ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

お風呂場狂想曲エピローグ

2015年01月17日 | お家狂想曲
ケビンは、ふたりの友人から勧められた大工さんでした。
今回の修繕にあたり、図面を描いてくれた、これもまた友人の設計士からは、別の人を複数勧められてたのですが、
それぞれに家に来てもらい、見積もりを出してもらったところ、ケビンが破格の安さだったので、評判も良いのなら大助かりだとばかりに、即行でお願いすることにしました。
そしていよいよ工事が始まるという時になって、「ボクは、平日の夕方と週末しか仕事できないから」と言うので、旦那とわたしはびっくりしたのですが、
ああ、だからこんなに安かったんだなと納得し、できないのなら仕方がない、まあ、あんなにちっちゃい部屋だし、ケビンも一ヶ月もかからないと言うし、と承諾しました。

仕事が始まり、夕方から始まるレッスンと重なって、特にその時は発表会の二週間前だったりしたので、生徒たちにはとても申し訳なかったけれども、
子どもながらに、自分たちにも経験があるからと、反対に同情してくれたりしてありがたかったのですが、
発表会の後、日本に帰省した10日間の留守中だけは、とりあえず仕事を中断してもらうことにしました。
その頃すでに、仕事の成り行きをいちいち見ておかないと、ちょっとヤバいという感覚が芽生えていたのです。

日本から戻って来たのは11月末で、その時は、少なくともクリスマスまでには終わると、誰もが信じていました。
ところが、ケビンが雇っている配管工が、来たり来なかったり、来ても何かが足りないとか見つからないとか言って、途中で帰ってしまったりと、かなりいい加減で、
洗濯機からの排水管とつながっているパイプの蓋をし忘れてたりして、大量の水漏れが何度も発生し、1階の台所の天井がふやけてしまいました。
おまけに、いったい誰がやったのかわからないのですが、新品の浴槽に瓦礫をガンガンと放り込み、何筋もの深い傷がついたり
ケビンはケビンで、設計図を無視して自分のやりたいことをやってしまってたりするので、やり直しや付け直しが続いて、予定がどんどん遅れてきてしまいました。
昼間の仕事(オリンピック招致のプロジェクトマネジャー)との掛け持ちなので、彼としては1日でも早く、ここの仕事にケリをつけたい。
もちろん我々も、心身ともに落ち着かないし、やり直しなどという、相手にとってものすごくイヤなことを承知で頼むという慣れない行動には、いつも以上に神経を使うし、
特に、浴槽の交換という大事件が起こった後は、ケビン側にその費用の弁償がのしかかり、かなり落胆しているのがわかったので、
弁償するからと言ってくれた直後に始まったタイル貼りの、まだ下から数段しか貼っていない時点で、表面が平らではなく波打っているのに気づき、
額縁がちょっとでもずれていると直したくなるような性質のわたしには、それがもう目について、気になって仕方が無かったのですが、
言えませんでした…タイミング的にどうしても…。

さらに、板やタイルを切る作業は二階の中の間でやっていたのですが、カバーが十分でなく傷だらけ、資材を置いていた部屋の床も凹みや傷がたくさんついてしまいました。


いい人なんです、ほんとに。
でも、プランの組み立て、他の職人との連絡、そして図面に従う、従いたくないにしても施主に相談してからにするというようなことが、今回の場合だけかもしれないけれど、とても苦手な人だった…。
そしてそれは、仕事の進行に致命的なダメージを与えたし、そのことで皆が疲れ果て、だんだんと気持ちが落ち込んできていました。

そして…、

木曜日の夕方に、ケビンから電話がかかってきて、仕事の終了時に払うことになっていた残金もいらないから、この仕事から降りたいと言われ、旦那とわたしはびっくり仰天。
土曜日に、道具のすべてを回収に行くと言って、その電話は切れました。
図面を描いてくれた友人に相談したら、辞めるも何も、町から工事の許可をもらった当人なんだから、その当人は最後まで仕事をしなければならないのよ。
辞めるなんてもっての他!と言います。
わたしはわたしで、頭の中がブワーッとなって整理がつかず、今まで抑えていた不満がフツフツと湧き上がってきて、金曜日の朝の瞑想中もそのことで頭の中がいっぱい。
我慢しきれなくなって相談したら、そこに居た7人中6人が、びた一文払ってはいけないと言い、その中のひとりは、わたしは裁判で訴えたことがあるのよ、と話してくれました。
いやはや…なんてこった…と思いつつも、まあここではよくあることなんだと、少しは慰めにもなったりしたのですが、
家に戻ると旦那が、ケビンは土曜日ではなくて、今夜来て話したいと言ってると言うので、またまた胸の中がざわざわしてきました。
わたしはもうすっかり覚悟を決めていて、未完のままの、専門家でないとできない仕事を誰に頼むか、
壁のペンキ塗りは元から工程外の作業なので、旦那がするか、はたまた友人のペンキ職人に頼むか、
そんなことをあれこれと考えながら、とにかくお風呂に入れるようになってるかどうか調べておこうと旦那が言うので、まず水の出方を見てみました。
すると…、
待てど暮らせど、お湯がぬるいままで熱くなりません。
え…あかんやん…。

その日のレッスンが終わり、一息つく間もなく、約束の6時半より10分早く、彼はやって来ました。
何やら書類を抱え、表情も固いままです。
とにかく話を聞こう。なにもかもそれからだ。そう腹を決めて彼の前に座りました。
すると、どうやら原因は、旦那が返信したEメールだったようです。
ケビンは、『そろそろ終了するので、残金を支払ってほしい』というメールを、旦那に送ったのでした。
旦那はその返事として、これまでの仕事へのお礼をまず言い、その後に、
『支払い残金(前金として費用の半分を払ってあるので、その残り)は、その額から浴槽の代金(税金と配達料を含む)を引いて支払います。
その前に、以下のことを確認して欲しいです。
高く付けすぎた手すりの下に、もう一本の手すりを付けられるかどうか
タオル掛けの位置
床のタイルの目地の欠けている部分の補修
目地の防水
ラジエーターのペンキ塗り』
という、前々から決まっていたことで、まだ終わっていないことを、確認のつもりで箇条書きにしたのでした。

