豊田市民ギャラリーでの中学の同級生の写真展に行ってきた。昨年と同じ場所なのに、駅を出ると迷ってしまった。私は地理感が良い方だと思っていたのに、豊田市駅前はどこか変わった感じがしてしまい、ブラブラ歩いてみた。
行き交う人に尋ねても、「知らない」と言う。これはまずいぞと思い、豊田参号館という公共施設らしい建物に入って、「豊田市民ギャラリーへ行来たいのですが」と聞いてみたが、その人も分からなくて、「2階に事務所があるので、そこで聞いてみてください」と言う。
とても親切な人だったので、言われるままに2階に上がったが、事務所らしきところが見当たらない。約束の時間をオバーしていたので、一緒に行こうと誘ってくれた友だちに電話する。私が思っていた場所の反対側だった。
ギャラリーに着くと、友だち2人は既にいた。写真を展示している彼女と4人で作品を見て回る。彼女の作品はギャラリーを入った最初のコーナーに展示されていたから、グループとしても見せたい作品のようだ。展示作品を眺めた後、彼女を喫茶店に連れ出した。
中学時代の話で盛り上がる。意外だったのは、私たちのクラスで1番成績の良かったケイコさんが、彼女に「野球部のイトウ君が好きなので、間を取り持ってくれない」と、頼んだという話だった。好きとか恋とか、そんなこととは無縁な女性だと思っていたからだ。
高校も一緒だったが、ケイコさんは常にトップクラスだった。大学は津田塾に入学した。私は彼女が帰郷した時に1度だけ、星空を見ながら話したことがある。今日、一緒に行った友だちが、「オレは彼女よりもテストの順位が上になったことがある」と言った。
いつもふざけてばかりいる男だったのに、成績の実力はかなりのものだったのだと思い知らされた。写真に生き甲斐と仲間の良さを感じている彼女はクラス会の役員なので、「今年はどこかで開いて欲しい」とお願いする。岡崎に住む友だちは、「新聞部の仲間の集まりを呼び掛ける」と言ってくれる。
懐かしさばかりが積もるのは、老いたる証拠だろう。「元気なうちにまた会いましょう」と言って別れた。