【いくつになってもアン気分】

 大好きなアンのように瑞々しい感性を持ち、心豊かな毎日を送れたら・・。
そんな願いを込めて日々の暮らしを綴ります。

記憶の残照

2011-01-11 16:18:16 | 心の宝石箱


   今朝の起き抜けの気温は9度。この冬、1番の寒さです。
  つい先日も記したものですが、又々、寒さの更新です。

   案の定、如露の中の水は凍っています。前回よりもより堅く。
  この寒さでカンナの葉っぱは、見事に萎れ・・。
  
   今の処、ローズゼラニウムは健在です。
  まだまだ緑の葉っぱを満々と蓄えています。

                                   三浦綾子作 「ひつじが丘」より

   さて、こちらの文章は何を隠そう
  三浦綾子作 『ひつじが丘』 の
  冒頭部分です。
  
   さすがですね。
  モンゴメリーにも負けずとも
  劣らない表現力。

   この本には、
  感動した事を覚えていて、
  1番最初に手にしていました。

   何より最初の部分を読んだだけで
  当時の様々な思い出が・・走馬灯のように浮かんだものです。

   この小説の舞台になる女学校は、
  確か札幌の F女子大の前身ではなかったかしら・・? そう言えば・・。

   当時、北海道出身の方がいらして、「高校は、ミッション系の付属・・」
  と言われた時、すかさず 「もしかして F女子大の・・?」 と、お聞きした事まで。
  ピタリと当てたので、驚いた彼女の顔も。

   “今頃、どうしていらっしゃるかしら・・?”
  ~なんて、感慨に耽っています。たった1冊の本から。

   こうなれば、この本にすぐに没頭したいのはやまやまですが、
  今丁度、司馬遼太郎作 『殉死』 を読んでいる最中です。

   所謂(いわゆる)、乃木希典(のぎ・まれすけ)を扱った本ですが、
  同じく渡辺純一の 『静寂(しじま)の声』 や、司馬遼太郎の 『坂の上の雲』 を
  読んだ事もあって、この 『殉死』 だけはどうしても読みたかったのです。

   それに 『静寂の声』 は、乃木希典、夫人静子の生涯が中心で、
  日露戦争の事にはあまり触れていませんでしたから。
  尤もこちらは薄い本ですので、ほどなく読み終えます。   

心の散歩道

2011-01-10 18:17:17 | 心の宝石箱


   今朝は年初以来の
  白い世界で驚きました。
  
   例の蕾の紅い薔薇も
  薄らと雪化粧。
  
   寒そうに奮えているかと
  思いきや、意外に元気です。

   ただ気温の方は、
  それほどでもありません。

   起き抜けの気温は12度。
  天気予報では今朝の方が寒い
  筈でしたが、昨日の朝よりは
  暖かくなっています。

   その雪も・・
  今日は太陽が日光を出し惜しみ
  しませんので気が付けば・・
  (午前8時半頃には?)
  溶けてしまっていましたが・・。



   さて、今日は本当に久し振り三浦綾子の本を取り出しました。と言いますのも・・。
  こちらにもいつもコメントを寄せて下さる、【きたあかりさん】 の 「白い世界」、
  【Kohei さん】 のブログ記事やコメントのお陰・・と言っても過言ではありません。

   最近こそ、遠ざかってはいますが、学生時代を中心としてどっぷりはまった本でしたから。
  勿論、読むきっかけとなった作品は 『氷点』。
  何度も映画化され、テレビドラマ化もされましたね。

