今朝、マンションの総会に出席した。マンションの世帯数は約600世帯、「出席者は183人で委任状が250,過半数以上なので総会は成立しました」と、司会者が宣言する。それでもいつもより、出席者が多い気がした。
見渡すと、白い髪の人や頭の禿上がった人が多い。マンションに自治会が出来てから、50年以上経ている。家を建てて移住していった人もいるが、多くの人が40年50年と住み続けている。
私もマンションに移って、50年近くになる。役員もやらせてもらったが、自治会成立に尽力した先輩諸氏から、理想論をよく聞かされた。先輩たちは60年安保の体験者たちで、マンションをコミューンのモデルにしたかった。
輪番で役員を選出し、誰もが役員を経験することで、自治の大切さを理解し維持していこうと考えていた。長い年月の間には、輪番制が崩れた期間もあったが、何とか維持している。コミュニケーションを図ることが、こうした集合住宅では欠かせない。
それでも高齢化は、確実に進んでいる。総会を眺めていて、そう実感した。けれど、そんなことを嘆いていても仕方ない。地域によっては、自治会に入らない世帯が多く、行事が出来ないと嘆いているし、子ども会が存在しないとも聞く。
隣近所との付き合いが無い地域もある。なのに私の住むマンションでは、孫が生まれたので迷惑をかけるからと、菓子を配る家もある。時にはご近所で、もらい物のおすそ分けという時もある。
けれど、古い人が亡くなり、新しい人が入居して、全く挨拶も無くなる時もある。でも何時か、笑顔で挨拶し合う日が来るだろう。先輩たちが目指したコミューンに、近づくのか、遠くなるのか、そんなことをボンヤリ考える総会だった。