リタイア暮らしは風の吹くまま

古希を迎えて働く奥さんからリタイア。人生の新ステージで
目指すは悠々自適で遊びたくさんの極楽とんぼ的シニア暮らし

デジタル時代の思考に欠けているもの

2020年12月30日 | 日々の風の吹くまま
12月29日(火曜日)。(霧)☁☂。連休明け。でも、休みの人が多いのか、静か、静か。ウォーキングでガソリンスタンドの外を通ったら、リットルあたりで2円値上がり。ガソリンは連休が近づくと行楽地などへの遠出の需要を見込んでほぼ必ず値上がりするんだけど、今年は不要不急の遠出は避けるように言われているにも関わらずスキー場などへ繰り出す人が多いだろうと期待しているってことかな。

みんな長い、長い巣ごもり暮らしを余儀なくされてキャビンフィーバーを患っているから、いくら遠出するなと言われても、連休となればどこかに行きたくなるし、雪の便りを聞けばスキーを担いで飛び出したくなるのも無理はないと思うけど、そこを周囲の状況を見てぐっと我慢するのが分別のある大人ってことじゃないのかな。まあ、洋の東西を問わず世の政治家が、一般市民には会食や旅行を禁止したり、自粛を促したりしておきながら、自分たちは家族や支援者と集まって食事を楽しんだり、バケーションで海外旅行に行ったりしているから、巷の人間がまじめに規制に従うなんてアホくさいとなってしまうのも無理はないな。何を考えてるんだろうと思うけど、もしかしたら、何も考えてないからそういうアホなことをやってしまうのかもしれないな。

それにしても、デジタル時代の人間の思考は脈絡というものが欠如しているんじゃないかと思う。英語には「one-trick pony」という表現があって、言うなれば「バカのひとつ覚え」。それをもじって言うなら、何でもワンクリックで済むと思っているデジタル族はさしずめ「one-click pony」というところかもしれない。何て訳したらいいのかな。今になって、翻訳ってのは脈絡が命のアナログ思考の極みなんだとつくづく思うけど、そんなアナログ思考はもう時代遅れ。デジタル時代は何でもクリック、クリック、クリックで、後はアルゴリズムとやらがお膳立てをしてくれるから、楽ちんで便利至極。めんどくさい人、気に入らない人間がいたら、絶縁だの疎遠だのはアナログ過ぎで、今ではクリックひとつでささっとデフレンド。

あっさり、すっきりでストレスがなくていいのかもしれないけど、やれやれ、何とも味気ない世の中になったもんだ。思うに、コロナパンデミックで「リアルを避けてデジタルで」と言われて続けているうちに、その味気なさがいっそう味気なく感じられて、それが逆にストレスになって来ているのかもしれないな。それで何でも口実になるものがあれば、何らかの「脈絡」を求めてそれっとばかりに「リアル」に繰り出すんじゃないかな。あんがいデジタル寄りの思考に染まっている人ほどアナログな脈絡に飢えていたりするのかもしれない。脈絡の脈は「連綿と続く」つながり、絡は「もつれ合う」つながり、ね。