そうしたら、浴槽代は支払うけれども、税金と配達代まで払うのはイヤだ。
それに、あの書き方は冷ややかで固い。
そう言うのです。

なるほど、そういうことだったのかと理解はしたのですが、浴槽にかかった費用のうち、税金と配達料をどうして我々が負わなければならないのか、それが納得できずにいると、
どうも、配管工も電気技師も、自分は知らない、やってないと言い張っているらしく、だからケビンは誰にも払わせることができずに、自腹を切ることになったようなのです。

では、その費用は我々が払いましょう。
メールで書いたことは、別に余計なことをお願いしているわけでも、不快な気持ちで書いたものでもなかったけれど、
やはりEメールというものは表情が見えず、往々にして誤解を招く性質を持っているので、
そんなつもりは毛頭無かったけれども、印象を悪くしたのなら申し訳なかった、と言いました。

すると、みるみる表情が和らいで、話も弾み、いつものケビンに早変わり。
やる予定だったことは全部する、と言うので、3人で二階に行って、タオル掛けの場所を決めたり、ウォシュレットのリモコンで冗談を言い合ったり、すっかり元気を取り戻したところで、
「そりゃそうと、浴槽の水が熱くならないんだけど」と言いながら、実際に全開で出し、彼にも確かめてもらいました。
「温水器が壊れてるんじゃないの?」
「そんなはずはないよ。だって、洗面台の水はほら、アチアチになるでしょ」
「いや、多分、配管か温水器の故障だよ」
「温水器は数年前の洪水で取り替えたばかりだし、おんなじ部屋の、それもすぐ近くの蛇口から、別々の温度の水が出てくるわけないっしょ?」
「そうかなあ」
「家は古いけど、この部屋の水温で問題になったことは一回も無いんだから!」
というわけで、やっとのことで配管工に来てもらうよう、頼むことができました。

緊張の糸が緩んでホッとしたのも束の間、ケビンが使っていたカバー代わりの古い布団に、空と海がおしっこをしていたのを発見!
夜中から洗濯開始です。
そしてこれ。
二度と浴槽に傷をつけられないように、昔、息子たちのおねしょ対策に使っていたビニールを、浴槽にペタペタと貼り付けて、


でもやっぱり思います。なんでこんなことをせにゃならんのか、なんでこんな心配をせにゃならんのかと…。

そして今日、朝8時から、ペンキ職人のナイジェルとケビンが上機嫌でやって来て、ドアや網棚、タオル掛けなどの小物の取り付け、ラジエーターの下の穴塞ぎなどをし、
浴槽つながりの、シャンプーなどを置く棚は、また別の日に来てやるからと言って、帰って行きました。
壁のペンキ塗りと目地の防水仕上げ、それからレンガの柱のコーティングなどの細々とした仕事は、ナイジェルに別払いでお願いすることにしました。
もちろん、風呂の水を熱くしてもらわないと入れないので、我々が最も信用できないままでいる配管工に、再び登場願わなければなりませんが…。

とまあ、自分のための記録として、ここまで長々と書き綴りました。
ここまでお付き合いしてくださったみなさん、うだうだと長ったらしい愚痴話を聞かせてしまい、申し訳ありませんでした。
今回のことでは、たくさん学ぶことができました。
何事も初めてのことというのは、その当事者にとっては大変なものです。
家の改装などというものは、そんなに再三できるものではありませんが、それでもやはり必要に迫られた時は、この経験を活かしたいと思います。
幾晩も眠れなかったのですが、そのうちの何日かは、波打つタイルや、洗面台の下の棚に空いた不必要な穴に不満を感じているのに、それを伝えられないままでいることにイライラしたのが原因で、
そんなことにイラついて眠れなかったりする自分が、またまた情けなくてイヤになり、その都度さらに落ち込みました。
旦那は、そういったことに気づいているし、不満もあるけれども、そんなことに囚われず、良い方に考えを切り替えることができる人で、
それでまた、より一層、自分のアホさ加減を思い知らされて、悶々としながらここまで来ました。
贅沢言ってんじゃないよ。
ほんとにそう思います。
床板が剥がれた所では、100年以上も前からの尿と埃と油が染み込んだ古板がむき出しになっていて、なんとも言えない不快な臭いを漂わせていました。
波打ってはいるものの、さっぱりとした白いタイルで囲まれた浴室の変身っぷりを、わたしが喜ばなくて誰が喜ぶ!
良いところを見つけよう。
見つかったら喜ぼう。
喜んでいる自分こそが自身なのだ。
それこそが生きているということなのだ。

お風呂に浸かった最初の瞬間に、わたしはもしかしたら泣くかもしれません…。
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人生これまた学びなり

2015年01月12日 | お家狂想曲
二階にある、洗面台と浴槽の間を人がひとり通るだけでキチキチの、とても小さな浴室の、壁と天井と浴槽とトイレと洗面台、すべて新しくしようと決心した。
60年近く前に、その時も多分、50年ぶりに改装されたはずのその浴室は、床がボロボロに剥げていて、古い琺瑯の浴槽も、アンティークの世界では喜ばれる代物かもしれないけれど、
染み込んだ汚れは磨いても取れず、水はけがとても悪く、おまけに巨大だったので、いったんお湯を張って入ると、掃除を終えるまでにとんでもなく長い時間がかかった。
旦那はかねがね、二階にある一室を診療のために使いたいと思っていて、だからその浴室のトイレは、家族と患者さんが使うことになるのだけれども、
とてもではないが、家族以外の人に使ってもらえるような様相ではなく、この家のどこの部屋よりも早く、きちんと改装したいと願っていた。

