先輩が運転免許証を返納したと、カミさんから聞いた。この頃滅多に会わなかったが、昨日は会うことが出来たので確かめてみた。「車も無くした」と言うので、「じゃあー、井戸掘りも解散ですか?」と訊いてみた。
「そういうことになるな」と惜しむように言う。先輩は井戸掘り仲間で作るNPOの代表理事でもある。NPOはそう簡単には解散できないと聞いているが、先輩は知っているのだろうか。
パソコンで「NPOの解散」を調べてみた。社員総会で解散を決議し、県庁の機関に解散届を提出しなくてはならない。また解散したことを官報公告に掲載してもらう費用も掛かる。30万円ほど残っている資金を、どう処分するかという問題もある。
それに、井戸掘りの為に買い揃えてきた機械や器具などを、どう処分するかの問題も残っている。1度、みんなで相談しなければならないが、余りそんな問題意識は無いようだ。みんなでやってきたことなので、みんなで相談するのが手順なのに。
先輩ももうすぐ85歳を迎える。腰を痛めたと言うが、歩き方はヨボヨボしていて、とても井戸掘りを続けられるような状態ではない。豪快に酒を飲み、大ぼらを吹いていた面影はもう見当たらない。
人はいつまでも若くはいられない。必ず歳を重ね、身体も衰えていく。私も79歳となり、「いつお迎えが来てもいい」と覚悟しているが、惨めな死に方だけはしたくないなどと、やっぱり世俗の欲から逃れられない。
瀬戸内寂聴さんをモデルとした『J』は、全体の半分近くまで読み終えた。あまりにも赤裸々な生き方に圧倒されている。男とか女とか、性で生き方が違うように思っていたが、そんなことは無いと言い渡されているようだ。
どんな風にこの小説は終わるのか、気になって仕方ない。明日はマンションの「防災訓練の日」、読書の時間は削られるが、友だちからの呼びかけもあり参加するつもりでいる。
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