わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

電動轆轤入門 33 作品を形造る 5 確認

2014-09-23 22:12:32 | 電動ろくろ入門
轆轤の水挽き作業を終わる前に、幾つかの確認事項があります。

1) 口縁は水で濡らした皮で仕上げる。

  口縁をなだらかにし綺麗にすると同時に、土を締める役も果たします。

2) 作品が所定の形と所定の寸法になっているかを確認します。

  作品を作る際には、当然その大きさと、おおよその寸法は、決めてあるはずです。

  形はなるべく遠くから見ると、「ハッキリ」確認する事が出来ます。

  寸法は、スケールや「トンボ」を当てて測定します。

  当初に予定した形と異なる場合や、寸法が違う場合には、修正します。大きい場合には、切り

  取ることで済みますが、不足の場合は面倒です。土が肉厚の時は、土を薄く伸ばすことも可能

 ですが、大幅に足りない時には、土を足すことに成ります。しかし補修するよりも、この作品を

 壊し最初からやり直す方が、速く綺麗な作品を作ることができますので、思い切って壊すのが

 正解です。

3) 器の内側の底に溜まった水や「どべ」を、スポンジ等で吸い取ります。

  背の高い作品の場合、棒の先にスポンジを取り付けて使います。

  この水を取らずに放置すると、「底割れ」がおきます。水が溜まっていると、その部分の乾燥が

  他の場所より遅くなり、周りから引っ張られて「Iの字」状に切れます。

4) 数挽きの際には、下の土から切り離す必要がありますので、切り取る位置を固定します。

 ① 普通は、土取りした際の最下部のことが多いですが、土の中央に穴を掘り込む際に、深く

   掘り過ぎ、土取り位置で切糸を入れると、底に穴が開く場合はあります。器の内側と外側の

   寸法を測り、その差から判断する事もあります。

 ② 切糸(又はシッピキ)を入れる位置が決まったら、底周辺の余分な土を剥ぎ取り、綺麗な円に

   します。この円は底削りの際の目安に成りますので、おろそかにしない事です。

   又、余分の土が付いていると、「手板」に載せた際、口縁の歪みが大きくなります。

 ③ 「竹へら」を使い細い溝を付けます。これは切糸のガイドになるものです。

5) 切り離す。切り離す方法は、轆轤を回転させたまま切るのが、昔からの方法ですが、初心者の

  方は、轆轤を止めたままで、切り離した方が無難です。

  ① 回転した状態で切り離す。右手に切糸の一端を持ち、他端を左手に持ち、轆轤の回転に

   合わせ左手を回転させながら糸を手放します。糸は土に巻き付き回転します。

   糸が一回転半したら、右手を真横に強く水平に引きます。

   慣れないと、切り口が斜めになったり、最悪作品が下の土から転げ落ちる場合もあります。

   切り口は渦巻き状になります。切り糸は長過ぎないことが重要です。

  ② 止めて切り離す。上記の「竹へら」で付けた溝に、細い切り糸を巻き付け、手前で交差する

    様にします。交差した下の糸を手前に引いて、糸の輪を縮めながら切り無します。

    その際、最後に糸が上に浮く事が多いですので、あくまでも水平に引くことです。

  ③ 亀板上で作った作品ならば、亀板ごと轆轤上より取り除きます。

    板との切り離しは、若干土が乾燥した後に行います。その際にも、切り糸を入れる場所

   (板に接する場所)にガイドの溝を入れておきます。

6) 作品を轆轤上より取り除く。 両手の人差し指と中指を「Vの字」状に開き上に向けます。

  ① 切り口の真上の部分に「V」を押し込み、作品を手前に倒す様にして上に持ち上げます。

   その際、親指も水平にして、作品に触れない様にします。

   但し、寸胴(口径と底径が同じ)の場合、指に引っ掛かりが無く、手が滑り取り上げ難いです

  ② 取り上げた作品は、「手板」に載せます。載せた作品が歪むのは、以下の理由によります。

   ) 切り口が斜めになっている。

   ) 口径に対して、底径が大きい場合。底径は狭い程、歪みも少ないです。

   ) 不用意に作品に触れてしまった場合。

  ③ 歪んだ作品は口では無く、作品の腰で直します。即ち歪んで楕円になった物を綺麗な円に

    成る様に形を整えます。

以上で轆轤の水挽き作業は終わります。次は「底削り」です。
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