引っ越してきて5年。
息子たちの大学生活も終わり、長男に続き次男も独立してから3年が経ち、ようやくそういう家の修復に思いを馳せることができるようになった。
それでもまだ、一階の台所と浴室のような、大掛かりな改装に手をつけるまでには、相当な時間がかかるはず。
なので、その二階の浴槽をまず、日本のお風呂にできるだけ近いものにして、湯船に浸かるという至福の時間を取り戻したいと思った。

友人に、とても腕の良い建築デザイナーがいて、彼に図面を書いてもらいがてら、細々とした用具から浴槽まで、アドバイスをしてもらった。
日本の浴槽に一番近いものとして、ギリシャ式の浴槽がいいのではないかということになり、
それはこちらではとても珍しいものなので、少々値段が張ったのだけども、毎日の楽しみとして考えるならと、心臓をドキドキさせながら注文した。
届いた浴槽は、想像していたのよりもさらに小型で、わたしでさえも体操座りをしなければならない。
けれども深い。
顎あたりまでズブズブと浸かりながら、ハァ~ッと魂までもがとろけるような息を吐く自分を想像して、うっとり眺めた。

工事を依頼するにあたり、何件かの業者に部屋を見てもらい、予算を立ててもらった。
その額、上は200万円を超え、次に150万、120万、そして一番下が70万円。
工賃だけでそんな額になる。
そこに、新しい浴槽だのトイレだの洗面台だの電灯だの換気扇だのシャワーだの補助棒だのタオル掛けだの、そんなこんなの実費を足すと、
なんでこんな狭い部屋の改装に、こんな高額なお金を使わねばならないのか、唖然としてしまう数字が目の前に叩き出された。

70万の予算を言ってきたのがケビン。
でも、その時に彼は、「自分にはニューヨークのオリンピック招致プロジェクトの幹部としての仕事があり、だからここの仕事は週日の夕方から夜と週末しかできない」と言わなかった。
わたしはその時、「他のところに比べてどうしてこんなに安いのか」と聞いたが、「そんな金額はあり得ない」と言われて、やっぱりな、とぐらいしか考えなかった。

ケビンと契約を結び、町の役所からもゴーサインをもらい、やっと工事が始まった。
ちょうどその頃、空と海との出会いがあり、うちに引き取ることに決め、さらに生徒の発表会が間近に迫っていた。
工事は週日の夕方から夜、というのがわかり、とても驚いたが、仕方がない、だから安かったのかと納得した。
ただ、その日その日によって来る時間がまちまちで、さらに、電気工事や配管工事を受け持つ人間との連絡がちゃんとできてなくて、
来てもなんにもできなかったり、工程が前後して、取り付けたものをまた外したり剥がしたりしなければならなかったりした。
一番うんざりしたのは、来るからといって全く来ないまま、連絡も無いというのが何回も続いている配管工の態度。
そんなこんなで、わたしたちの腹の中には、50万から130万円、払わなくて済んだ額相当の、ストレスが溜まってきた。

そして…。

配管工のうっかりミスで発生した、大量の水漏れ事故が2回。
さらに、これはやった人が今だにわからないのだけれど、工事中に生じた瓦礫のクズや古釘が刺さったままの木片や大型掃除機を、新しい浴槽に放り込んだ人がいて、
もちろん浴槽には何筋もの傷がつき、だからまた、新たに注文した浴槽と取り替えてもらったのが1回。
そして、浴槽から立ち上がるのに使う手すりを、設計図を無視したのか、そこにしか取り付けられなかったのか、全く届かないところに取り付けてあるのをどうするか…。

タイルも、所々平らではない。
見えにくい所ならいいのだけれど、コンセントがペタンと取り付けられないぐらいにボコボコしていたりするので、かなり悲しい。
うちに来るのは、日中の正規の仕事をしてからだったり、本当はゆっくりと体を休めるべき週末だったりするので、疲れているだろうし、1日でも早く終えてしまいたいという気持ちはわかる。
けれども、いくら一番安い費用であるからといっても、仕事をするかぎりはきちんとしてもらいたいと、雇い主の方は思ってしまう。
そしてもちろん、我々の方も、こんな毎日は1日でも早く終わってほしい。

昨日、旦那とふたりで浴室に入り、どこまでは妥協できて、どのことは妥協できないか、あちこちを点検しながら話し合った。
若い頃、ペンキ塗りのバイト(仕事といってもよいかも)をしばらくしていた旦那は、雑な仕上げが目につき、とてもがっかりしていた。
浴槽には、あの事件以来、大きなカバーが掛けられてあったのだけども、そのカバーの上に脚立を置いて作業をしていたりしてたので、念のためにカバーをめくってみた。

そうしたら…嗚呼~…。


全部めくってみる。


こんなことをしている自分が、なんだかとてもいやらしい人間のように思えてきて、我ながら暗い気持ちになるのだけれど…。






作業工程がよほど組み立てにくいのか、それともこれが彼のスタイルなのか、どちらにせよ、行き当たりばったり的な感じがして、信用度が徐々に低下している。
これで、工事がすべて終わったら払うことになっている費用全額の残り半分が、結局は総額にすると100万を超えてたりしたら…。

人柄は、ほんとにいい人なんだけどなあ…。
ほんでもってわたしたちは、うるさいことを言わない注文者でいたいんだけどなあ…。
いい関係を保ちたい。けどもきちんとやってもらいたい。

こんなふうにウダウダと考えてしまう日を、一日でも少なくしたいのは山々なんだけども…。
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天井と床と壁のむこうに

2014年12月13日 | お家狂想曲
天井の上に、壁の後ろに、見えなかった、見えないというのを理由に深く考えないようにしていた問題が、
そんなこと言うてもしゃあないですやん…とばかりに、堂々と、当たり前のように、何十年もの間を居座り続けているのです。

