金魚も 犬も ひたすら 生きる

２０年以上　置き場を　まもってくれた　みとちゃんが　死にました。

亡き夫が　ひろってきた　とても　ひとなつこい犬　でした。

置き場に行くと　小柄なからだをふるわせ　しっぽをちぎれるほど

振って　むかえてくれました。

心臓病になって　最後は　癌　でした。

くるしかったと　おもいますが　そんなこと　ちっともみせずに

からだをすりよせて　くるのでした。

金魚の水槽には　一匹だけ　生き残った　金魚が　います。

亡き夫が　買ってきた　最初は　四　匹　いたのです。

このこは　大きな金魚にいじめられていました。三年前　おおきな

金魚が　死んで　一匹になってから　コツコツ　水槽を　叩くと

寄ってくるようになりました。

このこも　もう　死にそうなんです。

水槽の底によこたわり　おなかを上にしています。でも

コツコツすると　生きてますよ　って　言うように　からだを

動かすのです。

金魚も　犬も　死ぬまで　もくもくと　生きるんですね。

ひたすら　生きる。

そして　従容として　死んでゆく

 

かなわないなぁ・・・　と思います。

 

三年経って　夫がのこしたものが　ひとつひとつ　なくなってゆく

わたしも　体調は　よくないですけど　金魚のように　みとのように

生きてゆきます。