遠い森 遠い聲 ........語り部・ストーリーテラー lucaのことのは
語り部は いにしえを語り継ぎ いまを読み解き あしたを予言する。騙りかも!?内容はご自身の手で検証してください。
 



  

コティジの露天風呂で源泉の濁り湯に身を沈ませながら  見るともなしに  裏山の木々の葉が 一斉に 白い葉裏を見せて  さわさわ はためき  そよぐのを見ていた……  歓喜!?   山は遠目にはしんと鎮まっているように見えるけれど  そうではない 。全山の木は 呼吸している   風に 枝をしならせ  葉を震わせ   揺らいでいる  揺らぎながら 伸びてゆく

夜8時過ぎ  大風呂の露天で 蛍が見られると聴いて  石積みに頬杖をついて その時を待っている と    あえかな青白くひかる点滅   デジタルのカチカチしたおなじリズムではなく ゆらぐような点滅   つーーっと蛍が飛ぶ  葉を縫うように   カーヴを描いて …  ゆめのようなこの世ならぬうつくしさ……  頭上には満天の星 が瞬き   地上には蛍が瞬く。

目を凝らして 交互にととふと7 見つめること 十数分    すこし下がって見ようと  たちあがったとき   水面に 光るものを見た。うす青いオパールのかけらのよう   蛍光が点滅する ‥  わたしはあっけにとられ  この世ならぬ  瞬く  光  を  夜目で見つめる     あっと気づく   まさか蛍!!    てのひらを湯にさしいれ   掬ってみる     3度目    たなごころにちいさなひかりが灯る    光しか見えない   ほんの短い時間だったと思うが   わたしは青いちいさな光に魅了され て   我を忘れていた…

手のひらの熱が    蛍に よくない   助けなくては    虚空に   身を乗り出し 片 手を伸ばして   大きな葉を 引っ張ってきて   そぅっと   光るものを葉の上に移した。葉がほのかにひかる    一点がひかる  呼吸するように  揺らぐように

氣を送りつづける    どうか助けてください。光は次第に弱まってゆく  暗闇    あぁ   だめだったのか   そのとき  強い風が吹き抜け   瞬間   命が燃えあがるように 二度 輝いた ……  露天風呂の石段を誰かが降りてくる    自動の人工的なひかりが情け容赦なくあたりを明るく  照らし出す。緑の葉の上に3ミリほどのチイサナ黒いものがいた。

こんなちいさなからだで  イノチの限り…   光らせていた   光っていた…

わたしはひどく心を動かされ    微かな望みを抱いて    待ち続けたけれど  懐かしいようなちっさなちいさなまたたくあかりは灯ることはなかった。

命は 揺らぎなのだ   降ってくる思いがあった。生きとし 生くるものの命が その瞬間瞬間 揺らいでいる   それが実相

あぁ  だから  声の揺らぎに ひとは  感応し  心を揺り動かされるのか  ふと 思った。

命の限り  命を燃やし尽くそうと思った。



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青森の名のごとく ” どこまで行っても どこまで行っても 青い山” 圧倒的な木の群れ  木のつらなり  …  関東の木は寡黙だが 青森の木は自ずから 語るのだった。

まだ魔法が生きているのだった   生きとし  生いけるモノすべてに 精霊がやどっていた時代の名残が  残っているのだった。

ものがたりは 今  そこにある   一本の木に   一輪の花に。

これは詩的表現でも  美辞麗句でもない  かって 世界はものがたりに満ちていた  。いまも ものがたりはある。が それはつくられた  歪曲されたものがたりである。

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 



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