鼎子堂(Teishi-Do)

三毛猫堂 改め 『鼎子堂(ていしどう)』に屋号を変更しました。

はなぐもり・・・四月あれこれ・・・。

2011-04-03 22:56:53 | Weblog
4月の花冷え、花曇・・・。
ちょっと、寂しいような・・・冬の記憶が舞い戻るような・・・そんな一日。


震災が、随分と昔に思えるけれども、まだ1ヶ月も経っていない。
自分自身では、どうにも、こうにも、受け入れることが出来ず、夢の中の出来事のようで、現実を直視することができないでいる。

放射線量は、減るどころか、原発事故前の通常の10倍以上の値で、これはもう防御とかのレベルの問題ではない。
数年後か、数十年後には、たぶん癌関係の病気で無くなるひとは、現在の10倍くらいは、覚悟しておいたほうがいいのではないだろうかとさえ、思ったりする。


4月になって、雇い主が変わっても、仕事は、以前のまま。
でも、会社を移籍するってことで、書類の提出があまりにも多くて、閉口気味。
毎月、締めの時期になると、やっぱ、この仕事続けるのは、無理かもなぁ~~~と思いながら、仕事をしている。あくまで、否定的。
会計ピークと重なり、相当、疲れ果てて、おまけに胃まで痛くなってきた。
いろいろな重圧が勝手にのしかかる。
果たして、6ヶ月先の雇用は、あるのか・・・ないのか・・・。
新しい道が差し示めされんことを祈るだけである・・・それしか出来ずにいる。


裏の雑木林で啼く鶯が、このところ、随分、上手に啼けるようになって、綺麗な声で、ないている。
3月半ばくらいは、
『ホ~~~ケッキョ・・・ケキョ・・・』
とたどたどしい啼き方だったけれど、最近は、本当に上手くなっている。
『ほ~~ほけきょ~~』
・・・春だねぇ・・・。
鶯の一年生か・・・。


隠棲・・・というか、震災後は、会社へ行く以外は、家に静かに暮らしている。
週末には、相当、疲れ果てているので、横になって、本を読んだり、眠ったりしている。


四月アレコレ・・・。
いてもいなくても同じだし、いなくなっても誰も困らない人のたわいもないよしなしごとを綴ってみました。


『格新婦の理~じょろうぐものことわり~:京極夏彦・著』

2011-04-02 22:50:52 | Weblog
うすぐもり。

年度末の会計処理の真っ最中。
毎年、この時期は、桜が散ってしまわないかと・・・気もそぞろ。


背景が桜で始まる美しく、荒涼として、不気味な物語・・・。
京極堂シリーズ 『格新婦の理~じょろうぐものことわり~』。
タイトルのよみがながないと読めませんよね・・・『格新婦の理』。

ミステリーと推理系の小説で、謎解き探偵役の京極堂こと中禅寺秋彦は、冒頭の桜満開の花吹雪の中、犯人と対峙しているシーンから始まります。

犯人が『女性』だということが、ここで、既に明らかにされています。

そして、ラストシーンでは、冒頭と同じ場面が繰り返されます。

多分・・・この物語は、終わりが無いのでしょう。
物語が展開して、それなりの終焉を迎えて、そしてまた同じ物語が延々と繰り返されている・・・そんな感じ・・・

ああ・・・手塚治虫さんの『火の鳥』にそんな物語があったなぁ・・・。
『私』は、『私』に殺される。殺された『私』は、また時間が、殺された『私』のところに戻ってきて、殺した『私』が、殺された『私』と同じ物語を延々と繰り返す・・・。
無間地獄・・・とは、このこと・・・。


千葉の旧家『織作家』に代々続く因習と因縁。
美しい四姉妹と母親・・・女系の『織作家』。
なんら関係のないと思われたふたつの事件が、同心円上に展開されていく。
堂々巡り・・・。円の構造が分らないと、永遠にたどり着かない真実。

閉ざされたミッションスクール、織姫の系図・・・。

お楽しみのサイコ・探偵:榎津礼二郎の活躍は、やや少な目だけれど。

桜の花とともに展開される読めども、読めども、尽きることの無い上質のエンターティメント。