友々素敵

人はなぜ生きるのか。それは生きているから。生きていることは素敵なことなのです。

民主主義の第2段階へ

2007年10月25日 22時34分30秒 | Weblog
 赤福やミートホープの事件は、消費者がお腹をこわすわけではないから、売って売って儲けようというものだ。そこには悪いことをしているという意識がない。血液製剤を投与したためにC型肝炎を発症した人がいるのに、製薬会社も国もだんまりを決めている。防衛省の守屋武昌前事務次官は、事務方の最高責任者の地位にありながら取引先の会社の接待に応じている。守屋氏の場合は、報道で知る限りでは、取引先と一体化してしまっている。遣われた予算はいったいいくらになるのか。赤福やミートホープの比ではあるまい。

 お金が無いと言いながら、国家公務員でも事務次官クラスの人は1億円近い退職金が払われるという。愛知県議会議員は年に1400万円ほど(月97万円)の報酬を受け取る。この議員報酬とは別に月50万円の政務調査費が使える。さらに、登庁すれば1日1万5000円の費用弁償が支給される。国家公務員が物価の安い地域で勤めているのと高い地域で勤めているのが同じではかわいそうだというので、地域手当を設けたら、各自治体も物価に差がないのに、これに倣って地域手当を設けた。本給の8%である。

 公務員の給与が低い時の方が清廉で、高い給与を得ている今の方が横着というのも皮肉なことだ。税金は国民からいやおうなしに取り立てるお金だ。公務員の責任ある立場にある人は、この税金をいかに使うかで頭を働かせている。自分が汗水流して働いて得たお金ではなく、近頃は少なくなってきているとしても、定期的に入ってくるお金である。本来なら、1円たりともおろそかにしてはならないお金だが、稼ぐ苦労がないから、結果としては湯水のように使ってしまう。

 国がこのままの社会保障や医療保障を続けていくとこの先どうなるというシミュレーションを発表していた。私はまるでナチスだなと思った。ナチスがどんな戦略だったのか詳しくは知らないが、少なくとも国民の多くに支持されるために、積極的な広報活動を展開した。マスコミはこぞってナチスの宣伝を買って出た。それは日本も同じだった。政府の政策に異議を唱えなかった。私のような者でも、このシミュレーションは土台がおかしいと感じるのだから、マスコミの人たちはもっとよくその内容を知っているはずだ。

 行政がシミュレーッションする時はいつも、現時点を肯定して始めている。そこがおかしいと私は思う。先にあげた公務員の給与にしても議員の待遇にしても、全てがこのままであるならばとしてしまっている。もちろん歳出削減を同時に行っていくシミュレーションも発表しているが、なにをどのように削減するのか定かではない。そんなに削減が必要なら、自衛隊を廃止すればよい。現在ある飛行機や船や全ての武器を売却すればよい。

 結局このシミュレーションの果たす役割は、いつかは税金を上げなくてはならないと国民に覚悟を促すためだ。本当に政府は必要なのか。自衛隊は必要なのか。いらないものはないのか。削れないのであっても減らせられないのか。検討し始めたならいくらでもその対象はある。そうして本当に必要な仕組みだけが残る。その作業が必要ではないのかと思う。人間は民主主義を作り出す過程で余分なものまで多く作りすぎた。今は本当の民主主義を作り出す第2段階なのだ。
コメント
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