前回の続きです。
6) 金太郎飴と同じ様に作った練込み模様を、作品作りに応用する。
応用の仕方は、作品の表面に貼り付ける、表面に埋め込む、刳り貫いた孔に嵌め込む、更に、
練込み模様のみで、作品を作る等の方法があります。
① 棒状の練込み模様を適度の厚みに切取ります。
) 切り取る厚みは、貼り付ける場合には出来るだけ薄くします。表面より飛び出す形と成るから
です。但し薄く切り取る事は難しいですので、切り取った後薄く伸ばす事に成ります。
) 埋め込む場合には、2~4mm程度の厚みにします。平らの面に練込み土を載せ、板などを
使い真上より圧を掛けて埋め込みます。
) 作品に嵌め込む場合には、その作品の肉厚より若干厚めに切り出します。
) 練込み模様のみで作品を作る場合には、作品の肉厚より1~2mm厚めに切出します。
繋ぎ合わせる糊代部を多く取る事と、出来上がった作品の表面を一皮削り取る為です。
② 切り出し方法。
一般に練込みの棒方向と直角に、切れる刃物や糸で切ます。その他に、棒方向に対し直角
以外の方法で切る方法があります。丸い断面では無く、楕円状になります。斜めにすればする程
丸から極端な楕円に成ります。四角い断面の場合は、長四角形になります。
当然断面積も増えますし、練込み模様も大きく変化します。
③ 練込み模様が左右又は上下対称でない場合、切り取った土の裏表では模様が、左右(又は
上下)対称形になります。
7) 貼り付け模様の作品を作る。
貼り付ける相手は、壷や花瓶その他、食器類もあります。但し貼り付けた面が凸状に盛り上がり
ますので、食器の内側などには、向いていません。
① 模様土の厚みに付いて。
切り出した練込み土を適度の厚みに加工します。立体的な模様にするのであれば、あえて薄く
加工する必要はありませんが、出っ張り過ぎると、見た目にも使用勝手でも違和感が出ますので
適度の厚みにします。
② 薄くする方法。
模様の形を崩さずに薄くするのは意外と困難です。先ず、平らな板でサンドイッチ状態にして、
両面の板を押して(又はプレスして)薄くします。当然面積は広がります。更に薄くしたい場合
には、模様に布を掛けて、ロラーで薄く伸ばします。但し一気に薄くすると部分的に薄くなる為
模様が「いびつ」になります。中心から外へ徐々に伸ばします。
③ 模様を小さくする方法。
同じパターンの模様でも大小が欲しい場合があります。一つの作品にバラエティーに富んだ
模様を配列したい場合です。この場合には、切り出した模様の外側全周から中央に向かって
力を加えます。全体は小さくなりますが、肉厚になりますので、削り作業の時薄くします。
④ 作品の貼り付ける位置を決め、模様の向きも決めます。
丸い面に取り付ける際には、模様を仮止めして印を付けます。数箇所に数種類の練込み
模様(左右、上下が逆、模様の大小など)を貼り付ける場合には、レイアウト(模様の位置
関係)も重要ですので、仮置きして確認します。
⑤ 模様を貼り付ける。
) 「どべ」(泥、接着剤)を用意します。
「どべ」は作品本体の土を泥状にしたものです。他の色の土を使うと接着面からはみ出した
色が邪魔に成ります。
) 取り付け面と取り付ける模様の裏側に針で刻みを入れ、その刻みの部分に「どべ」を
置く様にして、筆で塗っていきます。
) 模様を貼り付けますが、接着面に空気が入らない様に、中心から外側に向かって貼って
いきます。曲面の場合にはその曲面に沿うように模様の土を変形させます。
模様の裾野をしっかり作品に押し付けます。はみ出した「どべ」は塗らした筆で拭き取り
綺麗にします。
⑥ 模様の部分を削り、裾野の段差を無くす。
作業中に模様の表面に触れる為、模様に汚れが付き易いですので、一皮削り取ります。
又、模様が盛り上がり過ぎると思われる場合には、表面を削り薄くします。
模様の部分と作品の間に段差が出来ますが、これを嫌う場合には裾野を削り取るか、
裾野の土を作品側に伸ばしなだらかにします。作品の土と、模様の外側の土は同じもの
ですので、伸ばしても問題ありません。
以下次回に続きます。
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