   とても懐かしくなって・・慌てて本箱を探しました。
  『氷点』 は単行本、文庫本共にある筈ですのに、見つかりません。
  ついこの間、引っ張り出した筈ですのに。
  
   又、彼女の初めての歴史小説である、『細川ガラシャ夫人』 も。
  黄土色の本だった記憶はあるのですが・・。
  歴史小説の面白さを教えてくれた本でした。
  
   取り敢えず出て来たのが上の写真の本です。
  ただ、いかんせん感動した事は覚えていても内容は、ほとんど忘れています。
  
   『広き迷路』 などは、推理巨編! と帯に書いてあるではありませんか。
  推理小説好きの私の事、やはり買い求めていたのですね。

   『天北原野』 や 『塩狩峠』 などは絶対に探し出したかったのですが、
  そこで、ついつい夢中になって何も手につかなくなってしまう私のいつもの癖で・・
  やむなく諦めたという訳です。
  
   奇しくも帯に書かれてある “手に1冊の青春”
  本当にその通りだったと・・感慨もひとしおです。

冬の貌

2011-01-09 16:15:16 | 香る庭の花綴り




   冬の太陽は穏やかで
  優しい光ですが、
  日の出の時だけは特別です。

   山の頂きをパ~ッとオレンジに
  染めたかと思うと、
  その瞬間はドクドクと・・。
  
   波打つ鼓動の音さえ聞こえる
  ような力強さを感じる瞬間。

   以前にも記した事がありますが、
  司馬遼太郎作、
  「坂の上の雲」 の児玉源太郎。

   毎日、日本の国の事を思って太陽に向かって祈ったという厳粛な気持ち。
  分かる気がします。ただ、零下何十度にもなる極寒の、かの地。
  同じ太陽ではありますが、どんな太陽なのか・・想像に難くありません。



   さて、すっかり冬枯れの庭。
  そんな中、紫と薄黄色のペチュニアが秋を越し、
  しかも冬の最中、今まさに花開かんとしています。
  
   ペチュニアの冬越し・・ごく最近の事ですが、
  パンジーの終わった後の夏の花のイメージが強いだけに驚きです。

   それにしても昨年の、とりわけ暑かった夏を経験しているペチュニア。
  この冬の寒さにも負けず、頑張ってくれているなんて。
  何だか元気を貰っているようです。

   蕾でありながら凛とした薔薇、首を傾げ楚々とした風情の水仙、
  そして誰よりも頑張り屋のペチュニアと・・。
  三者三様の生き方に改めて目を見張る私です。   

迷い込んだキラキラ時間

2011-01-08 16:50:50 | 煌きの硝子(ランプ含む)


