、この運転手、あろうことか家族を呼び、その家族に再検査の際、身代わりで検査を受けさせパスしてバスを運転していたという。

 乗客を乗せた飲酒運転バスが走っていたわけで、聞くだけでも恐ろしいが、問題は同社の体質である。
二度目の呼気検査の際、立ち会いの検査官が身代わりを知りながら、そのことを黙認していたのだ。

 さらに同社は前7月にも別の運転手が呼気検査の際、後輩を身代わりにして検査を受けさせ、酒気帯びのまま乗務していた問題が発覚したばかり。
ここまでくると身代わり検査は日常的に行われていたとしか言いようがない。

 しかも、この種の問題は全国の公共交通機関で起きているから恐ろしい。
「見つかる奴は運が悪い」「見つからなければそれでいい」という考えが横行している。
ここまでくればルールも倫理もなきに等しい。

 代わりの運転手がいない、人員に余裕がないから多少問題がある人間でも乗務させざるを得ないでは、乗客はたまらない。
大型バスは経験不足で乗務できないと言ったにもかかわらず運転させられ、死傷者を出したスキーバスもあった。
いずれも基本をきちんと守りさえすれば防げた事故だ。

 コストダウンしなければ受注競争に生き残れないと言うなら、それを逆手にとって情報発信してみてはどうだろうか。
 事故率ゼロとか、運転手の乗務履歴、メンテナンス履歴の公開で安全性をアピールするとか。
 コスト以外の競争をすることで、コスト競争による負のスパイラルから抜け出す方法を探ることも重要ではないか。

コスト削減で人も企業も余裕がなくなる

 「お・も・て・な・し」は外国向けのPRだとしても、一体いつ頃から日本のサービスは消えたのか。
なんでもコスト優先になり、メカニカルサービス部門の人員削減、メンテナンス部門は地方都市から軒並み撤退している。

 例えば福岡市を見るだけでもパナソニック、シャープ、キャノンなどはかつて置いていたメンテナンス・サービス部門を廃止している。
カメラメーカーでは最後までニコンがショールーム兼サービスを駅前に置いていたが、それも廃止。
当然、シワ寄せはユーザーに来るわけで、カメラ本体の内部クリーニングのようなことでさえ本社のメンテナンス部門まで送らなければならず、本来なら1時間もあれば余裕で終わるメンテナンスが数日間を要するようになった。

 さらに深刻なのが人員削減の影響で、どの部門も余裕がなくなり自分の仕事、目先の仕事しかできなくなっていることだ。
目が外に向かない上に、社内教育、サービス教育は削られるか、形だけのものになっている。
事故が起きると必ず「教育を徹底」と言うが、そこにコストをかけるよう体制を見直さないと、単なる教育だけで直るものではない。

 その点、小売業の方はまだ教育効果が出やすい。
実は先の明太子販売店の前に車を止めた時、雨が降っていた。
小降りならそのまま店内に駆け込むのだが、さすがに傘なしでは濡れてしまう。
店内から手持ち無沙汰にこちらが車を止めるのを見ている販売員がいた。

「ああ、これが帝国ホテルなら傘を持ってすぐ来るのだろうが、ここではそこまでのサービスはしないだろうな。すれば感動するのだけど」

 そんな会話を2人でしながら傘を取り出し車から降りて店に入った。
店の前に車を止めれば自店に来る客だと思わないのだろうか。
結局、店内の誰もが客とは店という境界に一歩足を踏み入れた人という概念を持っているからだろう。

 イオンも似たり寄ったりというか、客に対する警戒心は同店の方が強いかもしれない。
上記の件について店長宛に優しくお手紙を出しておいたところ、店長から私の指摘通りで「すべては弊社のミス」で「これを機会に、従業員一同お客様に接するマナーを再教育いたして参ります」という手紙が届いた。

 まあ昨今、客からの苦情に一々対応して顧客サービス担当課長が出向いていると、相手がとんでもないクレーマーで何を要求されるか分からない、だからこれで良し、一件落着としようという気持ちはよく分かるし、それが正しい対応かもしれない。

 ただ、私が逆の立場なら、せめて割引券の1枚でも同封しただろうと思う。
割引券というのは店で買ってもらわなければ使えないのだから、店にとっては損失にならず、客は喜ぶ両得の手ではないか。

