ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

冬のよもやま話

2020年02月06日 | ひとりごと
かれこれ2週間、ちょっと酷い咳風邪に罹っている。
一昨日の夜中から、多分咳のし過ぎからだと思うけど、右側の肋骨の辺りに鋭い痛みが生じ、咳はもちろんくしゃみをしたり笑ったりするたびに涙を流している。
鍼灸師&漢方薬剤師の夫が、鍼やカッピング、そして漢方薬で、症状が変化するごとに治療してくれているので、症状が酷くならずなんとか仕事を続けられているのだけど、
B型インフルエンザや新型肺炎の流行に敏感になっているこのご時世に、しかもマスクを着ける習慣が無い国でマスクをしてレッスンをすることが、いいことなのかどうかはわからない。
と、これを書いているここ2日の間に、症状がかなり軽くなってきた。
肋骨の痛みはほとんど無くなり、咳の度に良いタンが出てきて、咳の回数もかなり減ってきた。
夫の治療の効果が一気に出てきたようだ。

漢方学の学生だった夫は、2年間の大変な修学を終え、あとは国家試験を待つばかりとなった。
この2年の間、何回挫けそうになったかわからないが、本当によく踏ん張ったと思う。
仕事をしながらの勉強だったし、覚えなければならない知識が半端じゃなくて、いくら好きで興味があるといっても最後までもつかどうか心配だった。
だから本人にとってはすごく感慨深い卒業だと思う。

キッチンテーブルが臨時の作業場。実地練習に余念がない。


たまにカプセルに詰めることもある。


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長男くんの結婚式がいよいよ近づいてきて、だからいっそう健康を取り戻したいと思っているのだけど、最近になって家族がガンに罹っていることがわかり、それぞれ手術や免疫療法で治療している。
彼らは高齢で、一人はここアメリカから、そして別の一人は地方から、式場がある東京へ向かうつもりなのだけど、新型コロナウイルスの流行り方次第でどうなるかわからない。

安倍政権の危機管理は災害の時と同じくいい加減で、隔離といっても相部屋だったり、ダンスパーティや会食を催して他者との接触を拡散させたりと、支離滅裂なことをやっているから、今後もどんどん感染が拡大していく可能性が大きい。
総理を先頭にした大臣らの脱法オンパレードだけでも相当酷いのに、本当に罪深い政権だと思う。
そして、トップが政権に取り込まれているからといって、悪党らを野放しにしている報道や検察はさらに罪深い。

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今年もいつも利用している旅行会社の、半期に一度という格安航空券セールがあった。
普通なら安くても10〜15万円ぐらいは払うことになる日本行きのチケットが、6〜7万円で手に入るのだから非常にありがたい。
だけどこのセールはたった1日限りで(反響が大きいと2〜3日延長される)、もちろん条件のいい席からどんどん売り切れになるから、できるだけ早く手を打たないといけない。
今年は2月の末に長男くんの日本での結婚式があり、夫の両親と姉一家を引き連れて、式の前後に関西を回るので、夫はそれがわたしにとっても帰省旅行になると思っていたらしい。
だから、数年前から始まった、わたし独りだけで1ヶ月近く日本に滞在するという、夫には大不評の帰省旅行を、まさか今年も企んでいるとは思っていなかった。
だけどわたしにしてみれば、この夏の間の長期帰省は、ずっとずっと長い間やりたかったけどできなかったことなのだ。
確かに、今日本で暮らしている人たちから見れば、1ヶ月も里帰りするなんて贅沢で呑気だと思われるかもしれない。
それに、いくら異国で暮らしてるからといって、夫に働かせて留守番させるってどうよって思う人がいるかもしれない。
でも、その夏の帰省があるから頑張れると言う女性たちの気持ちは、同じく異国で暮らしているわたしにはとても良くわかる。
公平とか不公平とかで比べたり測ったりできない気持ち、なんだと思う。
だから、一緒に暮らしている限り、公平でないといけないと言われても、なんか違うと思ってしまう。
息子たちが子どもだった頃は経済上の問題もあったから、数年に一度、それも長くて10日間ぐらいの帰省を繰り返していた。
でももう息子たちはすっかりおっさんになり、世話をするのは猫だけになった。
それに夏の間は長期帰省したり旅行に行ったり、キャンプに参加したりする生徒が半数以上いるから、わたしがここに残っていても仕事にならない。
それにもう、明日の暮らしがどうなるか心配になるほどお金にも困っていない。
8歳下の若かった夫も、今ではすっかり50を過ぎて、立派な実年になった。
わたしは還暦を過ぎ、日本の母は数年後に米寿を迎える。
だからもう我慢しなくていいよと、自分を開放してやることにした。