   寒い! 思わず首をすくめた
  今朝は、この冬
  一番の寒さとなりました。

   と言ってもいつも反射的に
  目を遣る居間の寒暖計は、
  10度をほんの僅か切った程度。

   これだって北国の方にとっては
  どうって事ない気温でしょう。
  朝の空も刻々と変わります。

   ただ、如露に入っていた
  水には薄い氷が張っていて。
  何年振りでしょう。最近では、ちょっと思い出せません。

   しかしながら日中は、昨日より2度ばかり高い気温に。
  何しろ昨日は時折、風花が舞っていましたから。

   さて、気が付けば今年もいつの間にか8日。早い、早い・・。
  おまけに暮れから今年にかけて妙に慌ただしくて。
  
   今日は、久し振りのキラキラ時間です。(冒頭の写真) 勿論、珈琲片手に。
  これら硝子の良い点は、お互いを投影し合って光の輪が出来る事。
  夜だともっと綺麗。

   今日はカップが年末のままですので、
  『カフェ「薔薇の詩(ポエム)」』 開店は、もう少しお休みです。
  ~なんて。そうそう、こんな時・・。

   再三、申していますが『アンの世界』 でも 『A・クリスティーの世界』 でも
  お馴染みの暖炉が、ここにあったら・・と願わずにはいられません。

   さあ、暖炉の前で何を致しましょう。
  やはり編み物が似合いますね。レース編み。
  枠を使った刺繍なんかも素敵。

   やはりフランスの詩人、ヴェルレーヌの詩にこの暖炉の事があります。
  以下に記しますね。

【暖炉 かぎられてあえかなランプの光・・・】
暖炉 かぎられてあえかなランプの光
愛する瞳に瞳をおぼらせ
こめかみに指当てて辿る夢想
煙るお茶の時には本を閉じ、
宵の終わりを感じる甘い静けさ
嬉しい疲れ そして婚礼の闇を
静かな夜を 熱愛して待つ心
感動した僕の夢はこれら全てを追っている
虚しい地縁の向こうに 絶え間なく 絶え間なく
待ち切れず、いく月も 狂おしく いく週も。
       橋本一明訳 『ヴェルレーヌ詩集「よい時」』より
   

冬の “静”

2011-01-06 22:11:11 | 香る庭の花綴り
  




   日射しはあるものの、
  真珠色が勝(まさ)った今日の空。

   起床時の居間の気温は
  12度でしたから、これでも
  暖かい方なのでしょうね。

   昨日は、木々の葉っぱが
  落ち切った後の冬の庭の佇まいに
  柄にもなく驚いたものです。

   そして年末来からの蕾の薔薇。
  相も変わらず同じ姿で
  佇んでいます。 

   そこに在るだけで
  ほっと、心和む空間。
  
   薔薇ならではの
  存在感は、さすがです。

   でも、よく見ますと・・
  堅く閉じていた花びらは、
  ほんの僅かですが、綻んでいるようです。
  一方、紅い薔薇は未だに以前のまま。

   その間に、バニラ色の薔薇・・所謂、リラ版 「白い貴婦人」 は、
  一仕事・・いいえ、生命を全(まっと)うしたと言いますのに・・。
  ひょっとすると・・? ~なんて、余計な事は考えないように致しましょう。







 


   




   さて、一昨日の 「しめ飾り」 に続いて今日もお正月の話題を。
  お正月と言えば、「年賀状」 ですね。今日も何枚か来ましたっけ・・。

   年賀状の起源は奈良、平安時代まで遡りますが、明治時代は、
  年始にお世話になった人の自宅を訪問するのが当たり前で、
  年賀状は少数の大切な知人にのみ書いたのだとか。

   しかしながら明治の末頃には年始の挨拶を面倒がる風潮が広がり、
  葉書による賀状が多数を占めるようになったと言います。

   それは現在も続いている訳ですが、同時に賀状離れも。
  尤も現代は年賀状を書くのではなく、印刷になりつつありますものね。

   時にはめんどう・・と思う年賀状ですが、
  前述の “大切な知人” に出す年賀状はいいかも知れません。   

冬の木漏れ日

2011-01-05 15:45:15 | 四季のスケッチ


   




   新年5日目の朝は、何もない晴れ渡った空で明けました。
  そして早くも普段の日常が戻って来ました。

   こちらは元日こそ荒れた天気になりましたが、
  その後は冬日和が続いています。
  ただ今日は、お昼辺りから真珠色の、いかにも冬らしい空に様変わり。

   起床時の気温も、さすが年末の頃のように、14、5度まで
  上がる事はありませんが、それでも10度を下回る事はありません。

   その冬日和をもたらせてくれている、貴重な太陽。
  いつの間にか・・それも見事に葉っぱを落とした、
  木々の間からひょっこり顔を出し、照らし出され・・。

   “こんな所にこんな植物が・・” と新たな発見をする事もしばしばです。
  余分な物を落とし、妙にスッキリしたわが庭。

   こうなれば、“アース色の冬の庭も満更ではないな・・”
  ~なんて、柄にもなく感慨に耽(ふけ)ってみたり。
  ちょっとした、わび・さびの世界? と言えるかも知れません。

   同時に自然の営みの偉大さに驚いてもいます。
  常緑樹も必要だけれど、落葉樹も必要だという事でしょうね。

   植物の中には強烈な日射しを嫌うものも多々あって、
  そんな中でこうした木の役割は欠かせません。勿論、人間も。

   夏には木々の葉っぱで守られ、冬にはその落ち葉のお陰で、
  冬の穏やかで優しい太陽に当たる・・。日が当たったり当たらなかったり。
  こんな穏やかで優しい太陽の恩恵を植物は好むのだとか。

