「北名古屋市は名古屋市と合併するの?」。市長はそのつもりで市民4千人に合併の是非を問うアンケートを実施した。新聞報道によれば回収率は54.3%で、「賛成」が31%、「どちらかというと賛成」が25%だったので、賛成が56%と過半数を超えたので、市長は「市民の関心は高い」と満足そうだった。ちなみに「反対」と「どちらかいいと反対」は計23.3%だった。
私は、自治体は10万人くらいまでがベストだと思っている。大きくなればサービスがよくなると思う人は多いし、市長も「このままでは大規模な災害が起きた場合に対処出来ない」と合併の理由を説明している。北名古屋市は平成の大合併で生まれたが、その成果と残った問題は何だったのかも検討することもなく、名古屋市との合併が唐突に提案されたのは不思議だ。名古屋市との合併で「市バスが来る」とか「高齢者パスがもらえる」とか言う人もいるが、実際に何がどう変わるのか明らかではない。
私はどのようなアンケートだったのか知らないが、「将来に不安はありますか?」と問われれば、多くの人が「あります」と答えるだろう。「合併に賛成ですか」と問われれば、やはり何かいいことがあるような気がして「賛成」と答えるだろう。賛成という結果を意識したアンケートは必ず賛成に導くような設問になっているし、反対を求める場合でもそうなるように設問する。
自治体規模を大きくしてしまうのは、行政の事業が膨らみ過ぎだからだと思う。本当に自治体がやらなければならない事業は何か、もっと検討すべきだろうが、スリムにすることは職員を減らすことなので手を出せないのだ。何でも自治体が背負わなくても広域で共同という政策もある。ただ、今度の合併問題は「曝け出したくない不祥事の隠蔽ではないか」と言う人もいるからキナ臭いものでもあるのだろうか。
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