清々し気候になって来たが、閉じ籠り生活の私たち夫婦には、何も大して変わらない。朝食を食べ、食器を食洗器に入れ、洗濯物を干し、そのうちカミさんは「ちょっと横になる」と言って眠ってしまう。
私はパソコンの前に腰掛けるが、やっぱり眠くなり、フトンを被って寝てしまう。12時半になってもカミさんは寝ていたので、冷蔵庫を開けて、何にしようかと考える。果物なら食べられそうな気がしたので、リンゴとバナナとキューウイを剥いて並べる。
レタスとハムも添えた。それからフレンチトーストにしようと、食パン2枚を4つに切り、卵2個を割った平らなボールに漬ける。牛乳とコーヒーも用意したが、カミさんは「水がない」と言うので、水とお茶を用意する。
午後3時から、兵庫県の斎藤知事の記者会見があるというので、カミさんはテレビに釘付けだ。私は結論さえ分かればよかったので、トイレに入った。玄関のベルが鳴ったが急いで出る訳にもいかず、カミさんに「誰がきたの?」と訊くと、「あなたが出たんじゃーないの」と詰問される。
モニターを見ると、新聞の集金の人だ。今度はいつでも渡せるようにと、封筒に4千円入れて玄関の靴箱の上に置く。2度も来させて申し訳ない。コロナに感染してしまったから、話は出来無いがドアの隙間から封筒くらいは渡せる。
斎藤知事の会見は相変わらずだった。自分は兵庫県のためにいろいろと改革をして来た。その中で,職員との軋轢が生まれ、告発文にまで至ったと分析し、道半ばで放り出す訳にはいかいかないと強調、「負けないで、屈しないで、未来のために」と高校生から手紙を受け取ったことを話した。
自分に間違いが無い以上、失職の道を選び、再度知事選挙に出馬して県民の判断を受けるというものだ。強い信念を持つのはいいが、亡くなった職員やご家族に対する思いやりにはやっぱり欠けている。
カミさんは私の食欲の無いのを非難するが、私にはどうしようも無い。
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