市の生涯学習講座『現役京大生作家が語る―小説・自由・夢―』を聴きに行って来た。青羽悠さんが地域新聞の編集長とのやり取りで話す形式だったのは良かった。22歳の大学生がひとりで講演するとなると、今日のような豊かな講座にはならなかっただろう。
編集長が私のところで「働かせて」と言ってきたのは、彼女がまだ20代だった。とっても面白い女性で、価値観や美意識が私と似ていた。今や編集長の傍らで大学でも教えている才女だ。教師は彼女がなりたかった職業でもあるが、実に適している。
講演は70過ぎの老人には不向きだったかも知れない。しかし、会場には高齢者が結構多かったから、きっと受け止めるものもあったに違いない。未来への期待と不安が青羽さんを小説の道に駆り立てたようだが、70過ぎの老人には過去はあっても未来は無い。
青羽さんがどのような子どもで、どんな風に育って今に至ったかはよく分かった。子育て途中のお父さんやお母さんに聞かせたかった。子どもを叱らない、期待し過ぎせずに、けれど環境は整え、応援できる、それが「天才」を育てる秘訣のようだ。
「自分の子は自分程度でいい」と考えるような私はダメ親である。中高生の時が「何かを知りたいと一番渇いてた」と青羽さんは振り返る。私も過去を思い出すと、そんな気がするが、「何かになりたい、自分は何なのか」、そんな風に考えたことは無かった。
青春を思い起こすには良い機会だった。青羽さんがこれからどんな風に生きていくのか楽しみだ。ひょっとすると、彼は小説家の道を歩まないかも知れない。そんな気がしたが、どの道を進むにしてもキチンと積み重ねていく人だろう。
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