鼎子堂(Teishi-Do)

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『東慶寺花だより:井上ひさし・著』

2015-06-06 22:52:20 | Weblog

相変わらず、寝たり、起きたり・・・の病人のような生活をしている。
何処がどう悪い・・・ということもないのだけれど、昔からすぐ疲れるし、よく勤め人になれたものだ・・・と今更ながらにそう思う。
その『勤め人』の縛りから離れても、不安がつきまとって、結局、何をやっても、やらなくても同じことなのだなぁ・・・と激しい雨の音を聴きながら、いつものように、考えても、どうにもならないことを考えている。

・・・そんな訳で、今のところ、出来ることは、読書をすることだけなのだけれど、今日のお題『東慶寺 花だより』は、現在上映中の映画『駆け込み女と駆け出し男』の原作本。

13人の女性と2人の男が、東慶寺・・・縁切寺に駆け込む物語を、優しさ、ユーモア、悲しさを交えながら、鎌倉の四季の花々の15章。

映画は、主に、4人の女性の駆け込みの物語だったけれど、15人分を、4人に振り分けて、物語を再構築しているようだった。
設定の変更も多かったけれど、特に、大泉洋さん演じる信次郎は、年齢が、まだ20歳代前半といったところだろうか・・・(大泉さんは、40歳くらい?だから、駆け出し・・・というには、ちょっとギャップがありすぎか・・・?)。

各短編が、井上ひさしさんらしい素朴なユーモアに溢れていて、テーマは、離縁なのに、ほのぼのとした読後感がある。

いまでも、繁華街の鎌倉駅とは、ちょっと距離がある北鎌倉にある東慶寺で、一昨年の平日に訪れた時には、静かな古都の雰囲気だった。
最も『水月観音』を拝観したときは、お客さんは、相方と2人だけだったけれど、そのあと団体さんが大勢やってきたから、タイムラグがあるのだろう。

女性からは、離縁できなかった江戸期にあって、それでも、女性は強い・・・というのが、筆者の井上氏の感慨だろうか。

鎌倉は、住むのには、まこと良い処だろうなぁ・・・と思う。

文人墨客の住まい、そして、墓所なども多数点在する。

もう一度、訪れみたくなった。