春爛漫。
桜の花も開き始めて、これから、いよいよ花の季節。
もう、随分と昔の話なのだけれど、3月中旬から4月の上旬にかけて、入院・手術といった時期を過ごしたことがあって、どうもこの時期になると、それを思い出してしまう。
丁度、花の時期で、手術後、歩けるようになってから、医大付属病院の構内を散歩して、もうだいぶ散ってしまったのだけれども、桜の木の下をゆっくり、ゆっくり歩いてみた。
命にかかわるというほどの病気ではなかったけれども、初めての入院生活で、季節が春だし、高校を卒業したばかりで、みんな進学や就職といった新しいスタートを切っているのに、自分だけ、周囲から取り残されて、世界から見捨てられたような・・・それでも、不思議な安堵感があって、一日中、横になっているのが仕事?みたいなものだったから、それはそれで、モラトリアムを楽しんでいたのかもしれない。
そう・・・病気が治れば、また新しい世界が広がる・・・そんな風に思っていたのだけれども、現実は、相当厳しいものだった。
それでも・・・退院した日は、4月なのに初夏のように暑くて、赤紫の蘇芳の花が、青い空の下満開で、この先、よいことしか起こらないような・・・そんな気がしていた。
でも・・・コレを機に、私の人生は、どうも波に乗ることができなくて、全く、上手くいかなかった。
・・・それは、現在も同じことなのだけれども。
出遅れる・・・。
出遅れた春。
私の春は、いつもそんな感じだ。
それでも、春は、胸が開かれるような開放感があるし、いろいろな花が一斉に開花して、心慰められるような気がする。
数年後、同じ医大で、医学書の原稿のワープロ打ちのアルバイトをすることになって、医大の研究室の片隅で、ひなが一日、入力作業をすることになったのも、春だった。
締切りなどは、一切なくて、タイムカードもなくて、自己申告だったし、研究室の予算からアルバイト代が捻出されていたようだった。
一日8時間、1ヶ月働いても、10万円に満たなかったけれども、気楽な職場で、入力に疲れたら、散歩してきていいよ・・・と言われ、桜の花の下で、入院していた頃のことなんか考えたりした。
・・・春だったね・・・。
・・・いつも、いつも出遅れる・・・それでも、春だったね。
桜の花も開き始めて、これから、いよいよ花の季節。
もう、随分と昔の話なのだけれど、3月中旬から4月の上旬にかけて、入院・手術といった時期を過ごしたことがあって、どうもこの時期になると、それを思い出してしまう。
丁度、花の時期で、手術後、歩けるようになってから、医大付属病院の構内を散歩して、もうだいぶ散ってしまったのだけれども、桜の木の下をゆっくり、ゆっくり歩いてみた。
命にかかわるというほどの病気ではなかったけれども、初めての入院生活で、季節が春だし、高校を卒業したばかりで、みんな進学や就職といった新しいスタートを切っているのに、自分だけ、周囲から取り残されて、世界から見捨てられたような・・・それでも、不思議な安堵感があって、一日中、横になっているのが仕事?みたいなものだったから、それはそれで、モラトリアムを楽しんでいたのかもしれない。
そう・・・病気が治れば、また新しい世界が広がる・・・そんな風に思っていたのだけれども、現実は、相当厳しいものだった。
それでも・・・退院した日は、4月なのに初夏のように暑くて、赤紫の蘇芳の花が、青い空の下満開で、この先、よいことしか起こらないような・・・そんな気がしていた。
でも・・・コレを機に、私の人生は、どうも波に乗ることができなくて、全く、上手くいかなかった。
・・・それは、現在も同じことなのだけれども。
出遅れる・・・。
出遅れた春。
私の春は、いつもそんな感じだ。
それでも、春は、胸が開かれるような開放感があるし、いろいろな花が一斉に開花して、心慰められるような気がする。
数年後、同じ医大で、医学書の原稿のワープロ打ちのアルバイトをすることになって、医大の研究室の片隅で、ひなが一日、入力作業をすることになったのも、春だった。
締切りなどは、一切なくて、タイムカードもなくて、自己申告だったし、研究室の予算からアルバイト代が捻出されていたようだった。
一日8時間、1ヶ月働いても、10万円に満たなかったけれども、気楽な職場で、入力に疲れたら、散歩してきていいよ・・・と言われ、桜の花の下で、入院していた頃のことなんか考えたりした。
・・・春だったね・・・。
・・・いつも、いつも出遅れる・・・それでも、春だったね。