鼎子堂(Teishi-Do)

三毛猫堂 改め 『鼎子堂(ていしどう)』に屋号を変更しました。

『塗仏の宴・宴の始末:京極夏彦・著』

2011-04-23 22:45:29 | Weblog
朝から雨。風雨強し。
雨なのに、空が異常に明るい・・・明るすぎる・・・地震の前触れか?
眠くて、眠くて、仕方が無い。
眠ろうとすると選挙の宣伝カーが、大音量で、通り過ぎる・・・、電話が鳴って、○×選挙事務所です!と言ったどうでもいい電話。今、選挙やってる場合じゃないと思うけれど・・・。


塗仏の宴の支度は、整い、後半へ向って、あの男の登場を待つばかり。
いよいよ『真打登場!』・・・なのだけれど、真打・中禅寺秋彦は、いつもの死神がハラ毀したような仏頂面(この表現は、本によって変わる・・・北半球が水没したような仏頂面だとか、アジアが滅んだような仏頂面だとか・・・程度と規模が変わるようだ)で、本を読んでいる・・・。

『事件は、何も起きていないじゃないか・・・。』

消えた村、すりかえられた村民、崩壊されたふたつの家族の行方・・・。

本編で、明らかになる中禅寺秋彦の過去。
陸軍で、未来を先取りしたような研究職だったんですねぇ・・・中禅寺さんは。
そのあたりが、今回の物語の発端となっているようだし。

後編では、榎木津礼二郎が大活躍。
京極堂を唆し、事件の謎解きは、ようやく始まる。
派手に暗躍していた富山の薬売り・尾国誠一の正体は・・・?
騙した方が騙される、騙された方が騙している・・・
見られている方が見ている、見ている方が見られている・・・。

このシリーズでは、名前は、登場するけれど、実際には、登場しない人物が多々あらわれる。

京極堂に『先生』と呼ばれる築地のあのひと・・・明石先生。
奇人・榎木津礼二郎の家族・・・榎木津幹麿子爵とその夫人とお兄さん。
学生時代の友人で、通訳の大河内君。
実際には、登場しないけれども本編の重要なキーパーソン・山辺唯継・・・などなど。

謎の多い、明石先生と、お茶目な変人・榎木津幹麿子爵の物語を読んでみたいもんだといつも思う。

そして、未だに分らない『織作茜』の父親・・・一体誰なんだろう?茜さんのお父さんって?

この物語は、作為的に破壊された二つの家族の物語でもある。