現代アートの祭典「あいちトリエンナーレ2019」(8月1日~10月14日・名古屋市、豊田市)を前に催されている、あいちトリエンナーレ実行委員会のプレ企画の1つを見てきました。
名古屋市内のアートラボあいちで、3月24日までの金・土・日・祝日の11時から19時まで開かれている「ユーモアの作用、遊びの効用」と題する若手作家の作品展。難解を覚悟していましたが、ちょっとした笑いとゆったり気分に誘われました。
案内パンフによると作品展のテーマにあるのは、オランダの歴史家・ヨハン・ホイジンガ(1872-1945)が著書の中で提唱した「遊びは人間文化の基礎である」との考え。
地元のアート系大学(愛知県芸大、名古屋芸大、名古屋造形大)から1人ずつ推薦されたアーチストが新作を発表しています。
秋良美有(愛知県芸卒)の「おとな供 こ供」と題した作品。
撤去されたという球形のジャングルジムがくるくる回っています。
掲示された説明には「今のおとなが遊んでいた遊具が、今の子どもは怪我をするからと立ち入り禁止にされている。遊具が変わったのではなく人間が変わったから。遊具は動き続けている」(要旨)と。
大久保拓弥(名芸卒)は、さまざまなメディアを用いた作品を手掛けるアーチスト。作品は展示室の壁に向けて何台もの液晶ディスプレイが釣り下がっています。壁には鏡。
ディスプレイの映像は見えないのに、鏡の中のディスプレイにはさまざまな画像が写っています。
小杉滋樹(名古屋造形卒)の作品は、大きな楕円形の立体作品。縦1.8㍍、横1.5㍍くらいでしょうか。木材で枠を作り、表面には新聞紙を貼り付け、その上に千切ったような色紙がぺたぺた貼ってあります。球体は台車に乗っけてあり、展示室内を押したり曳いたりして楽しめるようになっています。恐竜の卵?ラグビーW杯のモニュメント?
勝手な推測ですが、これは創作の途中経過というより、完成品というイメージは必要ないと思いました。思い思いに貼り付けていく。その楽しさが遊びでありアートでしょう。そう思うと1枚貼り付けたくなりました。
そうだ、これをトリエンナーレ会場に何個か置いて、総参加型作品にできないだろうか。入場者に好きな色の紙に夢や希望など何でもいいから書いて貼ってもらう。子ども、おとな、お祖母ちゃんも、お爺ちゃんもペタペタ。75日間でどんな色や形になるのか楽しみです。
アートラボあいちは、愛知県庁大津橋分室にあり、3階建ての古風なビルの2階と3階にアートラボあいち、1階には愛知・名古屋戦争に関する資料館が入っています。