【「藜(アカザ)」】
【「半夏生(ハンゲショウ)」】
風が吹く。 どこから来るか知らぬ風がすうと吹く。 黄ばんだ梢は動ぐとも見えぬ先に 一葉二葉がはらはら落ちる。 あとは漸く助かる。 【夏目漱石著 「野分」】 |
雨こそ降らないものの、重い空の一日となりました。
意外にも湿った空気。
遥か南の海上と離れているとは言え、
これも台風21号の影響なのでしょうか・・。
【野菊の如き・・「嫁菜(ヨメナ)」】
さて、いつの間にか
季節は、秋冷の頃と
なりました。
この季節、移ろう
自然を一番、身近に
感じるのでは
ではないでしょうか。
風に吹かれて
さわさわとそよぐ
木々。
毎夜のように
繰り返される
虫たちの演奏会。
これら自然が
奏でる様々な音と
共に今度は草木が
ゆっくりと秋色に
変身中です。
この繊細かつ、
かそけき色の葉は
「藜(アカザ)」。
この藜、強靭な生命力と旺盛な繁殖力の割には、
楚々とした風情。このギャップが魅力です。
そして野菊と言えば、薄紫色の 「嫁菜(ヨメナ)」。
晩夏から咲いていましたが、いよいよでしょうか・・。
とは言え、まだまだ秋は序章に過ぎません。
これから深まる秋に向かって期待が高まります。