100年以上もの歳月を過ごしてきた家なのだから、そういうもんだよと、もちろん覚悟はしていたものの…やはりなかなかタフなもんですね、実際に目の当たりにすると。

家の中でも一番小さな空間である、2階のお風呂場の工事が、チョロチョロと始まって早2週間。
大工さんは夕方から、来てくれたり来てくれなかったり、
そして配管工さんや電気工事人さんは、作業をするために壁や床をぶっ壊してみると、とんでもない問題が目の前に現れて、途方に暮れながらあれこれ試行錯誤を繰り返したり、
ほんでもって、その日にやり終えられなかったから、また明日の朝来るよって言って帰って、そのまま全然来なかったり、
で、そういう(配線したり配管したりの)作業が終わるごとに、いちいち町の調査官を呼び、その作業が正しく成されているかどうかをチェックしてもらわなければならなくて、
その調査官にも予定があって、すぐに来てくれるわけではない上に、その人がチェックした後、審査書にオッケーと書いてくれるまで待たなければならなくて、
そんなことを待っている間に、日がどんどんと過ぎていってしまうのですね…。
なんだかな~…。

今回見つかったのはこれ。




見るからにおどろおどろしい地下で洗濯をしたくないからと、
「この際だから、2階の(違法で勝手に造ってあったので、我々に売る際に撤去された)元台所に洗濯機を置いて欲しい!」と言うわたしに、
洗濯機屋さん、配管工さん、電気工事人さん、ほんでもって旦那の、合計5人の男衆が、寄ってたかって説得を試みたのですが失敗に終わり、洗濯機は無事2階の元台所に。
その洗濯機のための電気の配線をしてくれた人が…有り得ないようなことをしてしまっていて…調査員が来る前に配線のし直しをすることになり…、

いやもう、電気といい水といい、配線や配管がしっちゃかめっちゃかなまま、壁や天井や床のむこうで存在していたわけで、
おまけに、今の今までずっと、お風呂場だと思い込んでいた場所が、かつてはただのクローゼットだったということが分かり、
ほんと、この家は110年間、今まで大変な思いをしながら、3家族を住まわせてくれてくれてたんだな~と。

またまた、埃と木屑とセメントのゴミにまみれた我が家ですが、んでもって、埃アレルギーのわたしの喉はもう、かなり悲惨なことになってきていますが、
また前に一歩進んだ?ということで、ポジティブに、まだまだ重たい灰色の雲がたちこめている空の、その雲のむこうにある蒼い空をイメージして、
来週の、配線と配管の審査員の検査(水曜日と金曜日)を待つことにいたします。
合格してくれぇ~
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「い~い湯ぅだ~な~」を夢見て

2014年12月09日 | お家狂想曲
生徒の発表会が迫ってるし、仔猫はやっとうちに馴染み始めてる時だし、10日間家を留守にするし、ってんで、
壁と床を剥がしたまま先延ばしにしてもらってた、2階のお風呂場の改装工事。
けれども、ちょっと心配なことがありました。
どこからか、お水がチョロチョロ流れている音が聞こえてくるのです。
旦那に聞くと、「仕方が無いらしいけども、別にいいらしい」と、意味不明な答が返ってきました。
それで、気になりつつも、忙し過ぎたので放っといたまんま、旅行に出かけてしまいました。

そして…、

我々より1日後で、日本に向けて出発した次男くんとまなっちゃん。
我々同様、やはりインターネットが使えなくて連絡がつかず、メールで互いのことを話せたのは旅の5日目。
そのメールに、
「アメリカの家を出る数時間前に、2階のバスルームのパイプから水が出て、1階の天井から水漏れしてました。
2階のパイプと1階の床をふいて、バケツを置いておいたので、大丈夫と思います。
ちなみに、家を出る頃には、水は止まってたみたいです」
と書かれているのを読んで、びっくり仰天!?

にゃんだとぉ~!?

バスルームのパイプったって、何本もあるのに、いったいどのパイプやねん?!
まさか、あのチョロチョロが溜まりに溜まったか?!
ということで、旦那がメールを送ったのですが、またまたインターネットが使用不可能となり音信不通…。
もう彼の言葉を信じて、大丈夫だと思い込んででもいないと、旅の残りが楽しめないではないか!
ということで、無理矢理信じることにしました。

そして家に戻ったのが今から10日前。
一番に浴室に行って点検しましたが、水は完全に止まっており、あの気になっていたチョロチョロも止まっていました。
仔猫が戻り、仕事と伴奏バイトが始まり、改装工事も始まりました。

壁を剥がしたら出てきたレンガの煙突。




せっかくだからと、当初の予定を変更して、このレンガを残すことにしました。

お風呂がまず始めに設置され、大工さんたちが、入るのに階段が必要かもな…とヒソヒソ。


この謎の銅製の筒は、やっぱり今だに謎のまま。


そして昨日、3週間の帰省旅行から戻ってきた次男くんとまなっちゃん。
飛行機はともかく、JFK空港から家まで、なんと5時間もかかってしまい、ヘトヘトのヘトヘトで戻ってきたにも関わらず、
翌日から平常の仕事だからと、たまった洗濯物を洗い始めたところ…、

ポタポタポタポタと、台所の天井からお水が、けっこうな勢いで落ちてきました。(線になって見えるところから)


もしかして、前回の水漏れとおんなじやったりして?
そう、これと全くおんなじやった、と次男くん。

慌てて2階に上がって行くと、コンクリートパネルの床が半分、ベタベタに濡れておりました…およよ…。


どうやら犯人は、我々が予想していた、右端の大きな穴ではなくて、左上の真ん中の、フタが外れているパイプっぽい…。


でも、このパイプは、前に問題だったこの、壁を挟んで裏側にあるシンクとはつながっていなくて…。


いったい全体、どないなってまんねん??

