鼎子堂(Teishi-Do)

三毛猫堂 改め 『鼎子堂(ていしどう)』に屋号を変更しました。

光の無い夜

2011-03-12 20:54:02 | Weblog
3月11日・・・東北地方太平洋沖地震・・・発生。

電気が止まり、電力で、水をくみ上げている自宅では、断水。


まだ、周りが明るいうちは、そんなに長く停電ってこともないだろう・・・最大でも、当日中には、復旧するだろう・・・くらいにしか思っていなかった。

日が暮れて、気温がどんどん下がってくる。
通電していない炬燵(芝居炬燵と家人は、笑う)に足を突っ込んで、毛布と小さな石油ストーブで、暖を取る。足に小さな使い捨てカイロを貼り付けて、暖める。
石油ストーブの上のヤカンにペットボトルの水をいれ、沸かす。
カップラーメンにヤカンのお湯を注ぐ。
灯りは、LEDの小さな懐中電灯と仏壇の蝋燭を交互に使いながら。
昼間、家人が買ってきた出来合いのお惣菜で、夕食。
『戦時中みたいだねぇ・・・。』
家人は、毛布に包まりながら、笑う。
『寒いからビールでも飲むか・・・1本だけあるから。』
1本を二人で半分づつ。
『寒いときは、カップラーメンでも美味しいね。』
あまり、危機感のないのんき者二人。
それでも、不安は、どんどん大きくなっていく。

ラジオだけにたよる情報(電力復旧後、テレビの映像で驚いた・・・こんな状態だったとは・・・)。

首都圏と東北の状況は、わかるけれど、地元のライフラインは、どうなっているのか、全くわからないまま。
とにかく、電気が来ないことには、暗くて何もできないし・・・。
地元のラジオ局は、まったく受信できない。

何もできない・・・ただ、芝居炬燵で、横になって、寒さを凌ぐだけ。
『電気は、有難いね。』
『2,3日かかるかのかねぇ・・・電気・・・。』
『見てごらんよ。外真っ暗で、不気味だね。』

オリオンが、南に傾きかけて、星明りだけが、綺麗だ

光の無い夜・・・光のない街・・・。

世界の終わりは、こんなふうに、静かなんだろうか・・・。

いまなお・・・余震は続く・・・。