 苦情や注意をしてくれる客を店のフアンと考えるのか、厄介なクレーマーと見るかで対応にこれほどの違いが出るか、昨今小売業は客を「顧客」ではなく「固客」と呼び、客の囲い込みに熱心だが、結局それらは文字の上だけのことのようだ。
ほんの少し視点を外に向けさえするだけでいいのに、内側にしか向いていないから見えるものも見えなくなる。








流通小売りの現場が変だ(2)~画竜点睛を欠いたイオンの対応

2016-08-29 10:30:55 | 視点
画竜点睛を欠いたイオンの対応

 明太子専門店を出た足で今度はイオンに向かった。
両店とも玉串料返しの贈答品選びである。
イオンはギフトコーナーがあったのでそちらで色々選び、カウンター前に腰掛けるとアルバイトと思しき若者から次のように言われた。

「以前に当店をご利用いただいていますと記録が残っていますから、お電話番号を知らせいただけるとすぐ記録が出せますが」
「いや今回初めてだから」
「かしこまりました。では、こちらの用紙にご記入をお願いいたします」

 そうそう、これだよ。なぜ、この程度のことが先の店では言えなかったのか。
マニュアルは最低限の基本だから、まずマニュアル通りの応対を身に付け、そこから臨機応変な対応をさせるように教育すべきなのに、マニュアル否定だけでは教育放棄と同じことだなどと思う一方、さすがはイオンと感心していた。

 最初の対応がスムーズだと後も順調にことが進む。
ただ一箇所、滞ったのは熨斗の表書きに話が及んだ時だった。
「表書きはいかが致しましょうか」
「『偲び草』にしてくれる」
 と、ここでそれまでのスムーズな流れが一時中断し、なにやらしきりにタブレットやPCを操作している。

 やがてそのコーナーの責任者と思しき男性が「申し訳ありません。以前(ダイエー時代)は偲び草の文字もあったのですが、イオンになってからなくなっているようなのです。なにか他の言葉でもよろしければ・・・」
「えっ、『偲び草』がない。そんなに特殊な言葉ではないよ。神式では普通に使う言葉だけどないなら仕方ない。『志』でいいよ」
「申し訳ありません。今度作るようにと提案しておきます。こういうお客様からの要望が大事ですから」

 うちは神道だから仏式のやり方には詳しくないが、仏式では「満中陰志」と書くことが多いらしい。「偲び草」は神式、キリスト教でよく使われるが、そのこととは別に、私はこの言葉が気に入っている。故人を偲んで贈ります、偲んでいただきありがとうございましたという思いがこの言葉に込められていると感じるからだ。

 とまあ、イオンの対応に満足しながら店を後にしたのだが、実は後日談がある。
その月の25日過ぎからお礼の電話がかかってきだしたのだ。
最初の電話は意味が分からなかった。
「結構な物を頂きありがとうございました」と言われても、それが玉串料返しの品が届いた礼だとは分からず、思わず「何の話ですか」と聞き返したほどだ。

 こちらが送ったのは月の初めだから、とっくに届いていると思っているし、なにかその他に送っただろうかと首を傾げたが、やはり玉串料返しの礼だと分かり、今度はビックリ。
なぜ、今頃? 配送に20日以上もかかるだろうか。
なんらかの理由でこの1軒だけ遅れたのだろうと思っていると、その翌日から同じような電話が数件あった。
どうやらイオンで発注した商品のみ20日以上遅れて発送されたようだ。

 なぜ、こんなことが起きたのか。考えられる理由は次のような点だろう。
1.店頭、配送センター共に在庫がなかった。
 これは考えられないことではないが、注文時に店頭に商品があるのを確認していた。送り先は複数でそれぞれ違う商品を贈っているから、一律に配送が遅れたことは考えられない。

2.ギフトコーナーの配送自体が同月下旬からだった。
 これが最も考えられる理由で、そう考えると整合性がとれる。ただ、これは同店に確かめてみないと分からないことだが。

 仮に2の理由で配送が遅れたとしよう。それでも疑問が残る。
カウンターでのやり取りで「偲び草」だということは伝えてあるし、その時の会話から担当責任者も「偲び草」の内容を理解している。