素人の我々には、もうどうしようもありません。
けれども頼みの綱の配管工トムは、なかなかつかまりません。
前に一度、朝の8時半に来るよと言って帰ってったのに、待てど暮らせど全く来ないまま、キャンセルの連絡も無いまま、1日が過ぎたという前科があるので、彼の信用度はかなり低下中です。

だいたい、洗濯機を2階に設置するということが問題の始まりなんだよ、きみ。

それは重々わかっているけど、あの地下で洗濯をしている自分を想像しただけで…う~ん…どうしたもんだか…。

ということで、無事に工事が終わって、首までお湯がくるお風呂に浸かり、はぁ~っと脱力する自分をひたすら夢見て…。
深く考えないことにします。
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このブログを始めた頃の記事は、このトピック『お家狂想曲』が中心だった…と思い出しながら

2014年10月30日 | お家狂想曲
いよいよ身ぐるみを剥がれてしまったバスルーム。


浴槽がくっついていた壁の内側に、正体不明の、ダムスターのようなものが組み込まれていました。


もうひとつ、形は違いますが、同じような金属製の、これは床の少し上までのポケットのような…。


なんとなく、お風呂のガイコツとでも申しましょうか…。


これは、浴槽の配水管なのですが、どうやらとんでもなく効率の悪い、意味不明といっても過言ではないという代物だったらしく、


一昨年に、母が一人旅で来てくれるというので、排水がちゃんとできるようにしておこうと、職人さんにお願いしたのですが、
みっつの部屋の壁や天井裏、それからキッチンの棚の天井をぶち破ってもなお、ちゃんと直すことができなかったのはやはり、このせいだったのでした…。

なんとなく、パッと見、サウナな感じ。


旦那が発見した、壁板のむこうのレンガの煙突。せっかくなので、部屋のアクセントとして残すことになりました。


ドアのすぐ上にあった、誰も手が届かない棚も取り外しました。
この家の、代々の持ち主さんたちはみんな、とても背が高い人たちだったと思います。


そして昨日、とうとうバスタブが取り外され…、


実は、肌触りの柔らかい、アンティークな浴槽で、とても気に入っていたのですが…昔ながらの重厚さがムンムン。
ものすごく分厚い鋼鉄製。もう今の時代にはあり得ない、まるで潜水艦みたいです。


重くて動かせないので、今日は分割作業をしていました。


たった5年とちょっとだったけれども、やっぱり別れは寂しい。



作業中は、1階と2階の間の階段の踊り場の窓から、ガレキやゴミをガンガン放り出します。
いくら埃除けの布やプラスチックのカバーをしても、それでもやっぱり床はかなり汚れます。
なので、仕事が終わり、夕飯を食べ、食器を片付けた後に、掃除機で粗方の汚れを吸い込んでから、雑巾掛けをする毎日になりました。
まあ、毎晩ピカピカになる床は、それはそれで気持ちがいいもんですが、やはり猫の手も借りたいような気になりますが…、

当の本猫たちはというと…イチャイチャするのに忙しいようで。






まあ、彼らに期待する方がおかしいのですけれども。

今回は、小さな浴室の改装ですが、こちらに来てからずうっと夢見ていた、首まで浸かれる深い浴槽(体操座りをしなければなりませんが)と、ウォシュレットを入れることにしました。
浴槽のサイズでさえも、こちらの大工さんにとっては首をひねるような物なのに、ウォシュレットはもう、宇宙人か?みたいな顔をされてしまいます。
それで、わたしが熱心に説明すると、大抵の、屈強な男たちの顔が、どうしたらいいのかわからないというような表情のまま、どんどん赤くなっていきます。
旦那いわく、細かく説明し過ぎる、もっと言えば、言わなくてもいいことまでガンガン言ってしまってるらしいのですね。
そりゃまあ、2種類の洗浄ポジションがあって、ほんでもって日本だとマッサージとか消臭とか熱風とか、そんな機能もあるなんてことは、別にわざわざ説明しなくてもいいんですけれども…。
でも…見たことも聞いたこともないものを、無事に設置してもらえるのかどうか…ちょっとだけ不安だったりします。
ケヴィンは、「もう取扱い説明書でバッチリ勉強したからさ、任しときなって」と、アイリッシュ訛りの英語で自信満々に言うのですが…、
ウォシュレットの神さん、よろしゅうお願いします。

なあんて、こんなふうに、他所様にとってはどうでもいいことなんかを、ブツブツとつぶやいておしまい、というような日々が、また来るといいなあ。
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ミニミニ畑の近況

2013年06月16日 | お家狂想曲
一時はどないなるかと思てたカボチャさんの、4つの苗のうちのふたつが、いきなりの元気はつらつ!


近所の枝豆さんやらトウモロコシさんやらに絡んで、けっこう鬱陶しがられてた……大急ぎで巻き付いてるツルを外す。

三度豆もようやく軌道に乗ってきて、


ほんでもってヒヨヒヨやったビーツさんらも、ちょっとだけおっきなってきて、


ニンジンさんはごった植えされたまんま放ったらかされてて、


こ、これは……なんと、いきなり地面から生えてるトマトの実。


けったいな長雨と低い気温が、6月に入ってからずっと続いてる。
その雨と雨の間に、ほんの1日だけ、強烈に晴れる。
こんな、例年にない、肌寒うて雨降りだらけの初夏でも、みんなそれぞれにすくすく育ってくれる。
感謝やなあ……。
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臨月おかんリスと、あばらにふり回された週末

2013年05月05日 | お家狂想曲
それは、こちら時間の5月2日、木曜日の朝のことやった。
日本は連休に入ってて、憲法記念日を翌日に控えてた。
ツィッターであるビデオのことが紹介されてた。
なんの気なしに観て、胸がつぶれそうになった。
ビデオの内容はもちろんのこと、ある一枚の写真に、心を激しく掴まれた。
迷うこと無しに、とにかく、このビデオの内容を書き起こしておこうと思い、作業を始めた。