こちらに移住して20年目の年の、格安チケットを買うチャンスを逃してしまった日から二日後の朝、わたしたちはキッチンテーブルに向かい合って座り、話し合った。

1ヶ月近い長い期間であっても、その大半は離れて暮らす母の家事を助けることに費やすのだし、今年還暦を迎える弟ともできるだけたくさん一緒に過ごしたいと思うから、観光や友だちとの遊びはほんの数日だけに限られている。
だから浪費もしないし、独りで動く際にはできる限り倹約している。
だけど、もちろん仕事をしていないのだから収入は無い。
空や海の餌やりやトイレの掃除もできない。

こちらに移り住んだ時にすでに43歳だったから、英語がうまく話せないだけで幼児扱いされて、鬱病みたいになって苦しんだ。
軽視されたり差別されたりすることは、それがどんなに小さなことでも、こんなに心を傷つけるんだということを知った。
息子たちは当時11歳と13歳で、夫もわたしも自分を守ることで精一杯というヘタレ親だったので、自分たちで何とか生き抜いていかなければならず、本当に大変な思いをいっぱいした。
こんなそれぞれ別の人間の集まりの中に、公平などというものは存在しないとわたしは思う。
誰が一番大変で誰が一番可哀想なのか、そんなことで張り合うことにも意味が無いと思っている。

超格安セールが近づく毎に、買ってもいいかどうかクヨクヨ悩んだり、買いたいと話すだけで険悪なムードになってしまうのが辛い。
不公平だと思われることは当然だとしても。

と、こういう話をこういう公共の場で書くのはフェアではない、と夫から抗議を受けた。
夫は正しい。
わたしはこのブログ主として、本来ならばごく親しい友人の間だけに聞いてもらうべきだった、とてもプライベートなことを、わたし側だけの偏った気持ちを元につらつらと書いた。
このような場で書くべきではないことだと分かっていながら書いた。
夫はもっと話し合いを重ねていくつもりだったけれど、これで知人友人、そして見ず知らずの人にまで、悪印象を持たれてしまった今では、良い話し合いができるとは思えないと言う。
二人とも、特にわたしは、頭を冷やさないといけないのかもしれない。
部分的にならいいけど、すっかり削除する気持ちにはなれないのは、まだ治っていない咳風邪のせいかな。
まずは心身ともに健康になって、もう一度書き直そうと思う。

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「ちゃんと歩けないこんな体で生きてても意味が無い。死んだ方がまし」
そう訴えていた母が、頸椎症性脊髄症の治療手術を受けることになった。
東洋医学の見地からは手術をしない方がいいと夫が言い、それでもどうしてもというなら、せめて寒い時期を外して欲しいと伝えていたのだけど、
一回思い込んだら猪突猛進、とにかく手に入れるまで突っ走ってしまう(なんか似たようなのがここにもいるような気が…苦笑)85歳の母は、
家から車で1時間半もかかる所にある病院の、その道の名医と言われている医者に診てもらいに行き、念願の手術を受ける権利を獲得した。
母は、誰も自分の苦しみを本当にわかってくれないと、頻繁に連絡をしてこない薄情な娘のわたしを怒っていた。
もちろん見舞いも断られたけど、2月の末に帰省した際に黙って押しかけるつもり。
手術には必ず後遺症というものが出てくるし、予後が良くなかったりしたらきっとまた絶望するだろうから、とにかく手術を受けたことによって良い結果が得られることを祈るばかり。

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台所の窓の向こうで、カエデの爺さんによじ登っていく何かが視界の端っこに入った。
え?海ちゃん?
そう思って目を凝らして見てみると、

尻尾が太短いし、しかも2匹?!

アライグマのカップルさんだった。


さらにズームしてみると、



もうちょっとアップで。


ここ数日、なぜか小春日和が続いていて、だから日向ぼっこをしている彼らはとても気持ち良さそう。
などと呑気にカメラを向けていたら、アライグマは凶暴なので不用意に近づいたりしてはいけないと注意されてしまった。

こちら、アライグマと勘違いされかけた海ちゃん、お気に入りの場所で爆睡中。
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