 であれば配送が下旬からなら、その場で「○○日からの配送になりますが、それで構いませんか。ギフトコーナーではなくサービスカウンターでの受け付けなら通常通り2、3日で先方にお届けすることができますが、いかがいたしましょうか」とひと言告げさえすれば大幅な配送遅れというミスは防げたはずだ。
 せっかく対応のよかったイオンだが画竜点睛を欠く対応になったのは残念だ。




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流通小売りの現場が変だ(1)~老舗明太子店の接客に驚く

2016-08-28 09:32:42 | 視点
 このところ流通小売りの現場が変だ。
変なのは小売りに限ることではなく、人が関わる、あらゆる現場が変だ。
人より機械の方がよほどマシな接客をしてくれると思うことがしばしばある。

 例えばATM(現金自動預け払い機)は操作を自動音声で丁寧に案内してくれるし、「いらっしゃいませ」と挨拶してくれる、飲み物の自動販売機まである。
 一方、人間の接客はどうだ。
まるで口を開くとコストがかかるかのように無口で無愛想。
客と目を合わせることさえない、と言うのはさすがに言い過ぎで、最近では機械に負けない程度に喋りはするが。

 しかし、人と機械が接客対応、処理能力が同じなら、なにも人である必要はない、と言いたくもなる例に最近遭遇した。

マニュアルがない弊害も

 「お電話番号は何番でしょうか」。
某明太子販売店のカウンター前に腰掛けると、モタモタとした動作でPCを開きながら、いきなりそう言われた。
「えっ、誰の番号を聞いている? 俺の? なぜ」

 とにかく、物を買いに行っていきなり電話番号を、何の前振りもなく聞かれたのは初めてだ。
 これがもし、うら若き女性からなら多少鼻の下を伸ばしたかも分からないが、年齢からすれば経験を積んだと思われる女性販売員から、いきなり電話番号を聞かれれば誰しも訝るに違いない。

 その後、2、3やり取りして、やっと相手の意図を理解した。
要は過去に当店を利用したことがあるお客様ならデータがあるので、今回改めて紙に住所その他を書いてもらう手間が省けますから、登録している電話番号を教えて下さい、ということなのだ。
それならそのように言えばいいのに、いきなり「電話番号は何番ですか」と来るものだからおかしくなる。

 一体この会社の社員教育はどうなっているのか。
社員教育以前に、最低限の接客対応はどこの会社でもマニュアル化してあるはず。それもしてないのか。

 そういえばマニュアルによる一律の接客ではなく、心のこもった対応ができるように、マニュアル教育は導入していないというようなことをトップが語っていたような記憶があるが、それは記憶違いかなどと考えながら、小さな声で「新人か?」と尋ねた。
もちろん嫌味である。
するとどうだ。「はい」という返事。
この時ばかりは「マジかよ」と今時の若者風に言いたくなった。

 で、その後は挽回すべきテキパキとやるのかと思えば相変わらずダラダラとPCを操作している。
どうやら思った画面が出ないようなのだが、次の瞬間、思わぬ行動に出た。

 さっと立ち上がり「替わって下さい」と言ったのだ。
こういう場合、普通は周囲の同僚か上司を見て「済みません。どうも操作がうまく行かなくて。替わってもらえますか」と言うものだ。
 ところがこの販売員、そんな素振りも見せず、いきなり立ち上がり、誰に言うともなく「替わって下さい」と言ったのだから、こちらは呆気にとられた。
目の前の客を無視した無礼極まる態度に「なんだ君は!」と怒ることさえ忘れ、口ポカーン状態だ。

 ところが、その直後、側に居た別の販売員が何事もなかったかのようにスッと座り、実にテキパキとした動作でやり取りをするものだから、こちらは席を立って帰るのも忘れ、そのまま注文を終えたものの、いまどき珍しく接客態度の悪い販売員だった。

 それにしてもなぜ、このような販売員がいるのか。
採用時の面接で見抜けなかったのか、それとも面接自体がいい加減なのか。あるいは採用後の教育が全くなされていないのか、人手不足でとにかく応募してきた人間を採用せざるを得なかったのか。

