ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

いつかきっと

2008年11月22日 | 家族とわたし
今夜は雪が降って-7℃になる予報が出ていましたが、雪は降らず、気温も-5℃ぐらい。ま、寒いことは寒いですが……。

珍しいことですが、昨夜に引き続き、家のことでお世話になったエージェントのデブラへのお礼ディナーに出かけました。
今夜はギリシャ料理のレストラン。旦那のオフィスがあるビルディングの1階にできたレストランです。
満席で、人の話し声が充満していて、そうなるとわたしは英語の聞き取りがかなり難しくなるので、食べ終わる頃にはすっかり疲れてしまいました。
デブラも一緒に家まで戻り、うちのキッチンでゆっくり、お茶と、なにか甘い物を食べることにしました。

デイヴのガールフレンドとしての彼女しか知らなかったので、こうやってゆっくり話していると、ゆるりゆるりと彼女の暮らしや家族のこと、生い立ちなんかが分かってきます。
彼女には成人した娘と息子がいて、息子のことで、とうとうなにも心配することが無くなったことがとても嬉しいという話が出て、旦那もわたしも興味津々、いろいろと詳しく聞かせてと頼みました。

彼女の息子は基本的に学校にあまり熱心に行く生徒では無かったようです。
高校をやっとのことで卒業し、学費の高い大学に入ったものの、
別に真面目に勉強する様子でもなかったので、彼女は学費の支払いをストップしました。
彼は家に戻り、近所のコミュニティカレッジに行き始めましたがそれも続かず、また別のカレッジに行き再び挫折。
心機一転の機会になればと旅行に出て、そこで知り合った女性に心底惚れて、彼女に導かれるように看護士の学校に入学。
けれども、大学卒業の資格が必要だったので、精力的にクレジットを取り、看護士資格の取得のための4年間もクリアし、
インターンの訓練中に麻酔科の手伝いをしたところ、認められ、麻酔医としての勉強を3年間みっちり頑張ったそうです。
彼女にいいところを見せたいがために、彼はがむしゃらに勉強し働き、今は立派な麻酔医として働いているそうです。
彼と彼女は結婚し、今も互いに愛し合い、一緒に暮らしていることが嬉しくってたまらないそうです。

生きる指針をしっかり持ち、最良のパートナーと子供と共に幸せに暮らす32才の息子。
そんなふうに嬉しそうな子供の様子を知るのが、母親として1番の幸せかもしれません

なんてことを言いながらうなづき合っている所に、Kが帰ってきました。
おお~、なんというグッドタイミング
Kをキッチンに呼び、まあちょっと話を聞きんしゃいと、無理矢理椅子に座らせました。
デブラの話は、とても具体的で、Kの今の、ゆらゆら揺れている心の琴線に触れたようです。
Kの瞳が2、3度キラキラっと光ったのを見て嬉しかったです。

僕は、どんな形でも方法でもいいから、人を助ける仕事に就きたいんです。
そして、もちろん、その仕事で暮らしを賄えるよう、それ相応の収入も得られることも大事だと思っています。
僕は、人の喜ぶ顔を見るのが、とても好きなんです。

そんなことが言える彼を、わたしはとても誇りに思います。
ただまあ、お風呂使ったら、マンガ本とかシャンプーとか、そこらへんに置きっ放しにしないでよね。
ヒゲを整えるのはいいけど、周りに散らばった細かい毛を流して、シェービングクリームを元の場所に戻してよね。
それからあんたの部屋、なんとかしなはれ~

Kは明日、ゲーム仲間10人に、日本のカレーライスを作って食べさせてあげるため、材料をいっぱい買ってきました。
材料費を皆で割って出してもらうので、別に損はしないけれど得にもなりません。
おまけに、クィーンズにあるその子の家に行くためには、複数の橋を渡らなければならないため、通行料もバカになりません。

Kは小学生の頃から、子供用のお菓子作りの本を見い見い、クッキーやシュークリーム、ライスクリスピートリートなどを作っては、友達にあげていました。
台所の後片付けはもちろんわたし。
でも、彼のその心意気は大事にしたかったので、大目に見て片付けはこちらがしてあげていました。
Kは、そういうことの延長線上で、いつか本当に、人に喜んでもらえる仕事を見つけるのかもしれません。
見つけてからが勝負ですけどね
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