仕事や家事の合間を縫うて書き起こした記事は、大勢の方々に読んでもらうこととなった。
伝えてくれはった人たちひとりひとりに、心からありがとうを言いたい。

その木曜の作業中に、右脇から背中にかけて、ほんの少し、痛みを感じ始めてた。
息を吐くのはええのやけど、深く吸い込もうとするとズキンと痛む。
せやけどまあ、大した痛みでも無い。よくある神経痛の一種やろと思た。

その木曜日は、リスとの攻防の日でもあった。
いや、攻防とは言えんな。
だって、そのリスは母親で、子を出産する直前らしくて、その準備に必死になってただけやねんから。
ただひとつ、問題やったんは、その巣を、我々の家の煙突の中に作ろうとしてたこと。
なんでまた、よりにもよって、と思うのは人間の勝手で、リスにはそれ相応の理由があったんやろけども、
ほんでその、元々は暖炉やったとこについてる煙突の底は、わたしらの、一階の台所のガスコンロの真上にあって、ちゃんと閉じられてたんやけれども、
臨月のおかんリスの重さに耐えきれず、パカッと外れ、おかんリスはコンロの上に落ちてきた。

先日のリス吉くんは、このおかんリスやったんや……。
あんだけ頭をガラス窓に打ちつけて、脳ミソ大丈夫やったかいな、と思てたけど、とりあえず大丈夫やとわかりホッと一安心……なんてなことを言うてる場合ではない。

とにかく、我々へなちょこ人類としては、それでのうても防衛本能マックスのおかんリスと、同じ部屋の中で対峙しとうない。
ということで、木曜日の夜中に、こんなことをやってみた。


万が一落ちてきても、バケツの中や。うんうん、我ながら名案。

翌日の金曜日、気功瞑想のクラスに行く。
脇腹の痛みが、ちょいとだけ増してた。
ミリアムの家は、花が満開中。




ここに座ってお茶した~い♪けどさむ~い♪今年の春はなぜかずっとさむ~い♪


この時はまだ、春の景色なんかを、写真に撮る余裕があった。

      

そして家に戻ると……キッチンには線香の匂いが充満し、バケツが変わってた……。


「どないしたん?」
「どうも、今度は、バケツの中に巣を作ろうとしてるみたいや」
ぐわぁ~ん

すごいのである。
猛烈な勢いで、バケツの中に入ったり、煙突に戻ったりして、例えは申し訳ないけれども、狂ったように上下してるおかんリス。

青バケツの中には、おかんリスの努力の結晶が。


ほんでもって、ガリガリと食いちぎりやがった痕が。


旦那によると、リスは、暗い所ではまったくといっていい程に目が見えんらしくて、明かりが欲しかったんちゃうかと。

ぎゃ~!!再びかじってる!!


あかん……プラスチックでは歯がたたん←なんか変?
ということで、ステンレスさんに登場してもらうことに。


おかんリスさん、どうかこれであきらめてつかあさい。


そしてその夜、わたしの痛みもマックスになり、動けんようになってしもた。
やっぱりぎっくり腰か……。
トイレひとつ行きとうても行かれへん。
おぉ~のぉ~!!

翌日土曜日、ひいひい言いながらやっとの思いでベッドから立ち、息を半分吸うたり吐いたりしながら朝食を食べ、午前中だけ仕事して、昼から旦那に鍼を打ってもろた。
ぎっくり腰を何回か経験してる旦那は、どういうふうに治せるかを熟知してる。
これできっと楽になれる。

鍼を打ってもろた状態で寝てる時、野生動物を捕まえる専門家が家に来て、様子を見てくれた。
多分、ではあるけれども、侵入はこの煙突の中だけやと思う。
ただ、すでに出産を終えてたら、母リスはどないしてでも家の中に入って仔を救おうとするので、その場合はかなり深刻。
まだ産んでないことを祈るのみ。
そして、煙突をしっかりフタした後に、実は母リスがまだ中に居た!という最悪の事態にならんことも!

背骨なんか腰なんか、いったいなにが災いしてるんかわからんけど、鍼の治療後も痛みが一向に引かず、けどもとりあえず座ることはできる。
ステンレスの鍋はやっぱイヤやったんか、おかんリスは鍋の中に数回入っただけで、その後はシーンとしたまま。あきらめてくれたか?

結局は、野生動物の専門家が屋根の専門家を呼んで、煙突の排気口を閉じるしかないと聞いた旦那。
その専門家に200ドル払うぐらいならと、自分でやってみようと決意した旦那。
さすが倹約王。火事場の馬鹿力。こんな恐いとこにも上ってしもた。しかし、顔が険しい。


どんだけ高いか……。


これがその煙突。


ほんでもって、すっかり錆びついた挙げ句に、リスちゃんがすっぽり入る穴が空けられてた。


さっそくホームセンターに行き、新しいのんを購入。なんか、高いとこに登ったからか、すっかりハイな男。


ホームセンターで、煙突カバーはどこで売ってるのか聞いたら、「リスか?」と聞き返されたらしい……。アメリカ郊外恐るべし。

リス騒動が、これで一件落着となること、そして母リスと子どもたちの無事を、心から祈る。

その夜、友人夫婦が前々から予約してくれてた、タイ&ラオスのレストランへ出かけた。
車の乗り降りが、ここまで悲惨やとは……。
それに加えて、車のちょっとの動きに、いちいち痛みが反応する。
なんぼ食い意地がはってるからいうても、友だちに申し訳ないからいうても、やっぱアホ過ぎた。
レストランで、何回も痛みの発作に襲われながらも、とりあえず完食。
けども、お酒を飲んだらちょっとは緩和するかと期待してたのに、見事にハズレ。
帰りの車の中ではすでに末期状態。
あかん、どんどん酷なる。

