刃の半分ぐらいがボロボロになっちゃった、哀れな菜切り包丁です。
去年の丁度今頃、わたしは3年ぶり、旦那は7年ぶりの、しかも2人一緒としては初めての日本旅行をしました。
そしてこれまた初めての、JRパスという、JRの乗り物ならなんでも乗り放題というチケットを使い、
ラーメン食べに長崎へ、原爆ドームの見学に広島へ、友人に逢いに新潟へ(ちなみに長崎は実現しませんでした)、
日本の電車時刻の正確さや、切符売り場の方々の迅速な対応や手つきにホレボレ~(時には涙ぐんだり)、
親しい友人達や家族と美味しい食べ物を頬張りながら、とても楽しく懐かしい時間を過ごしました。
その旅行中、わたしは必ず見つけたかった物がありました。それは、菜切り包丁と三徳包丁です。
野菜の千切りやみじん切りが好きなわたし。切れ味の悪い包丁ほどイライラする物はありません。
こちらで持っている包丁も、研げばそれなりに良く切れるのですが、早切りするのには片刃の方がやりやすい。
大津に移ってすぐに、ゴミから拾った三徳包丁も、今だに活躍していますが、さすがにくたびれてきた様子。
ところが、やっぱりいくら日本製の物と言えど、いい物は高いんですね~。インターネットで探しては諦めた値段とさほど変わりません。
それで、仕方が無いと諦めたものの、未練タラタラのわたしは、友人の家で愚痴り、母に愚痴り、
それなら使ってない包丁があるからと、三徳包丁を友人から、菜切り包丁を母から、ありがたくいただいちゃったのでした。
もう嬉しくて嬉しくて、荷物検査で取り上げられてなるものかと、それはそれは慎重に二丁の包丁を包みました。
そして1年近く経ち、毎日ほのかな幸せと満足感に包まれながら、野菜を切ったり果物を切ったり、
旦那も菜切り包丁が大のお気に入りで、「これなら僕もまうみみたいに早切りできる」なんて自慢してました。
がっ!!!なんじゃこりゃ~!!!なんでこんなボロボロやねぇ~ん!!!
犯人が自首してきました。
自白によると、原因はチキンスープのようです。
そういやあのスープ、やけにコクがあってうまかった。
骨付き鶏肉でベースを作る時、こともあろうに、犯人は菜っ葉専用の、あのとても繊細な包丁を手に……、
あ~~、想像しただけで、包丁くんの悲鳴が耳をつんざくようで辛いです。
さて、気を取り直して、
今日の午後、マンハッタンでクラシック演奏家協会の月に1度のミーティングがあります。
先月のガーシュインがウケて、またなんでもいいから聞きたい、弾いて!と言ってもらったのが嬉しくて、今日はちょっくらドビュッシーを弾こうと思っています。
どんなちっちゃな世界でも、楽しみにしてもらえるっていいですね。
背中と首の根っこが固まって怠いので、これからじっくりストレッチをしてお肉をほぐしてから練習します。