ドジャーズの優勝を報じるテレビを見ていて、ウンザリするシーンがある。シャンパンをかけ合う場面が何度も映し出される。世界には飢えて亡くなる人もいるのに、余りにもはしゃぎ過ぎだ。子どもたちも見ているのだから、少なくとも報道するのは控えて欲しい。
大谷翔平選手の存在は大きく、子どもたちに夢を与えてくれた。左肩を痛めながらも打席に立ち続け、勝利に貢献したことは凄い。その時のインタビューで、「選手の誰もが、それぞれどこかを痛めていますから」と、自分だけが頑張っている訳では無いと言っていた。
MVPに輝いたフリーマン選手は肋骨にヒビが入っていたようで、父親から「出場を控えた方がいい」とまで言われていたことが明らかになった。大谷選手はフリーマン選手の状態を知っていたのかと、その時思った。プロとはいえ、みんな根性の塊だと感心した。
根性といえば、兵庫県の前知事の斎藤元彦さんもそうだ。あんなにニュースで取り上げられたのに、自分の非は認めず、知事選挙に打って出て、県民の支持を得てやり直そうとするのだから大したものだ。初めは批判の声が大きかったのに、斎藤さんを応援する声も上がって来た。
選挙の出陣式には300人が詰めかけたとある。事務所は斎藤さんがひとり居るだけという前日の報道がウソのようだ。『週刊現代』によると、斎藤さんは20年も続いた井戸県政が作り上げたものを改革したい、その思いが強かったようで、ここで負ける訳にはいかないと奮闘している。
己の不甲斐無さを意識しているのか、あるいはやり切れなかったことへの執着なのか、それは分からないが、「もう一度」という強い気持ちがある。かなりの票は得るだろうが、当選まではいかない気がするし、その方が斎藤さんのためでもあると思う。思いやりのある人でなければ、上に立つにはふさわしくないから。
「思いやりばかりで何が出来る」と、非難されそうだが‥。捨ててやる植木鉢に花が咲いていた(写真)。零れ落ちた種から育った、根性のある花だが、名前を忘れてしまった。