短い入院生活であったが いよいよ 終わりにちかづいた。
一度も入院しないで 人生を終えられるひとは ほとんどいないであろう。そして残念なことに ほとんどのひとが 病院で愛するものに別れを告げ息をひきとり あの世にゆく。実際 本人にとって 葬式 斎場など どうでもよく 問題は 病院なのだ。
人生の幕引き 閉め を いかに心地よく 苦痛少なく 尊厳をもって 迎えられるか。そこに関わるのは 病院である。だが それだけではない。
ひとは ふつう 幾度かの入退院を繰り返して 黄泉の川を渡る。病院とは あの世とこの世の中間地点 渡し場のようなものだ。....もう少し喩えていうと ステーションホテルのような。リセットされ この世に戻るものもいるし 経年劣化 或いは 損傷によりこの世の行を終える その振り分け場所といってもいい。それは肉体にのみ及ぶのではない。
入院のたびにふしぎに思うのは そのあいだ 時間が止まってしまうということ……すこし 旅に似ている。日常はたゆみなく動き続けているのに 隔絶されて 異空間にいるよう。… 戻ったとたん 時は日常を刻みはじめあっというまに呑み込まれてしまうのだが 束の間 ある透明性を持った視点を持つことができる。それは 僅かながらであっても あの世にわたる可能性を持って 中間地点に身を置くことからくるのではないか? 完全な生者ではなく 死者でもないものの目線...... 夢から覚めるように 娑婆に戻ったら すっかり忘れてしまうかもしれない。だが わたしは できるなら持ち続けていたい。この不確かな この世とあの世をたゆとうような感覚 この世の 客 としての視線 その目を持って 人生を闘ってゆきたい。
看護師さんたち ありがとうございました。みなさんは 素晴らしい!
1 あらかじめ 病院について よく 知っておく。
2 近隣の病院を 調べておく。設備 評判 専門 実際に足を運ぶ。
3 家庭医を 持つ 系列を調べたうえで えらぶ。
4 大前提として どの病院で どのように死にたいか イメージを持つ。