リタイア暮らしは風の吹くまま

古希を迎えて働く奥さんからリタイア。人生の新ステージで
目指すは悠々自適で遊びたくさんの極楽とんぼ的シニア暮らし

「リセット」キーと「削除」キーがキャンセル文化を生んだのかも

2021年07月23日 | 日々の風の吹くまま
7月22日(木曜日)。☀☀☀。やっと気温が上昇傾向。最低気温も14、5度だそうだから、今夜は半毛布はもう要らないかもしれないな。7月なんだから、そう来なくちゃ。朝ご飯を食べたら、今日はまた新しいPCのセッティング。基本的な設定ができたので、今日はいよいよOFFICE 365をインストール。ワタシとしてはワードだけあればいいんだけど、エクセルやパワポやら金魚の何とかみたいについて来て年間1万円ちょっと。とりあえず1ヵ月間無料お試しから始めることにしてダウンロード。最新バージョンだと2019かな。ラップトップ(WORD 2016)でも使えると書いてあるので、そっちも立ち上げてダウンロード。ちなみにVAIOのワードは未だに2010。)ついでにラップトップのマウスも左右のボタンを切り替え。引退するVAIOは元のまま(切り替え不可能)だから、左右を間違えてばかりだけど、マウスは左手で使うので、手首を捻らなくても人差し指で右のボタンを「左クリック」、中指で左ボタンを「右クリック」できて楽ちん。

時差が先を行っている日本ではいよいよオリンピックの開会式。やめとけばいいのにと思ってたけど、「やる!」ってこところで思考が停止しているみたいだし、今どきのオリンピックにはぜんぜん関心がわかないから、お好きにどうぞってところ。それにしても、開いた口がふさがらないような醜聞がぞろぞろで、ちっともいい話がないじゃないの。傍から見ていると、性差別発言といい、人種偏見といい、異質なもの差別や排除といい、言動がいともあっけらかんとしていて、日本がガラパゴス化しているというよりは、精神的に2歳児の人見知りレベルのままなんじゃないかという感じで、根本的に自分の存在とその周囲の環境の認識がつながっていなくて、過去と現在のコンテキストを踏まえて考えた上で状況を判断する力が失われつつあるか、培われていないかのどっちか。悪意があっての言動ではなさそうな分、自分の中の差別意識さえ意識していないみたいだから、屁理屈や片意地で凝り固まった差別主義者よりもずっと始末が悪い。

今のご時勢、誰かの過去の言動を穿り出して来ては糾弾して、はてはその人を社会から排除してしまう、「キャンセル文化」というおぞましい風潮がソーシャルメディアを通じて広がって来て、多くの有名人がキャリアを断たれているけど、中世の宗教裁判やアメリカの魔女裁判を髣髴とさせるものがある。日本にもかって「村八分」というのがあったけど、あれも一種のキャンセル文化だと思う。突き詰めて考えると、キャンセル文化というのは存在する人間を「存在しない」ことにしてしまうんだから、いじめに通じるものだと思う。しかも、ソーシャルメディアで広く拡散しているから安全だと思うのか、それともFOMO(取り残され恐怖症とか言うような不安心理)なのか、付和雷同的にやってしまうから始末が悪い。やっぱり、あの平たくて小さな世界にのめり込み過ぎたせいで自分が仮想的存在になってしまって、現実世界とのコンテキストが見えなくなっているってことかな。

今、アメリカやヨーロッパのあちこちで歴史上の人物の銅像が撤去されたり、ているし、キリスト教会への放火が横行しているのは、自分を不快にさせる物事は何であれ「なかったことにしたい」、「なくしてしまいたい」という願望があるからだと思う。人類が文明を築き始めて以来、世界のどこにでも「キャンセル文化」と言える風習があったはずで、進化の過程で人間としての「理性」を発達させて、そういう文化を社会から排除して来たと思うんだけど、それが現代社会で再燃しているのは、ひょっとしたらソーシャルメディアの中核であるデジタル世代が物心が付いたときから手近に「リセット」と「削除」という便利なキーがあったせいかもしれない。まあ何であれ、いざオリンピックが始まれば、負の感情はさっとリセットして、大イベントの「感動」で盛り上がるんだろうけど。