   ようするに葉っぱは、冬の日射しを大地に与えるために散って行き、
  その落葉自身も腐葉土となって後の命を育てるために使われる、
  捨て身の運命を担う・・。何だか人の命にも重なって。







 

   




   さて、今年初めての詩は、今日も大好きなヘッセの詩集から。
  これも感慨深い詩を見つけました。






【しおれた葉】
花はみな実になろうとし、
朝はみな夕べになろうとする。
永遠なものはこの地上にはない。
変化とあわただしい移ろいの他には。

美しい限りの夏もいつかは
秋と衰えを感じようとする。
葉よ、根気よくじっとしていよ。
風がお前を誘惑しようとしたら。

お前の戯れを戯れよ、逆らうな、
静かになすにまかせよ。
お前を折る風のままに 家路へ吹き運ばれよ。
             高橋健二訳 「ヘッセ詩集」より

麗春の風

2011-01-04 17:37:17 | リラのお気楽ユメ日記
  

   


   明けましておめでとうございます。
  本年もどうぞよろしくお願い致します。





   こんな天気で明けた今日は、
  穏やかな冬日和となりました。

   寒さも、
  やっと一息ついたようです。

   三が日も、それこそアッと言う
  間に終わり、新年も、もう4日。

   新しい年を迎えたばかりだと
  言いますのに、既にこれですから
  今年も瞬く間に時が過ぎて
  行ってしまいますね。波長を無理なく合わせる努力をしませんと・・。

   それにしてもここ何年か穏やかな
  お正月を迎えていましたのに、今年は珍しく白いお正月。

   ホワイトクリスマスならぬ、ホワイト・ニュー・イヤーと言った処でしょうか・・。
  しかも兎年の今年、待ちに待ったようにその兎の如く白い世界・・。
  空の神様も粋な計らいをして下さいますね。

   でも、そのお陰で去って行った寅年と、やって来た兎年の違いが歴然として、
  昨年の続きではない新たな年を厳かに迎えた気がします。
  そして正月寒波のお陰で、ほんの少しだけ 『アンの世界』 を味わせて頂きました。

   




   “元日の後、冬は猛威を振い出した。
  吹きだまりがこの小さな家の周りに積み重なり、
  棕櫚しゅろの葉のような霜が窓を覆った。
   港の水はますます固く厚くなり、
  ついにフォア・ウィンズの人々は例年の通りその上を往来し始めた。
  夜昼、賑やかなそりの鈴の音が響き渡った。
  月の夜、アンは 『夢の家』 からその音を
  妖精の鐘の音のように聞いた。(略)”

                                    【「アンの夢の家」 第17章】

   




   ところでお正月のお飾りと言えば、「門松」「しめ飾り」 ですね。
  「門松」 は最近では、とんと見なくなりましたが、「しめ飾り」 も随分、少なくなった気がします。
  代わりに見掛けるのは、ドアに吊り下げるリース風のお飾り。

   正月には年神様が家々を訪れ、1年の健康と幸せを新しく授けてくれると言われています。
  従って、「門松」 や 「しめ飾り」 はその神様をお迎えする目印であると同時に、
  古い年の不浄を清め、災いの進入を防ぐという意味があるとか。

   「しめ飾り」 に使われる 「橙(だいだい)」 は、家系が代々栄える事を意味し、
  「御幣(ごへい)」 は水を表し、清めるという事を意味します。

   又、「裏白(うらじろ)」 は長寿、潔白、夫婦和合を、
  「稲穂」 は豊作の願い・・と、それぞれいわれがあるのですね。
  このようなしきたりは、廃れて行って欲しくない気がします。