60歳の誕生日を迎えた同級生の友人におめでとうのメッセージをLINEで送った。
60歳ということで「3度目の成人式だね」と書いたら返事がきた。
「20年を一区切りとすると、あっという間だった。生まれてからの20年は別にしても、その後の20年は繰り返すごとに早くなっているみたい。この調子でいくと、80歳になるのもあっという間かもね」
少し文章は変えているが、大体内容はこの様なもので、とにかく年々月日が流れるのが早く感じていると言うのは、誰しも同じなのかもしれない。
私自身も20歳になった時より40歳になった時の方が、40歳になった時より60歳になる方が早かったという感覚がある。
ところで最近よく頭に浮ぶ歌がある。
「襟裳岬」
北の街ではもう悲しみを暖炉で燃やし始めてるらしい
わけのわからないことで悩んでいるうち老いぼれてしまうから←この部分が特にいい。
そして、あまり聴いたことがなかったが三番目の歌詞もまたいい。
日々の暮らしはいやでもやってくるけど静かに笑ってしまおう
作詞は岡本おさみ氏。
岡本氏は実際に襟裳岬を訪れて、凍える様な寒さの襟裳の町で、地元の老夫婦に「何もないですが、お茶でも飲んでください」と温かいお茶をごちそうになった体験が、この歌のもとになっているのだとか。
「何もないですが、、、」といった老夫婦の温かく素朴な人柄に触れてひらめいたそうだ。
他人を泣かせてまで地位・名誉・金銭といった社会的成功をしなくてもいい。
お金はあった方が便利だけど、無くても贅沢な暮らしをしなければ、ありがたいことに今の日本では飢え死にすることはない。
一番大切なのは、この人生を生き切ること。
今のこの肉体に宿っての人生は一度限りだから、せっかくならこの世を十分に味わって終わりたい。できることなら他人の為になることをして終わりたい。
過ぎてみればなんであんなに悩んでいたのかと、今では忘れるような悩みばかりだった。
悩んでいるうちに老いぼれてしまうから、できればあまり悩まず静かに笑って暮らしたい。人生はまばたきをする間に終わってしまうかのように短いのだから。