鼎子堂(Teishi-Do)

三毛猫堂 改め 『鼎子堂(ていしどう)』に屋号を変更しました。

道楽②

2011-10-26 22:46:24 | Weblog
秋が一段と深まっていくような・・・そんな兆しのある一日。


道を楽しむことができるひとは、少ない。

生命維持になんら関係のないことに、カネをかけて、本人だけが、自己満足するというのが、多分、道楽の道楽たる正しい道なのではないかと思う。

私の道楽は、極めて、質素で、安物の宝飾品を買ったからといって、身に着けて、何処かへ出かけるわけではない。夜中に、LEDライトに照らして、宝石の放つ光を楽しむのみである。
とてつもなく、地味な王道としては、からっきしハズレまくっている。
宝石なんぞは、自慢してナンボ・・・。虚栄心と見栄の最たるものであろうか・・・。

大体、若いうちは、余程の美貌の持ち主だとか、カネを稼ぐ才能があるとか・・・そういうオンナでもない限り、宝石なんぞは、所有することは、難しい。
大体、宝石よりも、若さの方が、輝くから、不要なものだし、若いうちから分不相応のモノをもつのは、不幸のモトだと、かの美輪明宏氏だって言っている。
美貌の持ち主だったら、男性からの貢モノということもあるけれど・・・。

美貌の影すらもなく、普通より、格段に地味で、宝石自体、オヨビでなかった私だけれども、宝飾店(・・・と言っても、おもに、デパートなんかの普通に見てるだけでもOKなような店舗)を見て回るのは、好きだった。
ショウ・ウインドウに、キラキラした光を当てて輝く、小さな小さな石達。
多分、一生買うことなんかできないだろう大粒のダイヤモンド。

手に入らないなら、見ないに限る・・・。

こんな給料じゃ、貯金も出来ないし、宝石どころじゃないや・・・。
勤め始めたハタチの頃、とにかく、早く貯蓄をして、自立したかった。
だから・・・宝石どころではなくて、少額な千円二千円単位のオカネを銀行のATMに投入して、少しでも、残高が増えるとうれしかった。

極端な話、宝石よりも現金の方が、好きだった時代だ。

しかし・・・何が起こるかわからないのが人生である。
換金性の高い金の定額貯蓄を初めて10年・・・。金とプラチナが高騰して、私の資産が倍になるという唯一の幸運が訪れた・・・貯蓄ったって、大した額ではなかったけれど。
それで、私は、役にも立たない宝石を買ってみたりしたのだった。

道楽は、まだ・・・始まったばかり・・・。