
【「木槿(ムクゲ)」】




彼女は窓の外の庭へ目をやったが、 その視線を逸らして庭の事は考えない事にした。 庭は彼女にとって大きな楽しみの源であると 共に、ミス・マープル にとって長年来の 大変な骨折り仕事でもあった。 しかも、今やお医者さんたちの大袈裟な 心配のお陰で、庭仕事をする事を 彼女は禁じられているのである。 (中略) 彼女は自分の椅子の角度を、 何か特別にはっきりと明確に見るため以外には 庭を容易には覗けないような風に配置していた。 【A・クリスティー 「復讐の女神」】 |




しかも今日は昨日と違って、
雲一つありません。
見るともなしに窓外に目をやりますと、
夏の太陽を一杯に受けた草花が、
折からの風にごく僅かですが、
葉っぱを揺らしているのが見えます。
視線の先にはピンクのゼラニウム。
ちょっと横に目をやりますと海老草、
半夏生、もう一つその横には
チェリー・セージの紅い花。
“「貝塚伊吹(カイヅカイブキ)」 の
間から蔓草が・・。
あれは 「ヘクソカズラ」 だわ・・”
“いつの間に
「白粉花(オシロイバナ)」 が・・?”
毎日見ている庭ですのに新しい発見。
庭に出て抜きたいのは
やまやまなのですが、外は炎天下。
ボ~ッと眺めているだけで、身体が動きません。
これでは上記のミス・マープルにも劣るではありませんか・・。
彼女は老齢でリウマチ? のために、
庭仕事をお医者さまから止められているのですけれど。
そんな中、暑かった去年よりもより早く
「木槿(ムクゲ)」 が開花。(冒頭の写真)
そして、ハイビスカスの中では1番遅く、黄色の花が。
赤、オレンジはもう何度も咲いているのですが、満を持していたのですね。
そうそう、ペラルゴニウムも何度も花芽を付けています。

【「捩花(ネジバナ)」】
一方、裏庭にはひっそりと 「捩花」 が。
木槿やハイビスカスのような華やかさはありませんが、大好きな花。
ずっと待っていましたよ。今年は随分、遅かったのですね。