 この会社、老舗の明太子専門店として有名な会社で福岡市とその周辺に直営店を何店舗も展開しており、先頃、創業者の一代記がTVドラマ仕立てになり放映もされた。
常日頃メディアで女性の活用や社員教育にも熱心とトップは語っていたが、現場の実態はあまりにも差があり過ぎた。

 蟻の一穴という言葉もある。看過して堤が崩れないようにしたいものだと、他人事ながら思った次第。



 ☆全文は「まぐまぐ」内の下記「栗野的視点」ページから
  http://archives.mag2.com/0000138716/20160808104900000.html


 「栗野的視点」はリエゾン九州のHPにも収録しています。




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福岡銀行をかたる偽メールに注意!!

2016-08-19 15:10:14 | 視点
緊急の注意情報!!

福岡銀行(?)名で下記のようなメールが届きました。

福岡県内の方はほとんど福岡銀行と取引があるのではないかと思いますから、ご注意ください。
フィッシングメールですから、福岡銀行を名乗るメールが届いてもクリックをしないように!!

 偽メールの文面は以下のようなものです。

************************************************************************
         福岡銀行Eメール配信サービス
************************************************************************

2016年「福岡銀行」のシステムセキュリティのアップグレードのため、貴様のアカウントの利用中止を避けるために、検証する必要があります。

以下のページより登録を続けてください。
https://direct.fukuokabank.co.jp/0177/B/B/B/C100/KBC11BN000B000.do

            ☆

 上記メールが先程、私のアドレスに届きました。
タイトルは「福岡銀行メールアドレスの確認」となっていました。

 思わずクリックしそうになりましたが、止めました。
いままでのフィッシングメールは都市銀行名をかたるものがほとんどで、地方銀行名のものは少なくとも福岡ではなかったと思います。
それだけに騙されそうになりました。

 こういう場合の方法はまず福岡銀行のHPを別途検索して、トップページ、あるいはトップページから「お知らせ」を見ることです。

案の定、トップページに「緊急のお知らせ」として載っていました。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
本日、福岡銀行をかたる偽メール(フィッシングメール)が不特定多数のお客様あてに送信されています。
偽サイトへ誘導し、お客様情報を盗み取る等の不正を行うものと推測されるため、偽メールを受信された方はメールを削除し、偽サイトへアクセスしないようにしてください。
ふくぎんインターネットバンキング会員のお客様で、万が一、偽サイトへアクセスしてしまった方は、下記あてにお電話ください。
  0120-788-321
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 福岡銀行をかたる詐欺メールは本日(8/19)から配信され始めたようですから、皆さんの所にもすでに届いているか、今後届くと思いますから注意して下さい。
 私の所には12時10分頃届きました。

 再度、繰り返します。
くれぐれも書かれているHPアドレスをクリックしないように!!

 以上、緊急のお知らせでした。



ノートンモバイルセキュリティバナー

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買って失敗したタブレット

2016-08-17 17:32:36 | 視点
 タブレットは薄くて軽く、使う場所を選ばないのが利点。PCのようにデスクトップやラップトップ以外でも、寝転んでいても、片手持ちでも、とにかく使う場所を選ばない、フリースタイルで使えるのがいい。
 またPCに比べれば安価でもある。もちろん10万円を超えるようなものもあるが、PCでしていたこと全てをタブレットに置き換えるのではなく、ネット閲覧、メールの送受信、ちょっとした文書の作成程度ならタブレットで十分というか、結構役に立つ。
 よって、この程度の使い方をするなら3万円前後のタブレットで十分ということになる。画面が7インチサイズのものなら2万円を切る価格で買えるし、約10インチサイズでも4万円前後だろう。

 だが、デジタルもの(デジモノ)が怖いのはモノによって当たりハズレがあることだ。あまり安いものも不安があるし、かといって高ければ安心というわけでもない。安ければ多少の不具合でも諦めがつくが、高ければそれ相応の品質を求めるから、不調、不具合なものを掴まされると腹も立つだろう。
 また一概に海外製(例えば中国製)のものが低品質というわけではないし、国産だから安心というわけでもない。
 中国産のタブレット、スマホの品質は日進月歩で向上しているし、国産でも内部の部品はほとんど海外製だし、なかには製品化まで海外で行い、国産というのはブランドだけというものも多いからだ。これはベンチャー系に限らず、日本を代表する大手メーカーでも同じことだ。