やっと旦那が、わたしの痛みの原因を見つけた。

あばらやな。
あばら骨が多分、ずれたか、ひびが入ったか。

けどなんで?
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リス吉の災難

2013年04月30日 | お家狂想曲
早起きの旦那と寝坊助のわたし。
まず旦那が起きて、家の中の温度を調節し、朝のストレッチや体操や散歩をし、朝食の準備にとりかかる。
なんとな~くすべてが整った頃、わたしはゴソゴソとベットから出てきて、ぼぉ~っとした頭でキッチンに入る。

とまあ、朝はこんな調子なんやけど、今朝はなにやら様子が違た。

まず、いつもは寝てるわたしのために、物音をたてんように気を遣てくれる旦那やのに、バタン!ガタゴト!とやけにうるさかった。
その時目が覚めたのやけど、なんとなくまだもうちょっと寝足りん気がしたので、またうとうとと二度寝に入ってしもた。
ほんで起きて、台所に行ったら……。

「ちょっと今朝は、まうみに見せたいもんがある」

と言う旦那について、バスルームに入ってった。
旦那が指差すとこは、シャワー室の床。
なんか、ちっちゃいのんが落ちてる。
色は焦げ茶で、形は、う~ん……米粒の3倍ぐらいのおっきさのん。
これまでの経験でいくと、前の家のガレージに住み着いてた、巨大ドブネズミくんのソレにそっくりや。

「まうみに見せたろ思て、残しといてん」
「おっきいネズミ出たん?」
「いや、ちゃう」
「まさか……?」

いやもう、えらいことになってたみたい。
何気なしに、ひげ剃りでもしよかとバスルームに入った旦那。
右方向の視界の端っこに、妙~なもんが動いてるのを感知して見てみたら……リスっ?!
もうまさに、ビビリまくってるの図そのもののリス吉くんが、リスがパニックに陥った時はどんな状態になるかを、まざまざと見せてくれたのやそうな。
どっかに逃げとうても、初めての場所で、なんかけったいなもんがいっぱいあって、それにちょっとでもぶつかったら倒れておっきな物音たてて、
それでまたびっくりして、おしっこチビって、ついでにウンチもチビって、もうボクちゃん、どうしたらええねん!とヤケクソになりつつあって、
旦那はその様を見て、これはヤバいと思い、まずはキッチンに閉じ込めるべく、ドアを閉めに行ったんやけど、旦那もやっぱりパニクってるわけで、
それで自分が中に入ったまんま、思いっきりドアを閉め過ぎて、ロックがかかったみたいになって……、自分も出れんようになってしもた。
そこでもういっぺん、バスルームの方に行ってみると、リス吉くん、シャワー室のガラスドアの上に足かけて、逆さ吊りになってたらしい……。
その後キッチンの方にやって来て、テーブルに登り、そこで旦那をまた見てびっくり仰天!
旦那のラップトップの上におしっこをチビり、椅子の上にもチビり、庭に面してる窓目がけてジャンプするも、窓ガラスにぶつかって落ち、またジャンプしては落ち、
そんなんを4回ほどやってから、やっとこさで、旦那が開けといた勝手口のドアから、外に出たらしい……ふう……。

いやもう、えらい勢いでぶつかったから、脳しんとう起こしてないやろかと思うけど、もし窓が開いてたら、窓のむこうは煉瓦の階段やから、多分もっと怪我してたかもしれん。
旦那は旦那で、恐怖のあまり突撃してきた時のことを考えて、バーバキュー用の用具を手に構えてたらしい。
リスは見た目可愛いけど、噛まれたりしたら面倒(毒がある)やからね。

それにしてもリス吉くんはいったい、どないして部屋の中に入ってきてしもたのか。

我が家のキッチンは、何十年もの間使われてなかった、古い古いキッチン。
このガスコンロは、100年前に暖炉やったとこに、無理矢理突っ込んである。


このコンロの上が、藁やらクズやら埃やらススやらで、えらいことになってたらしい。
どうも、元暖炉の元煙突から、落ちてきたんやないか?
ここが、コンロの上の天井の、丸うくり抜いてあるとこのフタが思いっきり壊れてた。(暗くてよく見えへんのやけど)


というわけで、いっつもポーズつけてくれるあのリス吉くんかどうか、起きてなかったわたしにはわからんのやけど、誰にせよ、えらいびっくりしたやろなあと思う。

もう落ちてきたらあかんで、リス吉くん。
うちかて、あんたのおしっこやらウンチやら、掃除するん大変なんやから。
たのんまっせ。
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はじまりとおわりの間には

2012年06月19日 | お家狂想曲
とうとう本格的に作業が始まった隣の庭。


そして、昨日の続きをしにやってきたデイヴとジョー君。今朝は挨拶もそこそこに、作業開始!


二階の寝室はあっという間にほぼ完了。


ピアノの部屋の下塗りが、まだまだ乾いていないので、その間に台所をやっちまう。


乾かし屋ジョー君。彼は6週間前に、コスタリカからやってきたところの19才。


その間にも、外では作業がどんどん進み、


そしてやっと乾いたので、難関場所の仕上げ開始。イナバウア~!!


塗ってはチェック、また塗ってはチェック。


道具を洗う。


そして、新しい練り物を作る。


そしてまた塗る。


なかなか気に入るふうにならなくて、ひたすら、孤高に、塗り続ける職人デイヴ。


やっと終わった。最後のヤスリ掛け。


仕事中に出た汚れを拭き取る師匠の横で、ピアノを弾く弟子……アメリカンな風景。


ギターも弾いとる。
そんなジョーを、「この子はピアノもギターも、自分で学んだんだよ」と褒めるデイヴ。

 
めちゃいいコンビ。いい仕事をしてくれてありがとう!


