ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

小さな蝉の抜け殻を見つけた夏のある日のひとりごと

2023年08月11日 | 日本とわたし
酷暑続きに喘いでいるみなさんには申し訳ないのだけど、こちらはエアコン無しで過ごせる日が続いている。
こちらに移り住んだ頃の夏は、そこそこに気温は上がるのだけど、避暑地かと思うような爽やかな風が吹き、朝晩は冷んやりと心地良い毎日で、エアコンをつけなければと思ったのはほんの数日だけだった。
23年が経った今、こちらの夏もだんだんと日本化(?)してきて、エアコンをつけない日が少ない年もあったけど、今年の夏はなかなかに涼しい。
そんなふうな夏だからか、蝉を見ることは滅多に無い。
何年かに一回の割りで今年は蝉がたくさん出てくるぞ〜と新聞などが騒いでも、鳴き声はか細くて少ない。
だから大抵の年はゼロに近い。
今年は一回だけ、玄関前の掃き掃除をしている時にジィ〜ッという声が聞こえて、あ、蝉?と思って辺りを見回したのだけど、当然見つかるわけもなく、声もすぐに聞こえなくなった。
この子だったのかな。


YMCA通いを再開して今日で丸1週間。


とりあえず水中エクササイズのクラスを一通り体験した。
インストラクターの指示通り体を動かそうとするのだが、なにせ首から下は水の中なので、その動きを的確に把握するのは難しい。
あたふたバタバタしていると、必ず教えに来てくれる人がいる。
そんな感じでどうにか各クラスの初日をこなしていったのだけど、水深3メートルのプールで行うエクササイズだけはどうにもこうにもうまくいかずに落ち込んだ。
エクササイズ以前の問題なのだが、なぜか同じ場所に留まっていられないのである。
一体なぜ自分が流されていくのか訳がわからないまま、まるでクラゲみたいにあちこちに行ってしまうのだ。
大勢が運動しているのだから波立ってはいるが、他のメンバーはみんな同じ場所で運動している。
ヌードル(浮き棒)を股に挟んでいるので水底に沈むことはないのだけど、その浮き加減に慣れていないからか、思うように動けない。
このクラスはまあ、もう少し経験を積んでから再挑戦することにした。

というわけで、15年間、一度も足を踏み入れることが無かったプール界隈に入り浸った。
クラスの内容はもちろん、それに参加するためには何が必要不可欠な物なのかを学習する毎日だった。
まずは水着。
わたしが持っていたのは都合の悪い部分を隠せるタイプのもので、腹や股の部分に余分な布がヒラヒラと付いている。
クラスではどんな水着を着てもいいのだが、水から上がった途端にそのヒラヒラからポタポタと水が落ちてうざいったらない。
プールの水はそこそこに温かいのだけど、プールからロッカールームに至る通路が結構長くて寒いので、そのヒラヒラを絞りながら歩かないと体が冷えてしまう。
そこで、シンプルな布一枚で作られた水着と移動時に羽織るワッフル織のガウン、それから小ぶりのバスタオルを買った(合計60ドルなり)。
シャワーで必要なソープ各種を小分けできる容器も買った。
けれども塩素消毒されたプールの水の匂いが、石鹸で洗ってもなかなか落ちない。
そんな水に毎日1時間以上浸かっていたら、肌や髪は当然荒れてくるだろう。
プールは1日おき(月・水・金)にして、その他の日は3階のジムでシニア用のクラスを受ける、という方法もある。
この1週間、体のあちこちがどんよりと痛いし、家に戻るやいなや水着やタオルを洗って干さなければならないのが面倒だけど、これまでの万年ダルさや不眠や肥満から、ほんの少しだけ抜けだせてきたような気がする。
というわけで、最初っから張り切りすぎると長続きしないのは目に見えているので、気をつけてスケジュールを組もうと思っている。
わたしもなかなか大人になったな(シニアになって言うことか😅)。


今年の夏は生徒の数が半分に減ったので、火曜日も休みにしている。
夫もその日は仕事をできるだけ入れないで、二人で外食を楽しむか、作り置きができる料理をしたりして過ごす。
先日の火曜日は、最近夫が見つけた超〜美味しいミドルイースタン料理のレストランに行った。

まずは前菜サンプラーから。
グルテンフリーな我々は、家にあるクラッカーを持参していただく。


メニューを読んでいると、時価と書かれた料理があった。
夫は一度、メイン州の海沿いのレストランで、時価と書かれたロブスターのサンドイッチを注文して痛い目に遭った。
ロブスターの小さい身が数切れ挟まれているだけのサンドイッチが42ドル、しかも彼はそのうちの一切れを床に落としてしまっている。
普段ならしつこく値段を聞いてから注文するか否かを決める(まあ大抵は即刻あきらめる)のに、その時はなぜか何も聞かず、わたしはヒヤヒヤしながら事の成り行きを見守っていたのだが、さすがに42ドルはないだろうと、血の気がさーっと引いたのを今でも覚えている。
それ以降、時価というのをメニューで見つけるたびにニヤッとしてしまうのだけど、そのレストランの焼き魚の時価は25ドル…いい感じだ。

身がしっとりとして柔らかく、皮はパリッとして香ばしく、それはそれは美味しい焼き魚だった。


ここの肉の美味しさったら…どの肉もモチモチと柔らかくてコクがある。

半分食べたところで満腹になり、ミントティを注文したら、なんともユニークなカップに入れられてきた。



夏の小確幸なひととき。
コメント
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