 少々前振りが長くなったが、以下、最近買って失敗したタブレットの話を。
今年の初めに約10インチサイズのタブレットをヨドバシドットコムで買った。注文したのは1か月前。ところが在庫切れで届くのに1か月かかった。別にヨドバシでなくてもよかったから他もあたったが、店頭・ネットを含めどこも入荷待ち状態。
 理由は不明だが、NECブランドの10インチタブレットが売価3万円少々。しかも発売後1年未満だったから、私と同じくお買い得と考えた人が多かったのかどうか・・・。
 実はタブレットは2台目。WiFi専用のNexsus7を使っていたから、すぐ新しいのが欲しいというわけでもなく、またとりわけ何かで不自由しているわけでもなかったから、キャンセルもせずに待った。

WiFiが頻繁に切れる

 Nexsus7はGoogleブランドだけあり、Androidのバージョンは自動的にアップされていたし、片手持ちができるなどとても使い勝手がよかった。それなのになぜ同じAndroidタブレットをということだが、長年、キーボードを打ち過ぎで左手小指が腱鞘炎で伸びなくなり、いまでは左手は人差し指だけの1本打ち。
 そこでキーボードを使わずにフリック入力で文章を書くように方向転換を考えたというわけ。そのためには当然画面が大きい方がいい。そう考えている時にたまたまNECタブレット(PC-TE510BAL)が3万円台前半になっていたから、この価格ならと購入した。

 購入後、数か月はなにも問題なかった。価格ドットコムなどでWiFiがよく切れるという書き込みを見てはいたが、それも起こらなかったので個体差があるのだろうぐらいにしか考えていなかった。
 ところがである。今年6月頃から頻繁にWiFiが切れるようになりだした。タブレットの電源を入れ直すまでもなく、WiFiを接続し直せば問題ないのだが、WiFi接続が切れたのか、接続に時間がかかっているだけなのかが分からないから困る。

 上記タブレットは5GHzと2.4GHzの両方に対応しているが、5GHz接続の方がすぐ切れるので、その度に2.4GHzの方に繋ぎ直している。ルーターも5GHzと2.4GHzの両方に対応しているタイプだが、もしかするとルーターの問題かもと思い、ルーターを別のものに替えてみたが結果は同じ。ということはやはりタブレットの方に問題があるということだ。

OneNoteも頻繁に落ちる

 まあ、多少のことなら我慢するが、WiFiの切れ方があまりにも頻繁過ぎる。これだけならまだ我慢できないことはないが、最近「OneNote」がうまく起ち上がらなくなった。あるいは「OneNote」の「ノートブック」を切り替える度に落ちる。
 「OneNote」の問題かと思い、同じ「OneNote」をスマホで開いてみるが全くそんな現象は起きない。やはりNECタブレット(PC-TE510BAL)の問題だ。
 こうなると少々価格がお買い得と言っても、「買ってはいけない残念なタブレット」と言わざるを得ない。
 で、いまは何を考えているかといえば、8インチサイズタブレットか、Windowsタブレットに買い替えること。AndroidならNexsusがベスト。ただNexsusブランドは価格が高いので型落ちを狙うか、ASUSかLG製(ともにNexsusブランドで出した経験がある)。またはWindowsタブレット。ただタブレットの操作性はAndroidの方がWindowsよりは数段(?)なので、Windowsタブレットがもう少し使いやすくなるまで待つか…。

 ※追加
 2016年7月に行われたアップグレードでWiFiの接続は改善された。
 ただ、NECからの連絡はなく、自分でアップグレードしに行かなければならなかったようだ。

 同じくOneNoteの接続も改善された。
 ただOneNoteはうまく同期されない。
 これはNECタブレットの問題なのかOneNote(無料版)側の問題なのかは不明。

