リタイア暮らしは風の吹くまま

古希を迎えて働く奥さんからリタイア。人生の新ステージで
目指すは悠々自適で遊びたくさんの極楽とんぼ的シニア暮らし

前代未聞の猛暑は過ぎて行ったけど・・・

2021年07月01日 | 日々の風の吹くまま
6月30日(水曜日)。☀☀☀。何とも気持のいい風。この時期、我が家にとって一番うれしい南東の風。窓やパティオドアの開け加減では涼し過ぎるくらいで、いつも一番涼しいミニチュア工房のある部屋なんかうっかりすると暖房が入って来てしまう。そんなに冷たいはずはないのになあと不思議で、部屋の真ん中に突っ立って風の流れを観察していたら、あはっ、そっか。入り口にあるサーモスタットが開けたドアから一直線の位置にあるもので、吹き抜ける涼しい風で日中の設定温度(23度)以下になると自動的にセンサーがヒーターのスイッチを入れてしまうわけ。手動モードに切り替えて、設定温度をうんと下げて解決したけど、「自動」って便利なときは便利でも、一人歩きを始めると便利じゃなくなるからやっかい。

とにかく前代未聞の熱波は、5日目にしてやっと重い腰を上げて、メトロバンクーバーから移動してくれたわけだけど、5日間に「突然死」として検視局に報告された件数が通常の3倍の486人。そのほとんどが独り住まいの高齢者で、熱中症が原因らしい。アメリカ大陸の北西岸は真夏でもあまり暑くならないところだったので、集中冷房があるのは大金持の邸宅ぐらいのもので、北米でクーラーといえば窓枠にはめ込むタイプ。バンクーバーのダウンタウンや電車の駅周辺に林立するタワマンでも部屋にエアコンが付いているのは最上階がせいぜいで、ほとんどの管理組合が東京の家やマンションのようなエアコンやはめ込み式のクーラーの設置を規約で禁止していて、使えるのはポータブルクーラーのみ。(でも、ガラス張りのタワマンには引き違い窓がないから、排気ダクトを外に出すと窓を閉められなくて、かえって猛暑の熱気と排気の熱が入って来るらしい。)つまり、これまでエアコンが「必需品」ではなかった環境で、熱中症に関する知識も乏しかsったから、これだけ犠牲者が出てしまったんと思う。

カナダの観測史上最高気温を3日連続で更新して、49.6度を記録したばかりのリットン村。人口300人ほどのコミュニティの近くで発生した野火があっという間に大きくなって、住民全員に緊急の避難命令。村の人たちは火災が村に燃え広がる直前に持てるだけの物を車やトラックに積んで脱出するのがやっとで、すでに住宅を含む建物が何棟か焼けてしまったらしい。何か、踏んだりけったりなんて言葉では言い表せないような、切ない気分。異常な熱波のせいで、乾燥している内陸では山火事が多発していて、東の方が山並みが見えないくらいかすんでいるのはそのせいかもしれない。一昨々年とその前の年には大規模な森林火災が多発して、メトロバンクーバーの空が何週間も流れて来た煙に覆われて、太陽がオレンジ色の点にしか見えなかったけど、あの再来は堪忍して欲しい。

あしたから7月。BC州ではコロナの規制解除がステップ3に移行。ついでにカナダの建国記念日なんだけど、いろいろな事情でお祝いムードにはほと遠い。先住民の同化政策の暗い歴史は、アメリカにも、オーストラリアにも、日本にもある。先住民の同化教育をした寄宿学校の「墓標のない墓地」に眠っていた子供たちに彼らが生まれ持っていた「名前」を返してあげて欲しい。現代のDNA鑑定の技術を駆使すればできないはずはないと思う。糾弾し、断罪するばかりでは何も解決しない。何であれ、今社会としてできることからやらないと・・・。