この家は、売る間際に、多分素人の誰かが、適当に、大急ぎで、ダァ~ッと壁や天井を塗ったみたいで、
ペンキ塗りに通じてる者にとっては、見るに耐えない有り様。
「けど、この面積をやり直せないよなあ~」と、ため息混じりで語り合う旦那とデイヴ。


とうとう重機は奥まで入り、低木はすべてなぎ倒されてしまった。


ここに家が建つ。


もう知ってるよね。


遊び場が無くなって、困ってるのかもしれない。このフェンスも明日無くなる。
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「What a nightmare!」ふたたび(ペンキ屋さん編)

2012年06月18日 | お家狂想曲
早起きの旦那が、散歩して、軽く運動もして、コーヒーを作り、トーストを焼き始めた頃に起きてくる寝坊助なわたし。
今朝も、いつものように起きて、寝間着のまんまで台所に入り、テーブルの椅子にボォ~ッと座っていると、
「パンないで~」と旦那が言う。
「ほな、冷凍のたい焼き食べよ~っと」と言うと、「不健康……」と嗜められた……けど、寝ぼけてるから平気平気。

冷凍のたい焼きは、コリアンマーケットから買うてきた韓国製。
袋には韓国語がぎっちり。
日本製のは小麦粉やあんこのことを考えると、どこのものが混ぜられているのかわからないので、とりあえずもう買わないことにした。
めちゃくちゃ悔しい。
とりあえず、どこ製であっても、たい焼きはたい焼きやろから、まずは軽く解凍して、それをトースターでカリカリに焼く。
尻尾まできちっとあんこが詰まってて、なかなかの美味。

二個目をかじっていると、いきなりペインターのデイヴから電話がかかってきた。
「今日さ、行けるんだけど、どうかな?」

うちには今、合計4カ所に、おっきな穴がある。
二階の浴槽の最悪やった排水事情を、改善するための工事(結果的には大工事になった)をしてもらったからで、
少なくとも3日待って、きちっと乾いてから閉じてね、と言われていたので、穴閉じをお願いするデイヴとの日程決めができずにいた。
デイヴは、隣町の売れっ子ペインターで、時給が高いことで有名なのやけど、
旦那の患者さん仲間のひとりでもあり、庭師のチャックと配管工のリチャードからの強い推薦もあり、
やっぱりこういう仕事は、かなり信頼できる人に頼みたい、ということで、彼に頼むことにしたのだった。

あと30分ぐらいで行くから、と言うので、急にバタバタと食べ終わり、仕事に出かけなあかん旦那の代わりに、わたしがとりあえず説明をすることになった。

とにかく、時間がかかるとその分高くなる(もちろんこれはこちら側の勝手な言い分なのやけど)ので、
例えば食器棚の、誰も見るわけがないような所の穴(ここが一番大きい)は超適当にしてもらい、
その他の穴は、人の出入りの激しい我が家の目立つ所にあるので、とりあえずきちっとしてもらおう、ということにした。

やって来たデイヴと助手のジョー君。ジョー君は20才の若者。
デイヴは、18才の頃、ジョージ・オオサワ(桜沢如一)氏が始めた『マクロビオティック(玄米菜食)』にハマり、それ以降もずっと続けている健康オタク。
同じく健康オタクの旦那と全くいい勝負の彼と、しばらく健康食談義をする。
ジョージはある時、捕虜として監禁され、出された白いご飯を食べるのがイヤで、まずゴンゴンと踏んづけて、固めることで栄養素を変えたらしいとか、
『身土不二』(自分が暮らしている場所の、季節の食物を食べること)を、それはそれは熱く語ってくれるのである。
ジョー君は、また始まったし……と言いた気な顔をちらりと見せたけど、わたしと一緒に話に耳を傾けていた。

4カ所の現場をチェックし、必要な道具と木片を揃え、いざいざ開始!
まずは汚れ防止のカバーから。


う~ん、職人さんの道具ラブッ♡


おいおい、こりゃ思てたより厄介だわ。


詰め物をこねる。この硬さ(柔らかさ)が命。この微妙な頃合いがわかるまで、いったいどれぐらいの年月と経験が必要なんやろう……。

 
まずは木片を横断歩道みたいに設置し、この白い板を釘で打ち、それを塗り壁する。終了!
と相成ってくれたらよかったのやけど、ここでとんでもない事態が発生!
周りがどんどん膨らんできて、最悪の場合、この部屋の壁全体が落ちてくる可能性がっ!おぉ~のぉ~!

とりあえず、その危機を乗り越えた瞬間。


ホッと一息ついて、二階へ。
ところがここでも問題発生。パイプを付け替えてくれたリチャード。その大きなバルブが正面を向いていて、板が打ち込めない!おぉ~のぉ~!


うちには簡単に物事が済むっちゅうとこはないんかっ!?と叫びそうになったけど、さすが経験者。解決してくれた!


さて、お次は台所。詳しくチェックするふたり。


ペインターの仕事は、この道具洗いに始まって、道具洗いに終わる、と言うても過言ではない。


ここは、ピアノの部屋のカオスに比べたら全然マシと思いきや……、やはり百年以上もの前の仕事を理解するのはすごく難しい、とデイヴ。


それでも作業はチャッチャと進み、


あっという間に塞がった。


ベースのための硬さ調整。


いいなあ~この手際の良さ。


さて、とりあえずここまで進んだピアノ部屋の天井。みるみる膨らんできた部分も落ち着いてきた模様。


二階の、下塗りの仕上げを見学。


はい、すっかり塞がった。


さてと、一番厄介な、そして、再び「What a nightmare!」を、今度はデイヴに言わせた現場に戻り、


ここまでこぎ着けてくれた!
デイヴ、やっぱあなたは天才や!いや、ギブアップしない職人や!


感謝の意を込めて、わたしはせっせと、ひじきの五目煮とれんこんのキンピラ、そしてモヤシのナムルを作った。
作業はまた、明日に続く。
ものの2,3時間で終わると思って、気軽に来てくれたデイヴとジョー。
まあ、世の中とはこんなもん。特に、古い家は、なにがどうなるやらわからんので、修理などには余計な時間と手間と金がかかるのは常識。

でもなあ……痛いなあ……。

かあちゃん、なんでゲツヨウビはいっつもカオスなん?
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