 ※追加2
 2018年春頃よりgmailの更新ができなくなった。

 その後、gmailだけでなく、googleのアプリがすべて更新できなくなった。

 2019年1月、ついにタブレットを工場出荷状態に戻し、アプリを再インストールするも

 状態は改善されないどころか他のアプリも動かなくなる。

 やむなくタブレットの再々初期化。

 問題解決したかに見えたが、やはりgoogle系アプリの更新のみが出来ない。

 このタブレットは買ってはいけない。


社会の内向き化がもたらす危険性(3)~社会の内向き化で増える犯罪

2016-08-01 18:45:00 | 視点
社会の内向き化で増える犯罪

 社会の内向き化は内界の拡大(外在化)により内と外との境界の消滅を招いているが、その結果、人々の欲望と我が儘も拡大し、それが犯罪を生む一つの要因にもなっている。
 昨今の犯罪の特徴は短絡的、衝動的、無差別的、自暴自棄的、殺人目的的といえる。
一昔前なら考えられないような理由、例えば「急いでいたから邪魔だった」とホームに突き落としたり、「死刑になりたくて」「人を殺せば死刑になると思ってやった」「誰でもいいから人を道連れにしたかった」「人を殺してみたかった」「いらいらしていた。誰でもいいから、はねてやろうと思った」という自暴自棄型・殺人目的的な犯罪が目に付く。
 性犯罪に至ってはもっと短絡的で、前を歩いている女性をいきなり押さえ付けて乱暴した(しようとした)という、自分の欲求を満たすためなら時間も場所も相手も構わない犯罪が増えている。

 欲しいものはすぐ手に入れたい。
内・マイスペースでは望めばすぐ手に入ったし、我慢する必要もない。
だから即自的に行動する。
自分がいまいる場所=マイスペース(内)だから、なにも我慢する必要はない、という思考だ。

 彼らが内と認識した場所は実は境界の消滅による内の拡大認識スペースであり、本来の内ではないのは言うまでもないが、彼らにはその区別がついてない(曖昧だ)。

 いま世界中で「ポケモンGO」というゲームが流行っているが、このゲームほど境界の消滅を端的に示したものはない。もはやどちらの世界が現実かバーチャルか分からないし、どちらの世界が現実でも構わないという風潮は今後ますます広がっていくに違いない。
 そして「ポケモンGO」がらみの事故は間違いなく増えていく。
いくら事前に広報したり、注意を促しても決して減りはしないどころか加速度的に増えていくだろう。
そして「ポケモンGO」がらみの犯罪も。

世界が内向きになっている

 問題はこうした傾向が世界規模でほぼ同時に起きていることだ。
70年代初頭までの世界の潮流はインターナショナル(国際的という意味で使用)だった。
民族、国家を超えて世界中が手を取り合おうという、それこそグローバル(地球規模での連帯)を志向していた。
だが、それ以降、世界は民族主義が支配するようになり、その傾向は年々強くなっている。

 最初にそれが現れたのは共産圏諸国であり、民族を超えた国家、連邦制の崩壊が起きた。
続いて発展途上国でも民族主義がさらに強くなり、それまでの枠組みを超えた新たな結束を求める動きと
なって現れている。

 いずれにしろ世界は団結、連帯といった外向きから、ひたすら自国内の利害のみ考える内向きに変わりつつあるが、すでにアメリカとヨーロッパの、いわゆる先進国の最大関心事は内向きになっている。
それを象徴しているのがイギリスのEUからの離脱であり、アメリカのトランプ旋風だ。
イギリスのEU離脱はない、というのが当のイギリス国民を始め世界の大方の見方だったが、それは現実になったし、トランプ氏が大統領候補になることはないという大方の見方も覆され、トランプ大統領誕生が1/2の確率で現実になってきている。

 いわゆる先進国が保護主義的な動きを強めているのに対し、発展途上国の方はより強く内向きベクトルが働き、従来の国家の枠組みを壊し、民族という枠で再構築しようとしている。
 ここで働いているのは内向きベクトルだが、現象的にはベクトルは外向きに働いているように見えるだろう。
内への求心力が強大になると、円の周辺部では膨張、拡大が起き、外向(攻)的な力が働いてくるからである。
象徴的な動きは習近平の中国であり、南シナ海での「九段線」主張に現れている。

 このところ同じ言葉が繰り返し浮かんできては頭を占めている。そして今回もまた。
 我々はどこへ行こうとしているのか--。



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